新年メッセージ                                                     ホームへ
                                                                   2016年1月
2016年の年頭あいさつ

三里塚芝山連合空港反対同盟

   


  

  反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 暫定滑走路閉鎖、空港廃港、安倍政権打倒を掲げ闘い抜く


 二〇一六年、三里塚芝山空港反対同盟は、五十一年目の闘いの年を迎える。市東さんの農
地死守のたたかいが正念場である。
 昨年、東京高裁で農地を奪う不当判決が出された。小林裁判長は、単なる農地の契約解除
の話ではなく、一人の農民の命にかかわる問題であることを全くわかっていない。国策に従
う結論ありきの判決を徹底弾劾する。おじいさんの代で開拓し、孫に受けつぎ百年耕し続け
ている畑は金に換えられない。本年も千葉地裁・最高裁に対する裁判闘争、現地闘争を両輪
としてたたかいぬく。代執行の攻撃を許さない。
 欧米の帝国主義支配に対する反撃として、ISの動きがある。帝国主義各国は「対テロ」
戦争と称して危機感をあおり、軍備の維持増強を図っている。日本でも、新ガイドラインを
合意し憲法違反の戦争法を成立させ、米国の起こした戦争に自衛隊を参加させようとしてい
る。秘密保護法、マイナンバー法などで人民の支配を強め、七十年前の侵略戦争を繰り返そ
うとしている。辺野古では、座り込む人々を弾圧しながら新基地建設を強行し、日米共同使
用の巨大な基地を作ろうとしている。三里塚は軍事空港反対、反戦の砦としてたたかいぬい
てきた。沖縄の人々と連帯し、新基地建設を阻止する。
 TPP締結によって、日本農業を破壊しようとしている。日米資本は今後も、アジア太平
洋の諸国に対する収奪体制を安定維持することを狙っている。農地強奪はTPP農政を先取
りした攻撃であり、すべての農民の先頭で市東さんはたたかっている。
 成田空港は、羽田に路線を奪われ衰退が進んでいる。空港会社は地元財界とともに、延命
のために、東京オリンピックを口実として、暫定滑走路の再北伸、二十四時間運用、第三滑
走路建設を狙っている。芝山町に滑走路を誘致して廃村化をすすめる相川、石毛の動きは見
苦しい。第三滑走路は軍事利用を前提に計画されており、断固阻止する。
 反対同盟は、空港周辺地域で定期的に同盟ニュースを配り、対話を重ねている。反対同盟
に共感する住民も増えている。住民の声を糾合し、第三滑走路反対の世論を作っていく。
 若い学生・労働者の生命、幼子たちの未来のために、勇気あるものは勇気をもって、声あ
るものは声をあげてたたかおう。己がやらずとも誰かがやるだろうという時代は過ぎた。命
より金を優先する連中には負けられない。 
 反対同盟は本年も、暫定滑走路閉鎖、空港廃港、安倍政権打倒を掲げたたかいぬく。市東
さんを支え、労農連帯・国際連帯でともにたたかおう。



 「用地内」天神峰 市東孝雄さん

 国策に立ち向かう人々と共に、この地で農業を続ける


 昨年、農地法裁判で、高裁・小林裁判長は必要な証人調べ、証拠調べを行わず審理を突如
打ち切り、農地を奪う判決を強行した。全く不当、不誠実な裁判だ。農民である私に対する
死刑宣告であり、絶対に認められない。千葉地裁で二年半ぶりに再開された耕作権裁判に勝
ち、高裁判決をひっくり返す気持ちでたたかう。
 安倍政権は、憲法違反の集団的自衛権を行使するための安保法制を強行可決した。侵略戦
争の加害と被害の歴史を忘れ、米国に追随し、新たな戦争に踏み込もうとしている。許して
はならない。
 沖縄では、辺野古新基地づくりの違法工事を強行している。仲井真前知事の公約破りの埋
め立て承認以来、沖縄の人々はすべての選挙で新基地反対の民意を示してきた。翁長知事が
埋め立て承認を取り消し、石井国交相が知事を訴えた代執行訴訟が始まった。安倍政権は福
岡高裁那覇支部の裁判長を、千葉地裁で反動判決を出した多見谷に交代させた。国策に沿っ
た判決を出すためであり、徹底弾劾する。ゲート前の座り込み、海上ボーリング調査阻止の
たたかいがオール沖縄として高揚している。
 福島・沖縄・三里塚は国策に反対し、連帯してたたかう。福島の人々の脱原発の思いを踏
みにじり、川内原発再稼動が強行された。原発を止め、廃炉にしなければならない。経産省
前テントの撤去判決を弾劾する。
 私は、父の遺志をつぎ、祖父が開拓した畑を守りぬくことを使命と考え、この地に戻って
きた。今後も体が続くかぎり、ここで農業をやっていきたい。長年かけてつくりあげた有機
農法の土は、よそに移ってできるものではない。農地法に違反して地主を僭称する空港会社
に、畑を奪われるわけにはいかない。
 私の農地問題は私だけのものではなく、東峰地区の住民、騒音下五千五百戸の人々、全国
の農家につながるものだ。TPPによる農家つぶしのさきがけとしてなされようとしている
。負けられない。戦争に突き進む安倍政権に対し、軍事空港反対・農地死守のたたかいはま
すます重要になっている。たたかう農民、労働組合、市民運動、学生たちとともに、安倍政
権打倒をかかげ、たたかいぬく。
 TPPは、日本の家族農業を否定し、企業化・大規模化を図るものだ。日本農業の壊滅に
つながる。労働者も非正規化、労働条件切り下げが待っている。亡国のTPPに反対してた
たかう。
 国策と真っ向から立ち向かっている人々とともに、私はこの地で一日でも長く農業を続け
るつもりです。裁判闘争、現地闘争を一体のものとしてたたかいます。最高裁五万人署名運
動をはじめ、皆さんの力を貸してください。三里塚の現状を見に来てください。



 「用地内」東峰 萩原富夫さん

 三里塚闘争五十周年の年、歴史に恥じない闘いを

 昨年は戦争法案をめぐる国会闘争を軸に、原発再稼動阻止、辺野古新基地建設阻止の大き
なうねりの中でのたたかいになりました。この運動の中に三里塚を持ち込もうと、反対同盟
は市東さんの農地闘争の支援を広げるたたかいに全力で取り組みました。
 最高裁緊急五万人署名運動が、新たな出会いを積み重ねながら大きく前進しています。市
東さんのたたかいは農地取り上げ、農業破壊の安倍政権とのたたかいであり、軍事空港阻止
の実践的反戦闘争です。また、騒音下住民の希望の星であり、第三滑走路計画下で苦悩する
住民の先頭に立つたたかいです。現地闘争態勢を強化して、絶対に勝利しましょう。
 今年は三里塚闘争五十周年の年です。歴史に恥じないたたかいに、共に立ち上がりましょ
う。今年もよろしくお願いします。