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                                                                               2008年3月10日
相次ぐ米兵による性暴力事件を弾劾するアジア共同声明
フィリピン(3.7)





アジア共同行動(AWC)日本連や、韓国、フィリピン、中国・台湾、アメリカなどの民衆団体が「相次ぐ米兵による性暴力事件を弾劾するアジア共同声明」を発しました。『戦旗』編集局の責任で、全文を掲載します。


  (写真左/沖縄でのフィリピン女性への性暴力に抗議するフィリピンの民衆−3月7日)



          ●アジア共同声明                                                             

 わたしたち民衆の権利とそれぞれの国の主権を守るためにたたかっている進歩的組織のメンバーは、このかん激発している米兵によるアジアの女性に対する性暴力事件を徹底的に弾劾する。二〇〇七年十月、日本の広島で十九歳の女性が岩国米軍基地の米兵たちによる集団レイプ事件の被害者となった。さらに、本年二月十日、沖縄で十四歳の女子中学生が、米兵によって性暴力被害にあった。続いてその一週間後の二月十八日には、三日前に沖縄に到着したばかりの契約労働者のフィリピン女性が米兵の性暴力被害にあった。わたしたちはこれらの凶悪犯罪を許すことができない。被害者の正義を否定しようとするどんな策動も、わたしたち民衆、とりわけ女性に対する侮辱である。

 日米両政府は、現在、米軍再編という新たな日米軍事同盟化を進めている。日米両軍の一体化を進め、沖縄や岩国、神奈川で巨大な米軍基地を新設・強化しようとしている。それを通して、日米軍事同盟が、アジア、世界中に出動するものへと変貌しようとしているのだ。アジアの人民にとってこれほどの脅威はない。この新たな日米軍事同盟のもとで、沖縄や日本各地の米軍基地周辺の女性は米兵の性暴力被害に日常的にさらされている。

 アジアに存在するさまざまな軍事基地に駐屯する米兵による性暴力事件というのは、わたしたちにとって決して新しいことではない。フィリピンでは、米国外では最大規模の軍事基地であったクラーク空軍基地とスービック海軍基地がフィリピンに存在していた一九八一年から一九八八年のあいだに九十七件の性暴力事件が起こっている。さらに、二〇〇五年十一月に四人の米海兵隊員によって二十二歳のフィリピン人女性への集団レイプが引き起こされたことはわたしたちの記憶に新しい。この事件は比米政府間での訪問軍協定(VFA)の締結を通して米軍がふたたびフィリピンの地に舞い戻ってこようと画策するなかで起こったが、VFAこそ「テロとの戦い」を名目とした合同軍事演習バリカタンを通して在日米軍基地の米兵がフィリピンに展開する道を開いたのだ。

 韓国でも、米軍基地が新たに再編強化されている。韓国の女性もまた、一貫して米兵による性暴力にさらされ続けてきた。のみならず、二〇〇二年には、女子中学生二名が米軍車輌に轢き殺された。韓国の民衆は、米軍の撤収を求めてたたかい続けている。

 わたしたちがもっとも許しがたいことは、これらの性暴力事件のほとんどが裁判にかけられることもなく、日本、韓国、フィリピンの女性に対する凶悪犯罪の犯人がまったく罰せられていないという事実である。

 直近の日本での性暴力事件はメディアで広く報じられたが、同様の運命をたどるかもしれない。現在、米国政府はそれらの犯罪への対処について、まったく遅々とした行動しかとっていない。ブッシュ政権は在日米軍に綱紀粛正を呼びかけたが、それは人々の怒りをさらに高める空虚なレトリックにすぎない。他方、日本政府は全国の米軍基地のさらなる強化という目的を妨げ、日米軍事同盟にダメージを与えることを恐れて、これらの犯罪を明らかに軽く扱っている。

 日米軍事同盟はアジアと世界を支配するための覇権的なもくろみである。それこそ、民主主義、正義、平和、各国の主権に対する最大の脅威に他ならない。米国の優位性と支配の象徴であるアジアにおける米軍基地の存在は、女性たちを絶え間ない性暴力の脅威の下に置き、民衆の生活と安全を脅かしている。

 沖縄、日本、韓国、フィリピンの米軍基地に駐屯する米兵によって犯されてきた犯罪のリストは、無視するにはあまりにも長く、そして深刻なものである。わたしたちはそうした犯罪が引き起こされ続けること、犯人が裁かれずにいることを許しておくことはできない。わたしたちはすべての被害者に正義を実現することを要求する。わたしたちが確信するところによれば、それはアジアに存在する米軍基地を撤去し、米軍を撤退させることによってのみ実現しうる。

 わたしたちは、世界の民衆と連帯し、アジア・世界からすべての米軍基地・施設の撤去に向けたたたかいを前進させ、性暴力事件の被害者を支え励まし、犯人を処罰させるために、アジアの民衆が団結することを呼びかける。米兵による性暴力被害を受けたすべての女性たちに正義を!加害米兵に厳罰を!日米地位協定、韓米行政協定を改正せよ!日米軍事同盟、韓米軍事同盟を破棄せよ!米比VFA(米軍一時駐留協定)を破棄せよ!アジアから米軍の総撤収を!


                                                                                    2008年3月10日
フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)
ガブリエラ(フィリピン)
ミグランテ・ジャパン
AWC韓国委員会
平和と統一を開く人々(韓国)
挺身隊問題対策協議会(韓国)
平和をつくる女性会(韓国)
梨花民主同友会(韓国)
民族問題研究所(韓国)
基督教大韓監理会女性教役者会
基督女民会(韓国)
労働人権協会(中国・台湾)
台湾労働党
中国統一連盟(中国・台湾)
台湾地区政治受難人互助会
夏潮連合会(中国・台湾)
原住民部落工作隊(中国・台湾)
族群平等行動連盟(中国・台湾)
高金素梅(台湾立法委員)
A.N.S.W.E.R. 連合(米国)
アジア共同行動(AWC)日本連絡会議
反侵略アジア学生共同行動(AASJA)