■『戦旗』1689号(2026年4月5日号)

沖縄反革命的統合五四年弾劾! 高市政権打倒!/沖縄―「本土」を貫き五月沖縄解放闘争を闘おう


米帝トランプ政権とイスラエル・ネタニヤフ政権は二月二八日、イラン政府首脳の斬首作戦を強行した。最高指導者ハメネイなど政府要人を殺害すれば、イランの体制変革を実現できるかのような浅薄な戦略で開始したイラン侵略戦争は、米軍基地、エネルギー施設への反撃を引き起こし、中東全域に戦乱を拡大する事態になっている。

戦争が始まれば、軍事基地こそが標的になる。軍事基地周辺は、民間人も子どもも区別なく殺戮されている。軍事基地こそが人民を危険にさらすという現実が突きつけられている。沖縄戦を歴史的に経験した沖縄人民が主張してきた真実が、トランプの邪悪な戦争の中で改めて明らかになっている。

トランプ、ネタニヤフの政権延命のための邪悪な殺戮を即刻やめさせなければならない。

高市政権が「台湾有事」は「存立危機事態」だと煽って拍車をかける大軍拡=軍事基地建設こそ、琉球弧をはじめとする住民の生命を危険にさらすものだ。

ロシア・ウクライナ戦争、ガザ虐殺戦争、ベネズエラ軍事侵攻、米軍・イスラエル軍によるイラン侵略戦争。この戦争の時代に突入した現情勢の中にあって、日帝―高市政権の戦争荷担を許さず、辺野古新基地建設阻止、自衛隊基地の新増設―琉球弧の軍事要塞化を阻止するために、沖縄解放闘争、反戦・反基地・反安保闘争を全力で進めよう。


第1章 辺野古新基地建設阻止

(1) 大浦湾埋め立て、砂杭工事許すな

辺野古を埋め立てて米海兵隊基地を建設するという無謀な工事は、大浦湾海底に軟弱地盤が存在する事実に明らかになって建設不可能が明確になりながらも、強行されている。防衛省は玉城デニー知事の不承認を押し切って、国の「代執行」で新基地建設工事の設計変更を強行した。砂杭を締め固めて海底に打ち込む工法だが、この工事の実績は水深七〇メートルであり、大浦湾の建設予定地は水深九〇メートルもある。技術的に不可能な工事を強行し続けているのだ。

昨年一月から強行されてきた軟弱地盤「改良」工事だが、本年一月まで一三カ月かけて打ち込まれた砂杭は四七〇〇本。平均すると一カ月あたり三六一本。しかし、海上の状況によっては打ち込みがまったくできない季節もある。七月から九月までは打ち込みがゼロだった。計画は、七万一〇〇〇本の砂杭を四年間で打ち込むというものだ。しかし、この一三カ月の実績では、砂杭打ち込みだけで一六年以上かかる。不可能な工事であることが、工事強行の中で鮮明になっている。

この軟弱基盤「改良」工事が進捗しない状況の中で、沖縄防衛局は昨年一一月二八日、大浦湾側に土砂投入を始めた。土砂投入を強行することで、あたかも「進捗」しているかのように見せかけているのだ。

(2) 普天間返還を認めない米軍

二月の衆院選挙後、辺野古新基地が現在の計画どおりに建設されたとしても、米国防総省は「普天間の施設は返還されない」という見解を示していることが明らかになった。

辺野古新基地は、計画では約一八〇〇メートルの滑走路二本となっている。現在の米軍普天間飛行場の滑走路は約二七〇〇メートルであり、辺野古新基地の計画通りでは普天間の代替にはならないという理由だ。二〇一七年の段階で米議会に付属する監査院が「特定の航空機には短すぎる」と国防総省に勧告。国防総省は普天間の代替になる滑走路の選定は「日本政府の責任」だとしており、普天間と同程度の滑走路の使用が調整できなければ「普天間の施設は返還されない」という主張だ。

日米間の防衛当局者が一七年からこの論議をしてきたにもかかわらず、今まで米側の主張が隠されてきたこと自体が問題だ。沖縄人民をはじめとする辺野古新基地建設反対に対して、政府は「辺野古が唯一」を繰り返してきた。辺野古新基地建設を強行しても、普天間基地の危険は除去できない、ということが真相であるのに、この協議内容を隠してきたのだ。

この「普天間返還せず」の報道の直後の二月二〇日の施政方針演説において、高市自身が「普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます」と表明している。辺野古新基地が建設されたとしても「普天間の施設は返還されない」、あるいは「普天間と代替施設の両方を日米で共同使用すべき」と米軍が主張している中で、高市の辺野古新基地建設方針は、嘘で塗り固めた発言を平然とおこなうものだ。辺野古―大浦湾を破壊する工事の強行を絶対に許してはならない。


