■『戦旗』1693号(2026年8月5日号)
政府の入国拒否弾圧をはねのけて
各地で6月アジア共同行動を貫徹
アジア共同行動(AWC)日本連絡会議が呼びかける国際連帯集会が、六月二七日から七月一日にかけて開催された。各地での取り組みは、日本政府による入国拒否弾圧という集会破壊策動をはねのけて成功裡に貫徹された。
6・27 東京
六月二七日、東京・渋谷で、アジア共同行動日本連絡会議の呼びかけで、「6・27AWC講演集会」が開かれた。
AWC関東準備会による集会あいさつは、日帝―高市政権が「台湾有事」煽動と戦争準備を激化させる中でこの講演会を開く意味は大きく、「各国における現状認識や民衆の闘いを、交流を通じて学び、連帯を深めることが、今こそ求められて」いる、と提起した。
また、昨年六月以降さまざまな実践を行ってきたが、団体内でハラスメントの二次加害が発生したためにAWC関東準備会が本講演集会を主催できなかったこと、「AWC首都圏」が恫喝ハラスメントと障害者差別を起こしたうえ団体を破壊し逃亡したこと、そこでは差別問題が理解されず差別への抗議と指摘が無視されたこと、日本の左派や反戦運動の内には自国中心主義、中国・朝鮮への蔑視と敵視政策への加担という問題性があることを指摘したうえで、今回の講演集会を「日本が琉球弧―沖縄とアジア諸国を犠牲にしようとする、戦争加害への道を止めるための一歩」としたい、と呼びかけた。
来日できなかった韓国のイ・サンムさん(民主労総公共運輸労組元委員長)は、オンラインで「韓国12・3
違法な非常戒厳事態と憲政回復のビジョン」と題して講演した。
イ・サンムさんは、尹錫悦前政権の非常戒厳に対する市民の抵抗、内乱反対の闘いは、李在明大統領の誕生として結実したが、現政権は企業寄りの立場で政策を出し、労働者の状況は改善せず、むしろ正規職と非正規職の格差の拡大がもたらされていること、老人の生活状況が極めて悪化していることを指摘し、労働者民衆が起ち上がることの必要性を訴えた。
フィリピンBAYAN議長のテオドロ・カシーニョさんは、ビデオを通して、フィリピンでの米軍の軍事展開が恒常化していること、「台湾有事」を想定した多国間合同軍事演習が頻発していること、日比円滑化協定の締結や自衛隊のバリカタン演習への正式参加など、日本との軍事協力関係がここ数年飛躍的に強化されていること、フィリピンと日本の民衆が力を合わせてそれと闘っていくことの必要性を訴えた。
続いて、BAYAN日本支部の仲間が、フィリピン国内の状況を中心に報告した。米国によるイラン侵略戦争の勃発後、燃料費をはじめ生活費が高騰し、失業率も上昇して、フィリピン民衆の生活はますます苦しくなっている。戦争の根源には帝国主義があり、米帝の傀儡であるマルコス政権を倒すための闘いに立ち上がっていく、とアピールした。
フィリピン人権擁護団体日本支部などからの連帯アピールを受けた後、最後に、海外からのふたつの連帯メッセージが紹介された。
米国のレジスト(米国の主導する侵略戦争に反対する抵抗運動)事務局はビデオ・メッセージで、米国によるベネズエラとイランに対する侵略戦争を弾劾すると同時に、アジア太平洋における米国の軍事態勢強化、日本の戦争準備に触れ、世界各地の民衆が連帯し、帝国主義の侵略戦争に反対する活動をさらに強めよう、と訴えた。
台湾労働人権協会は、台湾の頼清徳政権と日本の高市政権の類似性を指摘し、米国主導の中国封じ込め戦略に基づいた日本・台湾・フィリピンの軍事力拡大と連携強化への反対を訴えた。そして、「世界中の労働者・民衆は団結し、帝国主義の侵略陰謀に抵抗し、自らの未来を創造しなければなりません」、「私たちは異なる地域にいても、意志は一つです!」と呼びかけた。
これらの発言やメッセージを確認し、講演集会は終了した。
6・28 京都
京都では六月二八日に、「戦争をとめる民衆の国際連帯を」というスローガンの下、AWC京都集会が開催された。
主催者あいさつでは、AWC京都代表の瀧川順朗さんが、日本政府による入国拒否弾圧を弾劾するとともに、加速する日本の軍拡・戦争体制づくりに対する闘いと民衆の国際連帯を前進させていくことを呼びかけた。
その後、台湾からの連帯メッセージの紹介、韓国の仲間のオンライン講演、フィリピンBAYANからのビデオ・メッセージの上映、BAYAN日本支部の仲間の発言が行われた。米国のレジスト事務局のビデオ・メッセージも紹介された。
連帯アピールでは、滞日フィリピン人移民団体のミグランテ日本支部、若狭の原発を考える会、連帯労組関西生コン支部、AWCユースの発言があった。とりわけ、ミグランテ日本支部の仲間は、フィリピン人移民の立場から、現在の日本政府による移民排斥・入管法改悪の動きに対する闘いを強く呼びかけた。
集会終了後には、デモ行進が行われた。日本語、英語、ハングルで反戦のメッセージが書かれた横断幕を先頭にしたデモには、外国から来た観光客などからも反応も多くあった。
7・1 神戸
七月一日、アジア労働者交流集会in神戸が神戸市内で開催された。
冒頭、司会から韓国とフィリピンからの報告者が日本政府の妨害によって来日できなかったことが報告された。韓国からの報告者は羽田空港で追い返されたこと、六月三〇日には韓国では抗議行動が行われたこと、韓国からはオンラインでの報告が行われるなどの説明が行われた。
続いて、AWC日本連の仲間から、日東電工の子会社である韓国オプティカルハイテックでの不当解雇撤回を求める控訴審に向けた署名への協力が呼びかけられた。
主催者あいさつでは、日本政府の入国拒否を弾劾するとともに、最近の入管法改悪―手数料の大幅な引き上げを弾劾した。続いて、韓国語を学んでいる人たちが、「朝露」と「ソウルからピョンヤンまで」の二曲を披露した。
韓国から来日予定であったイ・サンムさんは、以前、来日した際には入国できたにも関わらず、今回、突然入国拒否されたことを弾劾した上で、二つのテーマで報告した。
ひとつ目は、「12・3違法な非常戒厳事態と憲政回復のビジョン」と題した、韓国の政治状況や労働者の状況についての報告。ふたつ目は、「全国療養保護士協会をともに作る意味」と題する韓国の介護労働者の状況についての報告だった。報告では、「良い介護は、介護労働者の処遇改善なしには不可能です」と訴えられた。
その後、フィリピンからの報告者だったBAYAN議長のテオドロ・カシーノさんから寄せられたビデオ・メッセージが上映された。
閉会のあいさつで、入国拒否の中でも集会をやりきったこと、高市政権の戦争・改憲に向けた動きを許さず、労働者の国境を越えた交流を継続していくことを確認して、集会は締めくくられた。