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 ■3・28三里塚現地に総決起しよう

  営農・生活破壊許すな! 農地強奪を打ち砕こう




 千葉地裁民事第五部仲戸川裁判長は二月二十五日、天神峰現闘本部強奪裁判の判決を言い渡した。判決は、現闘本部の撤去―明け渡しを認めた。空港会社の主張を全面的に受け入れた反動判決である。しかしながら、空港会社が要求していた「仮執行宣言」は付けられなかった。不当提訴から六年、二十二回にわたる口頭弁論を反対同盟、弁護団、支援が一体となってたたかって「仮執行宣言」―現闘本部即時破壊の攻撃を押しかえしたのだ。なにより、判決まで、毎週の千葉市情宣、さらに判決当日には三百八十五名が結集し裁判所を圧倒するデモをたたかった。反対同盟の正義がはっきりと示された。2・25反動判決直後の総括集会で反対同盟各氏は仲戸川裁判長を絶対に許さないと怒りをこめて弾劾した。弁護団は即日控訴することを明らかにした。しかし、この総括集会は「仮執行宣言」をうち破った勝利感に満ちた集会であった。たたかって勝利をつかみとっていく展望を強く確認し、3・28全国集会への総決起があらためて提起された。


●第1章 天神峰現闘本部破壊絶対阻止

▼@現闘本部強奪の千葉地裁判決を弾劾する

 空港会社の言いなりになった仲戸川の2・25判決の反動性は、この裁判の全過程、とりわけ結審を前後する訴訟指揮にはっきりと表われていた。
 空港会社は、現闘本部の土地を取得したことを根拠に、現闘本部の建物そのものを強奪しようとしてこの訴訟を起こしていた。しかし、現闘本部は登記された建物であり、反対同盟は地主だった石橋政次氏との間で賃貸借関係を継続してきたのであって、反対同盟は正当な地上権を有している。
 空港会社は、この事実を承知の上で、現闘本部の木造建物は八八年の増築段階で存在しなくなったと主張し、賃貸借関係の事実も否定してきた。ペテンを積み重ねた主張は、事実調べを行なえば崩れ去るのは明白だ。しかしながら、仲戸川裁判長は、全面的に空港会社と結託し、会社側証人に対する反対同盟側の反証の機会を与えず、また、現闘本部そのものの実地検証を却下した。その根拠を追及されても最後まで答えようとはしなかった。
 しかも、空港会社側代理人は結審直前になって「訴状訂正申立」をおこなった。空港会社側の訴状そのものが非常にずさんなものだったということだが、この内容は「訂正」ではない。水道管などの物件を新たに対象物件としており、明け渡し対象地そのものが八・九坪も増えるというものだ。これは拡張変更であり、変更内容に関して「被告」=反対同盟側が同意していない以上、この拡張変更について反対同盟側の防御権、反証の機会が与えられなければならない。しかし、仲戸川裁判長は、空港会社側の主張どおりに「訴状訂正」として認め、反対同盟弁護団の異議申し立てを却下した。
 反対同盟と弁護団は一月二十八日に、千葉地裁に対して口頭弁論再開申立書を提出した。仲戸川裁判長は、空港会社の拡張変更についての審理を行い、実地検証をはじめとして事実調べを十分に行なわなければならない。しかし、仲戸川は判決日直前になって、弁論再開申立を却下した。審理は途中であり、むしろ、これから本格的な事実調べがなされなければならない段階で、これを打ち切って判決を強行したのだ。
 弁護団は判決当日に裁判長忌避を申し立てたが、千葉地裁はこれを却下した。弁護団はさらに法廷においても改めて弁論再開の意見陳述をもってたたかったが、仲戸川は判決を強行した。仲戸川は小声で判決を言い渡すなり、法廷から逃げ去ってしまった。怒号の中で記者たちも判決文を聞き取ることができなかった。まさに、国策裁判としての反動判決が人民に指弾された瞬間だった。