第2章 沖縄―琉球弧の「要塞化」「戦場化」を許すな

(1) 進む自衛隊基地、弾薬庫の新増設

日帝―高市極右反動政権は先の衆議院総選挙で三一六議席を獲得し、強権的国会運営で独裁政治への道を突き進んでいる。高市は施政方針演説において、「日米同盟は、日本の外交・安全保障の基軸」とし、「トランプ大統領との信頼関係を一層強固なものと」すると主張している。安保三文書の前倒し改定、防衛装備移転三原則の5類型の見直し(=武器輸出の制限撤廃)を明言。この大軍拡―戦争準備と同時に、改憲の国会発議を早期に実現と主張している。

高市は昨年一一月の臨時国会で、「台湾有事」は「存立危機事態」と答弁した。中国の内政問題に対して、日本が集団的自衛権を行使しうる事態として参戦する意思を明言したのだ。中国が批判し発言撤回を求めたのは当然だ。しかし、高市は自らの非を認めることなく、今もって発言を撤回していない。

岸田政権の下で策定された安保三文書に基づいて、敵基地攻撃能力の保有が方針化され、具体的には中国や朝鮮民主主義人民共和国に到達する長射程ミサイルの配備と全国でのミサイル弾薬庫の新増設が進められてきた。高市政権はさらに、安保三文書の前倒し改定を強く主張している。これまでの戦争準備に拍車をかけるものである。

防衛省は三月九日、熊本市の陸自健軍駐屯地に射程一〇〇〇キロ以上に改良された長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾」の発射システムの配備を、住民の反対の中で強行した。三月三一日にはミサイルをも搬入し、さらに静岡の陸自富士駐屯地に高速滑空弾薬を配備しようとしている。

(2) 戦争準備を進める防衛省―自衛隊

琉球弧には、与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島に陸自、空自の部隊が配置されている。第七地対艦ミサイル連隊の本部がうるま市の勝連駐屯地におかれ、奄美大島、宮古島、石垣島に地対艦ミサイル中隊が配置されている。

防衛省は「島嶼防衛」と呼んではいるが、戦争として想定しているのは、米帝が中国に対して「第一列島線」(九州―琉球弧―台湾―フィリピン―ボルネオ島)で封じ込めるという戦略の中で想定されているものだ。琉球弧の島々の住民を救うことを目的として組み立てられた戦術ではない。

それは、政府が宮古島以西の島々を対象にした「避難計画」において明らかになっている。国民保護法に基づく、住民の「島外避難」計画だ。島々での生活の根拠すべてを放棄させるものになる。一方で、沖縄島に関しては「屋内避難」というものだ。

政府は、宮古島市、多良間村、石垣市、竹富町、与那国町に限定した「有事」=戦争を想定して、この「避難計画」を策定しているが、戦争は決して想定したとおりにはならない。戦争が始まれば、まず軍事基地が攻撃の対象となる。軍事基地への攻撃が、基地周辺への誤爆として拡大する。防衛省が想定する限定戦争に対して、沖縄島、奄美諸島、九州、本州の各地から長射程ミサイルで「反撃」すれば、今度はそのミサイル基地が攻撃の対象となる。戦域は次々に拡大する。「避難」としているが、むしろ住民を排除した上で、自衛隊と米軍が軍事拠点として使用することを計画したものとしか捉えられない計画だ。

熊本と静岡を先頭に始まった長射程ミサイルの配備について、沖縄の玉城デニー知事は反対の意を表明し、沖縄の「県」と基地所在二七市町村で構成される「軍用地転換・基地問題協議会」も反対意見を政府に申し入れている。

琉球弧の自衛隊増強、ミサイル配備は決して島々の住民を守るものにはならない。高市政権の軍事戦略としての琉球弧の「要塞化」であり、その結果としての琉球弧の「戦場化」だ。

(3) 戦争に向けたイデオロギー再編

琉球弧の「要塞化」―「戦場化」の攻撃が進む中で、自衛隊による市民恫喝事件が引き起こされている。

昨年八月六日、陸自宮古島駐屯地の隊長が市民を威圧し恫喝する事件を引き起こした。「訓練は基地内で行なう」という住民との約束を反故にして、公道と公共施設でなされていた行軍訓練中に起こった。許可の要らない公共施設で話しかけた住民に対して、この隊長は「許可を取れ! 取ってからやれ」と怒鳴りつけた。隊長は謝罪せぬまま異動してしまった。

この事件に対して宮古島自衛隊恫喝訴訟が開始されている。宮古島ではこのかん、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」などによって、自衛隊部隊によるミサイル・弾薬の搬入や日米合同軍事演習に対する体を張った闘いが続けられてきた。陸自隊長の恫喝発言や中谷防衛大臣(当時)の「過度な抗議、妨害活動」という発言(昨年九月)は、果敢な闘いを繰り広げる宮古島住民を狙い撃ちにしたものだ。

