共産主義者同盟(統一委員会)

 

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綱領

 

 私たち共産主義者同盟(統一委員会)は、資本家階級(ブルジョアジー)を打倒し、労働者階級(プロレタリアート)の支配を打ち立て、階級支配ならびに階級そのものを廃止し、プロレタリアートの解放―全人民の解放―共産主義社会を建設していくことを、私たちの全活動の基本目的として綱領にかかげる。マルクス主義が明らかにしているように、労働者階級の解放は労働者階級自身の事業である。労働者階級の一部であることを自認する私たちの党は労働者階級の自己解放闘争の先頭に立ち、これを勝利に導くために全力をあげてたたかう。自国帝国主義―日本帝国主義を打倒し、プロレタリア社会主義革命の勝利を通じて日本にプロレタリアートの独裁権力を打ち立てていくことを党は当面の最重要の任務におく。

 労働者階級の解放はまた世界的な事業である。日本革命は、共産主義世界革命の一環としてたたかいとられねばならない。世界革命の実現は国際プロレタリアートの共通の任務である。党は国際プロレタリアートの連帯と結合を推進し、一国の革命と世界革命の強固な結合を組織するためにたたかう。

 労働者人民を革命的階級に形成し、新たな社会の支配者階級に高めあげていくことを党は死活的任務として重視する。私たちは、日本にマルクス・レーニン主義に立脚した強大な革命的労働者党を建設し、全世界に新たなインターナショナルを組織していくために力をつくす。

 私たちはすべての労働者人民に対して共産主義者同盟(統一委員会)に結集し、ともにわが党の綱領のもとに結束してたたかうことを呼びかける。

◆第1部

1 資本制社会

 私たちが暮らしている社会は資本主義社会である。この社会の大きな特質の一つは、生産物の大半が、生産者が自分で消費するためにではなく、市場で販売するための商品として生産されているという点にある。資本主義的生産関係にもとづく商品生産、すなわち資本制商品生産が生産の支配的な様式としてこの社会のすみずみにまで行きわたっている。

 資本主義のもとでは、主要な生産手段を私的に所有するブルジョアジーという一握りの階級が、プロレタリアートを雇い入れて財貨を生産している。ここでの生産を規定する目的や動機は剰余価値の生産であり、ブルジョアジーはプロレタリアートの無償の労働によってつくりだされる剰余価値を利潤として自分のものにする。

 プロレタリアートは生産手段をまったく持たないために、自分の労働力を商品としてブルジョアジーに売りわたし、その対価として賃金を得て生活する以外に生きるすべを持たない存在である。生きていくためにはプロレタリアートは、ブルジョアジーのところへ出かけて行って、ブルジョアジーを富ませるために働くほかはない。階級としてのプロレタリアートは資本という不可視の鎖でブルジョア階級総体に縛られた賃金奴隷である。

 ブルジョアジーはより多くの利潤を得るために、機械や技術や生産方法を不断に改良していくことに駆り立てられる。それによって労働の生産性は向上し、社会的な富は急速に増大していく。だがそれは人々の生活の向上にはつながらない。資本主義社会では生産力の発展や富の増大は逆に全社会的な不平等を拡大し、労働者・農民・零細商工業者など働く大衆の生活の不確かさと困窮の増大をもたらしていく。資本主義のもとでは、労働の社会的生産力の発展は資本の生産力の発展としてしか現れず、その成果はブルジョアジーによって独占される。

 大資本は小規模生産を駆逐してますます巨大になっていく。そして小生産者の一部をプロレタリアートに転化し、プロレタリアートに対する搾取を強化しながら、社会・経済における支配的地位を強めていく。このもとで、全体として資本に対する賃労働の従属はいっそう強まり、社会的な諸矛盾も拡大していく。

 資本は「自由な労働力」としてのプロレタリアートを大量に生み出し、それをみずからの存立の根源的な基礎とするものであるが、しかしだからといって、民族差別などさまざまな形態の抑圧・差別を解消するものではない。逆にそれらは資本主義のもとで新たに再編され、資本主義的発展のテコとして利用されることによって拡大・再生産されていく。

 資本制生産においては好況・恐慌・不況という諸段階が循環的にくり返される。好況期においては資本の蓄積が進んで生産が活発になり拡張されていくが、それは労賃を上昇させて利潤率を低下させ、過剰資本を不断に生み出していく。資本蓄積は停滞し、支払能力ある需要の制限を越えて生産される商品は、国内外の市場にあふれかえる。資本主義的生産様式に内在する基本的矛盾は恐慌となって爆発する。恐慌とその後の不況期は小生産者をいっそう零落させ、労働者階級・被抑圧人民・被抑圧民族の生活状態のさらなる悪化をもたらす。資本主義の世界的発展とともに、恐慌は世界恐慌という形態をとってしばしば立ち現れるようになる。恐慌は資本制商品生産のもとで生産力が発展することの不可避的な結果であり、みずからつくりだした巨大な生産力をもはやブルジョアジーが統制できなくなっていることを物語っている。かくして社会はもはやブルジョアジーの生存とはあいいれなくなる。

