■『戦旗』1689号(2026年4月5日号)

米帝―イスラエルのイラン侵略戦争弾劾!
高市政権の戦争荷担を許さない街頭行動へ


米帝とイスラエルが発動したイラン侵略戦争は、一片の正当性もない侵略戦争、殺戮と破壊だ。われわれは、全世界の民衆と共にこの無法な蛮行を弾劾する。

沖縄と日本「本土」の米軍基地は米軍の出撃拠点となった。高市政権はさらに、ホルムズ海峡への自衛隊の派兵を画策している。これを阻止する街頭行動に全国で立ち上がろう。

われわれ共産同(統一委員会)は、高市政権のイラン侵略戦争への荷担、軍拡・戦争策動、差別排外主義と生活破壊を許さず闘うと同時に、この四月、同盟政治集会を開催する。全国の労働者、青年・学生の皆さんに結集を呼びかける。


第一章 米帝とイスラエルのイラン軍事侵攻弾劾

(1) 拡大する戦火と人民の犠牲

米軍とイスラエル軍は二月二八日、イランへの軍事侵攻を強行した。それぞれ、「壮大な怒り」、「獅子の咆哮」と名付けられた作戦で、最高指導者アリ・ハメネイをはじめイラン政府要人を殺害した。イラン南部の都市ミナブにある女子小学校は授業中に攻撃を受け、一六八人もの子どもの死者が出た(ユニセフ中東・北アフリカ事務所の三月五日付声明)。これらの空爆では、最初の攻撃の被害者のために救助に駆け付けた人々を狙って被害を拡大させるダブルタップ攻撃が行われたとも報じられている。われわれは米帝とシオニスト・イスラエルによる蛮行を徹底的に弾劾する。

米軍とイスラエル軍はその後もイラン各地への空爆とミサイル攻撃を繰り返し、殺戮と破壊を続けている。イラン赤新月社の声明によると、三月一二日までに住宅や教育施設、医療機関を含む二万一七二〇か所の民間施設が被害を受けた。イラン側の死者はすでに一四〇〇人を超えている。イスラエルはさらに、レバノンへの地上侵攻に踏み出し、一〇〇〇人以上を殺害した。

これに対してイランは、中東各地の米軍基地への反撃を行い、ペルシャ湾のホルムズ海峡を事実上封鎖した。さらに、米軍の同盟国、友好国のエネルギー施設などインフラ施設への攻撃を行なっている。トランプとネタニヤフは空爆とミサイル攻撃で、イランの政権を倒して親米政権をつくりだすという企みで攻撃に踏み込んだが、イランの反撃で戦乱は中東全域に広がっている。

(2) 無法な戦争犯罪を許すな

トランプは「史上最も邪悪な人物の一人であるハメネイが死亡した。これはイラン国民にとってだけではなく、全ての偉大な米国人、そしてハメネイと血に飢えた暴漢たちによって殺害されたり、体を傷つけられたりした世界各国の人々のための裁きだ」とSNSに投稿した。しかし、トランプとネタニヤフがどのような口実を積み重ねても、イラン侵略戦争には何の正当性もない。米国内法にも国連憲章にも攻撃を正当化する根拠はない。

たとえイラン人民が体制に不満を持って抗議し、変革を迫っていたとしても、アメリカとイスラエルの攻撃がもたらすのは、イラン人民の解放ではなく、虐殺と破壊である。だが、日本や欧米の主要メディアは逆にイラン側からの反撃ばかりをフレームアップし、悪魔化している。

昨年六月のイスラエルと米帝によるイラン爆撃、本年年頭のベネズエラ軍事侵攻を「成果」と自賛するトランプは、軍事力で新たな戦果を得ようとイラン侵攻に踏み込んだが、中東全域を巻き込んだ泥沼の戦乱に突入している。

トランプは、今秋の米中間選挙に向けて、支持率低迷を戦争で突破しようという賭けに出たといえるが、それはさらなる殺戮と破壊をもたらすだけだ。トランプの邪悪な戦争を直ちにやめさせなければならない。米国内をはじめ全世界で立ち上がる労働者階級人民とともに、反戦闘争・反基地闘争を闘い抜こう。


