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                                                                   2014年1月
2014年闘争勝利に向け共に闘い抜こう

闘う人士・闘う仲間からの2014年・年頭アピール

   



  

  ●労働者・民衆との交流と連帯強め共同の闘いを

    アジア共同行動日本連絡会議顧問 小城修一さん


 一昨年末の総選挙では自民党が過半数をこえる議席を獲得し、維新の会などを含めて改憲を主張する議員が三分の二をこえた。
 この選挙の結果、自民・公明連立の安倍政権が発足した。安倍政権は改憲と共に日米同盟の強化を強調して、領土問題を大きくとりあげて排外主義をあおってきた。オスプレイの訓練参加や丹後半島への米軍レーダーの設置、岩国基地の拡大など在日米軍基地の強化を進めてきた。そして、民衆の目・耳・口をふさいで戦争への道を歩みやすくしようとする特定秘密保護法案を国会に提出し、強行採決で成立させた。
 このような情報統制・操作を行うのはいつも戦争をしかける側である。日本も、かつての侵略戦争へ突入する前は、何でも軍事機密にして隠蔽し、弾圧を強めて戦争への道を歩んでいったのである。
 昨年十一月のフィリピンの台風被害に対して救援活動を強めるのは当然である。が、アメリカは 原子力空母を中心とする艦隊を派兵し、日本も軍艦(自衛艦)を出し、かつて、東日本大震災の時もそうであったが、災害救援を口実にして、日米共同軍事作戦の演習を展開している。

  大資本擁護の政策
 一方、農・漁民をはじめ、多くの人々が反対しているTPP(環太平洋経済連携協定)に対して反対のたたかいをより強めることである。
 国内では、アベノミクスと称して金融緩和を行い、資本が儲かれば賃金も上がるような幻想をふりまいている。
 しかし、資本の側が見せかけに賃金を上げたとしても、査定を実施して差別し、支配を強めるのは明らかである。賃上げは労資が交渉し、労働者のたたかいによって決めるべきものである。
 また安倍政権は消費税の増税をはじめ、社会保障費の切り下げ、社会保険料の増額と民衆への収奪を強めている。が、一方では法人税減税など大資本擁護の政策を打ち出している。
 安倍の外国訪問には大資本の幹部や経団連の会長が同行して、原発や鉄道、水道など自社製品を売り込むと同時に、武器輸出三原則を無視して戦車用エンジンや戦闘機などの航空機部品を売り込んでいる。
 東京電力福島第一原発の爆発による放射能汚染は改善されておらず、海への汚染は拡大しており、多くの人が故郷を捨てた生活を余儀なくされているにもかかわらず、原発を売って儲けるという行為は許されない。

  反撃する全世界の人民
 資本・権力は労働者・民衆への搾取・収奪を強めているが、その攻撃に反撃するたたかいが世界の各国・各地で行われている。
 ヨーロッパでは賃下げ・増税に反対するゼネストや大衆的な抗議デモが各国で闘われている。中南米や中東の諸国でも、アメリカに追随する政府権力に反対する大衆闘争が続いている。
 アジアにおいても、韓国、フィリピン、インドネシアをはじめ各国・各地でストライキや大衆的な抗議の集会、デモが闘われている。
 国内では、沖縄や岩国、神奈川をはじめ在日米軍基地に反対し撤去を求めるたたかいや、オスプレイの配備・訓練に反対するたたかい、特定秘密保護法案反対のたたかいと共に、原発の再稼動反対、被災者の救援、原発ゼロをかかげた反原発のたたかいは大きく高揚している。
 これらのたたかいや運動との結びつきを強め、日米帝国主義とそれに追随する各国の権力とたたかっているアジアをはじめ世界の各国・各地の労働者・民衆との交流と連帯を強めて共同のたたかいを前進させる年である。



