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■『戦旗』1623号(10月20日)8面 原発推進に大転換する岸田政権を弾劾する 再稼働阻止、全原発の廃炉を実現しよう! 沢田教二 安倍―菅政権を引き継いだ岸田は保守本流面を引っさげているが、実際は不安定な権力基盤のなかで特に安倍を頭目とした保守極右勢力におもねることでしか権力を維持できないのが実態だ。しかし、安倍の銃撃による殺害という予想もしない事態が出現したことで自らの権力基盤の脆弱性が露呈した。そのうえ、安倍を筆頭にあの反共犯罪集団=統一教会・勝共連合が自民党に深く浸透していることがあらわになり慌てふためいている。そうした自民党政権の腐敗と堕落を覆い隠すかのように、岸田の原発政策の大転換が発表されたのだ。ウクライナ危機と電力逼迫を口実に人民を脅かして人民支配を強化するやり口は安倍政治そのものだ。その意味ではわれわれの闘いも新たな段階へと押し上げていく必要があるのだ。 新自由主義グローバリゼーションを掲げてきた資本主義は危機に瀕しており、世界市場の経済安全保障的再編でしか生き残れないことが明らかになった。まさに武力と一体の経済支配が延命の道なのだ。コロナ禍で経済がガタガタの資本家どもは戦争に望みをかけるという絶望的状況だ、その犠牲になるのは常に人民大衆だという事を忘れてはならないだろう。 ●1 ウクライナ戦争に荷担し原発推進を叫ぶ岸田政権 ウクライナ戦争が長引き戦争犠牲者が増える一方の中、米帝、欧州各国帝、そして日帝は「ロシア批判」を口にしながら、停戦に向けて何も手を打てないでいる。むしろ米帝の軍事支援―戦争激化に同調しウクライナ支援を行っている。米・露の帝国主義的覇権戦争はとどまることのない泥沼化の世界戦争的様相を帯びてきている。岸田政権は人道援助と言いながらドローンや緊急医療など戦争に転用される支援を行っている。 しかもこの戦争では、ウクライナの原発が戦争の盾として使われている。まさに原発が核兵器と同じように扱われるということが現実に起きているのだ。最初のウクライナ侵攻では、あの大事故を起こしたチェリノブイリ原発をロシア軍は占拠し銃撃戦まで起きているのだ。稼働していないとは言え大量の核燃料が保存されており、まだ危険そのものである。しかも大量の放射能汚染に見舞われた「赤い森」(放射能で緑が変色した)に塹壕を掘ったために、多数のロシア軍兵士たちが被曝した。 最近では欧州最大の原発群と言われるザボリージャ原発を占拠した上にミサイル攻撃する事態となっている。実際電源が途絶えたりして原子炉そのものも危険だが、その周辺に「核燃保存プール」もあり、冷却用電源が途絶えただけで過酷事故はおこる。まさに「原発が原爆になる」ことが現実に起きてしまったのである。しかし、出来うることはIAEA(国際原子力機関)職員を派遣し、人質として残して原発を攻撃しないでと叫ぶだけなのである。ましてや核兵器禁止条約さえ批准できない岸田政権がどれほどの貢献ができるであろうか。 この状況の中で岸田政権がとんでもない原発政策を公表した。「カーボンニュートラル」(脱炭素)を検討する会議「GX(グリーントランスフォーメション)実行会議」において、これまでの原発政策を一八〇度転換する政策を検討せよと号令をかけたのである。具体的には、①現在再稼働が認可されている原発一〇基にプラスしてさらに七基増やす(来年の夏までに動かす)、②原則運転四〇年を延長して八〇年間運転を検討する(今でも特例で二〇年延長を認めている)、③次世代に向けての新型原発の開発・製造を進める、というものだ。これまで自民党政権が掲げていたことを大転換する内容である。二〇二一年閣議決定した「第六次エネルギー基本計画」では、原発の電源構成比率は20~22%とし、原発は暫時削減し、再生エネルギーを増やすと言ってきたのだ。すなわちこれまでの公約を全て反古するのと同じであり、まさに自民党の本性がでた内容である。すなわち「核武装」も含め原子力を維持するということだ。 この「GX実行会議」は、政府関係者はもとより皆原発推進者で構成されている。しかも非公開とされている。経団連十倉会長を始め電力会社関係者が名を連ね、何と連合の芳野会長も加わっている。答申をまたずにすでに結果が見えているという、とんでもない会議なのである。岸田は一二月末までには見解を出して欲しいとまで言い、原発政策の大転換を推進しようとしている、「GX実行会議」は断固粉砕あるのみだ。 ●2 「電力逼迫」を口実にした原発再稼働策動を許すな 二〇二一年、菅政権は「カーボンニュートラル」を提案し、その牽引役を担うと宣言し、岸田政権もまたそれを引きついできた。しかし、ウクライナ戦争とエネルギー危機が進行すれば経済的破綻となることが明確になり、エネルギー政策の失敗を覆い隠すために「原発回帰」政策を持ち出さざる得なくなったのだ。その口実に「電力逼迫」を持ち出したのだが、これは全くでたらめな虚言である。 電気は足りている。福島原発事故のあと少なくとも二年間は原発ゼロで日本社会は動いていた。この三月に「電力逼迫警報」なる物を出して民衆を脅して、原発を早くもっと動かせとのキャンペーンを張った。