第二章 高市政権の強権政治を打ち破れ

(1) 日帝の侵略戦争荷担を許すな

米帝―イスラエルのイラン侵略戦争をめぐって、日本の労働者階級人民の最も重要な任務は、日帝―高市政権の戦争荷担を許さない闘いに立ち上がることである。

三月一九日(現地時間)のワシントンでの日米首脳会談で高市は、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」などと、イラン人民の殺戮を続けるトランプを賛美することで、この無法な侵略戦争への支持を表明した。さらに、トランプが要求する「ホルムズ海峡の航行の安全への貢献」をめぐって、高市政権は停戦後の掃海艇の派兵など、何らかの形での軍事的関与をめざしている。

横須賀基地に所属するミサイル駆逐艦の展開、佐世保基地に所属する強襲揚陸艦トリポリでの在沖海兵隊の派兵など、在沖・在日米軍基地からの出撃を許すことで、日本政府はすでにイラン侵略戦争に荷担している。それに加えて、自衛隊の中東派兵が狙われている。これを阻止する闘いに立ち上がらなくてはならない。

日米首脳会談ではまた、日本による軍事費増額とアジア太平洋での日米両軍のさらなる連携強化への決意が表明され、米国はそれを歓迎した。そのなかには最新鋭のミサイル発射システム・タイフォンの日本での展開強化も含まれている。

イラン侵略戦争反対の声は広がっている。これをさらに促進し、日本帝国主義の戦争荷担を許さない街頭行動に全国で立ち上がろう。

(2) 高市政権の極右反動政治との対決を

切り捨てられる生活と福祉

高市政権は「危機管理投資」と銘打って、経済安全保障、食料、エネルギー、健康・医療、国土強靱化、サイバーセキュリティ等に大規模な財政支出を行う方針だ。原発の再稼働やリプレースなどもたくらまれている。自衛隊の二〇二六年度の宇宙関連予算は初の一兆円超えだ。「とにかく成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」などと威勢の良い言葉を並べ立ててごまかしてはいるが、その財源については不透明である。

「強い経済」によって税収が増大するとか、内閣官房に「租税特別措置・補助金見直し担当室」(日本版DOGE)を設置して税制優遇や一億円以上の補助金・交付金を見直して無駄を省くことによって財源が確保されるという主張をしているが、そのために医療、介護、社会保障や教育、生活関連インフラなどが削減されようとしている。

日本版DOGEの責任者である財務大臣の片山さつきは、二〇一二年に生活保護バッシングの急先鋒に立った人物で、翌一三年の第二次安倍政権下では、過去最大の生活保護基準の引き下げが行われた。この引き下げについては生活保護受給当事者の集団訴訟が闘われ、最高裁で引き下げは違法という判決が出たのも記憶に新しいところである。

日本版DOGEが二〇二六年度予算から具体的に見直した交付金では、子ども・子育て支援施設整備交付金(こども家庭庁)、地域脱炭素推進交付金(環境省)などがある。税制優遇では東日本大震災に関連する特別措置が二件、廃止されることになった。国立大学法人運営費交付金、私立大学等経常費補助金や学術研究助成基金補助金なども、見直し・総点検の対象の上位に上げられている。

予算編成で、各省庁から出された削減案を見てみよう。たとえば厚労省が二〇二一年度から施行し地域福祉目玉事業としていた「親の介護と子育てにおわれるシングルマザー」などの複数の課題を抱える住民を支えるための重層的支援体制整備事業は、大幅削減されることになった。高額療養費制度の見直しやOTC類似薬の負担増などで、社会保険料の負担を減らすことも打ち出している。文化庁が中期目標で国立博物館・美術館に収益ノルマを課すと発表したことも話題になった。これは文化庁が国立博物館・美術館に支出している運営費交付金を抑制していくための目標である。

「効果が乏しい事業」を廃止・縮減する一方で、経済成長に資すると期待される施策には予算を大胆に重点化する、というのが高市政権の方針であるが、短期的に効果があらわれないものもたくさんある。それこそが民間ではなく公的な資金で支えなければならないものではないのか。

