■『戦旗』1694号(2026年9月5日号)
高市政権の反動攻勢と総対決し
今秋期政治闘争に立ち上がろう
9・13沖縄知事選の勝利を
高市・極右反動政権は七月一七日、参議院本会議で、皇室典範改定と「国旗損壊罪」を強行可決した。さらに、物価の高騰によってますます拡大する労働者・民衆の生活苦を放置したまま、軍拡・侵略戦争体制づくりをいっそう推し進めようとしている。アジア人民、沖縄人民と連帯し、民族排外主義・差別排外主義と対決して、高市政権の反動攻勢を打ち破ろう。今秋期政治闘争に全力で立ち上がろう。
(第1章)天皇制攻撃の全面化を許すな
高市政権が強行した皇室典範の改定は、女性皇族の婚姻後の身分保持と旧宮家の男系男子を対象とした養子制度の創設を内容としている。目的とするのは、皇族の数の減少を食い止め、かつ男系男子による皇位継承を維持するためである。
われわれは現在の象徴天皇制を反動的に再編・強化しようとする高市政権の極右反動的な政策をまずもって弾劾しなければならない。高市政権の政策は、侵略戦争と差別・排外主義の制度的かつイデオロギー的支柱としての天皇制を前面に押し出し、強化する意図を持った、労働者・民衆に対する攻撃である。現在、高市政権は戦争準備と大軍拡攻撃に邁進しているが、これと一体に進めているのが、天皇制強化である。それは、侵略戦争に向けた国内総動員体制づくりの環である。
その上で、この極右反動攻撃に対して、現行憲法を護持すべきという立場から高市政権を批判する女性天皇容認論のような「リベラルな天皇制」の対置はナンセンスであることを確認しておきたい。なぜなら、象徴天皇制という形で天皇制を維持してきたことが、日本帝国主義の侵略戦争の根本的な反省と謝罪、賠償を妨げてきたという歴史的事実、そして、現在の差別と排外主義の根源には象徴天皇制があることをはっきりと捉えなければならないからである。
日本帝国主義はアイヌ・琉球・台湾・朝鮮を侵略し、併合・植民地化し、中国大陸への侵略を進めたが、その日帝の侵略戦争と植民地支配のイデオロギー的支柱が天皇制であった。万世一系の天皇を仰ぐ日本民族は非常に優れた民族であり、アジアを支配する支配民族であるという優生思想と結びついた虚偽のイデオロギーが、アジアの諸民族に対する蔑視を生み出し、排外主義を正当化した。今日の日本における中国・朝鮮・韓国に対する差別・排外主義は天皇制支配と無関係では決してない。侵略と植民地支配の推進装置として機能してきた天皇制がいまだに存続していることが、この国が加害の歴史と向き合わず、歴史の改竄と忘却がさまざまな形で行われることの背景にあるのは間違いない。
また、同時に天皇制は人間に貴賎上下の区別を設け、人間を出自によって差別する根拠となる制度だ。今日まで続く部落差別は天皇制と密接につながっている。天皇制はまた、非常に抑圧的な家族制度と密接に結びついている。女性が跡取りとなる子を産んで、家を存続させていかなくてはならないとする天皇制の前提となる家族観は、女性差別的であると同時に、シスジェンダー中心主義、ヘテロセクシュアル中心主義の極みであり、セクシャル・マイノリティの解放とは無縁である。したがって、われわれは高市政権の天皇制強化の策動と断固として対決し、天皇制解体を射程に入れた日本帝国主義打倒の闘争に立ち上がらなければならないのである。
同時に、高市政権は「国旗損壊罪」の制定をも強行した。アジア人民の犠牲に血塗られた「日の丸」を不可侵のものとして、日帝に対する忠誠心を労働者民衆に植え付けようとする許しがたい攻撃である。本来であれば、日帝の侵略の旗である「日の丸」は、アジア侵略戦争での日帝の敗北時に、旭日旗や「君が代」ともども日帝の犯罪の象徴として葬りさられてしかるべきであった。その「日の丸」が「国旗」とされ、今こうして法的に不可侵の存在とされたことは、明らかに日本帝国主義による侵略の美化であり、戦争準備のための精神的動員の一環である。断固として国旗損壊罪攻撃と闘おう。
(第2章)高市政権の反動政策を許すな
