新年メッセージ                                                     ホームへ
                                                                   2021年1月
共闘団体からの2021年新年アピール

   


    
 
 ■民衆が主体となる世界を築くとき

 共産主義者同盟首都圏委員会 幾瀬仁弘

 二〇二一年の年初に、『戦旗』読者のみなさんに連帯のあいさつを送ります。
 昨年一一月に行われた米大統領選では、民主党バイデンが現職の共和党トランプを破り、勝利しました。自国第一主義を公然と掲げ、国際政治をはじめあらゆることを取引で進め、人種差別とヘイトクライムを煽り、自分に都合の悪い報道はすべてフェイクニュースだと切り捨てる、まさに前代未聞の大統領に対する国民の審判が下されました。確かにバイデンが大統領になれば、国内で分断された国民が憎しみ合うような事態は「表向き」には抑制され、多様性を尊重する米国へと、あるいはまたWHOやパリ協定、そしてTPPに復帰し、協調を軸にした国際政治が行われていくのでしょう。しかしこれは、トランプ以前の米国、強大な軍事力を背景にした帝国主義的な米国が復活するにすぎません。
 とはいえオバマ時代からすでに米国は財政難に苦しみ、強大な軍事力を維持する力を失っていました。そこでとられた戦略が、他国との経済的・軍事的な連携の強化、同盟の強化です。そこで改めて日米軍事同盟の重要性が確認されました。事実、当選が確定した後バイデンが強調した点はこれでした。
 これにいち早く呼応したのが、安倍政権の継承を自称する菅政権です。思想的偏向を持たない実務派を気どる菅政権ですが、日本学術会議任命拒否問題に見られるように自らに従わない者を抑圧・排除する独裁ぶりは確かに安倍政権を継承しています。
 コロナ渦で経済活動が低迷する中、国内の失業者は日を追うごとに増大し、自殺者も急増、リーマンショック時以上の破滅的な状況になる可能性すらあります。経済対策とコロナ対策を天秤にかけながらも、結局は資本の言いなりになり、国民を犠牲にしていく菅政権を打倒しなければなりません。未曽有の事態が席捲する中、これまでにない民衆が主体となる世界を築くときが来ています。共に闘いましょう!


 ■反戦改憲阻止を共に闘おう

 統一共産同盟


 全世界的な新型コロナウイルス感染拡大のなかにあって、米帝国主義をはじめ超大国金融独占資本は、自らの延命のために闘う労働者人民に対して更なる搾取と収奪を強化しています。しかし世界の労働者人民は、ブラックライブズマター運動に見られるように生存と主権をかけて闘いぬいています。
 米国では株高で大富豪の資産が膨らみ、上位五〇人で国全体の富の半分を占めていると指摘されています。まさに全世界的に金融独占資本が増殖し、階級矛盾が激化しています。
 かかる情勢下にあって、バイデン米政権が一月二〇日から発足します。バイデン新政権は、菅首相との電話会談で「日米安保条約五条の尖閣諸島への適用について、コミットする」と、対中国を明確にして日米同盟―日米安保強化を確認しています。バイデン新政権も目的は、中国との覇権争いを基軸にした米帝国主義の「繁栄」です。
 安倍政権の継承を掲げる菅政権は、日米同盟の基本戦略である「自由で開かれたインド太平洋構想」に向け、戦争と改憲に突き進んでいます。とりわけ日本軍・自衛隊による「敵基地攻撃能力」保持を明確に打ちだそうとしています。「敵基地攻撃能力」保持は、「専守防衛」から先制攻撃への大転換であり、実質九条改憲です。また現在進行している辺野古新基地建設をはじめ琉球弧の軍事力が強化されています。日米帝国主義による沖縄・琉球の軍事植民地化の継続に反対し、自決権支持の日本(ヤマト)での反戦反基地闘争をつくり出したいと思います。
 菅政権・自民党など改憲派は、二〇二一年通常国会において、改悪国民投票法案を成立させ、一気に改憲発議を進めようとしています。すでに昨年の臨時国会において国民民主党は、改悪国民投票法の採択に条件付きで応じると表明しています。また社民党の分裂に見られるように改憲論議を軸に野党再編が進行しています。ブルジョア議会主義を弾劾し、憲法審査会開催粉砕、改悪国民投票法採択を許さない労働者人民の直接行動で反戦改憲阻止闘争を共に闘いましょう。
 今年三月一一日は、東京電力福島第一原発事故から一〇年を迎えます。いまだに三万人以上が避難を続けています。汚染水の海洋投棄も目論まれ、原発の廃炉作業も遅々として進んでいません。菅政権の原発再稼働と新増設を許さず、天皇出席の「東日本大震災追悼式」反対に立ち上がりましょう。同時に国家元首としてナルヒトの七月東京オリンピック開会式出席に反対しなればなりません。排外主義と差別の元凶である天皇制廃絶無くして、国際連帯も民主主義の確立もありえません。
 私たちは、労働者階級の解放を目指し、評議会(ソビエト)革命路線の深化と創造的発展をかけて闘うことを決意表明し、新年にあたっての連帯アピールにします。万国の労働者、被抑圧民族、団結せよ!