2 資本主義の新しい発展段階―帝国主義

 こうした土台のうえで、資本主義は二〇世紀のはじめに新たな発展段階に入った。生産と資本の大規模な集積と集中がいっそう進み、独占が生まれた。独占資本主義は自由競争の段階の資本主義にとって代わった。銀行資本と産業資本が融合して金融資本という新たな資本が形成され、この金融資本の一群が一国の経済・政治の実権をにぎる金融寡頭制が出現した。対外的には商品の輸出とならんで資本の輸出が強まり、資本家の国際的独占団体が形成されて世界が分割支配され、植民地と市場の再分割をめぐる列強間の対立と抗争が激化した。国内では超過利潤によって一部の労働者層が買収され、労働者階級はその本来の革命性を宿すプロレタリア下層と上層とに分裂した。帝国主義の時代が、かくして始まった。帝国主義は資本主義の最高の発展段階としての独占資本主義である。帝国主義はまた死滅しつつある資本主義である。

 ところで、資本主義は発生のその時から世界資本主義である。対外経済関係のない資本主義はなく、それはかならず世界的市場関係、世界経済関係として成立している。世界資本主義は、産業・金融・通貨・貿易など全般にわたって資本主義世界を主導する資本主義、しかも圧倒的な軍事力をもって世界を編成することのできる資本主義国を中心として編成される世界体制である。中心国は非中心国に圧倒的な影響を与え、中心国への経済的・政治的な追随・適合を要求する。第二次世界大戦前はイギリスが、大戦後は米国が中心国の位置を占めた。歴史的には、資本主義諸国の対立・抗争、植民地諸国人民の反乱によって中心国は没落し、その行きづまりが恐慌―ブロック化―世界戦争を発生させていく大きな要因となった。

 第二次大戦後、資本と生産の集積と集中は世界的な規模でいっそう進み、国際的独占体は多国籍企業・多国籍資本という形態をとって成長した。多国籍企業は全産業部門で世界市場に対する支配力を強め、多国籍企業の大規模な直接投資―産業資本の輸出によって資本主義は戦後世界において世界的な規模でさらに発展しつづけた。多国籍企業は現代帝国主義の主要な経済基盤となっている。多国籍企業間の世界的競争は、それらの利害をそれぞれに代表する各国帝国主義のあいだの対立・抗争を不断に生みだしつづけている。

 現代の大規模化した資本の運動は、過去のどの時代をも上回る破壊力をもっている。恐慌は一国の範囲をこえて世界的な規模で発生するようになっている。くわえて今日では膨大な過剰貨幣資本が投機的に運用され、経済基盤の弱い国々の実体経済に破壊的影響を与えている。独占がますます巨大化する一方で貧困が世界化し、世界的な貧富の格差は異常なまでに拡大しつづけている。そして人間の生存をも脅かすような危機があちこちで現実化している。第三世界といわれる現代の植民地・従属国における飢餓と貧困の深刻化、国際環境破壊問題、世界的な失業問題、そして帝国主義による侵略反革命戦争や核戦争の危機などである。

 これらは本質上、巨大化した新しい生産力と古い生産関係のあいだの矛盾の表現である。よりグローバルな枠組みを要求している新しい生産力は、私的所有と一国経済(国民経済)を前提とする古い生産関係と衝突しつづけている。この衝突は資本主義・帝国主義のもとでは決して解決できない。解決できないがゆえに、いっそう巨大な次の矛盾の爆発が世界的規模で準備されることになる。いまや発展した新しい生産力に対応し、これを意識的に制御することのできる世界的な生産関係―社会経済制度をつくりあげていくことが人類史的な課題となっている。

 すでに資本と商品制のもとではあれ、世界的な規模で社会的生産と流通が組織されている。多国籍資本の生産と流通のネットワークはますます世界を一体化している。これらは世界的な社会革命の物質的可能性、資本主義的生産関係を新しい生産関係に代えていく物質的条件が広がっていることを示している。また他方では資本の運動そのものが、資本の支配を廃絶する革命をになう主体としてプロレタリア階級とともに被抑圧民族人民とそのたたかいを生みだしつづけている。これらは現代革命の客観的諸条件である。

