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                                                                   2017年1月
共闘団体からの新年のあいさつ

   


    
 
 ●排外主義に抗する左派の潮流を!

        
KCM代表 八木沢二郎さ



 1)イギリスのEU離脱に続くトランプ勝利は我々が大きな歴史の曲がり角に立っていることを示している。トランプは、格差の拡大の中で保護貿易主義、ワシントンのエスタブリッシュメントを攻撃することで伝統的な保守層だけでなく、没落するプアホワイトの白人労働者をも取り込んで勝利した。ヨーロッパの移民、難民を拒否する極右のポピュリズムと同一のものである。成長期の厚い中産階級を基盤とする二大政党制が動揺し中道に(左右)集約されていた政治が分解してトランプやルペンに代表される右翼と、サンダースやポデモスに代表される左派が登場してきた。これは支配階級も被支配者階級も「これまで通りにはやってゆけない」少なくともそのような情勢のとば口にあることを示している。宮台真司(11・25朝日新聞)のように従来の既成概念を否定したとしてトランプの勝利を「望んだこと」などと戯言をいうのではなく、金融資本と産軍複合体に依拠しながら状況につけこんで労働者・人民を「分裂させ、たがいにけしかける」ために反グロ、反エスタブリッシュメント、排外主義を煽る右翼に対して、とりわけ二〇一一年以降の世界各国の諸運動に依拠し拡大しなければならない。これらの運動は、いまだ、潮流も「党」も生み出していない(特に日本)。潮流として形成することが我々の任務である。
 2)他方トランプの勝利は、従来のパックスアメリカーナの転換を意味する。ある種のモンロー主義である。同時に理念からするなら、自由貿易主義やニューデイール連合(ヨーロッパでは人民戦線的なもの)、その後の植民地独立の過程での自決権・民族の同権、あるいは公民権運動等で獲得されたものの否定である。右翼勢力に対して民主主義を擁護し徹底すべく闘わねばならない。
 3)一部には、トランプによるモンロー主義によって日米関係は、日本の自立をもたらすかの言説がある。しかし、安倍の戦争法に見られる政策はトランプのとるであろう政策と軌を一にしている。それは、思いやり予算といった金の問題ではなくより積極的な軍事的役割の要求であり、それを利用した安倍の軍事的コミットメントの増大である。「従属的帝国主義同盟」の新たな段階である。これらに対して沖縄・岩国・Xバンド闘争の成果を踏まえ貴同盟が前進されることを期待する。



 ●二〇一七年を新しい時代に

       
プロレタリア通信編集委員会 北村裕さん



 二〇一七年の年頭に当たり、共産主義運動の前進に奮闘されている共産主義者同盟(統一委員会)の皆さん、及び「戦旗」の読者の皆さんに、連帯の挨拶を送ります。
 安倍政権は、一昨年、戦争法を成立させ、米帝の要請にこたえて世界のどこにでも出向き、軍事力を行使できる戦争国家化の道を突き進んでいます。
 昨年私たちは、反戦実行委員会の一員として、多くの闘う仲間とともに、伊勢島サミット反対の闘いを行い、十一月六日には、南スーダンへの継続派兵反対、辺野古新基地建設阻止、共謀罪導入に反対することを訴えて、新宿デモを行いました。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)へ、陸自部隊が継続派兵されましたが、それには十一月十五日、「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防衛」の新任務の付与が閣議決定されています。
 沖縄の高江では、日常的に警察による暴力的弾圧が行われており、それとの長期的闘いが日常化しています。この様な沖縄人民の自立解放闘争は、確実に日米共同で進めてきた沖縄の統治構造を揺るがしています。
 こればかりではありません。「共謀罪」新設(テロ等組織犯罪準備罪と名称は変えられましたけれど)に見られるように、二〇二〇年オリンピック開催に向けて、治安国家化の動きが進められつつあります。
 この様な中で、私たちは沖縄人民の自立解放闘争に連帯し、日本帝国主義を打倒する闘いを推し進めていかなければなりません。東アジアの人民との連帯をはじめとして、その運動の内実を形成していく時が差し迫っています。
 私たちは、統一委員会の皆さんとも連帯し、共産主義運動を共に闘いぬくことを誓い、新年の挨拶とします。



