共産主義者同盟(統一委員会)
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■「日の丸・君が代」不当処分弾劾! 職場分断支配を許すな! 闘う教職員と連帯し改悪教育基本法路線と対決しよう 〇六年の教育基本法改悪攻撃を頂点として、「愛国心」教育と差別・選別教育との闘いが教育労働者と労働者・市民によって激しく闘われている。 東京都における今春の卒・入学式の「日の丸・君が代」攻防では、あらたに四名の教職員に対する懲戒処分―不当処分が下された。我々はこの不当処分を徹底的に弾劾する。「愛国心」教育を強制するための懲戒処分攻撃を許すな。 また一方において都立学校の教育現場にTAIMSなるコンピュターシステムが導入され、現場教職員にはこのシステムを使うことが強制されている。このTAIMSとは、そもそもが都庁内用の連絡システムである。しかしこれを活用することによって現場教職員の勤務態度から教育内容までを記録把握することが可能となる。我々はTAIMS導入の危険性を確認していかなければならない。 さらに、一般的に「官製ワーキングプア」と呼ばれる公務員の非正規雇用化が、教育現場においても広がっている。これまでの校長・教頭・教員による学校経営という構造はもはや崩壊している。管理職と一般教員の間に主幹・主任が設置され、またその一般教員も講師・非常勤などの非正規雇用が拡大しているのが現実である。労働現場としての学校教育現場は政策的に構造的に変化してきているのだ。あらためて、教育現場における正規―非正規の団結がリアルな課題として浮上している。 我々は闘う教職員と連帯し、改悪教育基本法路線と闘っていかなければならない。 「教え子を戦場に送るな」をスローガンにした戦後教育労働者の闘いは、日本の反戦闘争―階級闘争の一角を確実に占めていた。そして教育基本法の改悪の政治的意味は、かかる教育労働者の闘いの地平を清算するこにあったと言っても過言ではない。 しかしこうした状況下にあっても日教組中央とは一線を画し、闘う教職員組合の旗を守り同時に「愛国心」教育と闘わんとする教職員も少なからず存在する。 これら教職員の闘いを孤立化させてはならない。「愛国心」教育・差別選別教育と職場分断支配という改悪教育基本法路線と真っ向から闘う教職員と連帯し、日帝の教育政策を粉砕せよ。「愛国心」教育に対してはプロレタロア国際主義を対置し、アジア人民との実践的具体的団結の中身をかけて闘い抜こうではないか。 ●1 二〇一〇年「日の丸・君が代」不当処分弾劾 本年の東京都の卒・入学式「日の丸・君が代」攻防において、四名の教職員に懲戒処分が下された。これで〇三年の「10・23」通達いらい、東京都においては実に述べ四百三十一人の教職員が「日の丸・君が代」強制で懲戒処分を受けたことになる。〇三年から〇八年まで全国で「日の丸・君が代」処分を受けた教職員は五百名。そのうち東京都の教職員が全体の八割を占める。いかに東京都の状況が突出しているのかがわかる。 今年の四名の処分に関して、商業新聞が「君が代不起立 処分激減」(四月十八日『朝日新聞』)という見出しで報じている。あたかも闘いそのものが沈静化しているかのような報道であるが、それは正しくはない。 まず第一に、東京都教育委員会にとって「日の丸・君が代」強制と闘う教職員はゼロでなければならない。一人でも「日の丸・君が代」の強制に反対する教職員が存在するのであれば、東京都教育委員会の政治的獲得目標が達成されたとは言えない。 一人の不起立者が存在するということは、それを支えるいくつもの運動が発生しているということである。不起立の闘いは学校内外の労働者・市民の反対運動と結合して闘えるのである。職場的地域的に孤立無援な状況で闘えるものではない。 すなわち、一人の不起立の闘いを氷山の一角として、その背後には「日の丸・君が代」強制を容認しない広範な大衆的闘いがあるということだ。故に、学校現場における「日の丸・君が代」強制に対する大衆的抵抗を根絶するということは、不起立者をゼロにすることが大前提となる。一人でも不起立したものがいるということは、その背後に数百の教職員・市民・保護者がいるということである。すなわち、一人の不起立でも「日の丸・君が代」の強制に風穴を開けているのだ。 第二に、この朝日新聞の記事でも触れているが、不起立しなくとも実は多くの教職員が「日の丸・君が代」強制に疑問を持ち、そして抵抗しているのである。 わざと会場外係りを担当したり、また式当日は休暇を取るという形で抵抗している。またやむを得ず式で起立したが、どうしても歌うことができなかったという教職員もいる。また管理職の「判断」によって報告されず処分の対象にならない闘いも存在する。 こうした抵抗は確かに「処分」の対象にならないかもしれない。