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                                                                2023年3月

〈BAYANの二つの声明〉

  米比合同軍事演習に抗議

 

 

                  
 


 ここに紹介するのは、四月一一日から二八日にかけて実施された米比合同軍事演習バリカタンを弾劾するフィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)の声明である。
 米帝―バイデン政権は、今年二月の米国務長官オースティンのフィリピン訪問を通して、米比防衛協力強化協定(EDCA)にもとづくフィリピン国内での米軍拠点を拡大した。それに続く今回のバリカタン演習は過去最大規模で実施され、対中国軍事包囲網のなかにフィリピンを組み入れるという米帝の意図をあらためて鮮明に示している。
 また、バリカタン演習には自衛隊もオブザーバー参加しており、われわれはこれを強く弾劾する。闘うフィリピン民衆に連帯しよう。(訳者)


●1 新たなEDCA拠点は緊張と軍拡競争をかき立てる

 フィリピン政府が発表したカガヤン、イサベラ、パラワンの四つの新たなEDCAサイトは、米国が対中国を目的にした兵器や軍艦をあらかじめ配置することを認めるものだ。この動きは地域の緊張を高めて軍拡競争につながる。それは何よりもアメリカ帝国主義の利益のためである。とりわけ心配なのはフィリピン北部の施設である。それは明白に台湾を狙ったものであり、この地域の緊張を高める。
 「人道支援と災害対応」という宣伝文句は、すべて捨ててしまおう。合意された場所は、米国が軍事力を誇示し、戦争に備えるためのものである。ドローンを含む武器や軍艦の事前集積は、米国の戦争準備の一部である。マルコス氏は、これが「トップガン」のようなハリウッド映画ではないことを知るべきだ。このような地政学的な作戦は、現実に深刻な結果をもたらすのだ。
 EDCAは米国がフィリピン国内のどこにでも前線基地を無償で建設できるという非常に不平等な協定であることを知らしめよう。米国はまた、公共施設の使用に関する税制上の優遇措置や、電波の無料使用も与えられている。米国はフィリピンに九か所の合意された場所と前進基地を持つことになり、すべて無償で使用できる。それはフィリピンの主権をさらに低めるものだ。
 クラーク基地やスービック基地の経験が示すように、米軍が長期にわたって駐留することは、人権侵害、買売春、児童虐待、地域生活の崩壊、環境破壊など、大きな社会的コストを伴う。
 マルコス氏は、米国の利益に奉仕した。中古の装備や退役艦船の供与と引き換えに、国家主権を売り渡した。それにより彼は、フィリピンを二つの帝国主義国間の紛争に引きずり込むことを許したのである。
 われわれはカガヤン、イサベラ、パラワン、そしてヌエバ・エシハ、ザンバレス、セブ、カガヤン・デ・オロの人々に、それぞれの地方への米軍の駐留に反対するよう呼びかける。BAYANは、米国の介入と中国の侵略の双方に反対している。われわれは独立外交政策を支持し、われわれの国家主権を掘り崩すいかなる帝国主義勢力の試みをも弾劾する。BAYANはバリカタン戦争演習に抗議し、VFA(米比訪問軍協定)とEDCAの終了を要求する。

4月5日


●2 BAYANはバリカタン2023を弾劾する

 BAYANは、米軍に関するわれわれの歴史的経験、および、この地域の現在の状況に対する理解にもとづいて、原則問題としてバリカタン戦争演習に反対している。この戦争演習がフィリピン人にとって有益で役に立つとか、災害対応能力を高めるためのものだという主張は真実ではない。四月一一日に始まる戦争演習は、人道支援とはほとんどまったく関係がなく、すべては米国の戦争準備とこの地域における帝国主義の戦力投射のためになされるものである。
 実弾演習や退役艦船の沈没シミュレーションにより、今回のバリカタンはより挑発的なものとなっている。それはこの地域の緊張を高める。それはフィリピンにとって最善の利益にはならない。
 フィリピンは米中の帝国主義間対立の狭間にいる。米国のすべての行動は、この地域における帝国主義的アジェンダを推進するためのものである。米国の意図とフィリピンの利益は同一ではない。フィリピンは、この地域における米国の戦力投射と挑発のための足場として利用されているに過ぎない。フィリピンは米軍兵士たちの格好の遊び場であり、EDCAを通して米軍の兵器や艦船のための巨大な前方作戦基地となっている。
 フィリピンの海岸に外国軍隊が存在することは、われわれが真の意味で自由でないことを示す顕著な兆候である。現在のフィリピンの外交政策は、アメリカの利益によって形づくられている。フィリピンの「国内安全保障」さえも、米国の対反乱ドクトリンに従っている。政府は米国の新植民地であることの報酬として、米国の過剰防衛品と軍事援助を常に待ち望んでいる。悲劇的なのは、フィリピンに米軍基地と軍隊が置かれて数十年が経つが、米国との協定によって近代化が進むという主張とは裏腹に、フィリピン国軍が後進的で未発達なままであることだ。
 中国に対してわれわれの主権を主張する際に、米国に依存するべきではない。米国はこの地域で異なる目標を持っており、われわれは米国の挑発と戦争に引きずり込まれないよう注意しなければならない。BAYANは、米国の介入と中国の侵略の両方に反対している。われわれは、フィリピンの主権を冒涜し、われわれの国のさらなる弱体化を引き起こしている米国との不平等な軍事協定に反対する。われわれは米国とのすべての不平等な軍事協定を破棄することを要求する。

4月11日