■戦旗1688号(2026年3月5日)
高市―自民党の独裁政治を打ち破れ
3月反原発闘争に立ち上がろう
3・29芝山現地闘争に結集しよう
二月八日の衆議院総選挙では、高市政権を支える自民党が三一六議席を獲得し、単独で衆議院の三分の二を占めることとなった。この異例の自民党の圧勝は、このかん軍拡、改憲、「台湾有事」への参戦の意志を示してきた高市政権が、参議院では与党が過半数割れであるにもかかわらず、衆議院での再可決で次々に法案を強行可決して反動的施策を推進できることを意味する。
この状況のなかで、われわれはどのように闘うべきか?
第一章 対置すべき階級的・革命的な批判
先の衆院選の結果として、自民党政権の腐敗を象徴する統一協会との癒着も裏金問題もきちんと追及されないまま、高市政権は大きな権力を手にすることになった。これに対して、立憲民主党が戦争法案と原発再稼動を容認することで公明党と野合し、選挙直前に発足させた中道改革連合は、四九議席しか獲得できなかった。この事態は極右による大衆煽動に対して、体制内の「中道」路線が無力であることの証左である。
高市政権は「台湾有事」への日本の参戦を事実上明言し、東アジアの緊張を煽り立て、日本国内の排外主義を煽動してきた。台湾を植民地支配し、中国大陸を侵略した日本帝国主義が台湾問題に介入するということは、日本が再び台湾を自国の勢力圏に置こうとする野望の現れであり、同時に中国との争闘を展開する米帝に与する主体的意志の表明でもある。高市は「強く豊かな日本」などと言うが、その内実は大軍拡と独占資本・富裕層が潤う社会の推進である。高市が目指す施策を見ていくと、その中身は戦争準備に他ならない。
高市は岸田政権時代に閣議決定された安保三文書の改定に取り組もうとしているが、その内容は非核三原則の見直しであり、武器輸出の無制限の推進であり、原子力潜水艦の保有であり「反撃能力」(敵基地攻撃能力)と称する侵略のための軍備の配備であり、軍事費の大幅な増額である。高市はまた、スパイ防止法の制定にも意欲を見せているが、これは日本国内に住む外国人に対する監視・抑圧の強化、排外主義の煽動、国家・資本に対する批判的な活動の取り締まりを目指したものである。米帝トランプは投票日直前に高市への支持を表明したが、それは対中国戦争に備えた軍拡を推進し、米帝によるベネズエラ侵略を黙認する高市政権が、米帝の世界戦略とその利害において合致していることを示すものだ。高市はさらに、長年にわたり自民党が画策してきた憲法9条の改悪をも、自民党以外の反動的政党の支持を得る形で強行することを目論んでいる。
加えて高市は、積極財政により景気を浮揚させ、経済に活力を与えるなどと言っているが、これはすでに破産したアベノミクスの二番煎じに他ならず、円安に伴いインフレが続くなかでの国債の大量発行はさらなる物価上昇を招来するだけである。賃金が長年にわたり停滞・下落傾向にある今日、特に非正規雇用の労働者の生活は多大な打撃を受ける。生活保護受給者や年金生活者も同様だ。利益を得るのは政府の支出により生まれる新たな利権のおこぼれにあずかれる連中だけだ。高額医療費の負担限度額引き上げの方針に見られるように、高市政権は社会的に困窮した人々のために政府の予算を回すつもりはない。結局、高市のやろうとしていることは戦争準備と民衆の生活の破綻に他ならず、その背景には軍需産業の活性化とさらなる収奪・搾取の強化を待望する独占資本の利害が絡んでいる。
われわれは高市政権の特質を高市の個性に還元して評価するのではなく、日本帝国主義の利害を代弁する者として階級的に把握しなければならない。要は戦争を通して人間の生き血を吸い、労働者人民を限りなく収奪・搾取する他には延命できない日本帝国主義の生き残り戦略の遂行者として高市が登場しているということである。
また、今回の衆院選の結果に見られる左翼・リベラルの退潮について、メディア等では既存の左派が「現実的」な路線・方針を採用してこなかったがゆえに、要は左派が右派に妥協してこなかったからだと総括するような俗論が見られる。しかし、支配階級は労働者・民衆の闘いに押されることなしには妥協しない。社会の分裂が深まるなかで、階級的観点をいっそう鮮明にし、労働者・民衆の利害に立脚した勝ち取るべき社会のビジョンを提示し、社会の根本的な変革を訴えていくことこそが必要なのだ。
同様に、極右反動政権である高市政権がやろうとしていることは「戦後民主主義」の反動的解体でもあるが、われわれは、だからこそ「戦後民主主義」に回帰しようというリベラルの言説をもきっぱりと拒否しなければならない。侵略戦争・植民地支配・戦争犯罪の加害の歴史をきちんと総括することもなく、天皇制の温存に見られるように敗戦以前の支配階級が残存し、日米軍事同盟の下で米帝の戦争に加担し続け、帝国主義国家としての権益の拡大を進めてきた戦後の日本のあり方がそもそも打倒されるべきものであり、支配階級が「戦後民主主義」を反動的に解体しようとする今、われわれがこれに対置して叩きつけるべきは国際連帯を基軸とした日本帝国主義打倒の革命なのである。
第二章 高市政治との全面的な闘争を
われわれは現下の状況下でいかに高市政権と闘い、これを打倒していくべきか? そのためには高市の進める政策が戦争と民衆の生活の破綻をおし進めるものであることを暴露・弾劾し、それと対決する闘いをおし進めていかなくてはならない。
