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                                                                   2022年1月
共闘団体からの2022年新年アピール

   


    
 
 ■資本主義に代わる政治経済体制を

 共産主義者同盟首都圏委員会 幾瀬仁弘

 二〇二二年の年初に、『戦旗』読者のみなさんに連帯のあいさつを送ります。
 新型コロナウイルスが世界中で蔓延する中、衆院選を前に菅政権が退陣し岸田政権が発足しました。菅政権は、コロナ以前から失速する日本経済を救うために、甘い予測の下、つねに「経済」に重心を置いてきてしまったがゆえに有効なコロナ対策を講じられず、国民の命を危険にさらし、不信を招き、自滅しました。資本主義の極限形態である新自由主義は死滅しつつある資本主義をかろうじて延命させ、一部の富裕層の私腹を肥やしてきましたが、しかし衆院選、自民党総裁選でさえも、新自由主義を批判する候補者の声が多く聞かれ、今や新自由主義の危険性は誰もが知るところになっています。岸田政権もこれまでの新自由主義的な政策一辺倒からの脱却を目指していますが、新自由主義が資本主義の最後の頼みの綱である限り、それ以外の資本主義形態では「成長」もなく、それゆえ「分配」もなされないでしょう。
 他方で昨今、「中国脅威論」が喧伝され、「台湾有事」が現実味を増していると言われていますが、しかし世界経済と中国経済との融合がこれだけ進んでしまった中、戦争となれば、世界経済は壊滅的な事態となるのは明らかです。にもかかわらず「中国脅威論」が声高に叫ばれるのは、米国をはじめとした先進資本主義国の為政者が、資本主義の終末において露呈する諸問題から民衆の目をそらすためです。
 成長を鈍化させた現代資本主義は、より一層民衆からの収奪と搾取を進めていくしか延命できないだけではなく、温暖化などの環境破壊を深刻にし、人類の存続すら危機に追い込んでいくでしょう。資本主義に代わる政治経済体制が求められています。民衆がそちらへと舵を切れないのは、「変わること」への現実味と勇気を持てないからです。これを促すのが、共産主義者の役割です。共に闘いましょう!



 ■「復帰五〇年」政府式典弾劾! 改憲・天皇訪沖阻止

 統一共産同盟


 統一委員会の皆さん、友人の皆さん、今年は戦後政治を画する重大な年になります。
 新型コロナウイルス感染拡大の中、G7など帝国主義超大国の国益優先と資本主義体制維持によって分断・格差拡大がすすみ、労働者人民、被抑圧民族の生活と生存を破壊し、強権発動によって各国が危機を乗り越えようとしています。さらに米帝による日米同盟、QUAD(日米豪印)を基軸とする対中国戦争体制の構築によって東アジアの戦争危機を増大させています。対中国戦争の最前線基地として琉球弧の軍事基地化がすすめられ、自衛隊と米軍の島しょ奪還訓練が行われています。そうした中で今年五月一五日琉球・沖縄の日本「再併合五〇年」を迎えます。一九七二年の「復帰」とは、日米の共同管理によって琉球・沖縄をアジアへの侵略基地とすることでした。「復帰」を肯定する式典や天皇の訪沖を許すことは、「明治」天皇制国家が琉球・沖縄を併合し、徹底的に日本国家のために利用しつくしてきた支配を肯定するものです。
 岸田政権は、日本維新の会などと共に帝国主義的改憲を加速させることは明らかです。再び中国、朝鮮民主主義人民共和国などに日本軍(皇軍)が銃口を向けることになります。日本労働者人民が歴史的に問われている差別・排外主義の克服をかけて反帝・国際連帯で共に闘うことを訴えます。
一、あらゆる差別・排外主義と対決し、ストライキを頂点とする大衆的実力闘争で改憲発議を止めよう。天皇制国家の戦争、植民地責任を追及し、謝罪と賠償を行わせよう。
一、日米安保破棄、琉球弧への自衛隊配備阻止、天皇制廃絶を掲げて日帝による5・15「復帰五〇年」政府式典粉砕を闘い、一〇月二二日「復帰五〇周年記念事業」・沖縄国民文化祭への天皇訪沖を阻止しよう。



 ■力を合わせて打開の道を拓こう

 労働者共産党 松平直彦


 二〇二二年は、社会の崩壊が進みつつも、政治的な方向喪失と混迷が深まる年になりそうだ。資本主義は地球環境を破壊し、社会を分裂させることによって、人類社会の存立危機をもたらしている。支配階級に打開の方策はなく、耳ざわりの良いおしゃべりの陰で利権争いに明け暮れている。たほう労働者民衆は個に解体され、犠牲を押し付けられ、切り捨ての対象として扱われるようになった。それは南の諸国の民衆において端的である。コロナがこれを加速した。
 我々は資本主義に代わる新しい時代を拓く政治勢力を登場させなければならない。その立ち遅れが派生的に、ファシズム的な「打開」に期待を寄せる傾向さえも生み出している。
 歴史的な大変革の力は人民大衆の中にある。情勢を見るならばあらゆる方面から政治の転換を準備するにせよ、力点は今一度大衆の中へである。社会の基底のところ、大衆運動のところから流れを変える以外ない。
 二〇二二年は、次の三点に力点を置いて闘いたい。
 一つは、琉球弧の軍事要塞化との闘いである。
 辺野古新基地設計変更申請不承認を支持する闘い、一月二三日名護市長選、5・15「復帰」五〇年の闘い、沖縄県知事選が続く。そこでは米中対立のはざまに自治・連帯・共生の価値観で繋がる労働者民衆の国境を越えた大連合を登場させるような構想、「沖縄再戦場化」阻止の戦略が必要だ。その実現は、超大国アメリカのインド太平洋戦略を破綻させ、日本の地域覇権国家としての登場の企みを挫折させるだろう。
 二つは、生きていけない境遇を拒否して立ち上がる労働者民衆の先頭に立ち、生存の必要から生み出される新しい社会関係を発展させていく闘いである。
 偽装廃業・解雇撤回を求めて闘う韓国サンケン闘争は、最賃引き上げ、大規模再分配、労働者協同事業づくりなどと並んで、時代の典型をなす闘いである。しかも日韓連帯という新しい社会関係の推進環を育む闘いになっている。
 三つは、大衆運動の発展を背景に、労働者民衆の政治の形成を促進することである。資本主義を超える新しい時代を拓く政治勢力を、第三極として公的に登場させていかねばならない。
 力を合わせて、打開の道を拓こう!