3 もっとも革命的な階級としてのプロレタリアート

 賃金奴隷階級たるプロレタリアートは同時に、資本主義社会を変革して、新しい社会―共産主義社会をつくりだしていく能力をもつ階級である。プロレタリアートの力によってのみ、資本主義がつくりだした巨大な矛盾は解決され、現代社会はその深刻な危機から脱出することができる。

 プロレタリアートは大工業の発展とともに数を増して社会の圧倒的多数者となり、もっとも抑圧された存在として現代社会の最下層を形成している。プロレタリアートは生産手段を何一つもたない無所有であるがゆえに固く団結することのできる階級であり、また国境を越えて世界的な結合を可能とする世界的な階級である。何よりもプロレタリアートは資本主義社会でおこなわれている生産活動の真の主体である。プロレタリアートはもはやブルジョア階級という特別の階級を必要とせず、自分自身の力で社会に必要な財貨を生産し、社会と経済を運営することのできる能力をすでに実際にそなえている。

 プロレタリアートは競争や孤立の代わりに結合と団結を生み出していく存在である。プロレタリアートは階級として団結し、団結を不断に高めあげていくことによって資本や国家と対抗し、資本主義を政治的にも社会的にも乗り越えていくことのできる存在である。またプロレタリアートは他の被抑圧人民と利益を共有し、ともにたたかうことのできる普遍的性格をもつ階級である。プロレタリアートの運動は、資本主義社会の圧倒的多数者階級の自己解放運動であり、階級を廃絶するまで終わることのない永続的な運動である。この運動の勝利は、プロレタリア自己解放闘争を徹底的に推進する共産主義者の党の活動によって保障される。

4 共産主義

 世界革命の勝利にまで永続する革命によってプロレタリアートは、ブルジョア階級とその国家権力を全世界から打倒・一掃する。そしてこれを条件にして生産手段の私的所有を国家所有から社会的所有に代え、商品生産を廃止して社会的生産過程を計画的に組織する。生産は社会全体の利益を第一義において計画的におこなわれるようになり、資本主義の時代の無政府的な生産や消費のあり方は根本から転換される。

 新たな支配階級として登場するプロレタリアートは、同時に、すべての人間を労働者・生産者に変えて諸階級への社会の分裂をなくし、生産手段の社会化と商品生産の廃絶をとおして階級が存続する条件そのものをなくしていく。階級の消滅とともに、階級支配も国家もその成立の基盤を失う。階級支配と結びついたあらゆる差別・抑圧の根拠がこれによって取り除かれ、階級社会数千年の歴史に終止符が打たれる。

 この無階級社会―共産主義社会において、これまでの社会の歴史はすべて前史となる。階級の廃絶と社会的生産力の発展を条件にして、まったく新しい生産関係・社会関係がつくられていく可能性がここに切り開かれる。何よりも人間の生命活動の根幹を占める労働のあり方が根底から変化する。共産主義社会において諸個人は社会の一員として社会のために労働するが、ここでの労働は資本主義社会のもとでの強制労働―資本家階級の利益のためにおこなわれる賃労働とは根本的に異なるものとなる。労働時間は大幅に短縮され、他の人間的諸活動にあてられる時間が拡大していく。精神労働・肉体労働などの固定的な分業からも人々はじょじょに解放され、労働は人間の第一の生命欲求に転化していく。かくして、あらゆる人々がその能力におうじて働き、その必要におうじて生産物を受け取ることができるという、真に自由で平等な協同社会が誕生する。各人の自由で全面的な発展が可能になり、それがまた他のすべての人々の発展と対立するのではなく、その不可欠の条件になっていくような協同社会が生まれていく。

5 プロレタリア独裁

 プロレタリアートによる政治権力の奪取から始まる一連の社会革命の不可欠の条件をなすものは、プロレタリアートの独裁である。プロレタリア独裁は共産主義の低い段階としての社会主義にいたる過渡期の政治権力である。それは打倒されたブルジョア階級を収奪し、その反抗を打ち砕くとともに、プロレタリア権力の成立という新しい条件のもとでの階級闘争と経済建設を通じて共産主義への道を切り開く。

 プロレタリア独裁権力は同時に、プロレタリア・被抑圧人民に対しては徹底的に民主主義的な性格をもつ政権である。膨大なプロレタリアート人民を結集し、その自発性・献身性・創意工夫、潜在する能力を引き出し、新しい社会の建設をになう主体へと形成していくためには、形式民主主義としてのブルジョア民主主義を越える、コミューン理念にもとづくプロレタリア民主主義が必要である。

