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 ■排外主義襲撃集団―在特会との闘い (京都)

  社会的包囲を広範に形成し解体に追い込もう




 昨年十二月四日の在特会による朝鮮学校襲撃事件以降、京都においてはこの暴挙を弾劾し、大衆的に反撃するたたかいが組織され続けてきた。昨年十二月二十二日(火)には、午後七時から京都会館会議場において、「朝鮮学校への攻撃を許さない!一二・二二緊急集会」が約六百人の結集で開催された。わずか十日余りの準備期間にもかかわらず、定員三百八十人の会場は、階段や通路に座り込む人や立ち見の人を含めて、まさに立すいの余地も無い状況であった。これに対して在特会は、何も手をだすことができなかったが、あろうことか一月十四日に朝鮮学校前の公園で集会を行い、学校に対してデモをかけるという再度の襲撃を強行した。さらに一月十六日には、この間の大衆的反撃戦を推進してきた「にっこりネット」の新年フォーラムを攻撃しようとした。これに対して、全関西から結集した日本人と在日の部隊は、朝鮮学校への襲撃を絶対に許さないと大衆的に対峙した。攻防はなお継続している。在特会に対する社会的包囲を広範に形成し、彼らを孤立化させ、解体していくためのたたかいを断固として推進していくことを呼びかけたい。

●在特会による朝鮮学校襲撃をあらためて弾劾する

 十二月四日(金)午後、在特会の十一人が京都朝鮮第一初級学校に隣接する公園を占拠し、公園に置かれていた朝鮮学校の朝礼台、サッカーのゴールポストやスピーカーを実力で撤去し、一時間にわたって朝鮮学校の正門におしかけて、すさまじい差別暴言を朝鮮学校とその生徒・保護者に対して浴びせかけた。そして、朝鮮学校の中にまで押し入ろうとした。
 朝鮮第一初級学校は、民族教育に対する政府・行政からの補助がきわめて限られてきたなかで、教職員や保護者、朝鮮総聯の懸命な努力によって守り育てられてきたものである。学校に校庭は無く、運動会や体育の授業には隣接する公園をやむなく使用してきた。まさにそれは、日本政府がかつての朝鮮植民地支配と侵略戦争の謝罪を誠実になそうとはせず、朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮総聯に対する敵視政策、在日朝鮮人に対する民族的諸権利の抑圧と差別政策を取り続けてきたことの結果に他ならない。このような厳しい状況のもとでも、朝鮮学校は周辺の住民や公園を管理する京都市との折衝を積み重ね、六十余年にわたって何のトラブルもなく公園を使用し続けてきたのである。
 しかし、在特会はこのような朝鮮学校による公園の使用を「不法占拠」だと言いがかりをつけ、十二月四日の襲撃事件を強行したのだ。この事件は、まさに襲撃そのものを目的としたものであった。在特会は、彼らのHPにおいて朝鮮学校への攻撃を予告はしていたが、最後までその日時を公表しなかった。それは、彼らのこれまでの行動パターンからしても異例のことであった。朝鮮学校に防衛体制を取らせず、警察による規制を回避することが目的であったことは明らかである。在特会は、関西においてはこれまでから、大阪市生野区など在日朝鮮人が多数居住する地域を意図的に選んで集会やデモをくり返してきた。われわれは、これらの集会やデモを本質的に在日朝鮮人に対する襲撃だとして批判してきた。そして、ついに彼らは朝鮮学校を標的にするという形で、在日朝鮮人に対する直接的で暴力的な襲撃にまで踏み込んだのである。この日、京都朝鮮第一初級学校では、京都の第一、第二、第三初級学校と滋賀初級学校の高学年の生徒たちが集まって楽しく交流会を行ない、低学年の生徒たちは通常通り授業を受けていた。そこを突然襲撃され、暴力団そのものの口調で「スパイの子」「こんなものは学校ではない」「日本人の土地を不法占拠する朝鮮学校と朝鮮人をたたきだせ」と差別暴言を浴びせかけられ続けた子どもたちの恐怖と屈辱はどれほどのものであったことか。
 われわれは、このような在特会による朝鮮学校襲撃を絶対に許さない。燃え上がる怒りをもって弾劾する。

