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                                                                   2020年1月
2020年の年頭アピール

人士・闘う仲間から

   


  
  老朽原発再稼働阻止を突破口に原発全廃を実現しよう!

 若狭の原発を考える会 木原壯林さん



 関西電力は、圧倒的な民意を蹂躙して、運転開始後四〇年をはるかに超えた老朽原発・高浜一、二号機、美浜三号機の再稼動を画策し、全国の原発の四〇年超え運転を先導しようとしている。また、原発の四〇年超え運転は「例外中の例外」としていた政府は、この約束も反古にしようとしている。
 関電や政府が、老朽原発再稼働まで強行しようとする意図は、政府の「エネルギー基本計画」から読み取れる。それは、@戦争になって天然ガスや石油の輸入が途絶えたときの電力を、自前の電源である原発、石炭火力、再生可能エネルギーによって調達できる体制を創ること、および、A総括原価方式の下で集めた電気料金を、原発をトンネル機関として、ゼネコンや原発関連大企業へ垂れ流すことである。すなわち、原発は、戦争できる国、大企業に奉仕する国を作るために維持・推進されている。
 我々の結集する「原発うごかすな! 実行委員会@関西・福井」は、昨年、「老朽原発うごかすな!」を掲げて、高浜現地集会(三五〇人参加)、二度の関電包囲大集会(七五〇人、一一〇〇人参加)、二か月間のキャンペーン行動(一〇回の集会、八回のデモ)、高浜原発から徒歩で大阪関電本店に至った二〇〇qリレーデモ(延べ九〇〇人以上参加)などの脱原発・反原発行動を、今までにない多くの市民団体、労働団体、政党などの参加、支援を得て展開した。
 本年は、昨年の成果を礎として、「老朽原発うごかすな! 大集会」の大阪での開催など、関西および福井での波状的な脱原発・反原発行動を企画中である。ご賛同、ご支援をお願いしたい。
 ところで、今、原発の安全対策費は高騰し、原発依存の電力会社からの顧客離れが進み、原発は経済的にも破綻している。さらに、原子力規制委は、原発の「特重施設(テロ対策施設)」が期限までに完成しなければ、原発は運転中であっても、停止させると決定している。一方、関電幹部に原発マネーが還流された不祥事によって脱原発・反原発の声はさらに大きくなっている。したがって、今は老朽原発廃炉、原発全廃に向かって大きく前進する絶好の機会である。原発の四〇年超え運転と新設を阻止すれば、最悪でも、二〇三三年には若狭から、二〇四九年には全国から稼働する原発が無くなる。
 原発全廃を突破口にして、科学技術に過剰に依存する社会、金のために人の命と尊厳を犠牲にする社会と決別し、人が人間らしく生きて行ける、新しい社会を展望しよう!


 ■うちなんちゅの民意は不屈

 ヘリ基地反対協議会共同代表 安次富 浩さん



 読者の皆さんへ新年のメッセージを送ります。昨年中は辺野古新基地建設反対への多大な支援をいただき深く感謝申し上げます。
 辺野古沿岸側(シュワブ基地内)の埋め立て予定地へ土砂投下されて以降一年を経過しますが、全埋立て面積の1%も満たない状況に追い込んでいます。キャンプ・シュワブ作業ゲート前の座り込みや安和桟橋と塩川港での土砂搬出抗議行動、海上での抗議行動等が埋め立て作業の遅延という効果を与えています。もちろん、台風などの自然現象や天皇即位やサミットなどの政治的要因――県警機動隊のヤマト派遣による警備不足――も加味していますが。
 うちなんちゅの民意は不屈です。突然の翁長前知事の病死(一八年八月)にも関わらず、翁長前知事の遺志を引き継いだ玉城デニー知事を誕生させました。そして、一九年二月の県民投票では圧倒的な民意を示し、沖縄三区の衆議員補欠選挙(一九年四月)と参議員選挙(七月)では圧勝しました。
 日米両政府は沖縄島をキーストーンにした対中国包囲軍事戦略を展開しています。いわゆる琉球弧(与那国、石垣、宮古、奄美)への自衛隊配備戦略です。一六年三月末の与那国島への陸上自衛隊沿岸監視隊(隊員六〇〇人、家族九四人は一六年の与那国町人口の15%)配備を皮切りに、石垣島の地対艦・地対空誘導弾部隊を含む五〇〇―六〇〇人規模の陸自部隊、宮古島には新設される駐屯地に警備隊三八〇人が配属され、二〇二〇年以降に配備される地対空・地対艦ミサイル部隊と合わせ、宮古島の陸自部隊は最終的に七〇〇〜八〇〇人規模となり、奄美大島には奄美カントリークラブ地区及び節子地区の二地区に警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊、地対艦誘導弾部隊の計五五〇人が予定されています。その軍事戦略は、〇五年の「日米同盟 未来のための変革と再編」合意に基づく一〇年の「エアシーバトル構想」(対中国全面戦争を想定)から変更した一二年「オフショア・コントロール戦略」(中国経済封鎖と琉球弧での海洋限定戦争)に沿った配備計画です。
 日米同盟は沖縄全体を前線基地化(中距離弾道ミサイルの配備計画)し、在沖米軍基地の共同使用と島嶼部では自衛隊が防衛する構想です。辺野古新基地は辺野古弾薬庫の改修と大浦湾の軍港化を促し、V字型滑走路はF―35垂直離着陸戦闘機及びオスプレイの専用基地となるでしょう。
 しかし、うちなんちゅの粘り強い闘いは軟弱地盤や活断層問題などを柱に非暴力・抵抗闘争で必ず勝利します。「沖縄の自己決定権」、「基地との共存・共生を拒否する」魂がある限り。


