寄稿(2018年3月)                                                     ホームへ

ここにある多民族・多文化共生社会

マーチ・イン・マーチ2018


   


    
 ●移住労働者と連帯する日

 三月四日、上野水上音楽堂でマーチ・イン・マーチ2018が開催されました。マーチ・イン・マーチは毎年三月(March)の春闘期に開催される移住労働者のコンサート集会とマーチ(March)です。様々な労働組合や市民団体で活動している移住労働者・外国人労働者が集まり、けんり春闘の行動の一環にもなっています。
 集会の司会は四名の移住労働者が担当。18けんり春闘実行委員会共同代表の金澤壽全労協議長の主催者あいさつを受けて、アピールと歌や踊りがほぼ交互に行なわれるプログラムが進行しました。日音協(日本音楽協議会)東京支部の労働歌、全統一労働組合に加盟するベトナム人技能実習生の除染労働者の訴え、カラバオの会の踊り、朝鮮学校出身者による朝鮮学校無償化のアピール、移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)の活動報告、APFS労働組合のビルマ(ミャンマー)出身者によるパオ族の舞踊、JAL争議団らによる争議団アピール、神奈川シティユニオンのラテンアメリカの歌、フィリピン人労働者が歌う抵抗の歌が披露されました。今年のメインは在日韓国人のラッパー・FUNIさん。FUNIさんは参加者に言葉を投げかけつつ、現代社会を鋭く批判するメッセージを歌い上げました。集会後、サンバ隊を先頭にして上野・御徒町界隈を行進。沿道には移住労働者や海外からの観光客らも多く行きかっていて、共感を示してくれたり写真を撮って応えてくれたりしました。

 ●日本はすでに多民族・多文化社会

 今、日本社会には百万人を超える移住労働者が世界中から集まり働いています。コンビニの店員、お弁当や総菜をつくる工場、クリーニング工場、宅配便の仕分け、建設・解体の現場、造船、町工場、スーパーの裏方、ホテルの清掃、居酒屋やレストラン、学校の英語教育の場など移住労働者の仕事は、日本人の生活と密接に結びついています。その一方、日本政府は少子化による慢性的な労働力不足を外国人労働者の力を借りて補うとしつつ、外国人労働者の権利については知らん顔をしているのが現状です。多くの移住労働者が低賃金・無権利状態に置かれ、人身売買すら横行しています。
 国際結婚も増え外国にルーツを持つ日本人もたくさんいる中、日本はすでに多民族・多文化が共生し合っている社会なのです。今春闘でも外国人労働者と使用者の労使対等の原則を確立し、差別・排除をゆるさない取り組みを重ねていきます。

                           (東京・労働者)