共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

  
  
  
■『戦旗』1666号(10月5日号)6面

 
次は狭山だ!
   
再審の扉を開けよう
 
11・1日比谷野音に結集を
     



無罪判決勝ちとった袴田巌さん

 九月二六日、静岡地裁で袴田事件の無罪判決が言い渡された。一九六六年の事件発生から五八年の長いながい闘いに、ついに勝利したのだ。二〇一四年三月、静岡地裁により「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」という言葉と共に再審開始決定が出され、袴田巖さんは四八年ぶりに釈放された。浜松で姉・ひで子さんとの生活を取り戻した袴田さんだが、死刑囚としての長い拘禁生活により重い精神症状を抱えての、更に長い闘いの始まりだった。検察は東京高裁へ即時抗告し、二〇一八年六月あろうことか高裁はこの抗告を認めて再審開始を棄却したのだった。弁護団は最高裁に特別抗告、二〇二三年にようやく再審開始決定が下される。許しがたいことに検察は、改めて死刑を求刑してきた。「検事はいまさら参ったとは言えないだけ」とひで子さんはこれを一蹴し、無罪判決を信じ、「袴田の次は狭山!巖の次は石川さんだ!」と狭山集会で力強く発言されてきた。
 袴田巖さんは八八歳、姉・ひで子さんは九一歳を迎えた。どうしてこれほどまでに再審の扉は重いのか。「疑わしきは……」どころか誰もが無実を確信する袴田事件や狭山事件の再審を求めるのに、どうして半世紀以上もの闘いを強いられるのだろうか。
 九月一九日、日比谷野外音楽堂で「今こそ変えよう!再審法~カウントダウン袴田判決」集会(日弁連)が行われ、二五〇〇人が結集した。袴田ひで子さんや大川原化工機事件冤罪被害者の大川原正明さん、元厚労省事務次官・郵便不正事件冤罪被害者の村木厚子さんなど当事者の方々と、支援者、再審法改正を求める超党派三四〇名の議員連盟を代表した方々などが次々と登壇した。検察・権力の面子のため、更には時の政権・政治に左右されて、人一人の命や人生が奪われることをこれ以上許してはならない! 再審開始が決定しても検察が抗告(不服申し立て)を繰り返して阻むことを止めさせ、再審のルールを決めなければならない! ――続く熱い発言に、満場の拍手が送られた。石川一雄さんも参加し、壇上からプラカードを高々と掲げた。


11・1狭山集会に結集し狭山再審の扉を開けよう

 八月二七日、狭山事件の第六一回三者協議が行われた。第三次再審請求でこれまでに提出された新証拠は二七三点にもおよぶ。弁護団は二〇二二年八月に提出した事実取調請求書において、一一人の鑑定人の証人尋問とあわせて、検察庁にあるインク資料の鑑定請求を行った。被害者が事件当日に学校で書いたペン習字浄書、被害者が使っていたインク瓶、石川さん宅鴨居で発見された万年筆で被害者の兄が書いた「数字」、これらが検察官の手元にある。弁護団はすでにこれら証拠について科学的鑑定を行い、「鴨居の万年筆」は被害者のものと同一ではないことを明らかにしてきた。
 検察はこれに異を唱えているが、であるならば証拠品が手元にあるのだから科警研などで分析・鑑定を行えばよいのであるが、都合の悪いことはやろうとせず引き延ばしに徹してきた。袴田事件と同様「参った」と言えないから、証拠の捏造を認めるわけにいかないから、足掻いているだけなのだ。
 第三者の専門家による蛍光エックス線分析を裁判所が主体となって行うよう求めたのが、二年前の鑑定請求である。第六一回三者協議で家令裁判長は、弁護団による鑑定実施に協力するよう検察官に要請した。これを受けて弁護団は、インク資料の鑑定実施に向けた準備を進めていくことになった。万年筆が明らかに別物であるという、この再度の鑑定を新証拠として提出することは、再審開始にむけた大きな大きな一歩となる。
 部落解放同盟は、袴田事件の判決が出される九月二六日から、寺尾不当判決五〇カ年の10・31(狭山事件の再審を求める市民集会は一一月一日)までを全国統一行動月間と位置づけ、全国各地全力での取り組みを! と呼び掛けている。
 今まで以上に大きな世論をつくり出し、家令裁判長を動かそうではないか! われわれ全狭連も毎月二三デーを前後しての街頭情宣・署名活動を重ねてきたほか、諸地域での取り組みに参加してきた。いっそう気合を入れて闘う決意である。11・1狭山集会に全国から結集し、日比谷野外音楽堂を埋めつくそう! 狭山差別裁判糾弾! 石川一雄さん・早智子さんと共に、最大の山場を闘い抜こう!


寺尾判決50年糾弾 狭山事件の再審を求める市民集会
日時:11月1日(金)13時~(ミニコンサートは12時半~)
          集会終了後、デモ行進
会場:日比谷野外音楽堂
主催:狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会

 



Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.