  ●労働者階級の総決起が強く求められている

    アジア共同行動日本連絡会議共同代表 白松哲夫さん


 『戦旗』続者、友人の皆さん、新しい年を迎えるにあたって所感の一端を述べ年頭の挨拶とさせて戴きます。
 昨年末の岩国行動二〇一三の成功をともに喜びたいと思います。年を追い回を重ねるに従って反米軍基地強化反対のたたかいをねばり強くたたかう岩国市民との連帯と団結の絆を段階を画して深めることが出来たと思います。大きな成果を勝ち取ったこのたたかいは、労働者階級の先頭に立ってたたかいを組織しその中心を担い貫徹したことによって勝ち取られたものだと思います。
 しごくあたりまえのことですが、今日の日本社会においては非常に重要な意義を持っていると思います。3・11以後反原発のたたかいをはじめ日本人民の生存権をかけたたたかいは、多岐にわたって大きく発展していますが、いまだ決定的勝利の展望を掴み取ってはいません。労働者階級の総決起がいまや強く求められています。
 安倍総理は、口を開けば、「美しい国、日本を取り戻そう」と言いますが、それは戦前の軍国主義・戦争国家と同様のものであることは明らかです。安倍はそれを隠そうともしません。そのために憲法改悪が適わないと見るや、立法改憲すなわち下位法律を制定・改正することによって己の野望を果たそうとしています。断じて許せません。
 安倍はよく日米同盟の強化と言いますが、その正体は昨年来の日米間のやりとりやさまざまな出来事をみればおのずと明らかです。日本はアメリカの意向には逆らえない。要求は拒否しない依存的独立国。すなわち今や日本はアメリカの属国であることを私たち日本人民は押し付けられていることが、益々明瞭になってきた昨年でした。
 新しい年に精力的に取り組まなくてはならない問題がいまひとつ、民族排外主義を弾劾し糾弾するたたかいです。今日の日本社会は危機的状況にあるとはいえ、人民のたたかいは大きく発展し前進しています。
 さらに飛躍的発展と勝利を勝ち取るために戦後革命期といわれている時代にさかのぼって、その時々の時代精神というものを学びとっていきたいと切に思います。



  ●今こそ大衆的な闘い、明確な意思表明が必要

    アジア共同行動日本連絡会議共同代表 鴨居 守さん


 世界経済はリーマンショック以来の大不況をいまだ克服できない。日本もアメリカに続き大胆な金融緩和という紙幣の増刷に踏み切り、何とか資本主義体制を延命させようとしています。
 日本国内では東日本大震災から二年半が経過しましたが、福島原発の終息はいまだ見えず、震災からの復興も遅々として進んでいません。安倍自公政権は黒田日銀総裁の大胆な金融緩和、紙幣増刷=インフレ路線を「アベノミクス」と自賛し、大企業・金持ち優遇、中小・零細企業・労働者・低所得者いじめの法人税削減・消費税増税、労働規制緩和、生活保護費の削減をはじめとする社会保障費削減を打ち出す一方で、日中・日韓間で決着がついていない尖閣諸島(釣魚台)・竹島(独島)を最大限に利用し、ナショナリズムを煽っています。
 そして、日本版NSC(国家安全保障会議)法案や特定秘密保護法案を臨時国会に提出し、戦争体制の構築そして戦前の治安維持法体制を彷彿とさせる社会づくりに邁進しています。
 また、安倍政権は原発輸出や原発再稼働のため、あらゆる機会を利用し、世界に嘘をふりまいています。そのことは安倍首相の福島原発事故があたかも収束したかのような無責任極まりない発言にあらわれています。
 また、TPP協議への参加と自動車税制・医療保険等の二国間協議、オスプレイの配備・低空飛行訓練、沖縄の普天間基地の辺野古への移設方針、空中空輸機配備・F35戦闘機の配備予定など米軍岩国基地の機能強化、丹後半島へのXバンドレーダーの新設等にみられるように、安倍自公政権は米国の要求をそのつど受け入れ、基地被害を受ける住民の声を無視し続けています。
 安倍政権に対し、「脱原発」・米軍基地強化反対・「アベノミクス」反対を明確にし、多くの労働者・市民・学生がたたかいに立ち上がっています。
 二〇一四年、このような情勢の中で、私達アジア共同行動(AWC)は昨年台北でCCB(キャンペーン調整委員会)を開催し、日米をはじめとする帝国主義の強搾取・強収奪・新自由主義経済政策に反対するたたかいを強化していくこと、帝国主義戦争に反対し、アジアから米軍基地を総撤収させるたたかいを進めること、原発反対のたたかいに取り組んでいくことをアジア・世界の仲間と確認してきました。
 いまこそ、日本の労働者・農漁民・市民・学生の大衆的なたたかい、明確な意思表明が必要です。私達、アジア共同行動日本連絡会議は、アジア・日本の民衆と共に、侵略戦争反対、新自由主義政策阻止・TPP協議反対、労働者・人民からの強搾取反対、アジアから米軍基地撤去、日米軍事一体化―日米軍再編阻止、脱原発・福島の被害者への補償・子供には避難権を、戦争のできる国造り反対―憲法改悪阻止のたたかいを多くの人を組織し、たたかい抜く決意です。
 統一委員会のみなさん、読者のみなさん、私達と共にたたかいの隊列にはいることを!



