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   6月アジア共同行動を、日韓労働者の連帯で闘おう

  被災者の救援・生活再建のために闘おう!
                       
  すべての原発を即時停止し廃炉へ

  日米軍事同盟に反対し、すべての米軍基地撤去を




 3・11東日本大震災は、大地震、大津波、福島原発事故によって、未曾有の被害をもたらしている。いま、求められているのは、政府と電力独占資本を弾劾し、被災者の救援と生活再建のために総力を挙げてたたかうことにあり、また、原発の停止・全廃にむけた全人民的政治決起を総力で組織することにある。同時に、この震災に際して、日米両軍の大規模な出動によって、日米両軍への国民的支持を積極的に形成し、全国の反基地闘争を解体していこうとする攻撃に対して、反撃を早急に組織することにある。アジア共同行動日本連絡会議は、韓国の仲間を迎えて、日韓労働運動の連帯、原発全廃、アジアからの米軍と米軍基地一掃を掲げて、全国で六月アジア共同行動を開催することを呼びかけている。この呼びかけに応え、六月アジア共同行動の成功を実現するために、ともに総力で奮闘しよう。


 ●1 許し難い政府と電力独占資本

 多くの人々が命を失った。また、多くの人々が、家族、友人を失い、仕事、家屋を失い、いまだ、仮設住宅にも入ることができずに苦しんでいる。多くの住民が放射能の恐怖におびえている。原発労働者は、被曝の危険にさらされながら働くことを余儀なくさせられている。農業や漁業も壊滅的な被害を被りつつある。警戒区域や計画的避難区域に指定された住民は、今後、何十年にもわたって、否、もう二度とこの地にもどれないのではないかという将来への不安にたたき込まれている。いまだに多くの人々が行方不明のままであり、しかも、福島第一原発周辺では、放射能汚染のため捜索さえできない状態がひと月も続いてきた。こうした未曾有の被害をもたらし続けている一切の責任は、政府と電力独占資本にある。政府も、電力独占資本も、大地震も大津波も、そして、これによる福島原発事故も、すべてが「想定外」だったと口をそろえている。だが、それは全くの嘘であり、自らの責任を隠蔽し、被災者への補償責任をちょっとでも軽くしようという魂胆に貫かれている。そもそも、東北太平洋沿岸地方における大地震、大津波、さらにこれらによる原発事故の可能性は、一貫して指摘され続けてきた。しかし、こうした声を無視し、コスト削減と利潤追求のために、「安全神話」を作り上げてきたのが、歴代の政府と電力独占資本であった。それどころか、原発を核武装のための条件として推進し、莫大な独占利潤を獲得しながら、国策として原発を各地に建設してきた。
 しかも、大震災発生後の政府と東電の対応は許し難いものである。政府は、被災地域を日米両軍に制圧させつつ、救援活動、救援物資の輸送、医療活動、捜索活動など、そのすべてにおいて後手後手にまわった。それだけではない。福島第一原発事故後、東電は、廃炉になることによる損失を恐れて、海水注入を遅らせ、被害を拡大させた。自ら収拾がとれない事態を招きながら、大量の放射性物質を海に放出した。歯止めない放射能汚染の拡散という事態のなかで、政府と東電、原子力安全・保安院、原子力安全委員会などは、情報を完全な統制下におき、原発推進派の御用学者を総動員して「ただちに健康に被害はない」、「安全だ」と、事態の深刻さを覆い隠すことに躍起となってきた。だが、放射能汚染の拡散はますます広がり、政府は、半径二十キロメートル圏内二市五町二村(二万七千世帯八万人)を立ち入り禁止の「警戒区域」に指定し、さらに、三町村全域と二市町の一部を「計画的避難区域」、三町村全域と二市の一部を「緊急時避難準備区域」とし、住民の強制移住が開始されている。また、一部地域の農業・漁業の「禁止」、出荷制限、輸出禁止、「警戒区域」内の家畜殺処分、さらには放牧禁止区域の設定にむかうことなどを決定し、こうした地域の住民をとほうもない生活破壊と生活不安のなかにたたきこんでいる。こうした人々に対して、賠償額をできるだけ低く押さえようとしているのが政府なのであり、無条件かつ無制限の全面的な生活補償がなければ、こうした決定の強制は、まさに棄民政策に等しい。加えて、許し難いことは、事態の推移とともに、政府は、あらゆる領域で被曝線量基準を次々と緩めていることである。特に、学校などの校庭利用をめぐる二十ミリシーベルトという許容被曝線量の決定は、こどもたちを危険にさらす許し難いものであり、これに抗議して内閣官房参与が辞任するという事態さえ招いた。