生活破壊・権利はく奪を許すな

高市政権は最低賃金について、「二〇二〇年代に全国加重平均で時給一五〇〇円」という石破前政権の方針は引き継ぐとは言いつつも、具体的な政策には触れず、「賃上げできる環境」とか「『強い経済』の実現によって、賃上げの原資を生み出す」という文言で、賃金に対する直接的な政策を徹底的に回避している。

大企業に対する賃上げ促進税制は日本版DOGEがおこなった見直しで廃止となった。中小企業に対しての「賃上げ支援パッケージ」を打ち出しているが、助成金や投資を増大すれば、結果として賃上げに至るだろう程度にしか考えていない。POSレジや自動釣銭機、AI導入などの設備投資の助成金があったとしても、産業構造的に利用できない分野も多数ある。また、賃上げのための助成金があっても、実際には中小・零細企業では助成金を申請する条件すらないところがほとんどで、現場の実態を知らない官僚の考えそうなことである。安倍政権と同様のトリクルダウンの考え方であり、貧富の格差をさらに拡大する結果しか生み出さない。

高市政権はまた、「裁量労働制の見直し」による労働時間規制緩和など、大資本の利害に立って、労働者の権利破壊・生活破壊をおし進めていこうとしている。これらと闘い、26春闘の勝利を実現しよう。

大軍拡・排外主義と闘おう

高市政権は、赤字国債、放漫財政、弱者切り捨ての二六年度予算案を、先の衆院選での自民党単独での絶対安定多数の議席数をたのんで年度内成立を押し通し、その先に一連の反動立法を強行しようとしている。

安保三文書の改定、武器輸出規制の撤廃、非核三原則の見直しなどの軍事拡大路線、高市が安倍元首相から引き継いで悲願と言ってきた憲法改悪などが、一気に進む局面に入ったと言える。

また、高市政権は「外国人との秩序ある共生社会の実現」をうたい、「不法滞在ゼロプラン」を強力に推進し、入管体制を強化し、外国人に土地を買わせず、日本語教育や制度理解によってルールを守り納税義務を果たす外国人を増やすとしている。一方で、日本社会に既に定着し、共生している朝鮮学校は高等学校や幼保無償化の制度から排除されたままである。

地方自治体でも、三重県では職員採用に国籍条項を復活させたり、茨城県が外国人の「不法就労」の通報に報奨金を出す制度の創設を表明したりしている。逆に、「強い経済」のために外国人観光客の受け入れには積極的であり、インバウンド客には高額の二重料金を課すという政策も打ち出されている。端的に言えば、「良い外国人」と「悪い外国人」を恣意的に選別して、一方は利用し、一方は排除しようとする差別排外主義である。

排外主義煽動と対決し、入管法―入管体制の強化を粉砕しよう。


第三章 四月、東西政治集会に結集を

われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、きたる四月一二日、東京と関西において政治集会を開催する。

昨年六月、「分党宣言」なる文章をもって革命党建設からの脱落分子が発生したが、われわれは八月の第七回臨時党大会をメルクマールに党の全国的な再建に道筋をつけ、以降の組織的・運動的な前進を勝ち取ってきた。

戦争と差別排外主義がいっそう激しくなる情勢の中で、われわれは反帝国主義とプロレタリア国際主義を鮮明にして、反戦闘争・反基地闘争を全力で闘い抜き、アジア・全世界の人民との反帝国際共同闘争のさらなる前進を勝ち取っていく。また、差別排外主義と正面から対決し、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争をおし進める。労働運動の現場からは、抑圧され力を奪われている労働者の団結で、階級闘争を創り出していく。それらの闘いのなかから、搾取と収奪、差別と抑圧、戦争と人民の犠牲に満ちた現代資本主義社会を根底から変革する共産主義運動の新たな前進を勝ち取っていく決意だ。

四月の東西政治集会では、直面する世界史的な激動の中で、われわれが革命党建設をどのように進めていくのかということを、明らかにしていく。同志、友人、『戦旗』読者のみなさんの結集を呼びかける。