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 ■『戦旗』第1652号(2月20日)3面

  岸田政権が「防衛装備移転三原則」改悪強行

 武器輸出と一体の戦争体制構築を許すな

  

小出一好     


 岸田政権は、昨年一二月二二日の臨時閣議と国家安全保障会議(NSC)において、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転三原則」(以下「三原則」)の運用指針の改悪を決定した。
 改悪の主な内容は以下のようになっている。
 1、「外国企業からの技術を導入し国内で製造する「ライセンス生産」の装備品の輸出について、これまではアメリカに対しては部品のみを認めていたが、完成品も含めてライセンス元の国への輸出を可能にした。
 2、日本の事前同意があれば、ライセンス元の国から第三国に輸出ことも可能とする。ただし「現に戦闘が行われていると判断される国へ提供する場合は除く」としている。
 3、安全保障面で協力関係のある国に対し戦闘機のエンジンや翼などの部品の輸出を認めるほか、「救難」や「輸送」など五つの類型の装備品に、殺傷能力のある武器を搭載していても輸出を可能とする。
 今回の改悪によって、殺傷能力のある武器や弾薬の完成品の輸出が可能となった。日本が外国企業から技術を導入して国内で製造する「ライセンス生産」している武器としては、アメリカが「F15戦闘機」「CH47輸送ヘリコプター」、地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」などがある。岸田政権は、「三原則」の改悪と同時に、「PAC3」のアメリカへの輸出を認めている。ウクライナやイスラエルへの武器支援や中東におけるイエメンやイラクに対する米軍の空爆―侵略攻撃のために不足する武器を補充する軍事支援に他ならない。徹底的に弾劾しなければならない。
 アメリカ以外にも日本でライセンス生産されている武器としては、「八一ミリ迫撃砲」(イギリス) 「一二〇ミリ迫撃砲」(フランス) 「五・五六ミリ機関銃」(ベルギー)などがある。
 これらの武器も、輸出が可能となる。「現に戦闘が行われている国は除く」などとなっているが、実際は空文で何の実効性もない。
 ライセンス生産以外にも、他国と共同で開発・生産した武器について、パートナー国が完成品を輸出した国に対し、部品を直接輸出できるようになった。日本は、イギリス・イタリアと弾道ミサイル用の迎撃ミサイル「SM3ブロックA」と「次期戦闘機」を開発・生産している。この次期戦闘機の部品の輸出を狙っているのだ。
 岸田政権は、この「三原則」の改悪によって、「官民一体となって防衛装備の海外移転を進める」としている。武器輸出の拡大によって、帝国主義による世界支配のための軍事力の強化に、日本帝国主義として積極的に乗り出すということである。
 岸田首相は、一二月二二日の記者会見において「平和国家としての歩みを堅持することは変わらない」などと欺瞞的な発言を行っている。このような重大な問題を、国会審議すらせずに、臨時閣議と国家安全保障会議のみで決定する手法は、まさに安倍独裁政治の手法だ。
 この改悪は、安倍右翼反動政治の継承そのものだ。二〇一四年安倍政権時に、それまでの「武器輸出三原則」の下、大きな制限がかけられていた武器輸出を大きく転換させ、新たに「防衛装備移転三原則」と「運用指針」を決定し、武器輸出の道を拡大させたのだ。岸田政権の侵略反革命戦争体制の強化として弾劾しなければならない。殺傷能力のある武器輸出の拡大は、憲法前文や九条の規定を実質的に空文化させることだ。改憲攻撃の一環としても捉え抜き、武器輸出の拡大と闘っていかなくてはならない。
 また、武器輸出の拡大は、日本帝国主義自体の武器の生産能力や技術の高度化を狙った攻撃でもある。
 二〇二二年のロシアによるウクライナ侵攻は、帝国主義の世界支配に、画歴史的な亀裂と動揺をもたらした。イスラエルによるガザでのジェノサイド、パレスチナ人民抹殺の虐殺戦争は、この亀裂と動揺をさらに広げ、米帝を盟主とする帝国主義の世界支配は、危機を迎えている。米帝の軍事力に屈服しないロシアやイエメン、イランの存在が、帝国主義の危機を表している。
 米帝―バイデン政権は、侵略反革命戦争の拡大によってこの危機の突破を図ろうと、世界中で陰謀と戦争挑発を繰り返している。
 日帝―岸田政権は、まさに米帝―バイデン政権と一体となって、東アジアにおける戦争危機を煽動し、中国、朝鮮民主主義人民共和国への民族排外主義を激化させ、戦争体制の強化を進めている。「台湾有事」に身構え、琉球弧の軍事要塞化を強行し、再び琉球弧を戦場にし、沖縄人民を戦争に巻き込もうとしている。
 「三原則」の改悪は、岸田政権の戦争攻撃であることをはっきりと捉え、武器輸出を阻止するために闘わなくてはならない。

 


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