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                                                                   2015年1月
2015年を闘う決意

三里塚芝山連合空港反対同盟

   


  

  ●事務局長 北原鉱治さん

  闘争50年、侵略戦争を許さない国際連帯で闘いぬく

 二〇一五年も、暗澹(あんたん)たる国際情勢の激動のうちに迎えた。三里塚芝山連合空港反対同盟は、五十年の歳月を迎えるにあたり、今年こそは成田国際空港の撤去を目指し奮闘する。未完の成田空港は、羽田空港の国際化、ハブ化の中で、危機的な状況にある。ビジネス・観光客は、外交面でも通商面でも、将来性の面でも、都心に近い羽田空港を選ぶ。成田には空港内に端然とした農民、農地があるということも含めて、利用客は羽田に流れていく。
 そんな中NAA(成田空港会社)は、LCCの便数増加、第三滑走路建設で大宣伝を行っている。
 なぜ成田空港の拡張に力を入れるのか。今から約七十年前に、日本はアジア太平洋戦争を起こした。米国の物量、アジア諸国の抗日闘争で、国内外において膨大な犠牲を出し、無条件降伏に追い込まれた。侵略戦争を断罪された。戦後の保守政権は、日米安保条約を結び、沖縄、神奈川をはじめ各地に米軍を駐留させている。一旦有事となれば成田空港は、軍事基地として使用することになっている。成田の拡張は、軍事基地の拡張である。今の国際情勢を見ると、一歩踏み外せば第2次大戦以上の犠牲者が出るだろう。再び侵略戦争を始めてはならない。新たな立ち退き、騒音を拡大する第三滑走路を許してはならない。
 若い学生、労働者の生命、幼子たちの未来のために、勇気あるものは勇気をもって、声あるものは声をあげて、闘おう。己がやらずとも誰かがやるだろうという時代は過ぎた。
 市東さんの農地強奪阻止の決戦だ。「二度と尊厳は踏みにじらない」と謝罪文書を出した空港会社が、農地を奪うために裁判を起こすという理不尽。三里塚は、裁判闘争、現地闘争、一体として実力闘争で闘いぬく。TPP締結策動は、これによって農地のほとんどが資本化され、自作農を農業労働者に転換していく。作物を作る生きがい・希望がなくなってしまう。ひいては日本人の体質が変えられてしまうのではないか。農地強奪はTPPによる農業破壊を先取りした攻撃であり、全農民の先頭で市東さんは闘っている。安倍晋三は七十年前の侵略戦争を繰り返そうとしている。安保条約、ガイドラインの改定によって、米国の尖兵として、銃をもち打って出ようとしている。三里塚は、世界人類の平和のために闘う。右傾化し、無関心の人びとも多い中で、簡単ではないが、やるしかない。左翼の闘いがいま切実に求められている。
 三里塚はその意味も含めて、本年も全国の皆様と一緒に、労農連帯、国際連帯で闘いぬく。ともに闘いましょう。



  ●天神峰 市東孝雄さん

  福島、沖縄と連帯して闘う農地法裁判は必ず勝つ!

 昨年は農地法裁判の控訴審を、三回にわたり闘い抜きました。地裁では、国策にとらわれた多見谷裁判長により、不当判決が出されました。絶対に許せません。
 控訴審では、一審に続き、第三回の口頭弁論までに一万七千筆の農地取り上げ反対の署名を全国から頂き、裁判長に提出しました。NAA(成田空港会社)・千葉県は控訴趣意書に対し、認否・反論をまともにせず、貝阿彌裁判長はそれを正しませんでした。第三回口頭弁論から裁判長が小林昭彦に交代し、さらなる強権化が狙われています。来る三月四日に開かれる第四回口頭弁論では、打ち切りも予想される正念場です。多くの署名をもって、農地強奪を打ち破る闘いにしなければなりません。
 地裁民事第二部の耕作権裁判においては、NAAが隠し持つ、農地売買の交渉記録の提出命令の確定を八月末、かちとりました。四一の九の土地は賃借地ではなく、父も私も耕したことがありません。明け渡し対象地が間違っていることを、農業委員会の時から訴えてきましたが、無視されました。新聞に「不法耕作者」と書かれ、夜も眠れないほど悔しい思いをしましたが、まったくの言いがかりであることがはっきりしました。これは、NAAの提訴自体に関わる大問題です。
 農地法に違反して農地を取得したNAAは、地主を名乗る資格はありません。裁判では「貸し借り」の解消として片付けようとしていますが、実質的には、土地収用、農地強奪です。NAAは裁判を取り下げるべきであり、小林裁判長は訴えを却下するべきです。
 昨年、成田で「第三滑走路」などというとんでもない計画が浮上しました。新たに二百戸を超える民家に移転を迫り、騒音・移転区域をさらに広げる計画です。住民は悔しい思いをかみ殺して暮らしています。反対同盟は毎月、一斉行動で周辺地域を回り、新たな関係づくりをしています。安倍政権が進めるTPP推進と農地法改悪で、企業が農地までも所有できるようになれば、家族農業は無くなり農地は荒れ果てます。人が生きる上で最も大切な農地がつぶされ、家族や地域が支えてきた農業が失われてしまいます。私の農地の問題は、私だけの問題ではないのです。反対同盟は、脱原発を闘う福島、新基地建設に反対し闘う沖縄と連帯し、労農連帯で闘います。農地法裁判は必ず勝てると信じ、闘っています。
 本年も、安倍政権打倒にむけともに闘いましょう。みなさん、三里塚の現状を見に来てください。



  東峰 萩原富夫さん

  反対同盟が一丸となって市東さんの農地を守り抜く


 この一年は、昨年末の親父(進)の急逝というとんでもない事態からのスタートだった。三里塚闘争のすべてを取り仕切っていた人が突然亡くなっちゃったんだから、どうしていいのか分からなくて大変だった。運動の中心であり、三里塚闘争そのものと言ってもいい人物だっただけに、俺の中での喪失感はとてつもなく大きかった。
 この事態を乗り切るためには、同盟と現地支援のそれぞれが自覚をもって闘うことが求められた。誰かが先頭で引っ張っていく、それにくっついて行けばいいという状況じゃなくなったわけだから。それで事務局も四人で話し合って進めていこうと提案して、事務局次長も当面は置かないで、共同で責任をとっていこうと決めてやってきた。自分が親父の後を継いで責任をとらなきゃいけないという立場にあるのは確かだけど、いきなり同じことをやれと言われても無理なわけで。そういう中で、どうこう言ってられない、旗開きだ、裁判だ、集会だと次々とやるべきことが迫ってくる。それを一年間、なんとかこなしてきた。慣れないことをやったから本当に疲れた。
 市東さんの裁判闘争は、勝利的に進んできた。内容的にも空港会社を土俵際まで追い詰めている。圧倒的に勝利したといっていいと思う。とにかく市東さんの裁判に勝たなくちゃいけない、農地を守らなければという一心で前に進んできた。「萩原進の遺志を引き継ぐ」という霊前に誓った決意がみんなを突き動かした。命日には「勝利したよ。また来年もがんばるから見ててくれよ」と報告したい。
 永い闘いになりそうだけど、これからもよろしくお願いします。共に闘いましょう!