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                                                                   2017年1月
2017年の新年のあいさつ

三里塚芝山連合空港反対同盟

   


    

 ■青年労働者、学生たちの未来のための闘い

     事務局長 
北原鉱治さん

 

 二〇一七年は、反対同盟にとってきわめて重大な年となる。
 何よりも市東孝雄さんの農地を守り抜くたたかいだ。十月二十五日の最高裁による上告棄却の決定は本当に許せない。農民にとって農地は命だ。憲法判断さえ示すことなく、たった三行で、代を継ぎ百年にわたって耕し続けてきた農地を奪おうとするこの最高裁決定を心からの怒りで弾劾する。この市東さんに対する農地強奪攻撃はまた、TPP推進に代表される農民切り捨て政策の象徴であり、先取りだ。
 反対同盟は市東さんが語ったように、強制執行攻撃に対しては、「一丸となって体を張って闘う」決意だ。農地強奪を阻止する闘いに全国から駆け付けてほしい。
 さらに、第三滑走路建設、B滑走路の北延伸、深夜・早朝便の三時間延長というすさまじい計画が具体化してきた。六百戸に移転を強制し、二千戸を新たに騒音地獄に叩き込むもうとするものだ。こんな計画は断じて認められない。反対同盟はすでに沸き起こっている騒音下住民の怒りと一体となって、第三滑走路建設・二十四時間空港化の攻撃を阻止する。
 アメリカ大統領選挙におけるトランプの勝利など、世界は大きく激動している。安倍政権は辺野古・高江など沖縄の人々の反基地闘争への弾圧を強め、戦争法制下での自衛隊の南スーダン派兵を強行するなど、戦争する国へとますますのめり込んでいる。しかし、こうした時代こそ、反戦の砦としての三里塚の真価が発揮される時だと思っている。
 三里塚芝山連合空港反対同盟は、昨年七月三日に三里塚五十周年・東京集会を六百三十人の参加をもって成功させた。反対同盟はこれからも農地死守・実力闘争の基本路線を貫き、空港廃港まで闘っていく。
 三里塚の闘いは青年労働者、学生たちの未来のための闘いだ。若者たちはぜひ三里塚にきて、そこで何が行われているかを知り、そして自らの将来のために共に闘いに立ち上がってほしい。
 反対同盟は、国策に抗する沖縄、福島の人々をはじめ全国・全世界の人々と固く団結して闘い抜く。その決意を明らかにして、年頭のあいさつとします。



 ■農地に手を出してくるなら体を張って闘う

     事務局員 「用地内」天神峰 市東孝雄さん


 十月二十五日、最高裁判所は農地法裁判において、千葉地裁多見谷判決、東京高裁小林判決を支持し、大谷剛彦裁判長は上告棄却を決定しました。農地法を悪用し、証拠調べを一切せず、結論ありきの国策裁判を絶対に認めることはできません。
 もし農地に手を出してくるなら、体を張って闘います。その時はみなさんとともに闘います。耕作権裁判にも取り組みながら、私は親子三代続くこの農地を守り闘っていく。それが自分の生き方です。
 現在、成田空港会社、国、行政が進めようとしている第三滑走路計画、夜間早朝便拡大の問題ですが、成田空港は年間離発着はたかだか二十三万回前後。これをどうやって五十万回に増やすのでしょうか。アジアでの空港間競争が激しくなるとか、羽田と合わせた国内、国際便を海外の旅行客に使ってもらい、右肩上がりで航空需要が伸びるなど、全部が机上の空論、実態とはかけ離れた計画です。特に成田空港は九〇年代のアジアでの空港間競争に乗り遅れ、国際便を羽田に取られ、LCC国内線は隣の茨城空港としのぎを削ってやっているなど、将来性などは全くない状況であり、地域住民にとって空港間競争など関係ない話です。二〇一三年の夜間早朝便の拡大からたった三年しか経ってないのに、また夜間早朝便の拡大をやろうとしている。とんでもないことです。今まで散々騒音に苦しめられてきたのに、寝る時間も奪っていくなど言語道断です。地域を破壊し、地域住民の生活、生命よりも金儲けを優先し、利権に群がるような計画は粉砕あるのみです。地域住民と一体となって第三滑走路計画、深夜早朝便の拡大を阻止していきたいと思います。
 そして、新基地建設に身体を張って闘う沖縄、原発廃炉を求めて闘う福島のみなさんとともに三里塚も一緒になってやっていきたい。戦争に突き進み、市民の生活を破壊する安倍政権を倒していきましょう。
 「農地死守、成田軍事空港粉砕」「三里塚は不滅」、「闘魂ますます盛んなり」でこれからも闘っていきます。みなさん、今年も宜しくお願いします。