原発労働者に対しても同様である。次々と基準をゆるめ、原発労働者を被曝にさらし続けている。しかも、その八割は被災者であり、多くが非正規労働者である。政府と東電は、放射能汚染に基づく農業や漁業被害などの被害者への補償金をできるだけ低くおさえようと画策している。絶対に許すな。放射能の恐怖にとどまらない。すでに、失業給付を申請した労働者だけでも四月二十九日段階で七万人を越えた。実際は、これを上回る莫大な失業者が生み出されている。被災した労働者の雇用を守るたたかいは急務である。被災者の雇用を守り生活を再建するたたかいは、被災者の要求に基づいて、無条件、制約なしのものとして実現されねばならない。雇用保障と並んで、家屋を喪失した莫大な数の人々に、全面的な補償がなされねばならない。現行法では、さまざまな制約が課されており、まったく不十分なものでしかない。阪神大震災でも、倒壊した住宅ローンを払い続けねばならず、しかも新たな住宅ローンを抱えるという二重ローンで破産した被災者が多く生み出された。このように、現行法のもとでは、被災者の多くが、新たな貧困層へと追いやられるしかない。被災者に対する生活補償は、被災者の要求に基づき全面的に行われねばならず、それはまた、すべての外国人に対してもまったく同等になされねばならない。
 さらに、政府は、「復旧・復興」にむけて、「震災特需」さえ見込んでいる。大資本の利益追求の絶好の機会と考えているのだ。一方で、復興予算に消費税大増税さえ打ち出した。貧しき者からより多く搾り取るのが消費税である。しかも、被災者からも搾り取るというのである。絶対に許すな。また、国家公務員の給与一割をカットし復興予算に当てるということも打ち出した。こうした賃下げ攻撃を許してはならない。労働者階級、民衆から、搾り取ることで復興財源を確保しようとする一切の策動を許してはならない。復興財源は、二百兆をゆうに上回る内部留保をため込んでいる大企業から吐き出させるべきなのである。大企業の内部留保を吐き出させる特例措置や、中小企業を除外したうえで大企業のみを対象とする法人税増税などこそが必要なのである。政府の被災者に対する救援・生活再建はまったく不十分であるばかりか、被災者のみならず、労働者人民をより一層苦しめるものだ。
 そればかりでない。震災発生から、政府とマスコミは一体となって、「国難」を語り、「挙国一致」の翼賛体制を大宣伝している。未曾有の被害を前に、階級対立や階級闘争は消え去り、こうしたことを口にすること自体が「非国民」であるかの如き風潮が形成された。こうした一環として、天皇の被災地訪問が演出された。大震災を利用した挙国一致の翼賛体制を形成しようとする階級支配の強化を許すな。階級闘争の圧殺策動を許すな。ましてや、階級闘争を「自粛」させようとするなどはもってのほかである。労働者人民は、さまざまなかたちで、被災者支援に取り組みだしている。人民どうしの連帯と共助の活動が決定的に重要である。被災者支援活動を、政府と東電を弾劾し、あくまで、被災者の要求を全面的に支持し、その実現のためにたたかわねばならない。同時に、こうしたなかで、四月の統一地方選では、原発を有する自治体では、原発の是非を真正面から問うことを推進派が回避することで、原発推進派の多くが勝利した。だが、それは一時しのぎに他ならず、原発をめぐる世論のより大規模な分裂と反原発への流れが大きくなることは決して押しとどめることはできない。また、大阪では、橋下知事の地域新党である維新の会が圧勝した。東京では、東日本大震災を、「我欲」に対する「天罰」と言い、被災者を冒涜した石原が圧勝する始末であった。民主党政府への失望が、大阪では維新の会、名古屋では減税日本などに流れている。こうした連中は、ポピュリズムと言うべき危険な流れに他ならない。特に、橋下は、朝鮮学校に対する教育内容への露骨な介入による府の補助金凍結を実行し、反朝鮮民主主義人民共和国キャンペーンを自ら英雄気取りで扇動している。また、福島原発事故に対する人々の不安を見て取るや、脱原発を口にし、新規原発の停止を売りにする。が、本気で脱原発にむかう気などまったくない。しかも、こうした一方で、やっていることと言えば、統一地方選をまえに大阪府警が釜ヶ崎で七名を逮捕するという大弾圧を繰り広げているのだ。維新の会のブームのなかで当選した大阪府吹田市議のなかには、在特会と行動を共にしてきたメンバーさえいるのだ。こうした流れが、より全国的な流れになる可能性も否定できない。こうした部分を許さず、たたかいを強めねばならない。