●ただちに開始された大衆的な反撃

 十二月四日の襲撃事件に対して、朝鮮学校の保護者や教職員、在日朝鮮人の怒り、子どもたちを守り切れなかったという悔しさは、すさまじいばかりであった。その怒りは、在特会のみならず、在特会を生みだし、その排外主義的蛮行を許容してきた日本社会そのものへの告発・批判に向かってきた。京都朝鮮第一初級学校の保護者の一人は、襲撃事件の直後に次のように述べている。
 「今まで生きてきてこんな腹立たしく悔しい思いをしたことがありません。……私が悔しい、腹立たしいと思ったのは、何もその団体に感じたことではありません。……私が本当に許せないのはこのような事態が許されている`この社会の規律と良識aに感じています。……私はこの問題が一部のレイシスト集団の問題ではなく、それを許容する日本社会の`良識aを問いたいです。たしかにこのような集団は日本人の一部かもしれません。`日本人は悪い人ばかりではありません。信じてくださいaとおっしゃりたい方もいるでしょう。そういう意味では日本の方々も被害者かもしれませんが、今回の問題の本質ではありません。明確にこのような事態が起こったことは、これが許されたことになると思います。いまこそ"日本社会の良識"にとうべきだと思っています。
 いままで本当に悔しい思いをいっぱいしてきましたが、もうたくさんです。
 今後このような事態が起こったとき、また私たち朝鮮人は門扉の前で歯を食いしばり、血の涙をのみながら我慢に我慢を続けないといけないのでしょうか?正直に今回子どもたちに`守ってやれなくて申し訳ないaとの考えが頭を離れず、夜も悔しくて眠れませんでした。亡くなった祖父母や一世たちが空の上からこの事態を見ているならば、どんな思いをしてるでしょうか?自分たちの曾孫までもこんな仕打ちをされているのかと嘆き苦しんでいるでしょう」と。
 このような朝鮮学校の保護者をはじめとした在日朝鮮人のすさまじい怒りとしっかりと向かい合いながら、朝鮮学校を守る会・京滋を中心にした大衆的反撃が開始されていった。襲撃された朝鮮学校の生徒たちへの激励の手紙を送ろうという呼びかけが直ちに発せられ、十二月二十二日の緊急集会の開催が決定された。朝鮮学校と朝鮮総聯も大衆的な反撃に取り組み、十二月二十一日には威力業務妨害などで在特会を刑事告訴した。まさに、日本人と在日朝鮮人の共同の闘いとして反撃が組織されていったのである。日本人側では、アジア共同行動・京都などにっこりネットに参加する部分が、朝鮮学校を支える会・京滋を支えて、全力で闘いを推進していった。この過程では、十二月十九日の東京で開催された朝鮮学校襲撃事件の報告集会に在特会が攻撃を仕かけ、また朝鮮学校襲撃事件を良心的に報道した東京新聞が在特会に攻撃されるという事態まで発生した。さらに在特会は、十二月二十一日には、朝鮮学校と朝鮮総聯を公園の不法占拠だとして刑事告発した。こうして十二月二十二日の緊急集会は、在特会との厳しい緊張状態のもとで開催されたのである。

