◆自衛隊アフガニスタン派兵に関する抗議と要請
日本政府は、八月二三日から三一日、「邦人輸送」を理由に自衛隊をアフガニスタンに派兵した。
「9・11同時多発テロ」に対する「報復戦争」と称してアメリカ軍を中心として行われたアフガニスタン侵攻は、「治安」問題に「戦争」という手段で対応し、「テロ実行者」でないタリバン政権を「報復」対象とする筋違いのもので、国際法上でも疑問の多いものだった。にもかかわらず日本政府はアフガニスタン侵攻を支持し、インド洋での給油等の後方支援を行ない、多国籍軍の占領を引き継いだ「アフガニスタン・イスラム共和国」に対して、その治安能力向上などを支援してきた。一方、米軍等の侵攻以降二〇年間、「治安維持」を理由とした攻撃などによって、多数のアフガニスタンの民間人が殺傷された。それが、反米感情、反政府感情を高め、今回の米軍撤退、「アフガニスタン・イスラム共和国」の崩壊へとつながった。タリバンや殺傷された人々の関係者からすれば、日本は「敵」である。しかも自衛隊派兵前後、カブール空港周辺は、銃撃戦や爆弾の爆発なども起きていた「戦闘地域」であった。今回の派兵は、「敵地戦闘地派兵」と言わざるを得ない。しかも、国会での審議を経ることもなく、国家安全保障会議で決定された。しかもその決定以前に先遣隊を派遣し、決定当日にC2輸送機で中央即応連隊を送り出すなど、派兵を既成事実とした準備態勢が整えられていたなど、国家安全保障会議は、派兵を追認するだけだった。今回の派兵は、民主主義に反し、文民統制をも逸脱するものだ。また、「人道的介入」の名で多くの人々の殺傷が正当化されたことを踏まえれば、「人道」を理由とする派兵も、安易に容認されるべきではない。
以上から、今回の自衛隊のアフガニスタン派兵に強く抗議し、今後、今回のような派兵を行わないように強く要請するものである。
◆南西諸島での陸自軍事演習に関する抗議と要請
また、陸上自衛隊は、南西諸島で、九月一五日から二八年ぶりと言われる陸上自衛隊全体を動かす軍事演習を始め、一一月まで実施しようとしている。報道によれば約一〇万人の陸上自衛隊隊員が動員され、航空機一二〇機、車輌二万台が使用されるといい、北海道などからも部隊を動員し、霧島、湧水など、九州各地でも演習が行われ、予備自衛官も動員されると言われている。この演習は、海上自衛隊、航空自衛隊はもちろん、米軍なども参加する。実質的には、インド太平洋戦略に基づいて中国に対して圧力をかける多国間演習に外ならない。
南西諸島では、石垣、宮古、奄美へのミサイル部隊配備の動きなど、中国脅威論を口実に、自衛隊増強が図られてきた。配備されようとしているミサイルの長射程化、実質的な敵基地攻撃力保有も進められようとしている。米軍も、沖縄に中距離ミサイルを配備する動きを見せている。今や南西諸島は、戦場になることも想定した対中最前線と位置づけられている。そして、それはミサイル軍拡競争など、緊張激化を生んでいる。
今回の演習でも、「台湾有事」を念頭に置いた戦争でのミサイル攻撃、ミサイル防衛、占拠された離島の奪還といったものが想定されていると思われる。この想定自体、南西諸島に暮らす人々の生命と安全を無視し、戦争で死傷させることを前提としている。住民に多大な犠牲を強いた沖縄戦の歴史を全く反省していないと言わざるを得ない。米軍基地が集中している沖縄では、米軍辺野古新基地建設反対運動など反基地運動が闘われている。自衛隊増強に反対する運動も、石垣、宮古などで、粘り強く取り組まれている。今回の演習は、それらの運動を潰すための恫喝という側面も持っている。なすべきは、運動潰しでなく、南西諸島を戦場としないために、軍拡競争の悪循環を断つことであって、米軍・自衛隊を増強し、大規模軍事演習をすることではない。
以上から、今回の演習に強く抗議し、その中止と、南西諸島での自衛隊増強と辺野古新基地建設などの米軍強化をやめることを、強く要請するものである。
二〇二一年九月二一日
大軍拡と基地強化にNO! アクション2021
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