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                                                                2018年6月
AWC声明
●朝鮮半島の平和から全地球的平和へ
朝鮮半島非核化を超えて全地球的非核化へ

4・27板門店宣言と6・12朝米共同声明の発表にあたって

  


 
アジア共同行動(AWC)日本連絡会議とAWC韓国委員会は、4・27板門店(パンムンジョ厶)宣言と6・12朝米共同声明を受けた共同声明を発表した。AWCは各国・地域の民衆団体にこの声明への賛同を呼びかけている。以下に紹介する。(国際部)


 四月二七日、朝鮮半島の板門店で歴史的な南北首脳会談が開かれた。韓国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の金正恩国務委員長との首脳会談の結果、「朝鮮半島にもはや戦争はなく、新たな平和の時代が開かれた」こと、および南北の「共同繁栄と自主統一の未来を早めていくこと」を宣言し、「完全な非核化を通した核のない朝鮮半島を実現する共同目標を確認」および「朝鮮半島非核化のための国際社会の支持と協力に向けて積極的に努力」するという内容の板門店宣言が発表された。その結果、緊張と対決の南北関係は平和の局面へと転換された。
 つづいて六月一二日、シンガポールで開かれた朝米首脳会談では、「板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島非核化のために努力」することで合意した。朝鮮半島非核化を履行するための高位級実務会談を開くことで合意した。同時に、共和国と米国は、「朝鮮半島に持続的で安定した平和体制樹立のために共に努力」することに合意して、南北分断以降七〇年間あまりの冷戦体制を解消する転機をつくった。
 今年初めの段階でも、朝鮮半島は共和国の核実験とICBM発射、韓国と米国の攻撃的連合訓練など、一触即発の戦争危機の状況にあった。しかし平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック期間にアイスホッケー単一チームを構成、朝鮮半島単一旗の使用、共和国の管弦楽団の韓国公演、特使派遣などを通して緊張を緩和しつつ、南北・朝米対話の局面を開いた。あとは南北首脳の4・27板門店宣言と朝米首脳の6・12共同声明が実際に履行されるのみとなった。
 しかし、朝鮮戦争を公式に終結させ、戦争危機を克服し、平和を定着させる仕事は、政府や政権にだけまかせることはできない。朝鮮半島平和のための過去の歴史を調べてみると、一九七二年7・4南北共同声明、一九九一年南北基本合意書、一九九四年朝米ジュネーブ核協定、二〇〇〇年6・15宣言、二〇〇七年10・4宣言など、半世紀の間に多くの合意を実現してきたが、この一〇年間は軍事的緊張と対決が高まって戦争危機の局面まで駆け上がった。したがって政府当局者の合意や履行過程だけを眺めるのでなく、労働者民衆の監視と圧力が必要だ。
 4・27板門店宣言と6・12米朝共同声明を受けて、国連安保理と各国による共和国への制裁はただちに解除されるべきである。とりわけ、日本の安倍政権はその共和国敵視政策を転換し、朝鮮半島と東アジアの平和を阻害する自衛隊の海外派兵体制の強化や憲法改悪など軍事強化策動を中止しなければならない。
 帝国主義戦争を防ぎ、核の災いから人類を保護するためには、朝鮮半島の平和と非核化で終わってはならない。東アジアを越えて、全地球的な平和と非核化に進まなければならない。特定国家だけに非対称的戦略兵器である核兵器の保有を認めた核拡散禁止条約(NPT)を廃棄しなければならない。既存の核保有国は、二〇一七年七月七日、国連が制定した核兵器禁止条約(TPNW)に署名・批准しなければならない。米国とロシアは、核兵器縮小を早期に履行して核兵器がない地球を創ることの先頭に立たなければならない。
 朝鮮半島非核化は、共和国の核廃棄と同時に、韓国の米軍戦術核と戦略資産を撤去することだ。したがって共和国の核脅威を理由に配備された星州ソソン里のサードは必ず撤去しなければならない。南北間の板門店宣言と、朝米間の非核化合意以後、攻撃的韓米軍事演習の中断が宣言された。東アジア平和のために、日米軍事演習も直ちに中断されなければならない。朝鮮半島の平和局面が展開して、駐韓米軍撤収が議論されている。在日米軍もまた撤収しなければならない。ひいては、地球上のどこであろうと、帝国主義軍隊は撤収しなければならない。
 七三年前の技術水準でも、広島・長崎への原爆投下は、数多くの人命の殺傷と破壊をもたらした。全地球的非核化を実現するためには、地球上にあるすべての核兵器を廃棄しなければならない。スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ原発爆発事故で証明された通り、人類に災いを招く可能性がある原発も閉鎖しなければならない。「核のゴミ」と呼ばれる使用済み核燃料は、今後一〇万年の間、保管しなければならない危険千万な物質だ。核のゴミをこれ以上排出しないためにも、原発を直ちに閉鎖しなければならない。同時に原発の輸出も中断しなければならない。
 AWC会員たちは、朝鮮戦争の終戦と平和協定締結および朝鮮半島の非核化を通じて、平和が定着し、朝鮮半島の統一に進めるように努力する。同時に、朝鮮半島の非核化を越えて、全地球の非核化がなされるよう、核兵器廃棄と原発閉鎖のために闘争する。侵略的軍事演習の中断、軍事基地の建設反対、武器輸出の禁止、帝国主義軍隊を撤収させるために連帯して闘争する。

   二〇一八年六月
     日米のアジア侵略と支配に反対するアジアキャンペーン(AWC) 会員一同