 また、プロレタリア独裁権力は一つの階級独裁権力でありながら、いっさいの階級対立と階級搾取の廃止、国家の死滅を進めていく手段である。プロ独権力のこうした基本的性格は所与のものではなく、たたかいとられるべきものである。それを保障し発展させていく決定的な条件は、プロレタリアートをソビエトに組織しつづけ、国家・社会の実際の統治、政治・経済の実際の運営に広範な労働者人民を参加させつづけることにある。ソビエトを現実に構成し、その発展を実際にになう人々がプロレタリア革命の主体である。またプロレタリアートと被抑圧人民が社会・国家の本当の主人公として登場したとき、はじめて階級独裁の道具としての国家死滅の展望は現実のものとなる。

 世界革命の勝利に先んじて成立した一国のプロレタリア独裁はまた、全世界のプロレタリアートの階級闘争と結びつきながら、世界革命の拠点―根拠地国家としての役割をになうことを国際主義上の義務とする。一国のプロ独政権は、全世界の被抑圧人民に耐えがたいまでの生活破壊と苦悩を強いている帝国主義とたたかう姿勢を常に鮮明に示しつづけることで、全世界プロレタリアート人民の解放の希望となる。

6 共産主義者の活動

 権力奪取・プロ独・社会主義・共産主義という、こうした一連の長大な歴史的事業をプロレタリアートの前衛として、その先頭に立って推進していくのが共産主義者(党)である。プロレタリアートはみずからの解放のために、みずからを政党へと組織化し、自己解放運動の発展のなかでみずから政党を生みだしていくが、共産主義者(党)はこれらの労働者政党のうち、もっとも断固たる、現実のプロレタリアートの解放闘争をたえず推進していく部分である。また共産主義者は、資本主義社会の崩壊の必然性とプロレタリア解放運動の勝利の根拠を理論的に理解している点でプロレタリアートの他の部分にまさっている。共産主義者(党)は各国のプロレタリアートの闘争において、国籍に左右されない全プロレタリアートの利益をおしつらぬき、つねに運動全体の利益、プロレタリアートの未来の利益を代表するために努力する。

7 ロシア革命の勝利とスターリン主義

 これまでの歴史において全世界の労働者階級は、資本の横暴とたたかうにとどまらず、階級の解放をめざしてたたかいつづけてきた。古くは一八七一年、パリで決起した労働者たちは最初のプロレタリア独裁権力―パリ・コミューンを打ち立てた。二〇世紀に入って一九一七年にロシアで、共産主義党・ボルシェビキ党に指導された革命運動が勝利した。歴史上初めてたたかいとられたプロレタリア社会主義革命であった。ロシア革命の勝利によって世界は、資本主義が世界的規模で社会主義に移行していく過渡期世界という歴史段階に入った。

 ツァーリ専制支配と帝国主義の反革命干渉を打ち破ったロシア革命は、全世界の労働者人民・被抑圧民族を大いに励ました。全世界で階級闘争・反帝闘争・革命運動が前進し、世界社会主義・世界共産主義への現実的な可能性が切り開かれていった。だが、期待されたヨーロッパ革命が挫折し、帝国主義による革命政権に対する重包囲がつづき、戦争による国内経済の荒廃と疲弊のなかで、ロシア革命は厳しい国際的な孤立を強いられた。これを背景にしてレーニン死後、党の実権を掌握したスターリンのもとで革命の歩みは中断され、大きな後退を強いられた。

 スターリンはレーニン主義から大きく逸脱し、その誤りは革命の原動力を階級と階級闘争に求めることを拒否する生産力主義と、世界革命を永遠の彼方に追いやる一国社会主義のスターリン主義として体系化されていった。スターリン主義は何よりも、労働者階級による社会主義建設の根源的力を形成していく労働者ソビエトの破壊を進めた。職場ソビエト・工場委員会を根こそぎ破壊し、労働者階級が新たな生産力と社会を形成していくことを不可能にした。また農村において強権的農業集団化を進め、農民が社会主義建設に主体的に参加していく根拠を解体した。周辺諸民族に対しては、民族自決権の承認という共産主義運動の基本原則を否定して大ロシアへの併合政策を進め、被抑圧民族のソビエト権力への参加の道を閉ざし、社会主義のもとでの民族融合の可能性を破壊した。さらに、大規模な「粛正」をおこない、多くの党員・労働者人民を根拠なく殺害・流刑し、恐怖が支配する非民主的な社会をつくりあげた。政治的・経済的特権を確保した一部の国家官僚・党官僚が固定的な特権的支配層を形成するにいたって、人民に対する独裁支配体制が確立されていった。党はプロレタリア階級の前衛としての性格を失い、国家機構の一部に変質した。