しかしれっきとした「闘い」であることに間違いない。不起立―懲戒処分の数のみで反「日の丸・君が代」の闘いを総括することは不可能なのである。 第三に、現在も多くの反「日の丸・君が代」の裁判闘争が闘われているのであり、同様に反「日の丸・君が代」の大衆集会が盛んに行われている。その意味でも「日の丸・君が代」の強制に反対する闘いは継続されている。 反「日の丸・君が代」闘争は一過性的な「不起立したか否か」で判断されるべきではなく、不起立を節目とした連続した闘いであるということだ。 「日の丸・君が代」の強制に反対した教職員は裁判闘争であったり、大衆集会や署名運動などを最先頭で取り組んでいる。またこれら闘う教職員の姿はドキュンタリー映画化されたりして、多くの労働者階級人民の共感を生んでいるのだ。 すなわち、反「日の丸・君が代」の闘いは未だその大衆的勢いを弱めていないというのが事実であり、都教委が言うような「……ルールを守るという(10・23)通達の趣旨が浸透した結果では」(同)というようなことでは全然ないということだ。ましてや、東京都の処分はいわゆる「累積荷重」方式であり、東京都は不起立を重ねるごとに処分内容が重くなるという全国でも稀な弾圧体制を敷いている。年々「不起立者」が減少するのはある意味当然である。こうした弾圧体制こそを問題にするべきであり、「不起立者の数」―「被処分者の数」だけで「日の丸・君が代」強制との闘いを云々するという事じたい、都教委のお先棒をかつぐことになる。 我々は「日の丸・君が代」強制による教職員に対する不当処分を徹底的に弾劾する。闘う教職員と連帯し「愛国心教育」―天皇制ファシズム教育、そして改悪教育基本法路線そのものに反対していかなければなかない。 ●2 新たな管理体制としてのTAIMS導入 日帝―文部科学省と都教委員会は「日の丸・君が代」の強制をもって、闘う教職員の排除と公教育における思想統制を強行しようとしている。そして一方、東京都では新たなコンピューターシステムの導入による教職員の管理・統制が策されている。 〇九年度、東京都教育委員会―教育庁は都立学校の全教職員に対してTAIMSと呼ばれるコンピューターシステムの端末を使用することを義務づけた。 TAIMSとは正式名称を「東京都高度情報化推進システム(TAIMS:Tokyo Advanced Information Management System)」と言い、全都庁的情報ネットワークのことである。これは「都の内外の情報交換システム、組織の壁を越えた情報共有、都民・企業・自治体等との共同による高い行政運営を実現するためのシステム基盤」として位置付けられ、基本的な機能として職員間の電子メール・インターネット・電子掲示板・スケジュール管理・庁内ポータルサイトによる全庁的情報の共有化等がある。また休暇・旅費申請などの庶務事務システム、電子起案などの文書総合管理システム、自己申告書などの人事システムにも利用されるというものである。 このシステムは〇一年度に都庁職員に本格的に導入され、学校現場には〇二年度に校長・副校長、〇六年度に主幹に配備されている。そして〇九年以降に都内教職員に対して原則一人一台のTAIMS端末配備が決定され、校務処理はこの端末を通じて行うことが義務化されつつある。都立学校の全教職員を対象とした導入の背景には、児童・生徒などの情報が入ったUSBメモリーなどの外部記憶媒体を教職員が紛失してしまう事件の頻発がある。これの対応策を理由づけにした導入である。 このTAIMSは導入直後から都庁職員によって危険性が指摘されてきていた。職場分断策の一環であるとか、情報の集約作業を業務委託することもっての職員の定数削減につながるもであると指摘されてきた。また「……TAIMS端末から取り込まれた職員の個人情報も管理者側からは丸見えであり、保護が必要です」(都庁職新聞〇一年五月号)と情報管理の側面からの危険性を指摘する声も少なからずあがっていた代物なのである。 今後、都立学校の全教職員はこのシステムを通じて自己申告書、出張、休暇などを申請するようになる。しかも、学校外部への情報漏れを防ぐという名目であるから、当然、生徒の成績などもこのタイムスを通じて東京都の総務局が管理する管理サーバに集約されることになる。 またこのTAIMSとは別に教育用ICT機器がネットワーク化されている。教育用ICT機器とは教材の作成であるとか、授業での使用、課題(宿題)等を目的とした実際の授業で使用するコンピュター機器のことである。このICT機器のネットワーク化の管理は都教育庁になる。 すなわち、現在、都の教育現場では二つのコンピューターシシテムが構築されようとしている。TAIMSは校務活用の位置付けで都総務局が管理するシステムであり、ICT機器ネットワークは授業での活用を位置付けた教育庁管理のシステムである。