高市政権は軍拡をおし進め、労働者・民衆の生活を破壊する一連の動きをますますエスカレードさせている。
強化される軍事外交
小泉防衛大臣がさる七月一九日から二二日にかけて、欧州各国を訪問した。小泉はNATO事務総長のルッテや各国の国防相と会談し、NATO諸国との防衛協力を確認した。
小泉は、この訪欧直前のインターネット番組で、「非核三原則を政策上の方針として堅持している」としつつも、核をめぐる議論について「触れざるを得ない」と発言した。高市政権は年内に安保三文書の改定を強行しようとしているが、小泉は防衛大臣として核武装の論議に踏み込むことを企図しているのだ。
日本帝国主義は3・11の福島原発事故の惨劇が続いているにもかかわらず、原発の再稼動と新増設を試み続けている。それは、将来の核武装のための潜在能力を保持するためのものでもある。高市政権が狙うのは、米軍の核の日本国内への公然たる持ち込みであり、将来の日本自身の核武装である。われわれは、「非核三原則」解体と独自核武装への日帝の野望を断固として粉砕しなければならない。
高市自身もまた、八月六日の広島での平和記念式典において、「非核三原則」を「政策上の方針として堅持している」とだけ述べることで、その見直しに含みを持たせた。さらに、八月一五日には「反省」の言葉を消し去り、靖国神社に「遥拝」することで、日帝のアジア侵略戦争とその戦犯たちを美化する姿勢をアピールした。小泉ら閣僚・政治家の靖国参拝ともども徹底弾劾しなくてはならない。
生活破壊を許さず闘おう
アベノミクス以来の一連の政策の果てに、このかん円安が続き、物価高はとどまることを知らない。高市政権は有効なインフレ対策を何ら打たず、労働者・民衆の生活はますます困窮している。物価上昇の一方で賃金は依然として上昇せず、労働者の生活は苦しくなるばかりである。特に打撃を受けるのは、そもそも低賃金である非正規雇用の労働者であり、あるいは低収入の生活保護受給者や年金受給者、移住労働者だ。
物価上昇で労働者・民衆の生活が破綻に追いやられる一方では、株高は続いており、限られた富裕層や独占資本の富ばかりが増える構造がますます深刻化している。労働者・民衆をなお一層の労働強化で搾取し、物価高を押しつける高市政権・支配階級を完全打倒する闘いに立ち上がろう。
(第3章)秋期政治闘争に総決起しよう
戦争政策、排外主義煽動、原発推進、生活破壊をおし進める高市政権との対決をおし進め、今秋期政治闘争に断固として立ち上がろう。
新基地建設阻止 沖縄知事選勝利
沖縄知事選が九月一三日に実施される。現職の玉城デニー知事の三選の実現が辺野古新基地建設阻止の実現のため、沖縄人民の闘いにとって重要だ。全国から、玉城デニー候補を応援しよう。
現在、沖縄の辺野古新基地建設阻止のための闘いには逆風が吹いている。三月の辺野古沖での同志社国際高校の平和学習の際の転覆事故が、反動勢力によって沖縄人民の闘いに対するバッシングに悪用されている。われわれは、事故を利用したネガティヴ・キャンペーンを跳ね除け、沖縄での反基地闘争を前進させなくてはならない。
辺野古新基地建設の策動は琉球弧全体の軍事要塞化の一環であり、高市政権の推進する戦争準備・大軍拡攻撃の一つの焦点だ。絶対に許してはならない。玉城デニー知事の三選を勝ち取り、辺野古新基地建設を阻止しよう。
10・11三里塚全国集会へ
三里塚芝山連合空港反対同盟は、一〇月一一日、成田市の赤坂公園で全国総決起集会を開催する。全国からの結集でその成功をかちとろう。
日帝―国家権力と成田空港会社は、空港拡張―第3滑走路建設に向けて新たな強制収用攻撃に踏み出そうとしている。これに対して反対同盟は、地域住民との結びつきを広げながら、強制収用阻止、空港廃港に向けた闘いをおし進めている。
農地死守―実力闘争の原則の下、六〇年にわたって国家権力と対峙し、農地を守り抜いてきた反対同盟と固く連帯して、日帝と成田空港会社の野望を打ち砕こう。耕作権裁判控訴審闘争に勝利し、市東さんの南台の農地を守り抜こう。新たな農地強奪攻撃を許さず闘おう。