 ■住民の怒りと結びつき新たな闘争の始まりに

     事務局員 「用地内」東峰 萩原富夫さん



 旧年中は、共闘・支援の皆様に多大なる力をいただきありがとうございました。沖縄・福島との連帯闘争から韓国民衆闘争への決起と、三里塚50周年集会や市東さんの裁判闘争など大変忙しい一年でした。
 五十一年目の三里塚闘争は、市東さんの農地を守る闘いと同時に、第三滑走路建設をはじめとする空港機能強化策との闘いが本格化しています。昨年十月から地域住民への説明会が開かれていますが、騒音下住民の怒りが広がり計画は立ち往生している状況です。反対同盟は第三滑走路等に反対するリーフレットを作成し、住民とともに闘いを開始しました。五十年前と同じ住民無視と空港建設の強行を許すことはできません。飛行規制を緩和して、早朝五時から深夜一時までジェット機を飛ばすということは、住民の睡眠障害を引き起こし高血圧や心筋梗塞のリスクを高めると言われています。二十時間飛ばすことは実質的に二十四時間空港化を意味します。断じて許せません。住民の怒りと結びつき、新たな三里塚闘争の始まりにしましょう。
 そして市東さんにたいする10・25「上告棄却」最高裁判決が出た今、強制収用阻止へ全力で決起しなければなりません。弁護団は強制執行停止決定を求める申し立てを千葉地裁に提出しました。市東さんの畑には産直の消費者に届ける野菜があります。農機具や倉庫、作業場、車庫、ハウスなど営農に必要なものがあります。それらを問答無用に奪う強制執行は許されるわけがありません。市東さんの営農と生活を守るため、全力を尽くします。
 辺野古・高江に対する基地建設の暴力的強行や原発政策など、安倍政権の強権政治が吹き荒れています。これまで積み上げてきた社会が壊されています。息苦しさを増しています。私は東峰の地で農地を守り、空港建設に抵抗し、国家暴力を糾弾し続けます。皆さんもへこたれることなく元気に闘いましょう。今年もよろしくお願いします。



 ■世の中を変えようの声をさらに大きく訴えたい

     事務局員 伊藤信晴さん



 二〇一六年十月二十五日、最高裁は市東さんの上告を棄却した。私たち反対同盟にとって予想していたとはいえ絶対に許すことができない。親子三代百年にわたって耕し続けた農地、市東東一さん、孝雄さんと親子二代で空港絶対反対・農地死守の原則をつらぬいてきた市東家に対するこの仕打ちは国家犯罪としか言いようがない。
 この五十年間におよぶ住民無視、国家暴力による問答無用のやり方が最高裁まで支配している。ここに至って北原事務局長や萩原進さんが訴えていた世の中を変えようの声をさらに大きく訴えたい。
 十一月十日の一坪裁判の最終弁論で弁護団は、千葉県企業庁の資本の論理は行きづまり、唯一空港反対の一坪のみが農地の有効活用だと言い切った。ましてや、有機・無農薬の豊かな農地こそ守られるべきだ。
 市東さんの農地決戦に全国から結集してもらい、世の中を変える一里塚にしよう。
 また、現地攻防は第三滑走路をめぐって火を噴いています。空港機能の強化と称して深夜・早朝の規制を取っ払い、二十四時間空港化を狙っています。二百戸の移転、二千戸の騒音地獄を未来永劫強制しようというのだ。住民のふるさとと未来を壊すこの計画を用地内住民・周辺住民とともに必ず粉砕します。そもそもこのような計画を立案し、説明会を設ける無神経さ。ありもしない五十万回の航空需要をデッチあげ、必要のない第三滑走路をゴリ押しするのは、莫大な空港利権と朝鮮半島有事を想定した軍事転用が目的だ。
 世界はイギリスのEU離脱やアメリカでトランプが大統領になったように、新自由主義は崩壊し、保護主義が台頭している。
 まさに弱肉強食の時代だからこそ資本の論理を打ち破り、労働者・農民の団結のみに依拠した社会を打ち立てよう。二〇一七年はそうした時代の幕開けにしよう。
 市東さん決戦はそうした道のなかに勝利の展望があると確信しています。



 ■二つの現地闘争を結合・爆発させ全国の闘う勢力の共闘を

     事務局員 太郎良陽一さん



 二〇一七年を迎え、三里塚から決意表明します。
 昨年は、三里塚闘争五十周年の節目にあたり、現下の安倍政権打倒の全国的たたかいが爆発する中で、半世紀にわたる国家権力との<徹底非妥協・実力闘争の歴史>の持つ責任を改めて肩に感じた年でした。
 私は二十二歳の時、一九七七年岩山鉄塔決戦に三里塚に来て以降、反対同盟結成からまさに権力との戦場をくぐってきた諸氏各々のたたかいと生活の格闘を目の当たりにしながら、反対同盟と共にたたかってきました。そして、私は一九八三年三・八分裂の帰結として木の根部落が脱落・移転するなか、木の根に家を構え、木の根反対同盟の旗を立て、以降反対同盟の一端に加わり、二〇〇二年、屋根に登り抵抗しましたが、強制排除され、家は「強制収用」されました。そして四十年目を迎える今、決戦を前にして様々な反対同盟の先達の「無念の闘魂」が身体に刻まれ、私を叱咤激励される思いがするのです。
 去年十月二十五日最高裁は市東さんの農地法裁判の上告棄却決定を下しました。真実に蓋をして、偽造を無視し、国家・資本家の下僕を恥じない、あの極悪元千葉地裁裁判官・多見谷判決を最高裁が追認し、空港会社による農地取り上げを裁判所が認めたのです。私達は、裁判所を弾劾すると共に、三里塚闘争開始以来、反対同盟の基本路線を貫き、市東東市さん・ときさん夫婦から孝雄さんに受け継がれた「闘魂ますます盛んなり」の農地―家屋を現地支援と動労千葉・関西実・反対する会等共闘との圧倒的大衆的スクラムを組んで守り抜こうではありませんか。ただちに三里塚決戦に参加しましょう。
 私達反対同盟は、市東さんの農地取り上げの「強制収用」に対して、「体張ってたたかう」ことを決意しました。全国の皆さん、決戦の地・三里塚に繋がってください。結集してください。さらに、現地では、この攻撃に加え「第三滑走路建設計画」の攻撃という「国・地域経済の発展の為」の「成田空港の機能強化」を口実にした「二十四時間・巨大空港」建設が策動されています。北総農地をコンクリート化し騒音地獄と廃村を強要する攻撃で、今、周辺住民の怒りとたたかいが始まっています。私達、反対同盟は、この二つの現地闘争を結合・爆発させ、安倍政権打倒の全国のたたかいとの共闘を築くべくたたかいます。その先頭でたたかいますので、よろしくお願いします。