 ●2 すべての原発廃止へ、全人民的政治決起を

 いま、原発の停止・全廃にむけて全人民的政治闘争の組織化が求められている。福島原発事故で、「安全神話」は完全に崩壊した。福島第一原発事故は、一度に四基で大事故が起こるという同時多発性、冷却に失敗し炉心溶融を引き起こし再臨界の危機に突入していること、すでに大量の放射能汚染を引き起こし、かつ、拡大させ続けていること、それ故に、チェルノブイリ原発事故に並ぶ史上最悪の大事故となった。
 事態の推移とともに、多くの人々が、反原発とエネルギー政策の根本的な転換を要求し始めた。首都圏では、反原発の集会やデモが、数千人の規模で連続して始まり、素人の乱よびかけのデモには一万五千人が結集した。関西でも、反原発諸団体が共催して、三千五千人の集会が大阪で開催された。東電前には、抗議の声が連日たたきつけられ、さらには、関電や九電に対しても包囲行動が連続して呼びかけられている。全国各地で反原発のたたかいが起こりだしている。いまや反原発の人民の声は日増しに大きくなっている。
 だが、この期に及んでも、政府と電力独占資本や経団連をはじめとする原発推進派は、原発推進をやめようともしない。そればかりか、東南海大地震が予測されているにも関わらず、浜岡原発(静岡県)の運転を停止しようともしない。しかも、四月二十八日には、定期検査中だった三号機の再稼働を発表しているのである。原発が集中する福井(十四基)ではその津波対策は、おしなべて二メートル前後というお粗末さなのだ。世界最大規模の原発である柏崎刈羽原発(七基)は、活断層の直近にある。二〇〇七年の新潟中越地震では、運転中だった四基すべてが停止し、施設の損壊、建屋内の漏水、変圧器の火災が発生し、微量ではあったが放射能漏れも起こしたのである。いまでも、三基は止まったままなのである。柏崎刈羽原発は、福島原発事故を受けて、あわてて、津波対策を三・三メートルから七メートルへと引き上げたが、それでさえ、今回、三陸地方を襲った津波の高さにはとどかないのだ。この地震列島において、第二第三の福島原発事故が発生する可能性はあまりに高いのである。
 そもそも、日本の原発政策は、一九五四年に中曽根康弘などが中心になって、原子力関連予算案を通したことが出発点となった。翌一九五五年には、「原子力基本法」を柱とするいわゆる原子力三法が制定され国策として推し進められていった。それは、最初から、核武装への野望と分かちがたく結びついたものであった。一九六五年には、東海原発が初臨界に達し、翌一九六六年から営業運転を開始(一九九八年運転終了)して以降、今日まで、北海道、青森、宮城、福島、茨城、新潟、石川、静岡、福井、島根、愛媛、佐賀、鹿児島の各道県に原発が作られ、現在では、十七原発五十四基に及んでいる。こうして、日本は世界有数の原発大国にのし上がってきた。さらに、新たに建設中のものが、青森の大間原発、同じく青森で、本年一月から工事が始まった東京・東通原発、島根原発の三号機、計画中だったものが、青森の東北・東通原発の二号機、福島第一原発七号機八号機、敦賀原発三号機四号機、静岡の浜岡原発六号機、鹿児島の川内原発三号機、また、山口県の上関原発、福島県の浪江・小高原発計画は、まったく新たに建設するというものであった。