▼A農地強奪に連動する現闘本部破壊攻撃

 天神峰現闘本部裁判は、現闘本部の強奪―撤去を狙った訴訟である。三里塚闘争の現地攻防の拠点となってきた現闘本部を破壊することをもって、三里塚闘争を押しつぶすことを意図した攻撃だ。
 空港会社は、この土地の所有権を根拠に、現闘本部建物総体にも手をかけ、これを破壊しさろうとしている。そもそも、この現闘本部の土地を奪うことは空港建設それ自体に意味を持つわけではない。隣接した市東孝雄さんの農地が耕されており、「への字」の誘導路を作り直せるわけではない。それでも空港会社が現闘本部を強奪しようというのは、なにより三里塚闘争の拠点を破壊するためなのだ。
 土地収用法でも農地を奪えず、成田治安法でも闘争を潰すことができなかった。決して屈することなくたたかう反対同盟に対して、闘争の根拠を奪い去ることで、三里塚闘争をどうにかして鎮圧したいと考えているのだ。空港会社は、岩山記念館の土地も買収して、この強奪―破壊をも狙っている。四十四年にわたって農地死守―実力闘争を貫いてきた反対同盟は、このような卑劣な攻撃に屈するものではない。
 現闘本部裁判判決は、この間、空港会社が反対同盟・反対同盟員を「被告」として起こしてきた訴訟の中で、最初の判決であった。空港会社や千葉県はこの現闘本部強奪裁判以降、農地強奪を「訴訟」の形式で進める攻撃に拍車をかけてきた。農地強奪を目的にした市東さんに対する裁判、鈴木さんに対する一坪共有地強奪裁判である。千葉地裁の裁判官たちは、空港会社の意図を国家の意思と捉えて、これに全面的に追随して訴訟指揮をとってきた。現闘本部の判決は、千葉地裁で現在係争中の農地強奪裁判の方向性を決めるものであり、農地強奪に連動する攻撃としてかけられたのだ。
 そうであるからこそ、われわれは、現闘本部強奪を絶対に阻止する。国土交通大臣による成田治安法・封鎖処分をかけたまま、実地検証すら行なうことなく、証拠もろとも全て破壊しようとする、この権力犯罪を絶対に粉砕しなければならない。控訴審で仲戸川判決をくつがえしていかなくてはならない。


●第2章 裁判―現地闘争を闘い市東さんの農地死守を

▼@農地強奪裁判を絶対に許してはならない


 空港会社は市東さんの農地をなんとしても奪おうとして、二つの訴訟を起こしている。一つは、市東さんの農地の一部を「不法耕作」と決め付けて、耕作権を強奪しようとしている訴訟―「耕作権裁判」であり、もう一つは農地法を「根拠」にして耕作地を強奪しようとする訴訟―「農地法裁判」である。
 「耕作権裁判」においては、土地の特定そのものが間違っており、訴訟そのものが成立しないというべきずさんなものだ。空港会社は、現場での土地そのものの実測を行なっておらず、航空写真に線を引いて机上で作成したものに基づいて土地を「特定」したとしているに過ぎない。地主とも耕作者とも無関係なところでなされたがゆえに、市東さんが実際には耕作していない土地を「特定」してしまったのだ。
 さらに、空港公団(現空港会社)は、市東東市さんにも孝雄さんにも何ら通知することなく、隠然と地主から農地を取得しているが、この公団の本社は東京に存在していたのであり、農地法第六条で禁じられている不在地主による農地取得だったのだ。そもそも、「農地法を根拠に農地を奪う訴訟」などということが本末転倒であるのだが、このような違法行為はまさに権力犯罪ゆえの陥穽というべきだろう。農地法による農地強奪を絶対に「合法」とさせてはならない。

▼A第三誘導路建設―団結街道廃止計画弾劾!