 ■二〇二〇年にあたっての連帯の挨拶

 アジア共同行動日本連 共同代表 鴨居 守さん



 東アジア情勢は大きく動きだす情勢でしたが、ベトナムでの米朝首脳会談が不調に終わって以降、再度波乱含みの状況が現出しています。
 共和国に対する制裁解除に応じない米国のかたくなな対応、韓国大法院の「徴用工」裁判判決をめぐる日韓の貿易・安保を含めた軋轢の増大、そして、安倍政権下における差別・排外主義の増大と、東アジアにおける緊張は増しています。
 安倍政権下、七年のなかで、内政的には安倍を中心とするお友達、利害関係者の利益を図る政治となり、公文書・統計資料の改ざん、都合の悪い文書・資料の廃棄を行う一方、安保法制・共謀罪法の強行採決・成立にみられる独裁的・強権的手法・政治がまかり通っています。また、この安倍政権は米帝トランプの要求には応じ、F35やイージス・アショアを爆買いし、そして、辺野古新基地建設・岩国基地をはじめとする米軍基地・自衛隊基地の強化や自衛隊の米軍化ともいえる自衛隊・米軍の一体化に邁進しています。
 しかし、自公絶対多数を背景に、好き勝手なことをやってきた安倍政権も、「驕る平家久しからず」ではないがほころびが見え、あまりにもひどい身内・お友達優遇政治に、反撃の声が上がり始めています。
 また、経済的分野では七年間、黒田日銀総裁とともに日銀は金融規制緩和、政府は労働規制をはじめとする規制の緩和という新自由主義政策を強引に推し進めてきましたが、金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になるという結果しか生まず、アベノミクスの破綻は目に見えてきています。
 このような政策を押し進める安倍政権に対し、沖縄民衆は知事選で玉城デニー候補を圧倒的に支持し、「戦争NO! 基地撤去!」の意思を明確にしめすとともに、辺野古新基地建設に対しては粘り強い闘いを展開し、基地建設に真っ向から闘っています。また、イージス・アショア建設の候補に挙がった秋田や萩では建設反対の声が町ぐるみ・村ぐるみでおこっています。そして、岩国で・京丹後で・神奈川で・横田で、市民・労働者の米軍基地反対の闘いが、また国会前をはじめ全国各地で安倍政権NO! 安倍政権退陣の闘いが粘り強く行われています。
 統一委員会の皆さん、読者の皆さん、米帝の朝鮮侵略戦争反対、朝鮮半島の平和を! 安倍自公政権の憲法改悪反対! 新自由主義政策反対! の旗を高く掲げ闘いを前進させましょう。
 そして、アジア・日本民衆とともに、憲法改悪阻止、特定秘密保護法・安全保障法・共謀罪法廃案、侵略戦争体制反対、アジアから米軍基地撤去、新自由主義政策阻止、労働者・人民からの強搾取反対、脱原発・福島の被害者の命を守るため多くの人を組織し、闘い抜く決意です。私たちとともに闘いましょう。