●大成功した緊急集会

 十二月二十二日の緊急集会は、午後七時、主催団体である朝鮮学校を支える会・京滋の共同代表である仲尾宏さんのあいさつから始まった。仲尾さんは、在特会による朝鮮学校攻撃を厳しく批判し、二度と朝鮮学校への攻撃を許さないための努力を呼びかけた。続いて、この集会には日本国内だけではなく海外からも多くの連帯メッセージが寄せられていることが紹介された。
 そして、朝鮮学校と民族教育を紹介する映像と十二月四日の在特会による襲撃事件の記録映像が上映された。はじけるような笑顔で朝鮮学校に学ぶ子どもたちのあとに、学校を襲撃し、聞くに堪えない差別暴言、排外主義をふりまく在特会の姿を見て、集会参加者の在特会への怒りは会場にあふれんばかりであった。つづいて、襲撃された京都朝鮮第一初級学校の校長先生が報告を行なった。校長先生は、静かな口調のなかに怒りをこめ、襲撃当日の様子を報告した。また、在特会が言う「朝鮮学校による公園の不法占拠」なるものが、まったくの言いがかりであって、京都市や周辺住民と協議しつつ、何のトラブルもなく五十年以上にわたって使用してきたことが説明された。そして、このような朝鮮学校への攻撃を絶対許さないために頑張ろうと呼びかけて発言をしめくくった。
 その後に、朝鮮学校の保護者、オモニ会やアボジ会からの発言が行なわれた。とりわけ、「人生のなかでこれほど悔しい思いをしたことはなかった」と涙ながらに訴えるオモニの発言、チマチョゴリをまとい、「いま私は怒りのこぶしを高く高く掲げる」と決然と宣言したオモニの発言をはじめとして、集会は在特会への怒りに満ち、胸をうつ感動的なものとなった。これらの在日からの発言を受けて、日本人側からのアピールが行なわれた。その一人として発言に立った瀧川順朗さん(にっこりネット共同代表)は、在特会が日本社会の排外主義的土壌の中から生みだされ、それを肥やしとして成長してきたこと、そして朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、日本の戦争国家化を推進してきた日本の支配層の別働隊としての役割をはたしていることを厳しく批判し、彼らと断固として対決していくことを呼びかけた。そして、あのような排外主義・差別者集団とたたかう旗印は国際主義であり、在日の仲間への連帯と共同行動を推進していこうと呼びかけた。集会は最後に、あすじゃの学生が集会宣言を読み上げ、力強いシュプレヒコールを行なって終了した。

●朝鮮学校への再度の襲撃を許さない闘いを!

 この緊急集会について、在特会は当然にも把握していたはずだが、何の行動もとれなかった。そして、在特会を「憎悪犯罪」と批判する共同通信記事の配信など、社会的にも非難の声が高まる中で、彼らは一月十四日、再度の朝鮮学校への襲撃を強行した。この日、午後二時ごろから朝鮮学校前の勧進橋児童公園に集結した彼らは、十二月四日の襲撃を正当化し、再び朝鮮学校と民族教育を罵倒する差別暴言を叫び、朝鮮学校に向けてデモをかけようとした。しかし、今回はHP上で予告された集会とデモであったので、学校側は子どもたちを防衛するために最大限の措置をとった。また、学校からの警備要請にもとづき、学校前の道路は警察によって完全に封鎖され、五十人ほどの在特会は警官によって包囲され、学校に対して直接的な暴力的襲撃を加えることはまったくできなかった。その後、在特会は学校周辺の地域をデモしたあと、拉致被害者支援のブルーリボンを届けるという口実で、解散地点から再び学校におしかけようとして警察に阻止された。
 これに引き続く一月十六日、在特会は京都の「ひと・まち交流館」において開催されたにっこりネット新年フォーラムへの攻撃をもくろんだ。彼らは、HPにおいて十二月二十二日は見逃してやったのに、在特会を「憎悪犯罪」などと批判することは許せない、もう堪忍袋の緒が切れたので攻撃すると宣言し、約三十人ほどが会館と道を隔てた反対側の歩道に集合した。午後四時三十分ごろから彼らはハンドマイクを使って差別暴言を浴びせはじめた。これに対して、京都をはじめ関西各地から結集した日本人と在日の部隊は、「朝鮮学校への攻撃を許さない!民族教育を守り抜こう!」と書いた横断幕、また「排外主義とたたかうネットワーク・関西」の横断幕などを掲げ、在特会と大衆的に対峙した。そして、数度にわたってシュプレヒコールをあげ、朝鮮学校への襲撃を絶対に許さないという怒り、在特会を封じ込め、解体していくという決意を彼らに突きつけた。
 京都の朝鮮学校をめぐる攻防はなお継続していく。彼らによる襲撃から朝鮮学校を防衛するために努力するとともに、在特会を社会的に包囲し、彼らを孤立化させ、解体していくためのたたかいを本格的に推進していくことが求められている。すべての皆さんにこのたたかいへの結集を呼びかける。

 

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