 他方、スターリン主義は一国社会主義建設路線を固定化し、世界革命の道を放棄した。一国社会主義建設可能論のもとで、ロシア国家の防衛とその影響力の地理的拡大が至上命令とされた。各国の運動は帝国主義との取引きの圧力として利用され、国際的なプロレタリアートの団結の組織化、帝国主義国革命と植民地革命の結合などの、世界革命の勝利をめざす革命戦略は完全に放棄された。第三インターナショナルの解体はこれらの帰結であった。

8 現代過渡期世界と共産主義運動

 けれども第二次大戦後には、植民地・従属国において共産主義者に指導された反帝民族解放闘争が次々に勝利した。一九四九年の中国革命の勝利をはじめ、朝鮮、ベトナム、キューバなどで社会主義を理念とする新政権が打ち立てられた。それらは、新たな中心国・米帝による世界支配、スターリン主義による国際共産主義運動の統制、そして帝国主義国における戦後革命の敗北という状況を打ち破ってかちとられた勝利であった。資本主義国においては、スターリン主義共産党とは別の革命的左翼の潮流が生み出された。日本では一九五八年、日本共産党の誤れる綱領・路線と決別して、レーニン主義の継承をかかげる共産主義者同盟が結成された。

 戦後四〇年以上にわたり米ソ対立の「冷戦」時代がつづいたあと、一九九一年にソ連が解体した。ソ連・東欧圏の崩壊はスターリン主義の破産にほかならなかったが、これにより全世界の共産主義運動は一時的にせよ大きな後退を強いられた。だが少数ではあれ、社会主義をめざす「労働者国家」は存続している。そして何よりもいまや、時代は大きく変化しつつある。

 戦後世界において、近代賃金労働者の階級としてのプロレタリア階級は、資本主義の世界的発展とともに全世界で増加しつづけてきた。現代のプロレタリアートもまた、自己解放を求めずにはおかない賃金奴隷階級である。第三世界で増加しつづける労働者階級が強いられている悲惨な労働条件・生活状態は、『共産党宣言』や『資本論』などで描かれたものとまさに同一である。資本主義諸国においては、不安定雇用労働者の増加、失業者の増大、賃金・労働条件の切り下げと権利剥奪といった状況のなかで、労働者階級下層はもとより、上層労働者もこれまでどおりにはやっていけない状況が深まっている。全世界で大量の労働者が、文字通り賃金奴隷としての地位につき落とされつづけている。

 他方で資本主義がつくりだす矛盾と災禍は、資本主義に未来を託すことができないことをますます多くの人々に認識させ始めるとともに、資本主義廃絶の要求を内包する大衆的な運動を強めつづけている。二〇世紀末から全世界で反グローバリゼーションと呼ばれる新たな社会運動が高揚し、持続・拡大している。二一世紀に入って、米帝を筆頭とした帝国主義の侵略反革命戦争に反対する歴史的といえる世界的な反戦運動が巻き起こった。各国の階級闘争はますます世界的な結びつきを強めていくすう勢にある。また全世界で増大する労働者階級は、新たな社会の支配階級としての能力を高めつづけている。帝国主義・資本主義の世界支配を転覆し、新しい社会を建設する主体的な根拠は現実の世界のなかに存在している。

 ソ連崩壊後、共産主義は資本主義に対する対抗思想としての位置を復権し始めた。スターリン主義の破産を受けて世界的に、社会民主主義潮流やアナーキズム潮流、あるいはイスラム主義が一定の台頭をみせている。だが、資本主義の改良にとどまる社会民主主義潮流や、新たな国家のビジョン・変革の戦略をもたないアナーキズム潮流、そして階級支配・階級制度の廃絶を抜きにして不公正や不正義を批判しているイスラム主義などは、現代世界の根本的変革の問題に答えることはできない。

 世界はいぜん過渡期世界としての基本性格を保持しつづけている。ブルジョアジーとプロレタリアートとの世界的な階級対立・階級矛盾が激化し、帝国主義による侵略反革命戦争発動と世界支配が強まるなかで第三世界の被抑圧民族・人民の反抗が高まり、米帝の経済的後退を背景にして帝国主義間の対立・抗争もまた激しくなってきている。これら戦後世界のあり方と動向を規定しつづけてきた現代世界の矛盾が、グローバリゼーションと呼ばれる資本主義の最新の動向のもとで拡大・先鋭化するなか、共産主義運動は新たな時代を迎えようとしている。私たちは危機を深める現代世界に対峙し、新しい共産主義運動の創造をめざしてたたかいぬく。

第2部

(1) 日本革命の基本的性格

 今日の日本社会は資本制生産を支配的生産様式とする資本主義社会であり、また資本主義の最高の発展段階としての帝国主義段階にまで到達した社会である。それは次のような経過をたどって形成された。