 東峰・天神峰の農道・地形そのものをずたずたに破壊してきた空港会社と成田市は、第三誘導路建設を画策し、団結街道の封鎖・トンネル化をも強行しようとしている。営農破壊、集落の破壊を絶対に許してはならない。
 二月三日、空港会社職員と成田市職員が市東さん宅に、団結街道の廃道と宅地隣接道路の地下道化の通知を持って訪れた。市東さんは個別の話し合いを拒絶し、反対同盟として二月十日に小泉成田市長追及に立ち上がった。反対同盟は「団結街道の廃道化を徹底弾劾し、計画中止を要求する」という文書をもって市長に対する弾劾・追及行動を行った。小泉市長は「不在」で、片山敏宏副市長など八人が対応した。
 昨年七月に空港会社が第三誘導路建設の提案を行い、成田市はこの提案を「安全面、効率面」などという理由でそのまま受け入れた。そのために、反対同盟が「団結街道」と呼んできた天神峰現闘本部に通じる市道「十余三天神峰線」を廃道にするというのだ。この道路は、小見川県道と国道五十一号線をつなぐ道路であり、東峰、天神峰、十余三、堀之内など近隣住民の生活道路である。「用地内」反対同盟市東孝雄さんにとっては、自宅と畑をつなぐ道路であり、この道路の廃道は市東さんの営農を直接妨害するものだ。
 反対同盟の怒りは頂点に達している。東峰の森を破壊して新誘導路建設を強行し、昨年七月に供用開始したと同時に、「安全面、効率面」のために「第三誘導路」が必要として、その計画を打ち出した。暫定滑走路そのものが無謀な計画だったのだ。「への字」に歪んだ誘導路、東峰の森を破壊した誘導路、そして、今度は、団結街道を破壊しての第三誘導路と、危険極まりない増設を繰り返していく。こんなずさんな工事の積み増しこそ、非効率であり、安全性とはかけ離れていることは明らかだ。
 市東さんの家屋と畑を両側から誘導路で挟みこみ、団結街道を廃道にして市東さんの営農破壊を策す。第三誘導路建設は直接にそういう攻撃なのだ。そして、現闘本部強奪裁判判決とともに、この団結街道廃道―第三誘導路建設はある。三里塚闘争の拠点を強奪し、「用地内」の孤立化をはかり、農民を叩き出そうとする攻撃だ。


●第3章 反帝闘争の拠点―三里塚に全力で結集を

▼@鳩山―前原の航空政策と成田空港の位置

 一月十九日、日本航空は会社更生法の適用を申請した。官民が出資する企業再生支援機構の管理下に置かれ、「三年以内の経営再建を目指す」とされている。日航は倒産したのであるが、放置すれば日帝の航空政策が大混乱することになるという事態ゆえに、実質的な国有化をもって救済したのである。前原国交相自身が「公共交通機関であることを理由に、本来なら清算するような会社を立て直すということだ」と語っている。
 一九五一年の航空機運航禁止解除をうけて、政府出資の特殊法人として設立された日航は、八七年には「民営化」されたが、運輸省―現国土交通省の意を受け、人的にも緊密な関係をもって、ナショナル・フラッグ・キャリアとして経営されてきた。日航は、成田にも羽田にも最多の発着枠を優先的に配分され、日帝の航空政策―空港政策を体現してきた。この日帝の国策会社が二兆三千億円の負債を抱えて経営破綻した。
 国策会社であるがゆえに、採算の合わない国内地方空港への路線を担わされて赤字がかさんできたという報道もあるが、日航経営破綻の最大の要因は国際線だった。日航は成田発着枠の27・2%を押さえ、赤字を抱えながら国際線に大型機を飛ばし続けてきたのである。全日空は二〇一〇年度から、B747(ジャンボ機)を最新鋭中型機B787に入れ替える計画に着手している。前原は「日本でメガキャリア(大手航空会社)が二社いるのかどうかも含め、航空行政としては注視していかないといけない」と発言している。国際線の需要が激減している中で、日航・全日空を同じ路線に飛ばしていても小さなパイを奪い合うことにしかならない。国際線を飛ばすメガキャリアは一社でいい、という意味だ。日航破綻の事態の中でのこの発言は、日航の経営再建の中で、国際線の採算がとれなければ日航を無くすことも含んでいる。
 ここで、日航か全日空かの論議をしようというのではない。このような事態の中で、成田を国際空港として維持し、かつ、暫定滑走路を「ジャンボ機が飛ばせる」滑走路に延伸するなどとして強行してきた工事とは何なのか、ということだ。それはまた、「ジャンボ機が地上走行するため」として、第二誘導路建設を強行し、さらに、第三誘導路まで計画するということは何なのか、ということだ。
 暫定滑走路の延伸と新誘導路建設こそ、日帝の航空政策が非常識、無計画そのものであったということを示している。そこには一片の「公共性」もないどころか、企業の経営としても成り立たない。暫定滑走路の延伸によって、ジャンボ機を新たに飛ばすなどということは、日航の破綻の原因をつくり、「公的資金」という形で人民の財政負担を増やすだけなのだ。