その後六月の福島沖地震で火力発電所が停止したことでまたもや「逼迫注意」を出したが、何事も起こらなかったのだ。 問題は送電線網の不整備の方が大きいのである。九電などは再生エネルギーが余っているために捨てている始末なのだ。また日本では電源周波数が西日本は六〇ヘルツ、東日本は五〇ヘルツと異なっており融通するのが困難という不備がある、これを解消しようと周波数変換所を作ったのだが、わずか二一〇万キロワットでしかない。電力会社や国の怠慢が大きく関与しているのである。電力は足りているし、解決する方法はいくらでもあるのだ。問題は政府の無策だ。デマ宣伝を流し、原発再稼働を訴える岸田政権を許してはならない。 ●3 東海第二原発再稼働阻止、闘いは新たな段階に入った 「東京の原発」とも言われる茨城の東海原発二号機は、二〇二一年三月水戸地裁において「運転差し止め」判決を受けた。住民の避難対策の計画性も実行性もほど遠いもので、安全性が確立されてなく、住民の人格権がないがしろにされているという理由である。九四万人もの住民の避難計画など土台無理な話である。そうであるが故に日本原電は三月突然再稼働の延期を発表し、二〇二四年九月以降とした。これで二回目の再稼働延期である。安全対策工事の遅れを口実にしている。実際は東京での控訴審開始が来年の一月三一日と決定されたが、避難計画は何ら前進していないばかりか六市村との合意などほど遠い現状なので、再稼働などもっての他なのだ。当初一七〇〇億円の工事予算は跳ね上がっており、利益を何もうみださない原電の財務状況は非常に苦しいのだ。各出資電力会社からの融資も限界に来ており、工事そのものさえ危ぶまれる状況なのだ。 東海村は原子力産業のたまり場で日本原子力研究機構の「東海再処理施設」があり、そこには未処理の汚染液が三六〇立方メートルもある。将来ガラス固化して放射能を閉じ込めるとしているが、技術的にも不完全で作業も進展していない。それどころか、最終処分場さえ決まってないのである。東海第二に近接しており、大変危険な状況だ。福島・茨城沖地震が群発しており、この地での原発再稼働などしてはならないのだ。 日本原電はかつて敦賀原発で八〇件にも及ぶデータ改ざん問題を起こし、さすがの規制委も何回も内部調査を行わなければならないほど信用できない杜撰な企業なのである。福島・茨城沖では大地震が頻発しているが、東海の立地地域には軟弱地盤があり危険であることが指摘されている。敦賀でのデータ改ざんは東海でもあるのではないかと疑われており、再調査を要求している。 運転期限四〇年を四年もオーバーしており老朽化が甚だしい原子炉だ。周辺の配管、ケーブル周りも劣化が進んでおり、原電は点検でも見た目で分る範囲でしか補修を行っていないのである。こうした老朽原発の再稼働がどれほど危険なものかは、これまで再稼働してきた原発が必ずトラブルを起こしてきていることを見れば明確だ。特に原子炉内部は長年の放射線照射で劣化が激しくボロボロだと言うのが専門家の一致した見解だ。岸田政権の再稼働促進政策はこの危険度に輪をかけるのは必至だ。日本全体を危険にさらす老朽原発再稼働を今こそ止めなければ禍根を残す結果となってしまう。そういう意味では闘いはこれまでとは違う段階に入ったと言っても過言ではない。 現在、茨城―首都圏をつないでの「東海第二原発いらない! 一斉行動」が連続して取り組まれ、徐々に参加数も増えており全国にも広がってきている。残り二年余りの闘いで原電を追い詰め、裁判にも勝利し廃炉の道を切り拓こう。このことが東電の狙う柏崎・刈羽の原発再稼働をも打ち砕いていくのである。一一月二七日は「廃炉デー」と呼び東海第二の二〇年延長が決定された日として毎年抗議集会がもたれている。今回は最大の正念場を迎えての集会だ。ともに結集しよう。 ●4 反戦・反核・反原発の世界的潮流を作り出そう 現代戦争において原発は単なる抑止力ではなくて現実的武器であることが、ウクライナ戦争で明確に示された。「日本は唯一の被爆国だ」としてあたかも核兵器を許さないと言い続けてきた。しかし日本はいまだに核兵器禁止条約さえ批准しない国なのだ。歴代自民党政権は「憲法改正」と「核抑止」の必要性を言い続けており、彼らの本音は「核保有」を担保して「戦争の出来る国家」を目指したいのだ。かれらは資本主義において生き延びるには軍事大国化が絶対であると考えている。この戦争下の時代に来て防衛費のGDP比2%への倍増、そして原発の維持・新増設、国連安保理常任国入りの野望をあからさまにしているのだ。 今こそ国際主義の旗を掲げて、自国帝国主義の打倒を闘うことこそ問われている。朝鮮半島を巡る緊張、台湾問題を巡る緊張、東南アジアを巡る緊張の中で、日帝がなんとしてもヘゲモニーを握らんとして躍起になりアジア・太平洋地域において政治的、経済的、軍事的立場を強化しようとしている。安倍政治こそ自国資本主義の衰退を押し止めるために、外交戦略に展望を求めて「戦争の出来る」国家作りを目指してきたのである。この安倍を国葬で権威づけることなど絶対に許してはならない。いまこそ国際主義の旗を掲げて、反戦・反核・反原発の闘いを推し進めていこう! |
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