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 フィールドワーク・援農に参加して

 各地の闘いと重なる三里塚の地平
2011年11月

西日本  青年労働者
   




 

 十月二十八、二十九日に三里塚を訪れ、空港周辺のフィールドワークと援農をさせて頂いた。
 フィールドワークと援農を通して、様々な闘いの現場を見た。東峰神社、封鎖された団結街道、天神峰現闘本部跡、岩山記念館、過酷な状況下で踏ん張って住み続けている住民の方。そして`普通に農作業をするaという行為。それらが、各地の様々な闘いと重なった。
 例えば、原発建設に反対し続けている山口県上関町の祝島は、原発に頼らない島作りを目指し、無農薬の農産物・手作業で加工した海産物の生産販売を行っている。「食」を通した自立のためこつこつと農業漁業に従事する島民の方と、三里塚の農家の方の姿が重なる。また、団結街道や市東さんの畑を訪れた際には、済州島カンジョン村の人々が、韓国軍海兵隊の軍港建設のために農道を封鎖されたその場所でロウソク集会を開き、抗議し続けている事を思い出した。国策のためなら、地域・人々の関係性を破壊しても良いとする政府のやり方はどこも同じだと思った。でもそれに対して信念を持って闘い続ける人々の姿もまた同じだと思った。
 このような闘いの内容の多さが、各地の闘争現場と連帯できる場になりえているのだとわかった。
 萩原さんの畑では、翌日に控えた収穫祭(いもほり大会)の準備のお手伝いをした。作業を通して、野菜が食卓に届くまでの過程を垣間見ることが出来た。広大な畑も見学させて頂いた。歩きながら頂いた取れたてのピーマンの甘いこと。この土地は、かつて原野を切り開いて得たものである事が、畑の脇にある竹林を見てわかった。あらためて、苦労して手に入れ守ってきた土地をお金をちらつかせて奪う公権力に対して怒りを感じた。
 そして、作業の合間やその後頂いた、野菜など。実はその中に苦手なものもあったのだが、驚くほど美味しかった。恥ずかしい事に好き嫌いのある私だが、食べ物本来の味を知れば何でも食べられのではないか、と思う。肝心の収穫祭には参加できなかったのが残念だった。次回はぜひ参加したい。
 今回三里塚を訪れて、公権力は「ここまでやるのか」と衝撃を受けた。反対派に対する嫌がらせ、住民が退去せざるを得ないような状況を作りだすそのやり方、また、三里塚に関わる人々を監視するためわざわざ機動隊が配備されている事にも驚き、暗澹たる気持ちにもなった。
 しかし、希望とも思える景色も多くあった。特に空港を目の前に機動隊の詰所を横目に見ながら萩原さんの畑を訪れた時だ。くじけてしまうのではないかと思うような場所にも関わらず、詰所ができた事により土地の水はけが悪くなった事に抗議し、機動隊側に堀を掘らせたそうである。決意の固さに胸が打たれた。
 これを書いている時に、野田首相がTPP参加交渉に踏み切る意向を示した。国内の農業に打撃を与え、人が人を大切にする社会からますます遠ざかるものとして、TPPにも成田空港建設にも反対していきたい。
  

 

 

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