  ●福島を忘れるな! 新たな社会築くための連帯を

    アジア共同行動日本連絡会議全国幹事 遠藤良子さん


 東日本大震災から約三年がたとうとする今、福島は復興に向かって邁進しているかのようなイメージが強くなりつつあります。それは本当でしょうか?福島へ行ってみてください。それがいかに嘘っぱちなのかが一目瞭然です。
 安倍政権は原発再稼働と海外輸出を平然と行おうとしています。そんなことをするなんて、なんと厚顔無恥な輩でしょうか!今も仮設住宅や避難地で仮住まいをしている人たちを見て見ぬふりをしてはばからないということです。国家の威信のためにのみ政治を行うことを恥じない、棄民政策に他なりません。
 福島原発周辺地域に行ってみてください。そしたら復興などとは程遠い光景が広がっています。作物を植えることのできない田畑には草が生えそれを放っておけない農家は、農業を再開するめどもたたない田畑の草刈りを、ただ草刈りをしている姿があります。その田畑の上には除染した土をつめこんだ黒いフレキシブルコンテナが山のように積み上げられ異様な風景を見せています。津波で陸に打ち上げられた船や、ひっくり返ったままの車や、流されて田んぼの真ん中におかれたままの家……。これらは放射能汚染地区だったために片づけることができず、そのままにされた後、その後片付けをしようにも持ち主が確認できず処分もできないまま放置されているものです。
 福島の現実はけして福島だけのものではありません。このように福島を見捨て、福島を蹂躙してはばからない人間たちが、日本という国の政治家たちであり、それでいいのだとするのが政治家たちの本性であることを思い知らされます。一握りの人間たちの「幸福」のためにはほとんどの人間の命を犠牲にしてもいいという政治がまかり通っているのが日本という国です。
 しかし私たちはあきらめない。手放さない。自分たちこそが幸福になるべく人間であるのだということを、社会の主人公は私たちであることを、譲らずに歩み続けるだけです。人の命を顧みない政治は間違っていることは、どんな言葉を弄しても覆すことはできません。人間の存在よりも経済を優先する資本主義はついにその意味を自ら死滅させました。自ら墓を掘ったのです。震災と原発事故とその後の無為無策がそれを露呈させました。自分たちがしでかしてしまったことをどうしていいか分からず、ただ正当化するためにその政策にしがみ続けようとする無様な政府をしっかりとみておきましょう。戦場とかわらない福島現地を目に焼き付けて私たちは自分たちの力と団結で世界を変えていきましょう。
 今年も福島とつながり支援し、ともに新たな社会の礎を築くために福島に連帯していきます。