1 日本帝国主義の形成

 日本における資本主義の発展は一八六八年の明治維新をもって本格的にきりひらかれた。明治維新はたんなる封建勢力内の権力移動ではなく、日本における資本主義社会の成立を準備した政治革命であった。だが階級としてのブルジョアジーの未発達に規定されて、この革命は天皇制を中心におく絶対主義的な性格をもつ国家権力を生み出した。この権力はアイヌモシリ、沖縄を併合した。明治維新政府は「富国強兵」「殖産興業」政策を通して、国家主導で大工業の移植など資本主義的生産様式の育成を強行した。欧米の先進資本主義国が帝国主義段階に移行しつつあったというきわめて不利な条件のもとで出発した日本の資本主義は、国内では飢餓賃金と高い小作料にあえぐ自国内の労働者・貧農の生活を犠牲にし、部落差別や民族差別などをテコに差別・分断支配を強め、また日清・日露・第一次世界大戦とあい次いだ侵略戦争を通じて台湾、朝鮮、中国大陸の一部を占領・植民地支配し強蓄積を進めた。

 二〇世紀初頭には日本は帝国主義諸列強の仲間入りを果たし、東アジアの一角に四大財閥という金融寡頭制が支配する独占資本主義国家が登場した。その後、天皇制ファシズム支配体制を確立し、米英とのアジアの再分割戦争(アジア・太平洋戦争)に突入した日本帝国主義は、新たな中心国として登場しつつあった米帝国主義の圧倒的な力量と、アジア諸国人民の反帝民族解放闘争の前に全面敗北を喫した。第二次帝国主義戦争での敗北によって日本の資本主義は壊滅的打撃を受けた。

 広大な植民地を失い、戦争によって生産力の徹底的な破壊を受けた日本資本主義はまさに存亡の危機にあった。この危機を救ったのは、ほかならぬ米帝であった。米帝は日本におけるプロレタリア革命を防止し、中国・朝鮮をはじめとしたアジアの革命運動の前進をおしとどめるために、天皇制を存続させ、日本資本主義を復興させることを必要とした。米帝の庇護下で日本資本主義は息を吹き返した。

 戦後日本の歴史は、日本資本主義の帝国主義的復活の歴史であった。奇跡的と言われた戦後日本資本主義の急速な成長は戦前と同様、一方では朝鮮戦争特需に象徴されるようなアジア人民の犠牲のうえに実現され、また他方では、一握りの巨大独占のもとに膨大な中小・零細企業を組み込んだ二重構造のもと、世界有数の長時間・過密労働を国内の労働者階級に強要することによってはじめて可能になったものである。朝鮮戦争によるばく大な戦争特需によって、早くも一九五〇年代はじめには、日本の鉱工業生産は戦前の水準を回復するにいたった。五〇年代中盤から始まるいわゆる高度経済成長期を通じて、重化学工業部門・輸出産業を中心にして独占資本の再形成が進み、帝国主義復活の経済的基礎が準備されていった。そして戦後の日本資本主義は一九六五年の日韓基本条約の締結を画期とし、一九七〇年代から八〇年代にかけて米帝に次ぐ経済力をもつ帝国主義として復活と台頭をとげ、米帝のアジア戦略と結びついた帝国主義的対外膨張と帝国主義的軍事・外交を本格的に展開し始めた。

 現在、日本帝国主義ブルジョアジーは、全世界の労働者人民、とくに第三世界諸国の人民に過酷な支配と収奪を強い、絶望的な貧困をおしつけている国際帝国主義の強力な一角を占めている。そして日帝はみずからの帝国主義的権益をアジア・全世界に広げていくために、軍拡と侵略反革命戦争の道を歩みつづけている。それはまた、国内における政治反動と支配体制の強化、圧倒的多数の労働者人民に対する搾取・収奪の強化、零落の強制と一体のものである。こうした日帝ブルジョアジーの独裁権力は、日米軍事同盟にもとづいて駐留する米軍によって補完されている。

2 日本革命の性格と特質

 私たちがめざすべき当面の革命は、このような日本帝国主義を打倒する革命である。日本帝国主義ブルジョア国家権力を打倒し、国内外のプロレタリア人民に対する支配の根を絶ち、資本主義に代わる新しい社会を建設しようという革命である。この革命は全世界のプロレタリアートと被抑圧人民による解放のたたかいの一部であり、現代過渡期世界をプロレタリアートの解放、階級の廃絶、新たな人類史の創造に向かって切り開いていくプロレタリア世界革命の一部である。

