■『戦旗』1691号(2026年6月5日号)

米帝・イスラエルの侵略戦争を打破し
高市政権の戦争準備と闘う国際連帯を

米帝・イスラエルによるイラン侵略戦争は、世界各地でそれに抗議する労働者・民衆への反戦闘争への決起を生み出している。日本でも国会前をはじめ全国各地で、イラン侵略戦争と日本の戦争体制づくり・憲法改悪に反対する街頭行動が広がっている。

一方、高市政権は殺傷能力のある武器の輸出の解禁や、国家情報局創設-スパイ防止法制定策動、入管法改悪など、大軍拡と反動諸政策を推進し、憲法九条改悪に突き進もうとしている。これらと全面対決し、高市政権打倒に向けた闘いを前進させていかなくてはならない。

アジア共同行動(AWC)日本連絡会議が呼びかける「6月アジア共同行動」の一連の取り組みを支持し、その成功を通して、プロレタリア国際主義に立脚した反戦・反基地・反帝国主義の国際共同闘争の前進をかちとろう。国策と闘う三里塚闘争をはじめ、全国各地で労働者・民衆の闘いの前進を実現しよう。

イラン侵略戦争反対に立ち上がろう

米帝―トランプ政権とイランが、パキスタンの仲介で停戦に入り、戦争終結に向けた外交交渉が行われている。しかし、中東地域における米帝の覇権の維持・強化を目論むトランプ政権はあくまでもイランの屈服を求める態度を崩さず、交渉の展開は楽観視できない。また、停戦期間中においてもイスラエルはレバノンへの攻撃を執拗に行い、米帝と共に中東での支配を拡大する意図を隠していない。

トランプとネタニヤフが奇襲攻撃で開始したイラン侵略戦争は、米帝の圧倒的な軍事力を頼みに、短期間でイランを屈服させ、現体制を内部崩壊させられるとのトランプの目論見が外れる結果となっている。イランは中東地域の米軍基地やイスラエルへの報復攻撃を行い、さらにホルムズ海峡の封鎖によって米帝―イスラエルに対峙した。

その結果、欧州各国、日本、韓国など米帝の同盟国への中東地域からの原油輸送が滞る事態となった。今や各国で燃料やナフサなどの石油由来製品の価格高騰と不足が始まっている。第三次石油危機への突入が現実味を帯び、海と空からの攻撃だけではイランを屈服させることのできない米帝―トランプ政権は、イラン側との交渉に応じて一時的な停戦に合意することを余儀なくされた。イランのイスラーム体制を転覆し、中東地域における原油支配とペトロダラー体制の維持・強化を図り、「戦勝」によって中間選挙を乗り切ろうとしたトランプ政権の野望は、イラン側の頑強な抵抗の前に頓挫しつつある。

米帝―トランプ政権によるイラン侵略の目論見が思うように進まないなか、トランプは中国の習近平と首脳会談を行い、関係強化を打ち出しているが、これは中東における侵略を円滑に進めるために東アジアでは直近の紛争は回避したいという打算的な動きに過ぎず、中国敵視と中国包囲網の形成による対中覇権競争の手を米帝が緩めることはない。

米国内をはじめ、世界各国では、反戦闘争の急速な拡大が続き、トランプ政権の支持率も低下している。国際的な労働者・民衆による反戦の闘いは、着実に侵略に対する足枷となっている。また、スペインをはじめ米国の同盟国のなかでも軍事参加や軍事基地提供を拒否する国が相次いでおり、米帝と同盟国間の亀裂が拡大している。そのなかで、米帝―トランプ政権に追従する姿勢を取っているのが、日帝―高市政権である。それを許さず、トランプ、ネタニヤフ、高市らを打倒し、イラン侵略戦争を打破する闘いに立ち上がろう。

高市政権の大軍拡との闘争を

この四月に今年度予算案を通過させた高市政権は、日本を戦争国家としていっそう「強化」するために、政策転換と反動立法を推進している。その一つが防衛装備移転三原則の運用方針である五類型の撤廃である。武器輸出に関する制限がこれで取り払われた。

武器輸出を産業の重要な軸として、「死の商人」として利潤獲得を追求する軍需産業・独占資本と結託しながら、武器輸出を通して各地での紛争にも積極的に荷担していく姿勢を明確化したのが高市政権である。

高市政権はすでに、オーストラリアとの間で「もがみ」型護衛艦の輸出に合意し、五月の高市のオーストラリア訪問では、日豪安保協力のさらなる強化が打ち出された。また、防衛大臣・小泉は、フィリピンでのバリカタン演習を視察し、「あぶくま」型護衛艦や88式地対艦誘導弾の輸出に向けた動きを進めている。

これらは、第二次安倍政権時代に提唱された「自由で開かれたインド太平洋」の名の下に、中国に対する敵視と包囲を進めていく日帝の軍事・外交路線の具体化であり、一連の武器輸出営業への高市政権の奔走はまさに日帝の支配層の戦略的利害のもとで打ち出されているのだ。

高市政権の戦争準備はとどまるところを知らない。敵基地攻撃能力の増強のための弾薬庫の新増設と長射程ミサイルの配備が行われている。三月末には射程が一〇〇〇キロを超え、中国沿岸部などを射程に収める25式地対艦誘導弾が、熊本の陸自健軍駐屯地と静岡の陸自富士駐屯地に、射程数百キロの25式高速滑空弾が富士駐屯地に初配備された。