  ●新年号へのアピール 統一共産同盟


 二〇一四年の初めにあたり、共産主義者同盟(統一委員会)のみなさんに連帯のあいさつを送ります。
 安倍自民党政権は、「積極的平和主義」を唱えて改憲・戦争国家化に突きみ戦後支配体制(「国のかたち」)の大転換をなしとげようとしています。その究極こそ、自民党改憲草案の「元首天皇制」と「国防軍」、基本的人権剥奪の実現に他なりません。
 昨年秋の臨時国会における国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と特定秘密保護法の成立は、それを端的に示しています。NSCは、中国軍事対決・朝鮮民主主義人民共和国解体戦争に向けた政策決定を図るための事実上の最高決定機関(戦争司令部)です。特定秘密保護法は、NSCが戦争を含む政策決定を独占するため、外交・軍事をはじめあらゆる情報を統制する手段であり、同時に人民治安弾圧体制を飛躍的に強化するものです。
 昨年末の「国家安全保障戦略(日本版NSS)」と「新しい防衛計画大綱」の閣議決定を受け、今年の通常国会には「国家安全保障基本法」を提出しようとしています。「国家安全保障基本法」は、憲法九条破壊法であり、集団的自衛権(交戦権)行使の全面解禁です。同時に、「集団的自衛事態法」、「国際平和協力法」(恒久派兵法)、武器使用拡大の自衛隊法全面改悪等々、戦争諸法案の上程を画策しています。改憲手続きなしの実質改憲であり、これこそ麻生財務相の「ナチスに学べ」式の改憲手法に他なりません。こうした戦争体制の構築のうえに、年末には「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」再改定をおこない、日米軍事同盟を徹底強化しようというのです。米・日帝国主義の日米安保こそ、東アジアの戦争危機を拡大する元凶です。
 安倍政権の戦争国家化政策は同時に、労働者人民の戦争総動員体制を推進するものです。環太平洋戦略的連携協定(TPP)の推進、原発の再稼働と輸出、消費大増税、産業・労働分野の徹底した規制緩和、社会保障制度の解体は国家独占資本の利潤拡大であり、労働者人民の搾取・収奪と権利剥奪による根底的な生活権・生存権の破壊をもたらすことは明白です。
 わが同盟は昨秋、みなさんと共に国家安全保障会議設置法・特定秘密保護法成立阻止闘争を断固としてたたかいぬきました。新年にあたり、わが同盟はブルジョア議会主義を徹底弾劾し、労働者人民の「行動する自治機関」としての革命評議会をかちとり、共産主義革命路線の深化と発展をかけてたたかうことを決意表明し、とりわけ反帝国主義に貫かれた大衆的な反戦闘争を共にたたかうことを訴えて連帯アピールにします。万国の労働者、被抑圧民族、団結せよ。



  ●グローバリゼーションと新自由主義への追討戦を

  共産主義者同盟首都圏委員会 早川礼二さん


 二〇一四年の年初に、統一委員会の仲間と『戦旗』読者のみなさんに、連帯の挨拶を送ります。
 二〇一三年秋のシリアへの軍事介入の失敗と、国家財政の破滅的危機を背景とした連邦政府機能の一時停止という事態は、冷戦後の世界に君臨してきた米帝の凋落ぶりを如実に示しました。しかし巨大な軍産複合体は命脈を保っており、米中「複合覇権」がせめぎ合う中で、東アジア残存冷戦構造の緊張が高まっています。この危機に便乗して「領土ナショナリズム」を扇動し、日米原子力同盟の維持・強化と日米軍事一体化―「米軍事戦略の下で戦争のできる国家」への道をひた走っているのが、安倍九条改憲政権に他なりません。これと真っ向から対決し、日米の軍事植民地状況からの脱却を求める沖縄人民の自立解放闘争連帯、日本国家解体、〈平和と友好の東アジア〉を実現することが、私たちに求められています。
   ※ ※ ※ ※
 リーマンショックに端を発した二〇〇八年金融危機から世界経済恐慌、国家債務危機の連鎖の中で、私たちはいま、資本主義世界システムが歴史的袋小路に入り込んでいる姿を目撃しています。さらに遡れば、一九七〇年代からの長期にわたる世界的不況は、新自由主義によるブルジョアジーの階級攻勢と略奪的蓄積=「階級権力の回復」(デヴィッド・ハーヴェイ)を通じて、冷戦崩壊をはさみ、九〇年代の「ワシントンコンセンサス」に収斂していく過程で上昇局面に転じたものの、その後の世紀末から二一世紀初頭にかけて、「カネがカネを産む」金融資本が跋扈する情報金融独占資本主義・全球化帝国主義が全面開花する一方で、労働者階級人民の広範囲な抵抗を呼び覚ましていった時代でもあります。ラテンアメリカから中東、欧米、そしてアジア全域へと人民闘争のうねりが地球大に広がり、支配階級に統治力量のないことが、ますます明らかになっています。
 それでも、ブルジョアジーは自らの延命を図る中で労働者階級人民を幾多の惨禍、災厄、零落に突き落としてきたし、これからも悪行の限りを尽くすでしょう。しかし、資本主義・帝国主義の救済―延命策に妙案があるはずもありません。情報金融独占資本主義・全球化帝国主義を打倒しブルジョアジーの支配を根本から覆すプロレタリア共産主義革命を前進させることが求められています。
   ※ ※ ※ ※
 激動する情勢の中で、共産主義左翼の決定的な「立ち遅れ」は、私たちに困難な課題を突きつけています。病床のレーニンが「最後の闘争」の渦中で綴った文章の中に、次の一節があります。「きわめて困難な課題に立ち向かって、何度も何度も『始めに立ち帰る』だけの力と柔軟さを保持している共産主義者は、敗北しはしない。」―常に「始めに立ち帰る」ことによって共産主義左翼の〈変革と刷新〉を勝ち取ること、次世代共産主義運動を担う青年学生運動を再構築すること、ここにもてる力を注ぎたいと私たちは考えています。
 すでに破綻したグローバリゼーションと新自由主義への追討戦が、世界の労働者階級と被抑圧民族人民による階級闘争の社会的基礎であることを、新年を迎えるにあたって、改めて確信します。私たちは、みなさんと共に、この追討戦をたたかいぬく決意です。統一委員会のみなさんの変わらぬ友誼をお願いします。ともにたたかわん!