自衛隊が基地の外で軍事訓練を行い、市民を恫喝して謝罪せず、さらに政府がそれを擁護する、そのような事態を許してはならない。呼びかけられている訴訟支援に積極的に応えていこう。

この事件は偶発的なものではない。沖縄戦を指揮した牛島中将の「辞世の句」を陸自第15旅団(那覇市)がウェブサイトに載せて美化するなど、防衛省―自衛隊が敵基地攻撃能力を確保し増強するのと一体で、侵略戦争に向けたイデオロギー再編を進めるなかで起こったものだ。高市極右反動政権による安保三文書の前倒し改定策動など、先制攻撃を辞さない戦争準備がますます進む中で、侵略の軍隊としての自衛隊の再編・強化を許さず闘っていかなくてはならない。

高市が「台湾有事」は「存立危機事態」なる戦争を挑発する煽動を続ける状況に抗して、本年一月、「中国・沖縄交流会――国境を越えた不戦共同体の構築」が、沖縄島、宮古島で開催された。中国大陸に事務局を置く「グローバルサウス学術フォーラム」をはじめ、台湾、ブラジル、インドからの代表団が琉球弧を訪問し、「ノーモア沖縄戦の会」や「ミサイルいらない宮古島住民連絡会」とともに開催した。嘉手納基地、普天間基地、チビチリガマ、辺野古、宮古島を訪問し交流した。高市政権が想定する戦争の当事国の民衆が国境を越えて、その戦争準備の拠点=軍事基地の島で交流する。支配階級の企図を大きく超えて、人民同士が不戦を誓う。このような実践こそが、プロレタリア国際主義を具体化していくのである。


第3章 5月沖縄解放闘争へ

米帝トランプは、イスラエル・ネタニヤフとともにイラン攻撃を強行したものの、米軍の圧倒的軍事力による爆撃だけで米帝が勝利できる状況ではない。ホルムズ海峡封鎖で原油価格が高騰する中で、日帝、欧州各国帝、さらには中国にまで、援軍を要請する始末となっている。

こうしたなかで三月一三日、佐世保基地に配備されている米海軍強襲揚陸艦トリポリと、沖縄島のキャンプ・ハンセンに駐留する第31海兵遠征部隊を中東に派兵することが報じられた。それは、米軍によるイラン地上侵攻に備えたものだ。この部隊はイラク戦争時にファルージャ大虐殺(二〇〇四年)を引き起こした主要部隊でもある。日本帝国主義が沖縄に米軍基地を押しつけているがゆえに、沖縄はまたしても米帝の侵略戦争のための出撃拠点とされた。闘う沖縄人民と連帯し、このような事態への抗議を拡大していかなくてはならない。

日米軍事同盟の根幹には沖縄の米軍基地がある。高市政権は、この軍事同盟を維持・強化するために辺野古新基地建設が必須だと決めつけている。辺野古新基地建設を「唯一」だと主張し続けている。海を破壊し、沖縄人民が平和に生きる権利を奪う基地建設は、日帝、米帝の戦争の拠点建設である。日帝―高市政権は、敵基地攻撃―先制攻撃を想定して、自衛隊基地を増強し、実動訓練を強化している。米軍と自衛隊という戦争のための負担を沖縄人民に加重に押しつけ、今さらに、琉球弧の島民を排除することまで計画して「要塞化」し、「戦場化」しようとしている。戦争が具体化するほど鮮明になる、沖縄差別軍事支配だ。

沖縄戦を歴史的に経験してきた沖縄人民こそが平和を希求し、軍事基地、戦争準備に対して不屈に闘い抜いてきた。沖縄人民と結合し、沖縄解放闘争を闘い抜くことが今こそ問われている。日米安保を粉砕し、基地を撤去させ、帝国主義軍隊を解体するために闘おう。

沖縄―「本土」を貫いて、五月沖縄解放闘争を闘い抜こう。沖縄解放―安保粉砕―日帝打倒・米帝放逐を闘い抜こう。

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追記。さる三月一六日、辺野古の抗議船二隻が転覆し、平和学習のために乗船していた高校生と抗議船「不屈」の船長・金井創さんの二名が死亡するという事故が発生した。あまりにも悲痛な事態に言葉を失う。亡くなられた二名とその家族に心から哀悼の意を表する。
同時にわれわれは、この機に乗じた辺野古での闘いに対する弾圧と中傷、平和学習に対するバッシングを断固として許さず、辺野古新基地建設阻止闘争への連帯をおし進めていくことを全国の人々に強く訴える。