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                                                                   2019年1月
2019年の新年のあいさつ

三里塚芝山連合空港反対同盟

   


    


 ●どんなことになっても私の信念は揺らがない

   事務局員「用地内」天神峰 
市東孝雄さん


 新年おめでとうございます。皆さんの手元にこのアピールが届く頃には、すでに請求異議裁判の判決が出されていることになるかと思います。
 裁判では、私たちの主張の正当性と空港会社の違法性・不当性が、徹底的に明らかになったと思います。そもそも農地法で守られた小作地を、父に無断で買収し、私を「不法耕作者」呼ばわりし、あげくの果てには農地の強制執行を要求するという成田空港会社のやり口を絶対に許すことができません。こんなことが認められてよいはずがないのです。
 私たちの正義ははっきりしています。しかし、「国策」とたたかう裁判では、どのような判決が出されるか油断することはできません。しかし、はっきりしていることがあります。どんなことになったとしても、私の信念が揺らぐことはないということです。私はこれからも天神峰に生き、農業をやり続けます。天神峰と南台の畑は、私にとっての命です。祖父の代から引き継がれてきたこの地で、試行錯誤して土壌をつくり、有機無農薬で育てた「嘘のない」野菜を、産直を通して消費者の食卓に届けてきました。それが私の誇りです。
 いま成田空港周辺では、第三滑走路建設計画や深夜・早朝の飛行時間延長など、膨大な農地を奪い、騒音被害を拡大する新たな空港機能強化策に対して、地域の住民が怒りの声を上げています。節を曲げず筋を通した私たち反対同盟のたたかいは、必ずや立ち上がりつつある周辺地域の住民からも、新たな共感を得られるだろうと思います。
 安倍政権は今年、いよいよ憲法改悪に具体的に踏み出して行こうとしています。沖縄では、民意を踏みにじって、辺野古新基地建設に向けて海面埋め立てを強行しようとしています。おごり高ぶる安倍政権に一刻も早く終止符を打たねばなりません。
 反対同盟は、沖縄や福島をはじめ「国策」に抗する全国の人々と手を携え、三里塚から安倍政権の打倒に向けてたたかいます。全国の皆さん、ぜひ天神峰に来てください。共にたたかいましょう。反対同盟に対する皆さんの引き続くご支援をよろしくお願いします。


 ●犠牲を強いる国策許さず安倍政権を打倒しよう

  反対同盟事務局 「用地内」東峰 萩原富夫さん

 新年おめでとうございます。旧年中は多大なご支援をいただき、ありがとうございました。おかげさまで勝利的に闘いぬくことができました。
 新たな年を迎えた三里塚は、さらに緊迫した状況に入っていることでしょう。市東さんの農地への強制執行を止める請求異議裁判が、一二月二〇日判決を迎えました。おそらく良い判決は出ていないでしょう。その場合、ただちに控訴と執行停止の手続きに入りますが、その間に執行停止の空白の期間が発生する可能性があります。そのような事態になった場合は、ただちに実力阻止態勢に入ります。皆さんの決起をお願いします。
 他方、空港会社と国交省は空港機能強化の一環として「来年一〇月からA滑走路の一時間延長を開始する」と発表しました。住民の同意や騒音対策が全く進まない中で、深夜〇時までの運航を強行するなど絶対に許されません。また、第3滑走路予定地住民からの同意は、八割に満たない。さらに環境基準達成率が開港から四〇年経っても61%でしかないという異常な事実が明らかになっています。こんな空港は他にありません。住民の平穏な生活を考えれば、成田は機能強化ではなく縮小化、廃港化する以外ありません。
 市東さんの農地を奪い、住民に犠牲を押し付ける国策など許されません。沖縄に基地負担を押し付け、福島に被曝を強制する安倍政権を打倒しましょう。関西生コン支部への組合つぶしの攻撃、共謀罪適用を粉砕しましょう。厳しい闘いが続きますが、今年もよろしくお願いします。


