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 ■『戦旗』第1637号(6月5日)3面

G7外相会合を批判する

帝国主義の世界支配の構図

                    小出一好 

 

  五月一九、二〇日の広島における首脳会合に先立って、日本の各地で閣僚会合が行われてきた。その中で、四月一六~一八日に軽井沢で開催された外相会合は、広島での首脳会合を先取りする形で論議がなされていた。帝国主義諸国の対中国政策やロシアープーチン体制の打倒を目指す経済制裁やウクライナ支援、核不拡散について意志一致する内容だった。そこには、帝国主義が描く世界支配体制の構図が明瞭になっている。
 外相会合の参加者は、林外務大臣を含むG7各国の外相及び欧州対外活動庁事務局長(EU上級代表の代理)が出席した。
 四月一六日から始まった外相会合では、以下の七つの議題が論議されている。「核軍縮・不拡散」、「アフリカ」、「アフガニスタン・中央アジア」、「イラン・中東」、「国際的なパートナーとの協力に関するワーキングランチ」、「ウクライナ」、「インド太平洋」。
 そしてここでの論議を要約する文書としてG7外相コミュニケが発表されている。
 コミュニケは、①「ロシアのウクライナに対する侵略戦争」、②「インド太平洋」、③「中国」、④「北朝鮮」と続き、その他では気候変動、エネルギー、経済安全保障、軍縮・不拡散など全体は二四項目にわたる内容である。
 以下では、G7広島サミットの重要課題であったウクライナ戦争と中国に対する部分を取り上げる。
 コミュニケは、冒頭から「ロシアによるウクライナに対する継続的な侵略戦争を含め、世界が国際システムに対する重大な脅威に対応する中で、我々の強い結束を強調する」という文章から始まっており、帝国主義の世界支配にとってウクライナ戦争の帰趨の重大性が打ち出されている。
 冒頭に続く本文の最初のタイトルは「ロシアによるウクライナに対する侵略戦争」で、そこではロシアを「可能な限り最も強い言葉で非難」し、「即時かつ無条件の撤退」を要求。ウクライナに対しては「必要とされる限り支援するとともに」「自由で民主的な未来を確保し、及び将来のロシアの侵略を抑止することを支援するため、持続的な安全保障、経済及び制度上の支援を提供する」としている。また、ロシアに対しては「制裁を強化し、協調及び完全に実施し、並びに我々の制裁措置を回避し、損なおうとするロシア及び第三者の試みに対抗する」、「第三者に対してロシアの戦争への支援を停止するよう求め、そうしなければ深刻なコストに直面することとなることを改めて表明する」としている。経済制裁の強化による締め付けで、ロシア経済への打撃を与え、戦争継続を阻止しようとしている。
 G7外相たち、停戦や外交による解決は念頭になく、今後も武器支援を続け、あくまでもロシアに軍事的に勝利することを目指していることが鮮明だ。ウクライナの軍事的劣勢を挽回するために、帝国主義の支援する武器はどんどん強化され、戦争が激化している。ウクライナの犠牲は増え続けているが、帝国主義は支援した分だけの戦争の成果をウクライナに要求している。
 経済制裁は、ロシア締め付けの狙いは全くはずれ、「深刻なコスト」を払っているのは、帝国主義のほうだ。安価なロシア産のエネルギーの供給がなくなり、深刻なエネルギー高と物価の高騰に見舞われているのはEUである。また経済制裁に加わる国は限定的で、むしろ経済制裁の結果中国とロシアの関係は強化され、中ロの主導する新たな多極化世界の構想が、帝国主義支配からの脱却を目指すグローバルサウスの動きを促進している。
 コミュニケは、中国については「我々は、中国に率直に関与し、我々の懸念を中国に直接表明することの重要性を認識する」という文章から始まっている。そして以降は「国際社会の責任ある一員として行動するよう求める」、あるいは「力または威嚇によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する」というように帝国主義の常套句が並ぶ。帝国主義を凌ぐ経済力を付け、政治や軍事においても帝国主義の世界支配を脅かす中国に対し、何とかその台頭を押さえつけつつも、帝国主義の陣営に引き込み、協調体制を築きたい帝国主義の思惑が窺える。
 台湾海峡については「平和と安定の重要性を再確認し、両岸問題の平和的解決を促す」としているが、戦争危機を煽り、中国に対する戦争体制を強化し続けているのは日米帝国主義だ。
 「一つの中国」の立場に立って、台湾と中国による話し合いによる解決に委ねるべきで、米帝―バイデン政権は即時に台湾へ武器輸出は止めるべきである。米帝―バイデン政権の戦争放火を断じて許してはならない。

 

 


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