 ■連帯性を高め闘おう

 関生コミュニスト同志会有志一同

 労働者の仲間とその支持者の皆様に新年のご挨拶をおくります。
 昨年は、世界的な出来事といえば、アメリカが強力な軍事力で支配してきたアフガンからの撤退でした。まさに、軍事力による支配が限界に来たという証しといえる。
 そして、国内的には、自公政権のコロナ対応が後手を取り、多くの尊い命が奪われた。「アフガン」も「コロナ」も人為的に作り出されたといえる。アフガンは、アメリカを中心とした先進国の一部の「貪欲者」による軍事的な世界支配がもたらしたのである。
 コロナも同様で、国内的には市民の命や健康より、ひと握りの「貪欲者」のための政治・経済体制を最優先し、医療や公衆衛生の切り捨てがもたらした結果である。まさに、政治を変えなければ、人民の命や暮らしは守れない。そのことは、先の総選挙が最大のチャンスであったが残念な結果となった。だからといってあきらめる訳にはいかない。
 そして、関西地区生コン支部への権力弾圧も四年になるが終わっていない。八九人逮捕、七一人も起訴した。いまだ、新たな弾圧も予測される事態が続いている。
 何故、これほどまでに資本・権力は関生支部を目の敵にするのか。それは、一握りの「貪欲者」を許さず、公平・平等の社会建設に向けた運動を原則的に追求し、働く現場での産業政策も労働者・中小企業中心の産業構造に転換する取り組みを着実に実践し、結果を出しているからこそ弾圧されているのです。この間の権力弾圧に乗じた広域協組の「連帯排除」の攻撃による犠牲は小さくありませんが、決してあきらめていません。
 私たち関生支部は、昨年の第五七回定期大会で、長年の懸案であった世代交替を成し遂げました。関生支部結成以来、五六年間も運動を牽引してきた武建一氏が執行委員長を退任し、湯川裕司を新委員長とする新たな執行部を選出しました。
 今の歪んだ社会を変革する力は人材育成にあります。更に労働組合の社会的影響力を拡大し、生産点でのストライキが出来る体制確立が重要です。その意味で新年は、組織拡大に全力を尽くす覚悟です。皆様の躍進を願いつつ、共に連帯性を高め闘うことを誓い新年の挨拶といたします。



 ■歴史の分岐点にあって

 KCM代表 新開純也


 資本主義の不均等発展によって世界に大きな地殻変動が生じている。中国の台頭――一帯一路とそれに対する中国包囲網――オバマ後期からはじまりトランプによって本格化した――はバイデンに引き継がれかつ同盟諸国を巻き込んで世界大に拡張された。とりわけインド太平洋と台湾有事の危機感をあおるアメリカの新戦略はアジアに軍事的緊張をもたらしている。日本は安保法制を含めこの戦略に加担し急速にアメリカとの軍事一体化を進めている。軍事的緊張をつくり出し煽り、それを利してナショナリズム的国内統合を行わんとする輩と闘わねばならない。改憲への動きは横から維新や国民が煽ることによって勢いを増している。
 このような国際危機を煽り国内矛盾を外に向けさせるのは支配者たちの常とう手段である。コロナ禍の中で貧富の格差は一層拡大した。コロナ対策での更なる財政出動と金融緩和によって、株価や不動産は高値を付け資産バブルを創り出している。その崩落はどこからでも――日本の財政赤字、アメリカの金融、中国の不動産、途上国の通貨危機etc.――トリガーがひかれてもいいほど熟している。
 このような中で、リーマンショック後の二〇一一年にはじまる運動の新たな高揚――アラブの春にはじまる各地でのオキュパイの運動、日本でも3・11以降の反原発、二〇一五年安保法制に対する運動――も曲がり角に立っている。格差の拡大、体制への閉塞感は反対運動だけでなくナショナリズムの台頭とともに保守化、右傾化をも生み出す。これも歴史の示すところである。どちらの潮流が勢いを増すのか、今歴史的分岐の地点に立っているように見える。
 必要なことは、軍事的緊張に対する反戦闘争、反改憲の運動を強化すること、格差貧困に対するユニオンをはじめとする社会的労働運動を強化すること、地域に入りミュニシパリズムを組織すること、そしてこれらの諸運動をネットワークする新たな政治勢力をつくり出すことである。貴同盟がその先頭に立って奮闘されることを切に希望するものである。