 ●農地を守り抜くことは未来を切り拓く闘い

  事務局員 伊藤信晴さん


 昨年一年を振り返ると、三里塚陣形が乱れることなく闘い抜けたことは本当に素晴らしい事だったと思います。二〇〇八年一〇月一七日に空港会社は市東孝雄さんに農地明け渡し訴訟を提起し、二〇〇九年四月には共生委員会の後継組織として共生・共栄会議を発足させた。二〇〇九年一二月一五日には芝山町相川町長が成田空港圏自治体連絡協議会で成田空港の深夜・早朝時間帯の運用制限を一部緩和の方向で検討すべきと提起し、了承されました。成田では二〇一〇年三月一九日に成田市長が市道路線つまり団結街道を廃止・告示したのです。
 このように成田空港会社を先頭に周辺市町長が手を組み、空港共栄策に動き出しました。また昨年初頭の安倍首相の施政方針演説で言われたように、成田空港の完成は一級課題に押し上がりました。
 しかし私たちは、市東さんの不動の決意に支えられ、応えつつ、やりきった事の勝利性はたたえ合いたいと思います。
 そうした中で、今国会で審議している入管法改定案の現実は日帝のあり方を赤裸々に示しています。技能実習生などときれいな言葉を使いながら、その実態は低賃金、すさまじい時間外労働、まさに奴隷扱いの待遇。ここ三年間で六九人もの死者が出ていると言われています。
 この事実を反省しないで、ただ受け入れ枠を拡大しようと法案を強行しようとしています。
 また今国会で提案されようとしている自民党の改憲草案では、基本的人権について「国民はこれを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」となっております。まさにこれは三里塚だけでなく、全人民に対する戦闘宣言です。
 そしてもっとも重要なのは、憲法九条二項で自衛の措置を取ることを妨げず、そのための実力組織とし、自衛隊を保持する」と謳っています。
 三里塚五二年の闘いは、既存の左翼と決別し、新左翼の皆さん、とりわけ動労千葉のみなさんとはジェット燃料輸送阻止闘争と反対同盟3・8分裂を背景にした固い団結の中で前進してきました。
 反対同盟は攻撃が激化すればする程、全国の皆さんに依拠し、団結を打ち固めてきました。
 今、市東さんに対する12・20判決を前にして、国策と闘う沖縄や福島のみなさんと心をひとつにして、また関西生コン支部のみなさん、京大生のみなさんに連帯して、全力で闘い抜き、団結を深めます。われわれの団結が強固である限り、絶対に勝利はわれわれのものです。
 具体的にお願いしたいのは、勝利している三里塚に、天神峰に来て下さい。農地を守り抜くことは、この時代を変える闘いであり、未来をきり開く闘いです。共に闘わん。


 ●強制執行攻撃に身体を張って闘う

  事務局員 太郎良陽一さん


 『戦旗』の読書の皆さん。昨年一年間、裁判と現地―全国を貫いた三里塚闘争への御支援・御協力ありがとうございました。一二月二〇日の請求異議裁判の判決を前にした状況下で、この二〇一九新年号へのアピールを書いています。
 私たち反対同盟は、弁護団や傍聴団、そして全国の仲間たちとの共闘の力で、市東さんへの農地強奪―強制執行の非道さを満天下に示して闘ってきました。
 そのなかで、三里塚闘争―市東さんの農地を守る闘いは新自由主義政策による農業・自然・生活破壊を許さない闘いであること、また、現下の安倍政権の攻撃と闘う沖縄・辺野古をはじめとした反戦反基地闘争、反原発闘争、そしてすべての労働者民衆の闘いと「敵は一つ」であることを確認してきました。さらに、一九八三年の国家権力による「三里塚分裂」の突破として、大木よねさんから市東さん親子と続く「空港絶対反対・農地死守・実力闘争」という三里塚・芝山連合空港反対同盟の基本路線の力を再確認することができました。国家権力の総力をかけた「国策」を一二年経ても何一つ渡すことなく、市東孝雄さんは悠然と野菜畑を耕しています。
 今、安倍政権は企業―資本家の金儲けのために労働者を奴隷労働でこきつかいながら、税金を搾り取り、軍費を増額し、社会保障を削減しています。そして、この二〇一九年には「天皇代替わり」―「憲法改悪」を利用した戦争―治安体制づくりを全面的におし進めようとしています。
 三里塚では、資本家どもの金儲けのための経済市場拡大に向けた航空拠点、そして「有事の際」の戦争拠点としての「二四時間巨大空港」の建設を狙う空港機能強化策が、これまでの空港周辺住民との《空港賛成のみかえりの約束》も反故にして強行されています。これに対して、当然にも、空港に対する地元住民の怒りが三里塚闘争への支持を含みながら拡がり始めました。この「新たな三里塚闘争」の戦況に恐怖した反対同盟分裂の下手人―石井新二・石毛博道・相川勝重がまたしても、敵対・破壊行動に躍起になっています。三里塚闘争の破壊を許した歴史を繰り返すことを私たちは絶対に許してはならない! 市東さんの農地を守る闘いは、まさに新たな三里塚闘争の拡大に連結する闘いとして、北原鉱治さん、萩原進さんが先頭で築き上げてきたものです。
 全国の闘う仲間の皆さん。私たちはただ千葉地裁の判決に未来を託すようなことはしません。どんな判決がでようと、空港建設があるかぎり、「空港のコンクリートをひっぺがす」まで、三里塚闘争の大衆的実力闘争を核心に、強制執行攻撃と身体を張って闘います。天神峰・市東さんの農地を守る座り込みに参加してください。共に闘いましょう。