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  東京 5・5

    「原発ゼロの日」 芝公園で集会

2012年5月

                                                                                 




                                        東京・労働者


 五月五日、東京・芝公園で「原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会」が開かれました。主催は「さようなら原発一〇〇〇万人アクション」です。参加者数は日付に合わせたかのように五千五百人でした。
 この日、日本にある商業用原発五十四基(うち福島第一原発の四基はすでに廃止になったので、登録上は五十基)の中で唯一稼働していた北海道泊原発三号機が定期検査のため止まりました。「とまりがとまり」すべてとまったのです。脱原発状態についに入ったのです。「原発はもういらない!電気は足りている!」という民衆の声が政府を追い詰め、稼働原発ゼロを実現したわけです。
 でも、まだ通過点です。全ての原発を廃炉にすること。原発という存在を無くすこと。それが私たちの願いであり目標です。核発電所が一つも動いていないことをまずは喜び、しかし油断しないで、この状態を続けさせ、全ての原発を廃止するために力を合わせて進んで行こう。そのことを公園に集まった人たちがみんなで確認し合う発言が続きました。
 生田卍さんのオープニングコンサートに続き、集会が始まりました。最初に鎌田慧さんです。反原発運動を担ってすでに亡くなった人たちの魂と共に脱原発社会に向かって歩もうと訴えました。
澤地久枝さんは福島の子どもたちの内部被曝が深刻であると訴えました。
 内橋克人さんは、原発推進派の再稼働の目論見を許さず、原発依存の社会と政治の在り方も変えていくべきと述べました。
 古今亭菊千代さんは、脱原発の声をもっともっと広げていこうと提案しました。
 北海道から来た長田秀樹さんは、泊原発について報告しました。周辺住民の避難対策はずさんであると、北海道電力と北海道知事の再稼働推進の姿勢を批判しました。
 山口幸夫さんは福島原発事故をぜんぜん反省していない政府の実態を暴きました。
 韓国から来たチェ・ヨルさんは鉢巻を巻いて登壇し、韓国・日本・中国の原発反対運動は連帯しようと呼びかけました。
 原発いらない福島の女たちの椎名千恵子さんは、何があっても子どもを守ると誓いました。
 神田香織さんは、原発の息の根を止め続けようと声をあげました。
 落合恵子さんは、五月五日から全てが始まる、原発は最大のテロと語りました。
 集会が終わり、パレードに出ました。私が参加した労働組合のデモでは、東京タワーを通って浜松町駅近くの公園まで二時間近く歩き、原発反対を叫びました。「げんぱつ、はんたーい!」のシュプレヒコールを上げながら、人々の力で原発は止められるのだと実感できました。運動の大切さが身に染みました。生きるためには闘いが要ります。そして、今日がまた新たな始まりで、原発は全部なくすまでできる限りのことをしようと心に誓いました。
 最後に、集会とパレードに参加しながら思ったことを箇条書きにします。まず、運動課題です。
 @大飯原発など停止中の原発を再稼働させようとする政府の動きを止めることが最重要です。電力会社の「夏の電力不足」試算は全て嘘です。電力は足りています。
 A福島の子どもたち、妊婦、若い女性をはじめとする福島の人たちが避難できる権利を法的にも経済的にも保障するしくみを一日も早く作ることです。いま国会で論議されている関連法案を最善の内容で成立させることがきわめて大切です。現在の避難の目安である年間二十ミリシーベルト以上という殺人的な被曝量の基準を改め、チェルノブイリ事故での「移住の権利地域」の基準であり、日本の現行法の基準でもある年間一ミリシーベルトに引き下げさせましょう。
 B子どもたちの体にたまった放射能を少しでも減らすために他地域にしばらく滞在する「保養」の取り組みを支援しましょう。
 C福島第一原発で作業する労働者の命と健康を守るために、政府によって引き上げられた許容被曝量を元の水準に戻し、労働条件を大幅に改善させましょう。
 D放射能汚染を全国に広げて被曝を拡大する震災瓦礫の広域処理に反対しましょう。
 次に、日常生活で気を付けるべきことを書きます。
 @現在傾いている福島第一原発四号機の使用済み核燃料プールが崩壊した場合は、東北・甲信越・関東地方の人々は二十四時間以内に風向きを見ながら二百五十―三百キロ圏外に避難しましょう。昨年三月の福島原発事故の二十倍前後の放射能がこの圏内に飛び散ると言われています。
 A3・11以降野菜などの汚染が一度でも発表された地域は土が放射能で深刻な程度に汚れています。セシウムだけでなくストロンチウムなど猛毒の核種が地面に積もり、いまも風と共に舞い上がっています。加えて、福島第一原発からはいまも放射能がダダ漏れ状態で、風に乗って拡散しています。外出の際はマスクの着用を習慣にしましょう。水道水の汚染も続いています。飲用水はペットボトルなどに切り替えましょう。
 B今年四月に食品などの新基準を政府が施行しましたが、他国などの国際基準からすると信じられないほど高い数値に設定され、それが「安全」だとされています。野菜・牛乳・肉などは産地を判断して買いましょう。放射能が蓄積しやすい三大食品のブルーベリー・きのこ(特に椎茸)・大豆は特に摂取に気をつけましょう。
 C昨年の三月十五日と三月二十一日の大規模な放射能拡散により、福島県民は勿論、近隣各県および首都圏の人々もひどく初期被曝しました。放射線量の低い地域に二週間以上滞在する「保養」を行うと体内のセシウムがかなり減ることがチェルノブイリ事故被害者に対する支援活動で明らかになっています。ほとんどの労働者にとって長期間の旅行は極めて難しいですが、数日だけでも放射能を抜きましょう。
 Dチェルノブイリ事故では、四―五年後に子どもの甲状腺癌が多発し、約二十年後には大人も含めた様々な癌が急増しました。健康被害は深刻なレベルでいまも続いています。福島原発事故で放出された放射線量はチェルノブイリ事故より少ないと算定されていますが、土壌汚染や健康被害の状況はむしろ深刻だとする学者・医者も少なくありません。特に血液障害が懸念されると言われています。定期的な血液検査・尿検査をして健康を管理しましょう。
 原発事故は終わっていません。放射能との「内戦」は続いています。健康に気を付けて、全原発の廃止に向けて一緒に進んでいきましょう。
    
  

 

 

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