米国製トマホーク巡航ミサイルを四〇〇発購入し、長崎の海自佐世保基地所属の「ちょうかい」や京都府の海自舞鶴基地所属の「あたご」、「みょうこう」など、海自イージス護衛艦に配備する計画も進められている。同時に、長射程ミサイルを保管する大型弾薬庫を二〇三二年度までに一三〇棟新設・増設する計画も進められており、京都府南部の陸自祝園分屯地には全国最多の一四棟が造られる予定である。これらの敵基地攻撃能力の保有・増強は、日本帝国主義の主体的な侵略意図の明らかな証拠だ。

また、高市政権は五月二七日、参議院本会議で国家情報会議設置法案を強行可決した。それにもとづき、今夏にも「国家情報局」が創設されようとしている。従来の内閣情報調査室に比べて大幅に権限が強化される国家情報局の設立は、労働者・民衆の個人情報の収集・把握と共に監視を進める目的と不可分であり、高市政権が今後の成立を目指しているスパイ防止法と併せて労働者・民衆に対する際限のない監視と治安弾圧体制の強化の意図は明白である。

対中国包囲網形成のなかで、琉球弧は軍事要塞としていっそう強く位置づけられてきている。辺野古新基地建設工事が強行され続け、自衛隊部隊の配備増強による軍事要塞化が着々と進められている。与那国島には今年度から対空電子戦部隊が新設され、町人口の四分の一近くを自衛隊員が占めることになるという。日本帝国主義はアジア・太平洋戦争の末期において天皇制存続のために沖縄を「捨て石」として膨大な戦争被害を強要したが、今日では対中国戦争のための最前線基地として再び琉球弧を「捨て石」にしようとしているのだ。

対中国包囲網が強化されるなか、自衛隊の海外での軍事演習参加は増加し続けている。米比を中心とした合同軍事演習バリカタンに自衛隊は今年初めて実動部隊を派兵し、武器使用を含む実戦的訓練に参加した。昨年発効した日比円滑化協定にもとづいて、陸海空の自衛隊から昨年の約一〇倍の一四〇〇人が参加し、フィリピン国内での武器使用を伴う訓練も行っている。

イラン侵略戦争を強行した米帝との軍事協力を進め、対中国敵視政策のもとで東アジア地域の緊張を高める高市政権はアジアの労働者・民衆の敵であり、打倒しなければならない。

戦争政策と同時に、高市政権は排外主義的な政策をも推進している。五月二九日に強行可決され入管法改悪では、在留資格変更・更新の手数料を現行の上限一万円から一〇万円に引き上げ、永住許可の手数料上限を三〇万円に引き上げる。入管体制をより厳格化することで外国人排除を狙い、排外主義を強化することが高市政権の意図だ。差別排外主義、民族排外主義と対決し、高市政権の大軍拡と極右反動政治を許さず闘おう。

6月アジア共同行動の成功を

アジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、きたる六月下旬から七月初旬にかけて、フィリピンと韓国からゲストスピーカーを迎えて、「6月アジア共同行動」として各地での集会・デモを予定している。

現在、中国包囲網形成のもとで、日本帝国主義はフィリピン及び韓国との軍事協力を推進している。米帝も日帝と共にフィリピン及び韓国を対中国戦略のなかで位置づけている。

イラン戦争で明らかなように、米帝の同盟国が戦時においては直ちに攻撃の対象になる。イラン戦争で起きていることは東アジアでも起こりうるとの情勢認識の下、琉球弧や九州・西日本を侵略戦争の出撃拠点とすることを許さず、戦争を止めるための闘いを、フィリピンや韓国などのアジアの労働者・民衆と共に、日本の労働者・民衆は闘わなくてはならない。そのためには、まず日帝足下の日帝本国人たるプロレタリアートが、自国の侵略と加害の歴史に正面から向き合い、日本帝国主義による戦争挑発・軍拡を阻止するための闘争を巻き起こさなくてはならない。そのような観点から、AWC日本連と各地の実行委員会が呼びかけている一連の取り組みを支持し、結集しよう。

この闘いは、五月沖縄解放闘争や、米軍Xバンドレーダー基地に反対する5・24京丹後現地集会、5・31ピースアクションin舞鶴などの反戦・反基地闘争、5・1バリカタン演習抗議防衛省行動などを取り組むなかで準備されてきている。フィリピン、韓国をはじめとしたアジア各地での労働者・民衆の闘いと連帯し、日米帝国主義の戦争攻撃と対決する闘い、反戦・反基地・反帝国主義の国際共同闘争として6月アジア共同行動の成功をかちとろう。

同時に、労働者階級、被抑圧人民・被差別大衆の解放をかけた共同闘争として、一連の闘いに取り組もう。あらゆる差別と闘う集会として各地での取り組みを成功させよう。そして、労働者―労働組合に根を張った大衆運動としてAWC日本連と各地実行委の闘いを発展させよう。

6・21三里塚・農楽まつりに結集を

成田空港会社は二〇二九年三月末までに第3滑走路建設をはじめとした空港機能強化工事を完成させ、そのために本年三月末までに「用地」を確保するとしてきた。しかし、それが困難なことは明白になった。

いま空港会社と国は、完成予定を延期するとともに、「土地収用法に基づく強制収用」の検討を開始した。「二度と強制的手段はとらない」と住民に約束してきた空港会社が、高市政権の下で、強権発動―強制収用の準備に入ろうとしているのだ。絶対に許すことはできない。

三里塚闘争は一九六六年の闘争開始から六〇年を迎える。高市政権による戦争政策の下で成田空港が軍事空港として使用される蓋然性はますます高まっている。反対同盟は、強制収用阻止の5・12千葉県庁デモ、5・13菱田デモを闘い抜き、六月二一日には農楽まつりを開催する。三里塚現地に結集し、反対同盟とともに闘おう。