新年メッセージ                                                     ホームへ
                                                                   2020年1月
2020年の新年のあいさつ

三里塚芝山連合空港反対同盟

   


    

 ■「農地は命」を胸に農民を守る

 事務局員「用地内」天神峰 市東孝雄さん


 昨年九月、私の土地の強制執行を阻む裁判、「請求異議裁判」は東京高裁での控訴審闘争に入りました。本年にも判決が出るかもしれません。今年は三里塚闘争にとっても正念場の年になると思います。
 農民の生活と営農を破壊して行われる成田空港の建設は絶対に許せません。私はいかなる判決が出ようとも、「農地は命」を胸に、おやじから受け継いだ土地を守っていきます。
 成田空港会社は昨年一〇月にA滑走路の運用時間延長を強行しました。これまで以上の騒音被害を拡大しています。周辺住民の健康被害などお構いなしです。
 そして、私が住んでいる付近は騒音調査を行っていません。その理由は「人が住んでいる土地として認めていないから」というものです。ふざけるな! と言いたい。市東家は空港が来る前からこの土地に住んでいるのです。あらためて空港会社や権力に怒りが沸き起こってきます。
 二〇二〇年のオリンピック以降に色々な動きがあるかもしれません。これまで以上に熾烈な裁判闘争や現地闘争があると思います。
 日頃からの全国の支援者の皆さんの熱い支援に感謝するとともに、本年もこの地で闘っていく決意でおります。


 ■2020年新年アピール

 反対同盟事務局 萩原富夫さん


 新年おめでとうございます。
 一年前、一八年一二月二〇日、市東さんの農地の強制執行を止めるための請求異議裁判で、千葉地裁高瀬裁判長は、市東さんの請求をまったく認めない反動判決を出しました。この日、反対同盟は支援の皆さんとともに実力阻止態勢をとりました。その団結の力で昨年一年を闘い抜いてきました。
 昨年九月二四日に控訴審が開始されています。本年一月一六日には第二回口頭弁論があります。市東さんの農地強制執行阻止に向けた東京高裁での闘いです。市東さんの農地は水はけもよく、さまざまな作物がよく育つ肥沃な畑です。こういう畑を空港にさせるわけにはいきません。
 空港会社は昨年一一月七日、「空港機能の変更」を申請しました。三五〇〇mの滑走路をもう一本建設し、B滑走路を一〇〇〇m延伸して三五〇〇mにするというものです。国土交通省は、昨年末一二月二四日に公聴会を行うと急遽発表しました。もう一つ空港を作るのに等しい重大な問題であるにもかかわらず、住民に知らせず、新聞にも載らない。住民が参加しにくい時期に、しかも住民に知らせないようにして行う。まさに空港建設強行にむけたアリバイ公聴会です。
 年末押し迫った時期でしたが、反対同盟はこの公聴会への抗議行動を呼びかけ、公聴会会場の内外で闘う方針で臨みました。
 二〇二〇年、三里塚闘争の開始から五四年になりますが、農民から農地を奪って住民無視の空港建設を強行しようとする成田空港建設の問題は何も変わってはいません。私たちは農地を守るために本年も闘い抜きます。沖縄の反基地闘争、福島の闘い、関西生コン弾圧粉砕の闘いとともに闘っていきます。本年もよろしくお願いします。


 ■歴史の転換点に立って改憲阻止、農地死守を闘う

 事務局員 伊藤信晴さん


 私達は今、歴史の転換点にいると思います。
 日帝・安倍首相は改憲をして侵略戦争をする国にかえようと必死です。関西生コンに対して、労組活動を口実にして大弾圧をしています。
 JRにおいても労使協調路線で会社の手先だったJR総連をつぶして社友会をつくって労組の存在をなくそうとしています。このような現実はすべての民衆に奴隷になることを要求しています。
 まさに民衆が声を上げることのできない暗黒の時代をつくろうとしているのです。
 でもこれは安倍首相の強さだろうか。断じて否です。そうしなければ日帝が日帝として延命できないところに追いつめられているからでしょう。
 私達反対同盟は「空港絶対反対」「農地死守」で五三年間闘い続け、市東さんに対する請求異議審は東京高裁まで進んでいます。九月二四日の高裁での第一回口頭弁論で市東さんは完全に千葉地裁の判決の不当性をあばききりました。
 戦争のために民衆を平定しようとする策動を三里塚は突き破っているのです。関生にしても、動労千葉にしても、沖縄、福島にしてもそうです。
 だからこそ憲法をかえてこれらすべてを押しつぶそうしていると思います。三里塚でも市東さんの農地を強奪を強行しながら基本計画の改定を一一月五日に発表し来年一月にも認可しようとしています。「用地内」二〇〇戸、騒音直下一一九八棟の移転、三万人近い騒音下住民の生活を蹂躙しようとしています。
 こんなデタラメを許してはなりません。反対同盟は、周辺五七回の情宣活動を通して、住民の怒りを共有しながら、住民との壁を打ち破りつつあります。我々に正義があり、不屈の前進があります。住民がこの地で将来を画ける地域にしましょう。
 改憲阻止、農地死守、第三滑走路粉砕で今年も全力で決起しましょう。


 ■全国の様々な民衆の闘いと共闘する三里塚闘争を

 事務局員 太郎良陽一さん


 二〇二〇年新年を迎え、全国の皆さんへ三里塚から新年アピールを送ります。
 一昨年、一二月二一日千葉地裁の「強制執行を認める」という不当判決に対して、私達は「実力阻止―農地を守ろう!」を合言葉に、「泊まり込み・座り込み」体制に入りました。
 空港施設に囲まれ機動隊指揮所とも対峙する市東さん宅、さらに空港のフェンスに囲まれ宅地から離れた南台の畑があります。この二ヶ所に、私達は泊まり込みメンバーを分けて、「いざ! の時」に備え構えました。闇夜の座り込みに慌てた公安―機動隊と空港ガードマンが徘徊してきます。しきりに車から人探しのライトをあててくる。改めて権力の犬どもの農地強奪と弾圧への怒りが込み上げてきました。数は少ないが、私達の戦意はまさにこれまでにない闘いとして貫徹してきました。
 そして全国からのカンパ闘争もあり保証金を準備することによって、高裁判決まで強制執行の「執行停止」をかちとることができました。「身体を張った闘い」は、ひとまず解除しました。
 しかしながら、権力―空港会社が市東さん農地を強制的に取り上げる意図を捨てたわけではありません。私達は、東京高裁での「請求異議」裁判闘争を、東京・霞ヶ関に三里塚闘争が攻め上った闘いとして裁判所包囲デモをやり抜きます。次回は二〇二〇年一月一六日です。是非、多く方々の参加をお願いします。
 市東さんの農地を守る為に「決戦本部」を立ち上げて、一月一二日の旗開きで四年目に突入します。これまでの反対同盟と支援の共闘という三里塚闘争に、全国そして韓国や全世界での新たな闘いや人士が結集してきています。
 更に、第三滑走路建設―機能強化策と闘う地元住民の決起が起こっています。反対同盟は全国の闘いに出て、学びあいながら、連帯―団結を固めています。
 私の決意は、全国の様々な民衆の闘いと手を組む活動をやり、「敵は一つの共闘」を築くことです。そこに、三里塚闘争の「人民のスクラム―実力闘争」の闘魂を実践することです。
 『戦旗』の読者の皆さん! 又再び、「天神峰座り込み」の決戦が来ます。世の中をひっくり返し、コンクリートの塊―成田空港を潰す為に、市東さん農地を守る闘いを人民の農地を守る闘いとして共に闘いましょう。