  ●「統治形態」の転換を許さず安倍政権打倒へ!

    関西共産主義運動(KCM)代表 八木沢二郎さん


 統治形態の転換
 二〇一三年は「秘密保護法」に対する日本人民の怒りのデモで終わった。一四年は、沖縄の「全県民体制」にくさびを打ち込みしゃにむに辺野古基地建設を進めようとする安倍政権に対抗する1・19名護市長選挙にはじまり、安倍政権は、消費税UPを前提とする大企業優遇の予算、TPP、原発再稼働、労働者派遣法改悪、集団的自衛権の海外派兵容認etc、とあらゆる悪法を強行しようとしている。
 自民党憲法草案は九条改憲のみならず「立憲主義」即ち人民が主人公であり国家権力の発動を規制するという立場から、国家権力が人民に義務を負わせ規制する「国権主義」へと百八十度の転換を目論むものである。安倍政権によって「戦争のできる国家」と「立憲主義の否定」が急速に進められている。これは行政・執行権力独裁への統治形態の転換を意味する。

 転換の動因
 安倍をしてこのような方向に駆り立てているものは何か? 第一次安倍政権と現在の第二次安倍政権の相違は単に国会のねじれがあって安倍が思いのままに政策を展開できなかったというだけの問題ではない。その間にあるものは〇八年のリーマンショックという国際的な戦後資本主義の新たな局面である。財政出動で財政危機を拡大し、金融緩和で株価と土地価格の上昇によるバブルを形成することでのみ生き延びるその寄生性は際限なく進行する。また多国籍独占資本はただ労働者階級を非正規雇用の増大のように搾取を強化し、中小企業から収奪し、また公を私物化しそれを前提とする市場の争奪戦を繰り広げる。とりわけ、アメリカやEU、中国に比べて国内市場の狭隘な日本は海外市場に頼らざるを得ない。アベノミクスの第三の矢=成長戦略の内実は労働者・人民の搾取、収奪の強化による多国籍独占企業の国際市場競争力強化以外の何物でもない。TPP、派遣法改悪、国と一体となった原発を含むインフラ輸出etc、そしてこれが集団的自衛権の経済的基礎であり、米帝と結んで中国に対抗しアジアでの経済的権益を拡大するために日本ブルジョアジーにとって不可欠のものなのだ。そしてそのためのより一層の人民への搾取・収奪の強化、それへの反抗の抑圧こそ安倍をして統治形態の転換へと駆り立てている動因である。

 安倍政権打倒へ
 だがこのような政策は秘密保護法での広範な人々の反対運動への参加が示すように人民の反撃を招くであろう。原発再稼働やTPP、辺野古基地建設、集団的自衛権といった政治的問題に加え、安倍の看板であるアベノミクスも早晩破綻する。アベノミクスは一、二の矢が三の矢に(それは、多国籍大企業の外延的発展にひたすら依存している)転化せず、一、二のもたらす副作用(財政悪化、金融緩和による株価等のミニバブルの破綻)によって破綻する。
 だが安倍はそのことによって、より強権的、より排外主義的に事態を突破しようとするだろう。対決の秋(とき)である。反原発や秘密保護法の戦いにみられるように自然発生的な、広範な人々が戦いに参加してきている。我々は、この自然発生的戦いに“出かけ”、先頭に立って戦い、さしあたって`リベラルaな戦線として形成されることを助け、その一翼を献身的に担うと同時にそれを発展させ`超えるa左派の結集を図らねばならない。貴同盟が、そのような戦いの先頭に立つことを期待する。