■戦旗1688号(2026年3月5日)
1・20 千葉
成田空港拡張差し止め裁判
原告が航空機騒音を糾弾する意見陳述
成田空港拡張差し止め裁判の口頭弁論が一月二〇日、千葉地裁民事第三部で開かれた。原告・反対同盟が、被告の国と成田空港会社に対して、B滑走路の延長と第3滑走路建設をはじめとした空港拡張工事の差し止めを求めて争ってきた裁判である
岡山忠広裁判長は、原告・被告双方の準備書面について確認した上で、裁判所としての意見を述べた。裁判長は、被告・国の準備書面に関して論議が不明瞭であることを批判した。準備書面では、環境アセスメントに関して長々と説明しているが、そもそも、原告適格をめぐる論議のはずでありながら、具体的な論議がなされておらず、よく判らない準備書面だと批判した。
空港拡張差し止め裁判では、新たに三〇名の住民(成田市、芝山町、横芝光町、茨城県稲敷市)が原告となった訴訟が併合されている、新たな原告の一人である稲敷市の住民が今回、法廷で意見陳述を行なった。
この方は、現在の成田空港の滑走路の延長線上に居住しており、そこは航空機が着陸時、離陸時に旋回する位置となっている。夜一一時ころに就寝しようとしても、その後に航空機騒音があり、睡眠を妨げられる。結果として夜中の二時ころまで寝つけない。日常的な不眠で健康を害されてきたことを訴えた。
友人は、空港から四〇〇万円、自費で一五〇万円をかけて防音工事をしたが、その工事は壁の防音だけで、天井の防音がなされてなかった。天井からの轟音が以前よりひどくなり、工事をした部屋で寝ることはできなくなった。そのストレスもあり、工事の翌年に心筋梗塞で亡くなってしまった。
第3滑走路、B滑走路再延伸を軸にした成田空港機能強化の計画が認可されているが、これについて、次のように批判し、自らの権利を主張した。
「機能強化を了承した行政は交付金を貰うためであり、住民が理解したわけではありません」。「私たち住民に、生きていく権利はあるはずです」。「裁判官においては、私たち住民の声に耳を傾けて、二〇二〇年の成田空港の施設変更の許可が誤りであることを宣言して下さることを希望します」。
航空機騒音下の住民として生活し抗議してきた実体験に基づく具体的で堂々としたな意見陳述に、傍聴席からは拍手が起こった。
弁護団が、原告の意見陳述を補足し、国と空港会社のずさんな論理を厳しく批判する意見をさらに述べた。
弁論終了後、伊藤信晴さんの司会で裁判報告会が行なわれた。意見陳述を行った方をはじめ、新たな原告の方々も報告会に参加した。意見陳述の内容が再確認されるとともに、国、空港会社のずさんな論議に対する批判がなされた。耕作権裁判控訴審とともに裁判闘争を闘い抜いていくことが確認され、3・29芝山現地闘争への結集が呼びかけられた。
次回の弁論は五月一二日一〇時三〇分から開かれる。