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                                                                2013年2月

千葉地裁執行官が市東さんの畑・建物に侵入し仮処分看板を設置


反対同盟が弾劾声明



  
 二月二十日午前七時、千葉地方裁判所執行官が市東孝雄宅前(天神峰の畑、ならびに南台の畑)に断り無く侵入し、「公示書」なる看板を設置した。天神峰では建物の中にまで立ち会いもなく入り込み、壁に看板を設置した。
 反対同盟と顧問弁護団は、満身の怒りを込めてこの暴挙を弾劾する。いったい、市東さんには人権がないというのか。早朝、機動隊と公安警察を引き連れた執行官が突然現れて、市東さんに告知無く敷地内に侵入したばかりか、建物内に入り込み看板を設置するなどということがどうして許されるのか。しかもその数は、トイレの中まで含めた十四カ所の仰々しさだ。
 作業のすべてが終わった後に、母屋の扉をアリバイ的にノックし、市東さんが気づかなかったことをいいことに「留守だ」などと呟いて、立ち去るということが、あっていいはずがない(これらの事実は同行したマスコミから聴取した)。そもそも、この「公示書」の内容自体、まったく認めることはできない。
 成田空港会社の申し立てを受けて千葉地裁が行った仮処分の内容は、
 @物件の占有を他人に移転または占有名義の変更を禁止する
 A執行官が債務者(市東さん)の占有を解いてこれを保管することとし、債務者に限り使用を許す、というものだ。
 「公示書」が物件として掲示したものは、天神峰の農地五筆と七件の建物・工作物(出荷場、農機具置き場、別棟、旧鶏小屋三カ所、トイレ、育苗ハウス、野菜貯蔵用コンテナなど)である。南台は農地三筆と堆肥場である。
 天神峰と南台の畑は、百年近く市東家が耕作し続けている農地であり、建物等は市東家が建てた営農に不可欠の生産手段である。仮処分の決定は、農地と生産手段のすべてを強奪しようと目論む空港会社の申し立てを受け入れ、司法権力が市東さんの小作権に基づく占有権限を取り上げるというまったく不当きわまりない決定なのだ。そうしておいて「使用を許す」などと、傲岸不遜の態度はまったく認めることができない。これは市東さんの人権を踏みにじる暴挙である。
 成田空港会社は、市東孝雄宅に東西両側から騒音を浴びせる第三誘導路の供用を三月七日に強行しようとしている。さらに取香地区に空港敷地を拡大する買収策動にうごめいている。これは市東宅を空港敷地の中に取り込む、人権破壊の攻撃だ。北延伸と東側誘導路建設に明らかな通り、空港会社は住民に断り無く空港敷地の拡張を強行してきた。そして今回の取香と、いったい際限のない拡張がどうして許されるのか。かつて黒野空港会社社長は「これまでのことは単なる空港建設の手法や生活環境の問題にとどまらず、人間としての名誉、尊厳に触れる問題。深くお詫びし、反省する」「二度とやってはいけないと強く決意」と公式に表明したが、それらはまったくの欺瞞であり、空港会社の体質は公団時代とまったく変わっていないのだ。まさに「人間の尊厳」を踏みにじってやまない、不当看板を即刻撤去せよ!
 全国のみなさん。これら暴挙の数々は、2・18法廷証言で不屈の意思を表明した市東孝雄さんとわが反対同盟、地裁を包囲し抗議した全国の支援陣形においつめられたあげくの暴挙である。3・7第三誘導路供用開始粉砕現地闘争、3・24全国集会で反撃し、3・27行訴・農地法裁判の最終弁論へ、総決起することを訴える。

                         二〇一三年二月二十一日

                                   三里塚芝山連合空港反対同盟
                                   三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団