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  労働現場から-郵政

 職場では21万人の非正規労働者

 サービス残業の横行、成果主義賃金

2012年11月

                                                                                 




                                        郵政労働者



 私は郵政職場で働く集配労働者です。『戦旗』は毎回拝読し、とりわけ労働運動については深く関心を寄せています。そのなかで掲げられている「新たな階級闘争構造の創造」を実践しようと私自身も現場で奮闘しています。今回は郵便関係を中心にした郵政職場の現状の報告をしたいと思います。
 二〇〇七年に小泉郵政改革により民営「分社化」され五会社体制になった郵政グループは五年たった一二年十月に郵便事業会社と郵便局会社が統合して四会社体制となりました。その間に日本郵政は郵便事業会社と民間宅配事業会社との統合に失敗し、千五十億円の赤字を抱え込むことになりました。そしてその赤字の穴をを中期「合理化」計画として一万四千人にも及ぶ六十五歳以上の労働者の首切りなどで埋めてきています。
 そして今、二〇一一年度から二〇一五年度の五年間で黒字企業への脱皮を図るとして「郵便再生に向けてバージョン1、2」をたて続けに労働組合に提案してきています。具体的中身は省きますが、労働者からの搾取・収奪をいっそう強めていくための基盤整備を行うというものです。
 増収対策は営業ノルマのさらなる強制を迫るものです。今でも必要のないお中元や年賀はがきを「自爆営業」という形で買わされているのが実態ですが、今後はより一層その恐怖に怯える労働者が増えてくるでしょう。
 経費削減施策として非正規労働者の大量の雇い止めや勤務日数、時間の削減を行おうとしています。
 現在郵政職場では二十一万人もの非正規労働者が働いています。しかし、そこで長く働き続けるには厳しく、多くの労働者が職場を辞めていきます。そういった労働者をもっと増やしていこうというものです。
 また、少しでも賃金を減らすために残業時間の削減を叫んでいます。そのため昼休みを削ってでも定時で仕事を終わらせるために身を粉にして働いている現状です。サービス残業が横行し、交通事故や誤配も必然的に多発します。交通事故や誤配を起こした非正規労働者はスキルを下げられ一挙に時間給も下げられます。スキルによって集配労働者で最大六百円近くの格差がありますが、いとも簡単にスキルを下げることによって経費削減をより一層図ろうとしています。
 班別収支管理の全国施行も始まっています。私の職場でもされ始めましたが、班長を中心とした小集団管理のもとに労働者をいかに競争させ分断支配させていくかをねらったものです。
 再生のための基盤整備の重要なものとして「新人事・給与制度」があります。この制度は総原資を変えることなく労働者の競争によってその原資を生み出すもので本格的な成果主義賃金を目指しています。
 このような郵政資本といかに闘うか、まずは労働者を闘う労働組合に組織していくこと、そして要求し少しでも職場を変えていくことだと思います。
 また、郵政職場の現状を個別課題としてだけ捉えるのではなく労働者総体の問題として深め闘うことが重要だと思います。それはまた他の職場の問題をも同時に闘うことにも繋がります。他の労働者と繋がることで自分の職場状況を相対化でき、全体の問題として捉えることもできると思います。
 これから年末繁忙期に入り労働者は益々体を酷使されてきますが、その怒りを組織し階級的労働運動を前進させていきたいと思います。

 

 

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