 ●労働者民衆の独自の政治勢力を第三極としてつくろう

       
労働者共産党 松平直彦さん



 我々は、20世紀の共産主義運動の敗北を乗り越えて、起ち上がらなければなりません。
 今や資本主義終焉の時代、資本主義が産業発展を牽引し、社会を統合しえていた時代ではなくなっています。産業は成熟してしまい、資本が新産業を見出せず、マネーゲームの世界へと実体経済から遊離していかざるを得ず、その対極に資本にとって絶対的に過剰な人口部分を膨張させ、社会を引き裂き崩壊させつつあります。そうした中で戦略的に見れば、人々は生存の必要に迫られて、資本主義に代わる共生・協同社会の創造へ、国家・国境の廃絶へと向かうでしょう。
 しかし局面的には試練の時を迎えています。いまや没落する中間層の一半が、その苛立ちを被抑圧民族・被差別民衆に対する攻撃という形で爆発させ、動揺的な支配層を右から批判し、独自的な政治的進出を開始しているからです。アメリカのトランプ登場しかり、欧州の極右の台頭しかり。この事態はなによりもまず、社会崩壊の根源である資本主義の廃絶を目指す政治勢力の無力、非正規労働者、失業者など労働者下層の層的登場と政治的進出の立ち遅れによるものだと思います。資本主義の廃絶を求める人々が、真に力ある勢力として政治的に登場しなければなりません。
 東アジアは激動し始めています。
 我々は、アメリカ一辺倒で、国際投機マネーと多国籍企業の利益に奉仕し、地域覇権国家への転換を推進する安倍政権と対決し、またアメリカから一定距離をとり、社会の崩壊を危惧して民衆の包摂に腐心する支配階級の動揺的部分とも、対安倍政権では共同しつつも一線を画し、労働者民衆の独自の政治勢力を第三極として立てねばなりません。グローバルな政治の流れの大転換を、東アジアから起こしていきましょう。韓国民衆の反朴総決起に連帯し、自己決定権の旗を押し立て新基地建設を拒否して闘う沖縄民衆と団結して、労働者民衆の時代を切り拓いていきましょう。



 ●評議会革命路線の深化と発展をかけて闘う

       
統一共産同盟


 二〇一七年の初めにあたり、共産主義者同盟(統一委員会)のみなさんに私たちの決意を表明し連帯のあいさつを送ります。
 第一は日米安保粉砕を鮮明に掲げた反戦・反基地闘争です。沖縄・琉球人民は、高江オスプレイパッド、辺野古新基地、宮古・八重山への自衛隊配備に反対し大衆的直接行動でたたかいぬいています。私たち日本(ヤマト)労働者人民は、沖縄・琉球人民の自決権を無条件で支持し、米軍追放・自衛隊解体・全基地撤去のたたかいをつくりださなければなりません。このたたかいは中国、朝鮮民主主義人民共和国に対する東アジア戦争阻止の国際連帯のたたかいです。
 第二は改憲阻止闘争です。憲法審査会における審議は、回数を重ねること自体が改憲攻撃です。安倍首相は、昨年七月の参院選後のインタビューで「わが党の案(二〇一二年四月発表)をベースに、三分の二を構築していく、それが政治の技術と言ってもいい」と言い放っています。早ければ本年中の改憲条項の絞り込み、国会発議、国民投票実施が目論まれています。憲法審査会粉砕闘争をつくりだしましょう。
 第三は天皇制廃絶を掲げた反天皇制闘争です。天皇制こそ労働者人民の民主主義と主権確立に真っ向から敵対し、差別と排外主義ナショナリズムと階級融和をもって国民統合をはかり、侵略戦争に動員する支配階級のイデオロギー装置です。天皇制の安定的継続をはからんとする「生前退位」攻撃に抗し、今こそ天皇制廃絶のたたかいをつくりだしましょう。
 第四は日ロ政府による北方諸島領土分割・再併合粉砕のたたかいです。アイヌ民族・北方先住諸民族の先住権・自決権を否定した「領土交渉」を許してはなりません。安倍政権は、二〇一八年を「北海道百五十年」「明治維新百五十年」とし、記念事業を強行しようとしています。さらに二〇二〇年の東京五輪にあわせた「民族共生象徴空間」(「慰霊・研究施設」建設)開設はアイヌ民族同化完了宣言に他なりません。私たちは天皇制国家によるアイヌモシリ侵略につらぬかれた日本近代史の総括をかけてたたかいにたちあがりましょう。
 今年は一九一七年ロシア革命から百年を迎えます。ロシア労働者人民は、労働者代表ソビエト(評議会)を組織し、ゼネスト・武装蜂起によって帝政を打倒しました。トランプ米政権の出現にみられるように、米帝国主義の一極世界支配体制は崩壊し、独占資本のグローバル化の矛盾が噴出しています。帝国主義諸国において差別・排外主義と自国中心主義が強まり、世界的に被抑圧人民・民族に対する侵略戦争の時代に突入しています。その最先端を担わんとする安倍政権下にあって、私たちはロシア革命を引き継ぎ評議会革命路線の深化と発展をかけてたたかうことを決意表明し、連帯アピールにします。万国の労働者、被抑圧民族、団結せよ!


