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  3・23  福島

   
7000名が結集した
   原発のない福島を!県民大集会

2013年3月

                                                                                 




                                               一読者


 三月二十三日、福島市郊外のあづま総合体育館において、「原発のない福島を! 県民大集会」が同実行委員会の呼びかけで行われた。福島県民をはじめ、平和フォーラムや全労協、経産省前テントで闘う勢力なども結集し、AWC首都圏の仲間も参加した。会場周辺の駐車場に並ぶ多数の車やバスの中には西日本のナンバーをつけたバスもあり、福島県民のみならず全国各地からの結集であり、主催者発表で約七千名を超える参加によって、集会はかちとられた。
 呼びかけ人を代表して挨拶に立った福島大学の清水修二さんは、原発事故そのものへの怒りを沸騰させた。事故が人々の間にさまざまな対立を生み出している現状について言及する。避難した人と残る人との分断、そして避難先に移住するか帰還するかの意識の分断。これらについて、「原発事故がなければ起こりえなかった対立だ」と厳しく批判した。今こそ福島の住民が団結し、一致して脱原発を目指そうと訴えられた。
 連帯挨拶では急遽参加できなくなった大江健三郎さんに代わって鎌田慧さんが発言。鎌田さん自身が関わった反原発の取り組みについて勝てずに来たことがこのような事故を招いたと痛苦に振り返った。福島のたたかい、被曝労働者のたたかい、原発立地周辺住民のたたかいなど、総体で闘い、原子力ムラの利権者たちと対決し、これまでよりも一層広範な反原発の闘いを作り出していくといった主旨の決意が述べられた。
 県知事および自治体首長からのメッセージが紹介された後、各分野の福島住民が訴えた。農民、漁民、森林業従事者、旅館ホテル組合、高校生、県外避難者、福島の子ども保養プロジェクトの方々だ。震災後自宅が警戒区域となった高校生は、警戒区域が解除され自宅に戻った時の様子を振り返り、ふるさとに戻れてほっとする気持ちと、自宅にネズミなどの動物が住みついたり、周囲の無人の家屋が傷んで取り壊されているのを目の当たりにして帰りたくない気持ちが芽生えるなど、葛藤する心中の苦しみを率直に発言した。そして警戒区域が解除されこれから帰還という時になって、自分の地区の海岸近くに除染で出た廃棄物の中間貯蔵施設が作られようとしていることを知り、「帰ってこなくていいと国から遠回しに言われているよう」な気がしたと、政府・東電を静かな口調でありながら強く糾弾した。
 集会宣言では、県知事・議会が共に県内全原子炉の廃炉を求めているにも関わらず、福島第一原発五、六号機および第二原発について、東京電力が再稼働を前提としているかのように保守管理を進めている実態が批判された。かつて原発を誘致した経緯や一定の「経済的利益」を認めつつも、「原発を抱え込むことのリスクが途方もなく巨大であり、金銭的利益と天秤にかけることなど到底できないことを身をもって知りました」と断言し、「しっかりとした再生に向けた道を歩むために、原発依存からの脱却=原発との決別はまさに出発点であり大前提」だと宣言した。
 震災から二年経ち、いまなお膨大な放射能拡散をつづけ、冷却水の停止事故、汚染水の貯蔵が近く限界となるなど、原発事故が何ら収束せず、廃炉に四十年以上もかかるという、途方もない放射能・核の被害が継続している。子どもたちには、チェルノブイリ事故の経験よりも早く甲状腺ガンなどが発見され、今後、それらの被害が飛躍的に増大していくことは明らかだ。それらは、政府・東電など電力独占資本・電機資本・官僚・御用学者・利権集団などによる原発推進の一連の攻撃と連動した福島住民への構造的差別が強まっているのだ。3・23の反原発福島集会は、そうした福島被災地住民の苦しみと怒りが沸騰した取り組みであり、これへの全国の労働者人民からの支援と連帯が結合したものだった。
 福島原発崩壊の被災地住民との連帯を継続して強め、反原発闘争を強化し、経産省前テントの脱原発占拠闘争、大飯再稼働阻止の現地大衆実力闘争、官邸前抗議闘争、各地の電力会社への抗議闘争など直接行動を大胆に進め、日帝―安倍政権打倒の全人民政治闘争をこそ、大高揚させていかねばならない。

 

 

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