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岩国市民が韓国・群山を訪問
             〜歴史を学び、住民と交流

   

2014年9月

                                                                                 




                                                    東京・Y

 
 七月四〜七日、岩国と韓国・群山の市民が交流するたびに参加しました。アジア共同行動日本連絡会議の訪韓団です。オスプレイが常駐することで問題になっている山口県岩国市の住民をはじめ、西日本・関西・首都圏から十数名が参加しました。
 初日はソウル市に到着。安重根(アン・ジュングン)義士記念館を訪れました。カトリック教徒で世界の平和を説いた彼がなぜ伊藤博文を射殺したのか、その思想と時代背景が分かるように工夫された展示がありました。四年前に改装された記念館は三階建てで、資料が豊富になっていました。次に、独立公園に地下鉄で行きました。独立門駅の構内には一九一九年の三一独立宣言がありました。残念ながら入口は締まって中に入れませんでしたが、近くの広場にある三・一独立宣言と立ち上る民衆の像を見ました。安重根の行動と三一独立運動が韓国人の心に刻まれていることがよくわかりました。
 翌日、南西地域の群山(グンサン)市にバスで行きました。平和活動家二人が私たちを待っていてくれました。とても美味しい郷土料理を食べて、車に乗り、基地を見学しました。基地を一周しながら詳しい説明を聞きました。弾薬庫や格納されている戦闘機が間近に見えました。それから、群山飛行場被害住民対策協議会の方二人と交流しました。地図を見ながら、戦前の日本の空軍基地を米軍が接収して使い、住民を追い出して基地を拡張して来た歴史、現在は朝鮮民主主義人民共和国だけでなく中国との戦争に備える軍事拠点であること、岩国基地から飛び立ったオスプレイも今年春の軍事演習の際に群山基地に来たことを知りました。夜は、これまた旨い食事に舌鼓を打ちながら、住民の方々と語り合いました。米軍基地を抱える町として岩国と群山の交流をこれからも深めようという話もでました。
 三日目は、植民地時代にコメ輸出の拠点だった面影が所々に残る群山市内を見学しました。昔の銀行、コメ倉庫が保存されています。朝鮮の人々のコメを奪って飢えを強い、自分たちの腹をいっぱいにした私たち日本人の先の世代。なんておぞましいのでしょう。
 四日目は、三一独立宣言が読み上げられたソウル市のタプコル公園に寄り、当時の様子を描いたレリーフを一つ一つ見て回りました。工芸品店の多い仁寺洞でお土産を買い、帰途につきました。
 ともに米軍基地を抱え、騒音や米兵犯罪の被害を受けている岩国と群山の住民の交流は岩国国際行動の中で数年前に実現しましたが、岩国の人たちが群山を訪れて交流するのはこれが初めてです。今回の旅をきっかけに、米軍基地による被害を許さない、さらには米軍基地の存在そのものを許さない、住民同士の国境を越えたつながりがもっと広がればいいと思います。

        

 

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