 日本革命の主体は、社会の圧倒的多数を占める賃金奴隷階級としてのプロレタリアートと被抑圧人民である。日本社会は支配者階級としての資本家階級と、被支配階級としての労働者階級を二大階級として構成される階級社会である。現代の日本社会は、全就業人口の約4%を占める資本家階級が、約80%の労働者階級と10数%の農漁民を含む自営業者層を支配する社会である。日本の労働者階級もまた他の帝国主義国と同様、上層と下層に分裂しており、少なくない上層労働者はブルジョアジーによって買収されている。

 日本革命は、プロレタリア階級のもつ組織性と力に依拠して行なわれるプロレタリア社会主義革命である。それはまた広範な被抑圧人民・被差別大衆を結集し、日本ブルジョア階級と米帝をはじめとする国際帝国主義との闘争に膨大な大衆の参加を組織して勝利する革命である。プロレタリアートはこの革命において指導階級としての役割を果たし、小ブルジョア階級である都市中間層・農漁民の反政府闘争を支持し援助するとともに、そのなかから革命の味方を組織し、日本のブルジョア政府とたたかうあらゆる進歩的社会勢力を革命の同盟軍として引きつける。

 日本革命の基本的性格の一つは、これまで敗北を重ねてきた帝国主義本国における革命であるということにある。いわゆる先進国革命の敗北はロシア革命に国際的孤立を強い、スターリン主義が発生する一条件となった。また戦後においては、先進国革命運動の遅滞のなかで、第三世界の反帝民族解放闘争は大きな苦闘に直面しつづけてきた。こうした共産主義運動における負の歴史をくつがえしていく革命という意義を、日本革命はもっている。アジアにおいて日本は唯一の帝国主義国であり、日本のプロレタリア革命が他のアジア諸国の革命運動におよぼす影響は大きい。日本革命の勝利とアジア革命の勝利は不可分一体の関係にある。日本革命はアジアの労働者人民の解放と連動し、アジアの反帝民族解放闘争の勝利と結合する革命である。

 プロレタリア革命はまずブルジョア国家権力の打倒から始まるが、それは通常、暴力革命によってしかなしえない。日本における革命は議会における多数派形成によっても、また農村や山岳地帯を拠点とする解放区型革命によっても勝利しない。国家権力打倒の戦術の中心にすえられるべきはプロレタリアートの武装蜂起戦術であり、その勝利を可能にする革命的組織を日本のプロレタリアートは建設しなければならない。

 革命党は日本のプロレタリアートをひきいて、まず自国のブルジョアジーを打倒し、プロレタリアートの権力―プロレタリア独裁を打ち立てねばならない。プロ独下において党はプロレタリアートの階級闘争を組織し、人民の団結を社会主義に向けて形成し強化する。このためにプロレタリア独裁政権の基本的方策は策定される。プロ独政権の政綱については、ロシア革命の勝利を通じて樹立されたロシア・プロ独政府の経験と、これを指導したボルシェビキ党のプロ独綱領(一九一九年の党綱領・後半部分)から私たちは大いに学ぶ。同時に一国のプロ独綱領の内容はそれが立脚する時代状況と、その社会の特質や発展段階によって大きく規定されるという点をふまえる。私たちの党は、革命前の当面するもっとも重要な政治的任務として、政治・経済・社会・国際の各分野で次のような基本政策をもつプロレタリア独裁権力を樹立していくことをかかげる。

