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                                                                               2008年10月29日
■空港会社が不当な農地明け渡し請求   反対同盟が抗議声明を発表

   
十月十七日、成田空港会社は千葉地裁に市東孝雄さんの農地二ヵ所の明け渡し請求を不当に提起しました。十月二十九日、午後一時半から市東さんの畑で記者会見が行われました。以下は、そこで出された声明です。編集局の責任で、全文を掲載します。


      
  声明


 十月十七日、成田空港会社は千葉地裁に対して市東孝雄さんの農地二ヵ所の明け渡し請求を不当に提起した。この提訴は、欠陥空港の象徴である「へ」の字誘導路を直線化するために、農地法で農地を公用収用するという前代未聞の暴挙である。

 わが三里塚芝山連合空港反対同盟は、満身の怒りを込めて弾劾し、不屈の決意を明らかにした市東孝雄さんとともに、なにがなんでもこの攻撃を粉砕する決意である。

 明け渡し対象の農地は、いずれも市東家が親子代々耕作してきた農地である。戦後農地改革で解放されるべき農地でありながら、手続きが適正になされず、賃借地とされた。この農地を空港会社(旧・空港公団)は耕作者の市東東市さん(当時)に無断で取得(一九八八年)、数々の農地法違反を重ねた上に突然、解約を申し入れてきた。

 解約手続きにあたって千葉県知事は、空港会社の違法性と明け渡し対象地の位置の特定という前提的事実を精査することなく、不当にこれを許可したが、これが今回の不当提訴の根拠となった。

 この攻撃は、「賃貸借契約の解約」の形をとっているものの、紛れもなく空港用地の強制収用攻撃である。成田空港をめぐっては事業認定がとっくに失効しており、空港会社が用地を取得する道は闘いによって閉ざされた。用地取得の方途を失った空港会社は、農地と農民の権利を守るために制定された農地法を違法に使って、農地を取り上げる暴挙に踏みきったのである。

 こうした前代未聞の暴挙は、戦後の農地改革をひきつぎ農民の権利を保障するものとして制定された農地法の解体攻撃と一体である。農業切り捨て・農地破壊と改憲の先取り攻撃そのものであり、反対同盟は全国の農民・労働者・人民の最先頭で闘うものである。

 市東さんの農地とともに、天神峰現闘本部建物を断固として守り抜き、四十二年間不屈の空港絶対反対闘争の勝利へ前進する。

 以上、声明する。
                         二〇〇八年十月二十九日

                          三里塚芝山連合空港反対同盟