<加速する戦争準備との闘いを>
まず、「台湾有事」を想定して自衛隊の参戦準備を進めるという高市政権の戦争政治と断固として闘っていかなくてはならない。
高市は二月二〇日の衆参両院での施政方針演説で、「主体的に防衛力の抜本的強化を進める」として、戦争準備と改憲策動をいっそう加速させていくことを表明した。琉球弧での自衛隊基地の強化や熊本の陸自健軍基地への今年度内の長射程ミサイル配備をはじめ、戦争体制づくりを全国各地でいっそうおし進めていこうとしている。高市政権はさらに、国家情報局の設置とスパイ防止法の制定を通して、治安維持法下での社会運動弾圧の再現を目論んでいる。これらと正面から対決し、反戦・反基地闘争を全国各地で前進させよう。
世界規模での侵略戦争のための装置である日米軍事同盟の粉砕と、日本帝国主義の暴力装置であり、パレスチナ民衆を虐殺するイスラエル軍とも協力関係にある自衛隊の解体に向けて、アジア・全世界の人民の闘いと連帯して闘おう。日本帝国主義の打倒を基軸に据え、国際連帯に基づいた革命的祖国敗北主義の路線こそ、日本帝国主義足下の人民が取るべき路線である。この確認した上に各地での反戦運動を展開していこう。
<反原発闘争のさらなる前進へ>
東京電力は一月二一日に新潟県の柏崎刈羽原発6号機の再稼動を強行したが、直後に制御棒のトラブルが発生して同月二三日に運転は停止した。柏崎刈羽原発6号機ではそれ以前にも連続してトラブルが発生していた。にもかかわらず、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「あくまでも初期トラブルの一つだ」と問題を軽視し、東京電力は二月九日にあらためて再稼動を強行した。われわれはこの暴挙を徹底的に弾劾する。
今年一月には静岡県の中部電力浜岡原発で、耐震設計データの捏造が発覚した。中部電力による犯罪行為である。この件は、昨年二月に原子力規制委員会に外部通報がなされていた。規制委はそれまで審査データの捏造を見抜けず、その後も中部電力が公表するまで問題を隠蔽してきた。
柏崎刈羽原発や浜岡原発をめぐる事態は、安全を無視して原発再稼働を推進する政府・電力資本の姿勢、再稼働推進機関としての原子力規制委員会の在り方をあらためて示している。高市の施政方針演説では「原子炉の再稼働加速」、および、原発の建て替えと次世代革新炉の開発・設置の具体化が明示されている。福島第一原発事故から一五年を迎える今、事故の教訓を無視した原発推進政策を許さず、反原発闘争の新たな前進を勝ち取ろう。
原発の再稼動と建設推進は日本帝国主義の核武装のための潜在能力の確保のためであり、戦争に備えた独自エネルギーの確保への衝動であり、原発利権に群がる独占資本の利益のためである。原発再稼動に断固反対し、全原発の廃炉に向けて闘おう。三月、全国で反原発闘争に立ち上がろう。
<強まる差別排外主義と対決しよう>
戦争政治は排外主義煽動や労働者人民の闘いに対する監視・弾圧と不可分だ。高市政権が推進する排外主義的な外国人政策を許さず、入管体制の解体に向けて闘おう。また、移民排斥を主張する参政党などの極右排外主義政党や、民間の差別排外主義集団による移民への襲撃を許さず闘おう。
同時に、排外主義煽動と共に流布される歴史の改ざん、日本帝国主義の戦争犯罪を否定する言説とも対決しよう。過去の加害の居直りと美化は、現在も日本帝国主義のイデオロギー中枢に位置する天皇制と密接不可分であると同時に、現在の日本帝国主義の戦争政治とも結びついている。差別の根源であり、優生思想を不断に再生産する天皇制を打倒しよう。
差別排外主義の高まりと共に反動的な道徳やジェンダー規範の押し付けによる人間の身体の管理、社会の「洗浄」も強化されようとしている。セックスワーカーに対する職業差別の強化に他ならない買春処罰法の検討を法務省がすでに始めている。売春防止法の下できちんとした職業として認められないがゆえにセックスワークの労働現場で生じる問題の改善が進まないのが実情だが、昨今の動きはこの状況をさらに悪化させるものだ。断固として打ち砕こう。
抑圧的なジェンダー規範を再生産する言説や施策に抗議し、トランスジェンダーを含むセクシャルマイノリティ解放のために闘おう。
<3・29芝山現地闘争への結集を>
高市政権と対決する闘いの一環として、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける3・29芝山現地闘争に結集しよう。
日帝―国家権力と対峙し、農地死守・実力闘争の原則の下で闘い抜かれてきた三里塚闘争は、今年六〇年目を迎えた。反対同盟は今、新たな農地強奪を許さず、地域住民との結びつきを広げながら、成田空港の拡張―第3滑走路建設に対する闘いを続けている。
空港拡張をめぐって成田空港会社は、いまだ一割以上の拡張予定地が未買収であるにもかかわらず工事を強行してきた。空港機能強化は、騒音被害を圧倒的に拡大し、農業と環境を破壊して廃村化攻撃をおし進めるものだ。また、戦時には成田空港は軍事拠点の一つとなる。
市東さんの農地を強奪し、空港を拡張し、戦争準備を進めようとする支配階級の思惑を打ち砕こう。「反戦の砦」=三里塚闘争を守り抜き、3・29芝山現地闘争に結集しよう。