(2) 日本におけるプロレタリア独裁政権の政策についての基本的考え方

1 政治の分野で

(a)ブルジョア議会制度を廃止し、ソビエトを基礎にしコミューン的原則にもとづいて運営される革命政府を樹立する。

(b)日米安保条約を破棄し、米軍基地を全面撤去する。

(c)警察機構とブルジョアジーの常備軍―自衛隊を解体し、全人民の武装のもとに民兵制度と赤軍を創設する。

(d)ブルジョア国家機構・官僚機構を解体する。天皇制を廃止する。

(e)旧制度の裁判所を廃止し、裁判官を勤労者のなかから選出する。

(f)勤労人民に集会・結社・出版・信教の自由などの諸権利を保障する。

(g)性・人種・民族・宗教の別にかかわらない同権を保障する。アイヌ、沖縄人民の自己決定権を承認する。被差別大衆の差別糾弾権を保障する。

2 経済の分野で

(a)生産手段の社会化をめざし、主要産業・金融機関・運輸機関を国有化する。大土地所有を廃止する。

(b)プロ独国家の生産力を発展させ、プロレタリアートが生産の決定権を握る社会主義的生産を準備する。

(c)平等の労働義務制度を導入する。

(d)資本主義下の無計画的な大量生産・大量浪費型生産様式を根本的に転換する。

(e)生産協同組合・消費協同組合を発展させ、全国家的な規模で組織された生産物の流通ネットワークをつくりだす。

(f)農業における共同生産の組織化を進める。

(g)勤労人民の労働の軽減と生活の向上をはかる。

(h)強度の累進税を導入する。

(i)相続権の廃止を進める。

3 社会の分野で

(a)勤労人民を国家統治・経済の運営の仕事に広範に参加させる。

(b)勤労者の同志的規律、自主的活動、責任感を強めていく系統的な大衆教育活動を行なう。肉体労働者と精神労働者との相互理解と接近を促進する。

(c)政党、労働組合、協同組合、NGOに自主的活動を保障する。労働者には団結権・交渉権・ストライキ権が保障される。

(d)学校と教育を社会主義建設の手段に変える。無料の義務教育、男女共学制、授業と生産的労働の結合、少数民族の母語による教育の保障などを実行する。科学的教育の推進によって、あらゆる反動的偏見から人民を解放する。

(e)宗教と国家を分離する。

(f)自然環境破壊の進行を防ぐ。資源の収奪と大量消費に依存した生活様式の根本的転換を進める。

(g)無料の医療制度を確立する。労働者の住宅事情を大幅に改善する。高齢者に対する完全な社会保障を実施する。

4 国際の分野で

(a)日本帝国主義政府が結んだあらゆる帝国主義的条約・協定を破棄する。

(b)第三世界における日本帝国主義のすべての権益・債権を放棄する。日本帝国主義の戦争責任・戦後責任を明確にし、戦後補償を行なう。諸民族の同権を擁護し、被抑圧民族の民族自決権を支持する。

(c)第三世界の飢餓と貧困の問題の解決に力をつくす。

(d)帝国主義とたたかう国際的階級闘争・革命運動をあらゆる形態で支持・支援し、世界革命・世界プロレタリア独裁の実現をめざす。

(3) 革命の準備

 日本におけるプロレタリア独裁政権の樹立に向けて党は、当面、次のような任務をかかげてたたかう。

(a)日本帝国主義による軍拡と侵略反革命戦争に反対する。天皇制・天皇制イデオロギー攻撃とたたかう。核兵器の廃絶を要求する。日米安保・戦争・憲法改悪に反対する全人民的政治闘争と政治統一戦線を建設する。

(b)帝国主義とたたかう全世界の闘争に連帯する。反グローバリゼーション運動の発展をおし進める。

(c)アジア諸国の階級闘争・革命運動と日本プロレタリアートとの結合を推進する。アジアにおいて日米帝の支配とたたかう反帝統一戦線を形成し強化する。戦闘的労働組合のアジア・ネットワークを形成する。アジア・インターを建設する。

(d)労働運動に革命の強固な基盤を築きあげる。国家・資本の攻撃と大衆的・戦闘的にたたかう階級的労働運動をつくりだす。

(e)長時間労働の強制に反対し、労働者の精神的・肉体的磨滅を防止する。同一価値労働・同一賃金の原則を掲げ、非正規雇用労働者に対する差別の禁止を要求する。時間外労働・夜間労働の原則禁止を要求する。

(f)農産物輸入自由化等による農業破壊に反対する。

(g)日本帝国主義の戦争責任・戦後責任を明確にし、責任者の処罰、被害者に対する謝罪・賠償を行なわさせる。

(h)入管体制に反対し、在日・滞日外国人の市民権の確立をめざす。

(i)女性差別、部落差別、障害者差別、民族差別などあらゆる差別に反対する。

(j)大気・海洋・河川・土壌汚染などの環境破壊に反対する。地球温暖化の防止。

(k)原子力発電所の新設・増設、既存原発諸施設の即時運転の中止を求める。

(1)差別・選別・管理教育に反対する。愛国心教育に反対する。

(m)あらゆる人々に健康で文化的な生活を営む権利を保障する福祉制度を要求する。

(n)さまざまな反政府的・進歩的運動を支持・支援し、その発展を進める。

(o)国政・地方議会選挙を革命的に利用する。

(p)あらゆる治安弾圧法を撤廃させる。

(q)国家権力やファシスト勢力の攻撃から階級闘争と革命運動を防衛する。プロレタリアートの自衛と武装力の強化をはかる。

(r)軍隊内の兵士を革命の側に獲得する。

(s)日本プロレタリア階級にしっかりと根をおろし、ブルジョア国家権力と非妥協的にたたかう革命的労働者党を建設する。

 このような要求と闘争に日本プロレタリアートを組織することを通じて、その政治意識を高め、革命的階級へと形成し、プロレタリアートを中心とした革命勢力を広範に組織し強化していくこと―日本革命の準備期における私たちの根本的任務はここにある。


                    2004年採択
                    2012年一部修正

 

 

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