■『戦旗』1691号(2026年6月5日号)

市東さんの農地を守ろう! 強制収用攻撃粉砕!
6・21農楽まつりに全国から結集しよう

成田空港会社は空港機能強化の「用地」を本年三月末までに確保するとしてきた目標を断念した。二〇二八年度完成という目標も延期せざるを得なくなっている。しかし、追いつめられたがゆえに、自ら禁じたはずの「強制収用」の手続きをとる方針を主張している。

農地強奪を繰り返して空港建設を強行してきた国家暴力を再び発動するというのだ。絶対に許すことはできない。三里塚芝山連合空港反対同盟は、この暴挙に対して断固闘い抜くことを宣言し、5・12千葉県庁デモ、5・13菱田デモに立ち上がった。

市東さんの農地を守り抜き、土地収用法に基づく空港機能強化工事を打ち破っていかなくてはならない。三里塚闘争六〇年を迎える今夏、反対同盟は6・21農楽まつりを開催し、改めて農地強奪阻止の現地攻防を闘うことを呼びかけている。ともに三里塚現地に結集しよう。

強制収用攻撃を粉砕しよう

成田空港会社は、第3滑走路建設、B滑走路再延伸、深夜・早朝の離着陸時間延長を軸とする空港機能強化の工事完成を二〇二八年度末(二九年三月末)とし、そのために本年三月末までに「用地」を確保するとしてきた。しかし、二月二七日時点での確保率は88・4%となっており、空港会社は三月末までの「用地」確保を断念した。この事態の中で、地元の空港機能強化推進派三団体、「空港と共存共栄を目指す会」、「成田空港対策協議会」、「成田空港と地域の繁栄を目指す有志の会」は、空港会社に対してそれぞれ申し入れを行った。あろうことか、この三団体は「強制収用」によって「用地」を確保することを主張したのだ。

推進派の「地元の要望」を受ける形をとって、空港会社は四月一〇日、「滑走路新増設推進協議会」と「四者意見交換会」(国・千葉県・周辺六市町と空港会社)を相次いで開催した。空港会社はこの場で、機能強化工事完成は「延期」の見通しとした上で、B滑走路再延伸は二九年度中の先行供用を目指し、第3滑走路に関しては「強制収用」の手続きを検討する方針であることを明らかにした。空港会社は六月にも土地収用法の手続きの申請を行う方針と報道されている。

地元の空港推進三団体とは別に、自民党の成田空港推進議連(事務局長は衆院千葉2区の小林鷹之)は、国際的物流拠点の機能、空港アクセスの強化などの提言をまとめている。推進議連は、空港機能強化を政府の「経済財政運営と改革の基本指針(骨太の方針)」に盛り込もうとしている。国家政策として成田空港機能強化を後押ししようというのだ。

空港会社は、二度と強制的手段はとらないとした約束を、何の説明もなく反故にしようとしている。推進派がでっち上げた「地元の要望」と「政府の方針」を根拠にして、「強制収用」を正当化しようとしているのだ。

成田空港会社は、現空港の拡張工事として第3滑走路建設、B滑走路再延伸に本格着工している。すでに工事が進んでいる事業であるのに、今さら新たに「事業認定」などということができるのか!  そもそも、成田空港会社は、大木よねさんに対する暴行=強制収用を謝罪し、「二度と強制的手段はとらない」とはっきりと約束してきたはずである。

空港会社は千葉県や周辺六市町の首長への懐柔と恫喝をもって、空港機能強化策の「同意」をむりやり取り付けてきた。しかし、拡張工事予定地の農民、住民は六〇年間も空港公団―空港会社にだまされ続け、生活を破壊されてきたのだ。多くの人々が「用地」買収を拒むのは当然だ。

むりやり内陸に建設した空港ゆえに、拡張工事など困難なのだ。住民の真の合意がない以上、工事そのものを断念すべきなのだ。「用地」確保が計画通り進まないからといって、謝罪と約束を突然反故にして、現空港の建設と同様に土地収用法を発動して強権的に打開しようする暴挙を、絶対に許してはならない。

六〇年超えて闘う三里塚闘争の正義

国家権力と徹底非妥協の農民の闘いこそ 三里塚芝山連合空港反対同盟は、一九六六年の閣議決定を決然とはねのけて、農地死守―軍事空港反対の闘争を開始し、その闘いは六〇年に至る。政府と空港会社の暴力に抗して、六〇年間勝利的に闘い抜いてきた。

現在、天神峰・東峰で農業を続ける市東孝雄さん、萩原富夫さんをはじめとした反対同盟は、現地実力闘争を軸にして空港反対闘争を断固たたかい続けている。本年三月の芝山現地闘争で発言に立った市東孝雄さんは「沖縄、福島とともに闘う。六〇年、さらに七〇年、闘い抜く」と決意表明して、全国から結集した人々を鼓舞した。

市東さんの南台農地をめぐる耕作権裁判の控訴審は、今夏弁論が始まる予定となっている。千葉地裁裁判長・斉藤顕が出した農地明け渡しを命ずるでたらめな判決を何としても打ち破っていかなくてはならない。

反対同盟が原告となっている空港拡張差し止め訴訟では、成田市、芝山町、横芝光町、茨城県稲敷市の住民が起こした機能強化・新滑走路建設差し止め裁判が併合されて、同じ法廷で国と成田空港会社を被告として争っている。

空港会社と千葉県などは、空港機能強化策を「第二の開港」プロジェクトと銘打って、「エアポートシティ構想」で空港周辺に物流拠点を誘致し、地域経済が発展するなどと喧伝している。しかし、実際に行なわれていることは、空港拡張工事の利権にまみれた輩とそこに結びついた反対同盟脱落派による集団移転の圧力である。さらに、空間的にも、時間的にも拡大する航空機騒音は、住民の睡眠を破壊する。移転せざるをえない状況に追い込もうとしている。生活破壊の攻撃だ。空港に接続する圏央道の建設が、空港拡張工事と同時に進行しており、田畑が次々に掘り返されている。「共存共栄」も「地域の繁栄」も決してできない。まさに、農村を地域ごと破壊する廃村化攻撃だ。

この事態の中で、「用地」買収を拒む人々が多く存在する。

三里塚闘争六〇年の闘いは、反対同盟と現地で支援を続ける三里塚勢力によって担いぬかれてきた。同時に、三里塚闘争が反権力闘争として六〇年貫かれてきた歴史は、地域の人々の中にも生きている。六〇年空港反対運動を続けてきた反対同盟の正義が、空港機能強化工事が強行される中で鮮明になっている。反対同盟に共鳴し、反対同盟とともに闘う人々が新たに声をあげ始めている。

六〇年を越えて闘う三里塚闘争に今こそ全国から結集し、軍事空港反対! 戦争反対! の反政府闘争をともに闘おう。

国家権力と徹底非妥協の農民の闘いこそが、労働者階級人民の新たな闘いの展望を拓くだろう。