加えて、高速増殖炉もんじゅ(福井県)がある。高速増殖炉は、運転しながら核燃料(プルトニウム)を増殖するという「夢の原子炉」と宣伝され、一九八五年着工、一九九一年から性能試験を開始した。しかし、二度にわたる事故を引き起こし、復旧の目処がたっていない。これまでに、もんじゅだけに二兆四千億円もつぎこんでいるのだ。技術上も含めてその危険性の度合いは、軽水炉原発等とは比較にならないほど大きい。それ故に、各国が高速増殖炉建設から撤退するなかで、政府は高速増殖炉に固執しようとしているのである。日本の原発政策はそれにとどまらない。国策として原発輸出を促進することに力を入れ、つい最近もベトナムへの売り込みを取り付けているのである。
 福島原発事故は、原発の危険性を満天下にさらけ出した。すべての原発・原子力施設は、廃止されねばならない。いわんや、新規の建設などもってのほかである。上関原発をはじめ、すべての新規建設計画は、白紙撤回されねばならない。稼働中の原発は、すべて停止し廃炉にせねばならない。原発に依存しないエネルギー政策への根本的転換を実現しなければならない。ところが、政府や、電力独占資本におとらず、原発推進に固執しているのが連合指導部である。反原発の全人民的政治闘争に敵対し、連合傘下の労働者の決起を封じ込めているのが連合指導部である。絶対に許すな。連合指導部の制圧を乗り越え、原発の全廃へ労働者の決起を。日本共産党も、原子力の平和利用という立場から、安全優先の原子力政策への転換などと主張している。だが、こうした態度は、原発の全廃にむけた全人民的政治闘争の爆発を抑止する実践的役割を果たしている。また、日本政府や電力独占資本と、米、仏などの原発大国は、反原発の流れをくい止めるために、国際的な協力と結束を強めている。
 こうしたなかで、いまこそ、あらゆる制動をはねのけ、原発の廃止にむけたエネルギー政策の根本的転換を求める全人民政治闘争をともに組織していくことが急務なのである。原発廃止は、まったく可能である。世界中で、福島原発事故を機に、反原発のたたかいが広がっている。ドイツでは、二十五万人がデモを行い、ドイツ政府は、脱原発政策を再度決定せざるをえなかった。インドでは、原発を阻止するためのデモが激しくたたかわれデモ参加の漁民一人が警察に射殺された。タイでは、政府が、原発一号機稼働の「計画凍結」を発表せざるをえなくなった。イタリアやフランスやスイス、カナダなどでも反原発のうねりが急速に広がっている。チェルノブイリ原発事故二十六年を迎えた四月二十六日にむけては、世界中で反原発の同時行動が繰り広げられた。反原発は、世界の流れとなった。「ノー・モア・チェルノブイリ、ノー・モア・フクシマ」は世界の声となった。原発推進派の国際的結束に対して、反原発の国際的なたたかいと連帯し、日本における反原発闘争の全人民的政治決起をつくりだしていこう。
 同時に、原発の全廃にむけたたたかいは、日本帝国主義の核武装への野望と、核武装を可能とする産業的基盤そのものを一掃するたたかいである。さらに、すべての核兵器を全廃するたたかい、また、実際は、すでに核で武装されている日米軍事同盟を破棄するたたかい、すべての米軍基地を一掃するたたかい、これらとしっかりと結合するものとして反原発闘争をたたかうことを必要としているのである。