原発推進政策を許さず闘おう
高市政権は原発の再稼働と新増設を推進している。年末までに取りまとめるとされている「パワーGX戦略」は、米帝のイラン侵略戦争が引き起こしてきた原油とその関連製品の調達危機をも利用しながら、「原発の最大限活用」をいっそうおし進めていこうとするものだ。また、原発延命策の一環として、各地の原発敷地内で使用済み核燃料の乾式貯蔵施設の建設がもくろまれている。
反原発闘争を全人民政治的闘争としてさらに大きく発展させていこう。関西電力の原発が集中する福井県若狭では、一〇月一八日に、「老朽原発うごかすな! 実行委員会」が呼びかける現地闘争として、「原発つづけるための乾式貯蔵NO! 全国集会@高浜」が開催される。この闘いをはじめ、全国各地で原発再稼働反対―全原発の廃炉に向けた闘いに立ち上がろう。
11月岩国行動を成功させよう
高市政権は今年末に安保三文書の改定を予定している。それは、琉球弧を最前線とした戦争体制づくり、武器輸出の全面解禁、軍事費倍増など一連の大軍拡政策をいっそうエスカレートさせ、日米軍事同盟をさらに強化しようとするものだ。高市はまた、明文改憲への野望を隠していない。
「台湾有事」煽動を許さず、各地での反戦・反基地闘争とその全国的な結合を推進し、高市政権の戦争準備との闘いの前進をかちとろう。アジア共同行動(AWC)日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委は、一一月一四日・一五日に岩国現地で開催する「2026岩国行動」への全国からの結集を呼びかけている。闘うアジア人民、沖縄人民と連帯し、加速する高市政権の戦争準備と日米軍事同盟強化の粉砕に向けた闘いとして、共にその成功をかちとろう。
買春処罰法に反対する
高市政権は、一連の反動攻撃の一環として、九月下旬から開始予定の臨時国会にまた買春処罰法案を上程しようしている。
買春処罰法制定の動きは、国家による性の管理の強化の一環だ。現在、劣悪な労働条件下にあるセックスワーカーの権利の向上と身分の保障のためには、セックスワークに対する偏見の払拭と労働者としての権利の確立が重要だ。高市政権が目論んでいる買春処罰法が制定されれば、セックスワーカーは労働者として自分たちの権利を訴える余地がますますなくなるばかりか、売買春=犯罪としてのスティグマが貼られることでセックスワーカーへの偏見がますます増大する。
そして、個人の性生活を管理・規制しようとする買春処罰は、現在進行中の監視国家強化の策動とも連動していることを忘れてはならない。左翼やフェミニストを自称する人々のなかにも買春処罰法制定を支持し、性産業廃止を主張する輩が散見されるが、これは既存の左翼やフェミニストのなかでもセックスワーカーの権利が無視されてきたことの証左でもある。われわれはこれまでの左翼やフェミニストの限界を乗り越えて、セックスワーカー当事者たちとの連帯のもとで買春処罰法制定策動を粉砕しよう。
さらなる反動攻勢と闘おう
在留資格の変更・更新手数料の大幅な引き上げなどを内容とする改悪入管法が一〇月一日に施行される。高市政権の排外主義、外国人排斥政策との闘いは日本階級闘争の試金石だ。また、高市政権は国家情報会議設置法の強行制定を受けて、対外情報庁(仮)の創設と外国代理人登録法制定を含む「スパイ防止法」の制定に向かおうとしている。
スパイ防止法はかつての中曽根政権時代にも制定が試みられ、労働者・民衆の闘いでその成立が阻止され、後に安倍政権時代に秘密保護法という形で一部実現させられたものだ。高市政権は国家情報会議・国家情報局の設立を機に、国家を挙げての諜報活動に取り組む意志を見せており、同時に闘う労働者・民衆への弾圧体制を強化し、国際連帯を破壊しようとしている。戦争国家づくりの一環としての労働者・民衆に対する監視と弾圧の強化の策動であり、断固として粉砕しなければならない。
あらゆる反動攻勢に立ち向かい、高市政権の打倒に向けて今秋期政治闘争に決起しよう。