 ●反資本主義・反国家主義で連帯の砦築こう

       
共産主義者同盟(蜂起社) 槇 渡さん


 グローバリズムが世界を覆い格差・不平等が広がる中、グローバル資本への怒りと劣化した既存の制度的政治―代議制への不信感・危機感を抱いた人々による草の根から民主主義を取り戻そうとする「新しい変革のうねり」―グラスルーツ・デモクラシーが世界中で渦巻いている。一方で分断と亀裂を深める格差社会とグローバリズムへの人々の不安につけ込んで、他国や移民によって自国の権益(雇用や文化、秩序)が脅かされているとナショナリズム(国家主義・自国第一主義)に訴える扇動政治家(デマゴーグ)が台頭している。米国の「トランプ・ショック」や英国のEU離脱に象徴されるように、格差と移民を増大させたグローバリズムの歪さが、その反動として二律背反(アンチノミー)ともいえるナショナリズム(単なるポピュリズムではない!)の台頭をもたらしているのだ。このことほど、二一世紀の資本主義の矛盾を浮き彫りにしている事態はない。
 いまや私たちは、このように民主主義を取り戻すのか(グラスルーツ・デモクラシーか)、国を取り戻すというナショナリズムか、その選択が問われる歴史の岐路に立たされているのではないか。ではグローバリズムとナショナリズムにどう抗うか。この焦眉の課題に応える対抗軸は、既存の制度的議会政治に依存しない非制度的回路の直接行動や反格差―移民連帯の社会運動を通じた草の根民主主義であろう。その変革のうねりを起こすイニシアティブが今こそ求められている!
 国家主義に傾斜し壊憲を企む安倍政権は、「権力暴走」をさらに加速している。違憲の安保法制(参戦法)や、沖縄の民意を踏みにじり新たな「琉球処分」に等しい強権的な辺野古新基地・高江ヘリパッドの建設、福島第一原発事故の大惨事を顧みない原発の再稼働と海外輸出、防衛費を増大する一方でただでさえ先進国で最低水準にある社会保障や医療・教育の公的支出の削減など―これらは「戦争のできる日本を取り戻す」という国家主義の道に安倍政権が突き進んでいることを紛れもなく示している事例だ。国家主義(ナショナリズム)を止めよう。反資本主義・反国家主義で連帯の砦―コミューンを築こう!世界を変えよう!



 ●資本制もろとも葬り去り人民権力の樹立を

       
共産主義者同盟首都圏委員会 田中浩志さん



 二〇一七年の年初に、『戦旗』読者のみなさんに、連帯の挨拶を送ります。
 二〇一六年を振り返るに当たりまず特筆すべきことは、昨年三月に辺野古代執行訴訟で政府に「和解」を受け容れさせ、辺野古新基地建設工事を中断に追い込んだことです。沖縄人民の辺野古現地での粘り強い闘いは、一昨年の安保法制に反対する人民のうねりと合流し、安倍政権を追い詰めました。しかし、安倍は参院選での改憲勢力三分の二獲得を宣言するや否や、高江ヘリパッド基地建設を強行し、特に九月「不作為の違法確認訴訟」の多見谷による不当判決以降、年末までに山城博治さんを始め大量の不当逮捕・弾圧を重ね、基地建設反対運動つぶしに打って出ています。沖縄人民の闘いに呼応・連帯し、敵の暴虐を打ち返すべく共に隊伍を縦横無尽に構築することがより一層求められるでしょう。
 凋落する米帝による東アジア残存冷戦構造の象徴ともいえる辺野古新基地建設は、一層の凶暴性を露呈させざるを得ません。昨年、覇権中枢で起こった英国EU離脱と米国トランプ誕生、そして周辺従属諸国であるフィリピン・ドゥテルティ登場、韓国朴政権打倒への民衆のうねりは、冷戦時代に国家独占資本主義へと押し込まれた蓄積様式が、その桎梏の清算のために超国家的金融情報資本の形成と新自由主義による新たな原蓄と略奪を開始し、その結果一方で新たな「労働」と他方で従来とは異なる貧困と差別、戦争と難民をつくり出してきた第四コンドラチェフ期を画期する中枢―周辺を貫く地殻変動として軌を一にし、今や敵支配階級は世界的な民衆の左右を問わない叛乱の渦にさらされ過渡期世界の終局点へと追い詰められようとしているからです。
 こうした一時代にあって、左派のヘゲモニーの確立とその社会的基礎の開拓がより一層求められていることは、言うまでもありません。今こそ敵支配階級を資本制もろとも葬り去り人民権力の樹立を展望しうる闘いを共に闘おう!