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                                                                2024年6月

〈以下に今年6月下旬にマレーシアで開催された国際民衆闘争同盟(ILPS)の第7回総会で特別決議として採択された「パレスチナに関する民衆宣言」を紹介する。この決議はパレスチナ人参加者との討議を通して作成され、総会参加者全体で採択された。  国際部〉

  

パレスチナに関する民衆宣言

ILPS第7回総会特別決議

 

 

                  


 パレスチナの闘争は、パレスチナとその地域を支配しようとするヨーロッパの入植者の植民計画とともに一九世紀にさかのぼる。これは一九一七年のバルフォア宣言によって制度化され、一九四八年のナクバにおける民族浄化、資産没収、土地収奪、強制追放への道を開いた。それは今日まで続いている。
 民族浄化とパレスチナ人の根絶を続ける「イスラエル」の活動は、ヨルダン川西岸、ガザ、そして一九四八年に占領された土地を含むパレスチナ全土で体系的に行われている。その活動には、ヨルダン川西岸の土地の40%と水の80%を支配するためのアパルトヘイト・ウォール、入植地の建設、軍事地帯、検問所が含まれる。加えて、シオニスト国家は、パレスチナ南部ナカブの先住民ベドウィンの土地の守護者たちから土地を奪い、追放し続けている。民族浄化のもうひとつの見過ごされている形態は、一九四八年に占領された土地におけるパレスチナ人の言語、文化的伝統、教育、景観、歴史に対する文化的ジェノサイドである。
 二〇〇七年以来、ガザのパレスチナ人は、国際法によって禁止されている武器が使用された六回の残酷な戦争に耐えてきた。それ以来、シオニスト国家は、イスラエルの「食料消費レッドライン」政策にもとづくカロリー計算ダイエットの実施を含む、ガザ地区の空・陸・海の完全な封鎖を実施してきた。一〇月七日以来、こうした懲罰的措置は急増し、米国に支援されたシオニスト国家によるガザへの執拗な爆撃と相まって、ガザでは少なくとも数万人のパレスチナ人が殉教し、さらに多くの負傷者や行方不明者が出ている。二〇二三年一〇月以来、イスラエルのジェノサイド・マシーンは、病院、学校、大学、インフラの完全な産業規模の破壊、食料・水・燃料・避難所・医薬品その他の生活必需品の拒否をもたらした。IPC(総合的食料安全保障レベル分類)によれば、ガザの住民の100%が食料危機に直面しており、約50%がステージVの飢餓を経験している。「イスラエル」はガザの人口密集地域と農村地域に七万五〇〇〇トン以上の爆発物を投下した。これは広島に使用された火力の五倍以上である。
 パレスチナ人の武装抵抗を通した10・7の最大の成果の一つは、大衆の意識を高め、シオニストの主張の弱点を後戻りできないところまで打ち固めたことだ。パレスチナの解放を求める闘いは、抑圧者と被抑圧者、帝国主義独占資本と世界の人民のあいだの国際的な闘争のまさに中心にある。それはまた、米国とロシア・中国との対立を再燃させた。国際民衆闘争同盟(ILPS)は自らの土地を解放するためのパレスチナ人民の闘争を無条件に支持する。
 われわれ世界の人民は、パレスチナ人民の不屈の精神を支持するために、以下の行動が即時にとられることを要求する。

・恒久的な停戦
・UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)などのすべての人道支援組織の活動再開を含む、人道支援の無条件の入境のためのすべての国境の開放
・米国、「イスラエル」、その他の場所にいるすべてのパレスチナ人政治囚の釈放
・すべての難民の帰還
・ガザ地区の封鎖と制裁の恒久的な終結
・武装抵抗、および、ジェノサイドを支持する「イスラエル」と多国籍企業に対するボイコット・投資撤退・制裁(BDS)を含む、あらゆる形態のパレスチナ人の抵抗への支持の再表明
・「イスラエル」の責任を問うための司法および民衆法廷を通じた法的措置の追求
・すべての共犯者の責任を問うための域外適用義務の実施

 さらに、国際人民闘争同盟とパレスチナ人民抵抗運動は、世界の平和を愛する人民に対して、シオニスト・イスラエル国家とアメリカ帝国主義によるパレスチナ人民に対する戦争犯罪と人道に対する罪を問う国際民衆法廷(IPT)の開催を支持することを求める。
 パレスチナ人民と国際的な支援者によって支持されているこの取り組みは、イスラエル・ネタニヤフ政権とアメリカ帝国主義がパレスチナ人に対して犯した、ジェノサイド(大量虐殺)、エコサイド(環境破壊)、スコラスティサイド(教育制度の破壊)、戦争の手段としての飢餓と窮乏の兵器化など、歴史的不正と入植植民地主義に取り組むことを目指している。この取り組みは、パレスチナ人の命を著しく軽視した、アルジェ憲章および国際条約に定められた人道に対する罪に関して、彼らの責任を問うことを目的としている。
 国際民衆法廷(IPT)は、米国、「イスラエル」、および彼らの同盟国が、国連や国際刑事裁判所(ICC)、国際司法裁判所(ICJ)など既存の機構に不当な政治的影響力を及ぼしているなかで、シオニストの戦争犯罪人とその帝国主義者の支援者たちに対する説明責任を厳格に追及することで、被害者、生存者、提言者、および民族正義・社会正義を求める運動のための道徳的・政治的なプラットフォームとして機能することになるだろう。
 最後に、われわれは、川から海まで、イスラエルの植民地主義とそのパレスチナ占領を終わらせるという呼びかけを再確認する。われわれは、パレスチナ人民の民族解放およびすべてのパレスチナ難民・亡命者の帰還を求め、すべての市民が平等な権利と義務を享受する民主的パレスチナ国家の設立に向けた正当な闘争を断固として戦闘的に支持する。
 われわれはパレスチナ人民に敬意をもって挨拶を送る。われわれはその抵抗に敬意をもって挨拶を送る。われわれは抑圧された人民に連帯して立ち上がる全世界のすべての人民に敬意をもって挨拶を送る。

 団結した人民は決して負けない!
 国際連帯万歳!
 川から海まで、パレスチナは自由になる!