両者は危機管理の目的から物理的に隔離されているが、ともに教材作成は可能である。すなわち、両者ともに教材作成の情報を集約することは可能である。 これまで、都立各学校はコンピュターシステムをそれなりに導入しながらも、その体系は各学校レベルのものとして機能させていた。しかし、この各学校レベルのコンピュターシステムを一元化もしくはネットワーク化し、全都的レベルの教育用コンピュターシステムに再編しようというのがここ最近の都の動向なのである。 すでに東京都教育委員会は、今年度から都立学校全教員の自己申告書をTAIMSにて入力させることを強要している。余りに突然な指示のために現場は混乱している。逆に言えば都教委は多少の混乱など度外視してでも、なるべく早くTAIMS導入による体制に移行したいということの意思表明でもある。 現在のとろ、TAIMSのカバーする領域は自己申告書・出張・休暇などに止まってはいるが、早晩これが「週案」と呼ばれる教育実践目標や授業プリントの提出などに拡大するのは必至である。またこれら情報内容が都に一元的に管理・集約されることは、その情報を都はいかようにも使用することが可能になるということである。都教委が口先ではいかにも安全で無害なシステムのように言いくるめようとも、TAIMSが教職員の管理・統制に使われないとういう保障は一切ない。 近年の業績評価制度の導入、主幹・主任教諭の導入という教職員間の階層化を通じた職場分断支配の構造の中で、都立学校全教員へ端末配備されるTAIMSは教員の管理・統制の道具として機能することは想像だに難くない。我々は都教委が全教員に自己申告書の入力を強要するコンピュターシステムを、単なるコンピューター端末の利便性だけの問題として取り扱うことはできない。都教委にとってTAIMS導入は間違いなく政治的意図があると見るべきである。 教育現場でTAIMSが確立すれば、少なくとも都教委は端末を通じて、生徒の成績情報と現場教職員の事務情報を同じ都庁の総務局が管理するサーバーに一元的に集約することが可能となる。都教委にとって、あとはその情報をいかに引き出して使うかの問題だけだ。すなわちTAIMSを通じて集約された情報の中から、特定の教職員の勤務態度・教育実践の中身を取り出すことも十分可能となる。それは、闘う教職員や教職員組合に所属する教職員の排除にも十二分に役立つシステムであるということだ。教育現場のコンピュターシステムによる管理強化を許すな。 ●3 「官製ワーキングプア」が増加する教育現場 そして教職員の分断支配攻撃は非正規職の拡大として強まっている。 今年十月二十三日付け『朝日新聞』(夕刊)に「非正規教員七人に一人」と題する記事が掲載された。「各地の公立小中学校で、正規採用の教員ではない常勤講師や非常勤講師が増え、昨年は約十万五千人と全体の15・1%を占めた」「この七年間で約三万七千人増えており、こうした『非正規教員』が七人に一人を越えるまでになった」と報じている。また「常勤講師と非常勤講師」という用語解説箇所では、「常勤講師は正規教員と同じくフルタイム(週約四十時間)働き、学級担任もできる。非常勤講師は『直接担当する授業時間だけ』『週二十時間』といった限られた時間の指導を担う」と解説されている。しかし、ここで注意すべきは「常勤講師は……学級担任もできる」という表現だが、実際は「学級担任もさせられる」ということだ。そして給与体系では、例えば大阪府の場合は正規教員は段階的に給与が上がるが、非正規教員は三十一万円で頭打ちになり非常勤は時給二千七百九十円で固定されてしまう。 明らかに非正規教員はその仕事内容における責任や労働量に比して、安価な労働力として政策的に位置付けられているのである。 教員だけでなく学校関係者全般にわたる非正規職の比率になると、もっと割合が高くなる。 新宿区のある公立学校の場合、都費で働いている正規職員は校長・副校長から事務職員まで二十三名いる。そして区費で働いているのは用務主事の二名であり、計二十五名が正規職である。対して非正規職は都費で働くのは育休代替教員と非常勤講師の四名であるが、区費ともなると非常勤講師・再雇用職員・事務臨時職員・介助員などの多岐にわたり、民間委託の給食調理員まで含めれば実に四十四名の非正規職員が学校経営にたずさわっている。全体の実に60%以上が非正規職員である。 また多摩地区の西東京市、羽村市、清瀬市、町田市、多摩市、三鷹市、小金井市、国分寺市の調査では、市内小学校(小金井市のみ中学校)における職員中に占める非正規職の比率は八市中六市が40%超であり(西東京市は52%)であり、最も少ない羽村市でも20%が非正規職員である。 現在の公立学校は非正規職を活用することをもって運営されている、と言っても過言ではない。 