 ●3 日米軍事同盟に反対し、すべての米軍基地撤去を

 いま、日米軍事同盟に対する反撃が総力で開始されねばならない。前述したように、反原発闘争と反戦・反基地闘争を固く結合してたたかわねばならない。今回の東日本大震災に際して、自衛隊は十万六千人を出動させ、米軍は「トモダチ作戦」と称して一万六千人を出動させた。自衛隊は、戦車も出動させた。米軍は、第七艦隊の空母ロナルド・レーガンをはじめ、艦船二十隻、百六十機の航空機を出動させた。また、自衛隊は、中央特殊武器防護隊を、米軍は、海兵隊放射能等対処専門部隊をそれぞれ投入した。これは、対テロ・核対処部隊である。被災地は、軍隊に全面的に制圧され、救援活動が軍隊の主導で進められた。
 そのことには大きな目的があった。まず、日米両軍の出動は、有事に対応した日米軍事出動として行われたのであり、実際に、日米軍事同盟の実践的強化を一挙に押し進めるものとして行われたということにある。有事に対応する「日米共同調整所」が、陸上自衛隊仙台基地、防衛省、横田基地在日米軍司令部の三カ所に設置され、日米両軍の共同作戦が進められた。「実態的には朝鮮半島有事を想定した訓練ともなった」と外務省幹部が言っている(『毎日新聞』四月二十二日報道)ように、これはまさに有事における日米共同作戦として行われたのである。もうひとつは、日米両政府が、日米軍事同盟の存在意義を示す絶好の機会としようとしたことにある。この間、日米両政府が進めようとしてきた米軍再編-日米軍事同盟の再編強化は、沖縄や岩国をはじめとした各地の住民の反対運動の前に、その実現さえ危ういところにまで追いつめられてきていた。普天間基地移設と辺野古新基地建設、岩国への艦載機移設など、もはや、実現の可能性さえ危ういものへと追い込まれていたのだ。加えて、前沖縄総領事メイによる沖縄差別発言などが暴露されることで、米軍は崖っぷちに立たされてきた。こうしたなかで、米軍の「トモダチ」作戦と銘打った出動は、まさに、こうした状況を一挙に打開し、米軍に対する、日米軍事同盟と米軍基地に対する、世論の積極的支持を取り付け、そのことによって、反米軍基地闘争を孤立させ解体させること、一挙に、辺野古新基地建設や岩国への艦載機移設などを押し進め、米軍再編を軌道に乗せることを狙ったものであった。政府やマスコミはこぞって、自衛隊と米軍を賛美する一大キャンペーンを繰り広げた。
 一方で、岩国米軍基地への艦載機移設に反対し、愛宕山に米軍住宅を作ることに反対してきた「愛宕山を守る市民連絡協議会」は、愛宕山を米軍住宅にするのではなく、被災者の仮設住宅にすることを提案している。また、宜野湾市は、返還合意がなされながらもたなざらしになっている用地内の米軍住宅を被災者用住宅として明け渡すよう要求している。こうしたたたかいは断固支持されるべきものである。それのみか、米軍に対する思いやり予算だけでも、五年間総額で九千二百億円を支出しようとしているのだ。米軍への思いやり予算はやめ、これをすべて被災者救援・生活再建に使うべきである。また、松島基地のF2支援戦闘機十八機などが津波で使用不能に陥った。これらを含む軍事関係の損害額は三千億円を超えている。このことを理由に、本年度防衛予算以外に新たに軍事「復興」予算を投入することなどは絶対に許してはならない。そればかりか、新「防衛大綱」と中期防で打ち出された中国脅威論にもとづく沖縄方面への自衛隊配備強化にかかる予算や、潜水艦十六隻体制から二十二隻体制への大増強のための予算、あるいは、次期戦闘機のための予算など、新たな軍備強化のためのこうした予算は具体的にすべて白紙にもどすべきであり、これを被災者救援・生活再建予算にすぐさま転用すべきである。このことはまったく現実的で、かつ、直ちに可能なことなのである。こうしたことから着手し、すべての軍事予算を廃止すべきなのである。軍事予算を被災者救援・復興に転用せよ。反原発闘争の全人民政治闘争としての爆発、これと結合した、核全廃、日米軍事同盟破棄、すべての米軍基地一掃のたたかいをいまこそ強力に押し進めよう。普天間基地即時閉鎖、辺野古新基地建設阻止、高江ヘリパット建設阻止、岩国基地大拡張阻止のたたかいを強力に進めよう。沖縄、岩国、神奈川から米軍基地を一掃するたたかいを総力で推進しよう。韓国における反米軍基地闘争、フィリピンにおける反米軍闘争と連帯し、アジアから米軍を一掃するたたかいを強化しよう。イラク、アフガニスタンの反米(帝)闘争に連帯し、米軍の撤退を。中東・北アフリカ諸国の反独裁闘争に連帯し、帝国主義による新たな中東・北アフリカ支配を許すな。


