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■11月、山場迎える韓国民衆闘争/全国労働者大会、韓米FTA粉砕民衆総決起や平澤の闘いに連帯しよう

 来る十一月十二日、今年も民主労総の全国労働者大会が行われる。続いて十一月十五日から民主労総は、盧武鉉(ノムヒョン)政権の労働者殺し政策に反対するゼネラルストライキに突入する予定であり、十月二十三日から二十七日まで済州島で開かれる韓米FTA第四次協議阻止の全国の農民・労働者の大遠征闘争に続いて十一月二十二日にはソウルで韓米FTA粉砕民衆総決起大会が予定されている。また年内にも住宅の強制撤去が行われようとしている平澤(ピョンテク)米軍基地拡張阻止闘争もアメリカの対北敵対政策―朝鮮半島戦争危機という緊迫した情勢のもとにたたかいが継続しており、十一月の韓国は、労働運動においても、新自由主義グローバリゼーションと対決する民衆生存権闘争においても、また多くの人々が注目と関心を寄せてきた平澤米軍基地拡張問題をはじめとする反米反戦平和闘争の面でも重要な山場になると予想される。

 とりわけ一九九五年の民主労総結成以来、大工場の強力な労組を基盤として高揚を続けてきた韓国労働運動は今、きわめて重大かつ困難な転換点にある。米日をはじめとした多国籍企業の利害の代弁者としての盧武鉉政権の新自由主義政策のもとで激増する韓国の非正規職労働者は現在八百六十万人、韓国労働者総数の60%に迫り、非正規職労働者の生きるため食うための止むに止まれぬたたかい、また労働者としての尊厳を守るための必死の闘争が抑えようもなく噴出している。韓国労働運動は現在、このような非正規職労働者の絶え間ない決起と、これを徹底して弾圧する盧武鉉政権との総対決のなかで民主労総の今後の発展において極めて重要な転換点を迎えている。

 今夏、グローバル優良企業といわれる浦項(ポスコ)製鉄本社との決死の闘争に浦項地域建設労組労働者が決起した。「ノガタ(ドカタ)」と呼ばれ建設現場で最も過酷な長時間重労働に平均で本社社員の36%という低賃金、トイレや食堂など最低限の労働条件さえまともに保障されず、財閥企業と政界との建設汚職の温床である「多段階下請け」の犠牲とされてきた建設労働者が合法的たたかいによって勝ち取った労働協約を反故にし、合法的ストライキには違法な代替労働力を投入してこれを破壊したポスコ本社。これに抗議する浦項地域建設労組のポスコ本社篭城とデモに対して盧武鉉政権は一万二千人の警察権力を動員し、組合員ハジュングンさんを消火器で殴り虐殺するという殺人鎮圧で応えた。盧武鉉政府―労働部はまた、KTX女性乗務員の不法派遣・非正規職化に対して三月以来続けられてきた闘争に対して、「誰も騙すことのできない稚拙な言説で」鉄道公社の派遣行為は適法であったとする決定を下し、全労働者の怒りを買っている。

 このような非正規職問題は、正規職労働者にとっても決して他人事ではないことをこの間の経験から韓国労働者は学びつつある。非正規労働者と連帯し、非正規労働者を現在の韓国労働運動の主人公へ、また非正規問題の解決を労働運動全体の課題へと押し上げることは、歴史的に大工場・本工労働者中心に形成されてきた民主労総の真に全労働者を代表するたたかう組織への発展をたたかいとるうえで避けて通ることのできない決定的課題に他ならない。韓国労働運動はこの間、そのための血のにじむ努力を継続してきた。正規職と非正規職を対立させて支配しようとする資本の論理に抗して、現代自動車労組で全組合員の三分の二以上の賛成投票で決議されたことに象徴される産別労組への転換の努力、非正規労働者自身の決起による現場闘争とそれへの連帯闘争によって、この転換期を資本に強制された御用労組化の方向ではなく、非正規職労働者の課題を自らの課題としてたたかう新たな民主労組運動を建設する方向でたたかい抜いている民主労総に対して、盧武鉉政権は一貫して全体重をかけた破壊攻撃で対応している。現在、民主労総副委員長二名を含む百三十人が拘束中、指名手配は二十一名に及んでいる。

 歴代政権のもとでも最も激烈と表現されるこのような民主労組運動への弾圧の嵐のなか、九月十一日韓国政府労働部は、労使政代表者会議において会議構成団体である民主労総を除外して、韓国労総と経総・大韓商工会議所など経営者団体との間で、「労使関係先進化方案(労使関係ロードマップ)」を合意した。韓国労総が自らの存続のために労組専従費支給禁止三年猶予と引き換えにした二〇〇七年複数労組制の実施の三年猶予、整理解雇時の刑事罰則条項を削除し不当解雇時の金銭保障を容認することで整理解雇の自由を無制限に拡大し、悪名高い職権仲裁を削除する代わりに公益事業範囲の大幅拡大と代替労働の許容によって公共部門でのストライキを無効化することなどを内容とする「大妥協」が行われたのだ。民主労総は、非正規労働者の労働三権保障、公務員・教授・教師の労働三権保障、産別交渉保障と産別協約の制度化、複数労組下の自主的交渉保障、損害賠償仮差押えと業務妨害罪適用禁止、雇用安定保障など民主労総の重要要求事項を議論もしないまま民主労総を排除して電撃的に行われた「大妥協」を「ただの集まり」と規定し、全面的闘争を宣言している。

 このようななかで、労使政代表者会議を含むすべての「労使政対話」への参加の是非について民主労総内部に激しい対立を抱えながらも、民主労総中央は十一月十五日から盧武鉉政権退陣を求め「労使関係民主化立法・非正規権利保障立法をたたかい取り、韓米FTAを阻止する民主労総無期限ゼネスト」を行うことを決定、二〇〇六年度後半の総力闘争としてたたかい抜こうとしている。他方で、九月初旬には階級的労働運動を志向する労働運動内の左派部分が個人参加を原則とする「全国活動家組織・準備委員会」を発足させ、委員長直接選挙制など民主労総の下からの改革に関する動きもいっそう激しくなると予想される。

 十月二十三日から済州島で開かれている韓米FTA第四次協議阻止闘争には、全国から集まった韓国労働者・農民三千が一万人以上の済州島民とともに、「いっそ殺せ!」という横断幕を掲げて戦闘警察の流血の暴力と対峙し、海上デモを行い海に飛び込み韓米FTA阻止闘争を担っている。このたたかいを先頭で担う民主労総副委員長で、済州島遠征闘争団・団長の許榮九(ホ・ヨング)氏は「この地が多国籍資本の国になれば、農民は都市貧民に、正規職は非正規職に、零細商人は露天商に追いやられる。韓米FTAを阻止できなければ労働者を搾取して儲けた金で資本家が農民から奪った土地の上でゴルフをして遊んで暮らす世の中が来るだろう」「韓米FTAは全世界を戦争とテロの恐怖に追いやっている米国に戦争資金を用意してやるのと同じことだ。座視することはできない。民主労総は十一月十五日ゼネストを起点として十一月二十二日民衆総決起の先鋒に立つ」と決意を述べている。韓国労働運動の再生と韓米FTA阻止の帰趨のかかった十一月の韓国のたたかいに注目し連帯しよう。

 

 

 

 

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