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 朝鮮学校無償化掲げ下町集会

 東北の朝鮮学校訪問の報告も
2011年10月

首都圏  労働者
   




 

 九月十六日、東京・墨田区曳舟文化センターにおいて「朝鮮学校も無償化に!下町集会U」が行われた。会場には地域の在日の方々や部落解放同盟の方々をはじめ地元の教職員組合など労組員や市民ら百二十名が集まった。
 集会のはじめに、主催の集会実行委からあいさつが行われた。「昨年の7・22下町集会から一年余、軍事衝突を口実とした無償化手続きの凍結、そして東日本大震災を経て今なお朝鮮学校は無償化の対象から除外され続けている。前首相・菅が辞め際に無償化適用手続きの再開を言ったものの、昨年の四月にさかのぼって実際に支給された上で、各地で凍結・停止されている補助金問題も解決しないことには、闘いの勝利とは言えない」とこの間の経過報告が述べられた、「『凍結解除』を受けて、排外主義勢力の攻撃もさらに増している。今一度、気を引き締めて高校無償化を実現させよう」と訴えた。
 つづいて、被災した東北朝鮮初中級学校を訪問した報告が集会実行委から行われた。「いまだに朝鮮学校無償化が実現できていない悔しさを込めて、今私たちに何ができるかを実行委でも話し合い、『東北の朝鮮学校へ自分たちで行こう! そして改めて朝鮮学校支援を地域で呼びかけていこう!』と現地入りを決めた」と訪問の目的を明らかにした。そして、「先の東日本大震災・原発事故により、仙台の朝鮮学校は校舎が傾いて使用不能となり、福島の朝鮮学校は放射能汚染のために学校疎開を強いられている状況」であると次のように話した。
 七月十六日午後、東北朝鮮初中級学校に到着し、地震によって崩壊した校内を校長先生に案内してもらった。校舎はその全体が傾き、机や本棚・パソコンなどあらゆる物が壊れて散乱し、完全に使えない状態になっていた。DVDやスライドを交えた現地の被害状況の映像は想像をはるかに超えたすさまじいものであった。近年新築された寄宿舎や食堂舎が無事だったため、教員と子供たちはそこで生活と授業を行っている。校長先生の話では「校舎の解体申請をして新たに校舎を自力で再建しなくてはならない。しかし校舎再建には二億円以上の莫大な資金がかかる」とのこと。そして「この食堂舎があったから炊き出しを作り、同胞はもちろん日本人被災者とも共に過ごすことができた」と校長先生が語っていた。
 今回だけでなく、息の長い支援活動でつながり続けていくことが重要なのだということ感じさせた報告だった。
 次に、金舜植(キム・スンシク)弁護士による講演が行われた。金氏は朝鮮学校出身で初めて弁護士になった方で、高校無償化からの朝鮮学校除外に対し弁護士として声をあげ日々奔走されている。講演で金弁護士は、戦後の在日朝鮮人の民族教育を守る闘いをふり返りながら「今日の無償化を求める闘いは、在日と日本人の新たな闘いとしていかなければならない。なぜなら日本はまだ民族教育を奪ってきた歴史的途上にあるからだ」と、無償化実現の闘いの意義を熱く語った。
 その後「ノレの会」による、差別反対や反原発をテーマにしたオリジナルの歌曲が披露され、集会場は盛り上がった。
 集会アピールで、朝鮮学校オモニ会の会長さんは、日本の差別社会を糾弾しながらも、「日本人がともに闘いを起こしてくれたので、また闘う気持ちになった。最後まであきらめません!」と述べた。
 東京朝鮮中高級学校の校長先生は、以前、外国人登録証不携帯で警察に連行され不条理にも十指の指紋をとられたという屈辱の経験を語り、「民族教育は日本社会を良くしていくことで貢献してきている。子供たちにもそう教えている」と民族教育
大切さを訴え、「高校無償化実現の運動は在日と日本人のかけはしにもなっている。ともにがんばりましょう」とアピールした。
 最後に部落解放同盟墨田支部の方が「朝鮮学校無償化の問題は日本人の問題である。差別排外主義を許さず、最後まで闘おう」とあいさつし、集会を締めくくった。
 なお、この集会で会場の参加者から七万五千円ものカンパが集められ、被災した東北朝鮮学校の支援等にあてられることになった。
            


 

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