 ●4 六月アジア共同行動各地集会に結集を

 アジア共同行動日本連絡会議は、韓国でたたかう労働運動活動家を迎えて、六月十九日から二十五日までの期間、全国各地でアジア共同行動集会やデモを開催することを呼びかけている。これに全力で応え、ともにその成功にむけてともに奮闘しよう。
 アジア共同行動日本連絡会議は、この大震災に対する声明を四月二十二日に発表した。それは、①政府と電力独占資本を弾劾し、すべての被災者の救援と生活再建のためにたたかうこと、②原発の全廃にむけた全人民的政治決起に立ち上がること、および、③日米軍事同盟と対決しすべての米軍基地撤去のためにたたかうこと、以上を訴えるものであった。われわれは、これを断固支持する。アジア共同行動日本連絡会議が呼びかける六月アジア共同行動各地集会を、反原発闘争の全人民的政治闘争の一環として、かつ、これと、日米軍事同盟とすべての米軍基地を一掃する反戦・反基地闘争を結びつけるたたかいとして全国で推進しよう。同時に、こうしたたたかいを、日韓労働運動の連帯を前進させていくものとして押し進めよう。韓国では、労働運動の階級的再生にむけたたたかいが続いている。こうしたたたかいに連帯し、さらに、日韓労働者の共同のたたかいとして、韓国からの米軍と米軍基地の一掃、沖縄と「本土」各地からの米軍と米軍基地の一掃、日米韓軍事協力体制を粉砕する共同のたたかいを前進させよう。アジア共同行動日本連絡会議の呼びかけに応え、六月アジア共同行動各地集会に結集しよう。
 こうしたアジア共同行動日本連絡会議のたたかいを支持し、ともに発展させていくことは極めて重要なことになっている。アジア共同行動日本連絡会議は、三月二十日に第十六回総会を開催している。第十六回総会では、本年度のたたかいとして、①米軍再編に反対し、沖縄、岩国、神奈川を貫く反戦・反基地闘争を総力で推進し、今秋、岩国総決起を実現すること②反貧困・反差別・反排外主義のたたかいを各地で強めること③国際共同闘争と国際連帯をより発展させることなどが決議された。さらに、四・二二声明で、反原発闘争の全人民的決起とこれと結合した反安保・反戦反基地闘争を進めていくことが呼びかけられた。アジア共同行動日本連絡会議は、こうした方針に基づき、義援金の募集も呼びかけている。五・一五沖縄闘争への決起、六月アジア共同行動の各地開催、七月、岩国・反戦労働者交流集会実行委員会と共催での岩国連帯集会の開催、八・六広島への結集と、八月岩国での夏期反戦合宿の開催、秋には、十一月アジア共同行動の各地開催と岩国への総結集などが呼びかけられている。また、国際的には、五月フィリピンISAへの参加、七月ILPS(国際民衆闘争同盟)総会への参加(於・フィリピン)、七月末、基地と労働運動をめぐる韓国派遣、秋には、ハワイAPEC反対闘争、フランスG20反対闘争への参加、韓国労働者大会参加などが呼びかけられている。そして、本年度、アジア共同行動日本連絡会議が参加するAWC(日米両帝国主義のアジア侵略・支配に反対するアジアキャンペーン)国際組織の国際会議(国際幹事国・地域会議)が韓国で開催されようとしている。アジア共同行動日本連絡会議のたたかいを支持し、ともにその発展のために奮闘しよう。アジア共同行動日本連絡会議は、一九九五年結成以来、首尾一貫して、帝国主義支配に反対する国際共同闘争を先駆的に進めてきた。そのたたかいは、帝国主義グローバリゼーションが押し進められるなかで、ますます重要性を増している。アジア共同行動日本連絡会議は、この間も、洞爺湖G8サミットや横浜APECに対して、反帝国際共同闘争でたたかってきた。帝国主義諸国の国際的な結束に対して、国境を越えた労働者階級人民の共同闘争がますます強化されていかねばならない。原発をめぐっても、米、仏など原発大国は日本政府と結束し、福島原発事故が反原発の国際的流れへと向かうことを阻止しようと必死になっている。だが、チェルノブイリ原発事故二十六年に際して、世界各国地域で反原発国際行動が行われたように、反原発闘争の国際的共同行動がますます大きくなっていこうとしている。こうした流れを支持し、ともにたたかうこと、また、反原発闘争を核兵器廃絶のたたかい、帝国主義軍事同盟とのたたかいとして押し進め、反帝闘争としてたたかうことが要求されている。アジア共同行動日本連絡会議のたたかいは、こうしたたたかいに大きく貢献するであろう。ともにたたかおう。
                       (五月一日)



 

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