▼A空港会社社長森中の焦りにかられた暴言

 成田空港会社社長森中小三郎は一月四日、年頭のあいさつと記者会見で、「東峰地区の未買収地」に関して「年内に解決したい」と発言し、その理由に関して「二千五百メートルは安全性や利便性の面で短い」と述べている。日航が経営破綻し国際線を一社にしていく論議まで始まっており、一方では、本年十月には羽田空港の第四滑走路が供用開始され、羽田国際化はさらに拡大する。空港会社は昨年、七月に新誘導路供用開始、十月に北延伸滑走路供用開始を強行してきた。しかし、そもそも、国際線を成田に、国内線を羽田にと分離してきたがゆえに、成田はハブ空港にはなりえない。芝山町長相川や成田市長小泉は、深夜早朝の飛行時間拡張というとんでもない主張を始めているが、内陸空港の二十四時間化は不可能である。このような成田の「国際空港」としての位置はますます下がっていく。この事態の中で、成田空港会社は焦りにかられて、農民叩き出し攻撃を激化させているのだ。
 韓国・仁川空港のようなハブ空港を軸にアジアの航空運輸産業が再編されていこうとしているときに、ハブ空港になりえない成田を国際空港とし、「内際分離」を護持すること自体が時代錯誤となっている。成田空港会社や国交省官僚の利害で、暫定滑走路の延伸や新誘導路建設を強行することを、これ以上続けさせてはならない。そもそも、「安全性」を云々するなら、まずは暫定滑走路を即刻閉鎖することだ。
 国土交通省がまずなすべきことは、公的資金をつぎ込んで日航を再建することよりも、この営農破壊、生活破壊の工事を即刻止めることだ。

▼B軍事空港建設阻止! 3・28三里塚現地へ

 国交省、空港会社、千葉県、さらには司法権力も、航空政策上は意義が見出せないはずの成田空港建設を強行しようとしている。そこには、反帝闘争拠点を鎮圧しようとする日帝国家権力の意図が貫かれている。
 成田空港の経済的利権だけではない。国家権力に実力で叛逆し、四十四年にわたってたたかい続けている三里塚闘争を、国家権力として認めることができないのだ。自公政権も鳩山連立政権も、このことは同じであり、空港会社やこれに結びついた企業の利権確保に目をつむり、危険極まりない暫定滑走路拡張と第三誘導路建設を止めようとはしない。それだけではない。反戦闘争―反帝闘争の拠点、三里塚闘争を圧殺し、成田を軍事空港、侵略反革命出撃拠点として確保しておく攻撃において一貫しているのだ。
 前原国交相は「ハブになりうるのは羽田だ」としながら、成田を廃港にしようとは決してしない。羽田を補完する空港として成田を位置付け、首都圏域総体の国際線の発着枠を確保することで、アジアにおけるメガキャリアの国際的な競争に伍していく根拠をつくろうとしているのだ。利権だけで成田空港建設を強行してきた自公政権とは位置づけ方が異なっても、農民を叩き出して空港建設を強行する手法をそっくり引き継いでいくところに変わりはない。
 日帝がまさに帝国主義としての利害として成田空港建設の危険極まりない存続と拡張を、農民の生活を押しつぶして強行するならば、われわれは断固反対し、これを打ち破る。反対同盟は闘争の中で、このことを見極め、まさに体を張ってたたかってきた。2・25千葉地裁闘争において「仮執行宣言」を粉砕し、反動攻撃を押し返す展望をつかんだ。反対同盟は勝利に向かってさらなるたたかいに挑んでいこうとしている。ここにこそ、日本の階級闘争を切り拓いていく大きな根拠がある。
 団結街道廃道化―第三誘導路建設、農地強奪裁判という攻撃が切迫する中で、3・28三里塚全国集会は開催される。
 名護市長選勝利から辺野古新基地建設絶対阻止、普天間基地即時撤去をたたかう沖縄解放闘争ともしっかり結び、反帝闘争の拠点―三里塚に全力で結集しよう。


 

 

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