また都教委は〇八年に「都立学校に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例」を出し、ここに「日勤講師」という概念を持ち出してきた。 この「日勤講師」とは「都立学校等に勤務する教員で常時勤務することを要しないもの…のうち一日を単位として勤務するものをいう」ということであり、その勤務時間は「一日につき八時間とする」と定められている。そしてその報酬は、「月を単位とし、非常勤職員の報酬および費用弁償に関する…額を越えない範囲において教育委員会規則で定める額の報酬を支給する」とある。すなわち、時間給である非常勤講師を日勤として制度化しようというのだ。その職務内容は、補習・補講なども含む学習・教科指導、校務分掌業務、保護者対応、学校管理運営の補佐、学級担任の補佐、果ては初任者への助言だの、「小一問題の対応」だの、あげくには「不適応児童・生徒への対応」までが職務になる。恐らく定年退職した教員を対象にした制度であろうが、正規職と同様、いやそれ以上の仕事を「日勤」という非常勤講師に行わせるということだ。 我々は、こうした教育現場における非正規職の拡大が職場管理・支配としても有効に機能することに着目しなければならない。 まず何よりも、従来の管理職対一般教員という構造から様々な雇用形態を導入することをもって、職場の団結・教育労働者間の団結を破壊することが容易になる。新たな管理職としての主幹・主任教諭の導入とリンクした非正規職の拡大によって、様々な立場の利害関係が発生している。従来のような「教員」としての利害―立場が全体の共通項ではなくなってきている。給与―待遇の面から職場は分断され、その支配が貫徹されていく。実際、こうした種々の職階や職種を導入することをもって、もっともその対応の困難に直面しているのが従来の教職員組合である。 また都教委にとって非正規職員は懲戒処分を出す必要がない職である。何か「問題」が発生すれば来年度からの契約を破棄すればいいだけの話である。つまり、雇用関係において立場の弱い非正規職の拡大とは、「日の丸・君が代」の強制をはじめとした「愛国心」教育をさほどの困難さをもたずに貫徹できるのである。いちいち「懲戒処分だ」「裁判だ」と騒ぐことなく、粛々と教育委員会の方針に従わない教員を現場から排除できる。また非正規職は立場が不安定が故に、反抗するのにもそれ相応の覚悟が必要となる。 教育現場における非正規職の政策的導入とは、なにも自治体の予算―賃金問題だけではなく、職場分断支配の問題という側面からも考察されていかなければならない。教育の国家支配と闘う教育労働者にとって、正規―非正規を貫いた団結の創造がリアルに問われているのである。 ●4 闘う教育労働者と連帯し改悪教育基本法路線粉砕へ そして言うまでもなく、これら非正規職員の拡大はなにも教育労働者だけの問題ではない。「ワーキングプア」「官製ワーキングプア」等と呼ばれる、日本社会全体の問題であり、日本労働者階級総体の問題である。教育現場だけが特殊な状況に置かれているわけではない。「同一労働・同一賃金」の原則を掲げ、正規―非正規を貫く団結の創造は労働組合全体の課題でもあり、かかる課題の解決こそ「階級的・戦闘的労働組合の再生」の鍵でもある。 我々は改めて、かかる観点にたって、教育現場で闘う教職員・教職員組合と連帯していこうではないか。 「日の丸・君が代」の強制、新たなコンピューターシステム導入による管理体制の強化、そして非正規職員の拡大にともなう職場分断支配は教職員組合の弱体化と闘う教職員の現場からの排除をねらったものである。 歴史的観点から見れば、それは戦後日本階級闘争の一翼を担い「教え子を戦場に送るな」を掲げて反戦運動の最先頭にたった教職員組合の運動の地平の清算と解体を画策した攻撃である。またかかる攻撃は改悪教育基本法の路線的基軸でもある。教育基本法の改悪とは、戦後憲法の精神を教育に生かすと位置付けられた教育基本法を国家主義的に改編し、もって「戦後民主主義教育」の解体をねらったものであり、同時にそれは反戦運動の一翼たる教職員の闘いの解体を策した攻撃だった。 我々はあらためて、現在の教育現場にかけられている攻撃を改悪教育基本法路線として設定し、これとの対決の基軸を教育労働者間のそして市民・労働者との団結の形成としてとらえていかなければならない。 その団結の基軸に、「同一労働・同一賃金」の大原則に則った階級的立場と我々の主張する「闘うアジア人民との実践的具体的連帯」という国際主義の精神を据えていかなければならない。 闘う教職員と連帯し、プロレタリア国際主義の旗を掲げて改悪教育基本法路線と対決していこうではないか。 |
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