 ■世界革命の道を切り拓こう

 労働者共産党 松平直彦


 昨年は「コロナ」、今年はそれに加えていよいよ「金融バブルの崩壊」となりそうです。それは、世界史的な資本主義終焉の時代の幕開けとなるでしょう。
 菅政権は、「コロナ」よりも「経済」だというスタンスに固執していますが、そもそも「コロナ」がなくとも資本主義では社会が成り立たない時代なのです。「コロナ」は泣きっ面に蜂ですが、地球的自然からするしっぺ返しの一形態でもあります。政権が代わって野党政権が出来ても何とかなるものではありません。もちろんアメリカ一辺倒の極右政権を倒し、妥協的・動揺的な野党連合政権に置き換えることは大いなる前進ですが……。
 社会(関係性)が崩壊する時代は、政治的暴力が社会化する時代です。安倍政権は、そしてそれを引き継いだ菅政権は、敵対的態度を問答無用で押し通してきました。端的には沖縄敵視政策と韓国敵視政策でした。これが政府の態度を越えて、抑圧する側・差別する側の開き直りを媒介に社会全体に蔓延していくことになるでしょう。トランプ政権下のアメリカ社会がその先例でした。
 結局そうした事態は、侵略戦争の発動に向かわずにはおりません。すでに自衛隊は、アメリカの対中国局地戦争に参戦する態勢にあり、琉球列島から九州に至るラインに兵力を集中し、陣地を強化しています。辺野古新基地建設は、米日侵略同盟の政治的要になっています。日本政府は沖縄を再び戦場化しようとしており、朝鮮半島への野心を隠さなくなっています。
 しかし米日帝国主義の思い通りにはいかない東アジアの厚い壁があります。それは帝国主義・植民地主義の歴史から学んだ民衆が築いてきた壁にほかなりません。沖縄・韓国民衆との連帯を通して、その点における我々の運動の弱さを克服していきましょう。
 今や国家と資本主義というシステムが人類社会の存立と両立しなくなっています。旧いシステムを自治・連帯・共生の助け合い社会に置き換える世界革命の道を切り拓いていきましょう。本年もよろしくお願いします。


 ■「関生魂」の思想は潰されない

 関生コミュニスト同志会

 共産主義者同盟(統一委員会)同志の皆様、関生コミュニスト同志会(関コミ)から、新年のご挨拶を申し上げます。昨年は、皆様方のご奮闘により、武委員長・湯川副委員長を長期勾留から奪還することができました。改めましてお礼を申し上げます。
 昨年は「反転攻勢」の年と位置付けて奮闘し、一定の成果を勝ち取って来たと確信しています。それは、「関生支部を支援する会」が全国で結成され、関生支部の産業別労働運動への理解・協力の輪が着実に拡大していることです。更に、大阪広域生コン協組の「連帯排除決議」によって、日々雇用労働者の就労拒否や権力弾圧に便乗した、懲戒解雇などの暴挙を繰り返して来たが、奈良吉田生コンでは職場復帰を実現。そして、大阪府労働委員会での組合側の勝利命令を勝ち取っています。
 何故、これほどまでに資本・権力が関生支部を目の敵にするのか。それは、二〇一七年一二月の運賃引き上げを求めたゼネストにある。また、中小企業と労働組合が連携・協力する「関生型運動」(協同組合化)を潰すことにある。その「関生型運動」とは、資本主義の根幹である「競争」を抑制し、中小企業と労働組合が協力・連携した政策運動の実現によって、関連産業における労働者の高いレベルの賃金・労働条件を確立してきた。この産業別労働運動を展開する関生支部の存在が、企業内労働組合に封じ込めている日本労働運動の再生に繋がることを恐れた資本・権力の危機の現れです。また、中小企業を協同組合に団結させる「関生型運動」が全国に拡大することは、「大競争」の産業・社会システムが崩壊し、資本主義の終わりを告げることになる。
 権力弾圧をいくら繰り返しても、「関生魂」の思想は潰されないし、消せない。全国の仲間と団結し、闘い続けることを決意して新年のご挨拶とします。


 ■共産主義の大道を

 KCM代表 新開純也


 資本主義を貫徹する不均等発展の法則、利潤率の傾向的低落の法則、これによって資本主義はその〝秋〟を迎えている。同時に、この終末期の資本主義のあくなき資本蓄積の衝動は生態系を破壊し、気候温暖化を招きまたコロナ(動物由来感染症)を招きよせている。
 不均等発展によってパクス・アメリカーナは揺らぎ国際情勢は極度に不安定となりナショナリズムが各国で台頭している。覇権国の終盤期は実体経済から離れ金融化し寄生性と腐朽化を強めることはすでにホブソンやケインズが指摘した通りである。
 また先進資本主義国では利潤率の低落によって非正規雇用を増大させ搾取率を高めること、水道民営化のように公的な物を私的資本のもとに簒奪する以外に生き延びる道はなくなっている。
 こうした資本主義の行き詰まりがナショナリズムと民主主義を破壊する強権政治を生み出している。
 我々は歴史の岐路に立たされている。このようなナショナリズム・強権・地球破壊への道か、かつての〝よき日〟=資本主義の成長期の福祉国家の再来を夢見るのか、それとも寄生化・腐朽化する資本主義の根本的な変革か。
 我々は夢見る人とも時には共闘しながらも根本的変革を目指して闘わねばならない。
 貴同盟の健闘を期待する。