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   全ての民衆は反戦・反核・反原発・
   被爆者解放を掲げ8・6広島青空集会に集まれ!

                 
侵略反革命と闘う被爆二世の会
   




 
 我々は、8・6広島青空集会を断固支持する。昨年の青空集会は、福島第一原発事故後の青空集会ということもあり、同時に行われた写真展では原爆の被害の様子だけでなく、チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故の写真も展示された。もうこれ以上、核の被害を作り出してはならないという痛苦の思いからだ。集会では被爆二世・三世、労働者、学生、障害者、教育労働者が反戦・反核・反原発の闘いを訴えた。あるアメリカ人男性は広島・長崎への原爆投下を謝罪し、「米国は核兵器をゼロにしろ!」と英語で訴えた。他にも、様々な団体が核兵器廃絶、原発反対を訴えていた。そのような中、唯一、日本の核武装と原発推進を訴える集団がいた。「在日特権を許さない市民の会」(以下、「在特会」)だ。しかも「在特会」は青空集会に乱入し、妨害までしてきた。私たちはこれを絶対に許さない。
 一九四五年八月六日八時十五分、米軍が原爆を投下する直前まで、そこに人々の暮らしがあった。広島平和記念公園はもともと中島地区とよばれ、映画館などもある広島市内でも有数の繁華街だった。原爆ドームは広島県産業奨励館というモダンな建物で、県下の物産品の展示・販売を行うほか、博物館や美術館の役割も担っていた。ある被爆者は「小学生の頃、絵が入選し産業奨励館に展示されたことがある」と話してくれた。原爆が落とされなかったら今もそこには人々の暮らす賑わう街があった。その街が一瞬にして破壊され、多くの民衆が逃げるまもなく殺された。
 我々が原爆ドームの横で集会をしていると通りがかった被爆者が「あなた達が今立っている場所は、被爆した人達の死体があった場所だ。それを忘れないで欲しい」と話されることがあった。また、ある被爆二世は「平和公園を歩いていたら、足取りが重くなり、いつの間にか涙が出てきて、多くの人々の声が聞こえてくるみたいだった。足下には、多くの人々が今も眠ったままになっているのを改めて感じた」と話した。広島平和記念公園とはそういう場所なのだ。その場所で、八月六日に「日本の核武装」を訴えるなど、私たち被爆者(二世・三世)は、絶対に許さない。
 ぜひ、8・6広島青空集会に、反戦・反核・反原発・被爆者解放を願う全ての皆さんがご参集されることを強く訴え、以下、本年8・6広島青空集会の意義を提起する。

 ●1章 日米帝の核安保体制、アジア支配を許すな

 日米両帝国主義は広島県に隣接する山口県岩国市にある米海軍海兵隊岩国基地を極東最大の軍事基地に拡大しようとしている。岩国市の発展と基地周辺住民の「戦闘機の騒音軽減・危険回避」の願いを叶えるための沖合移設事業を、日米両帝国主義は真逆の「極東最大の基地」への強化と愛宕山での米軍住宅建設へと変貌させようとしている。岩国住民はこれ以上の基地強化を認めないと抗議行動に立ち上がり、裁判闘争も行っている。しかし、日米両帝国主義は岩国住民の思いを無視し、踏みにじり、オスプレイMV22までも強引に「一時駐機(配備)」しようとしている。この差別軍事支配に対し、岩国住民は「愛宕山に米軍住宅はいらない」「空母艦載機部隊の移駐反対」「オスプレイはいらない」「沖縄の民衆や韓国の民衆の反基地の闘いに連帯するぞ」と声を上げ続けている。我々も、断固として、共に闘う!
 六月二十一日、日米韓合同軍事演習が、韓国の済州島南部の海域で開始された。この軍事演習には原子力空母ジョージ・ワシントンも参加している。海上自衛隊からは「くらま」など護衛艦三隻が参加した。済州島のカンジョンでは住民投票で反対の意思を表明したにもかかわらず韓国軍が海軍基地建設を強引に進めようとしている。この海軍基地は米軍も使用するものであり、日米両帝国主義のアジア侵略反革命戦争にリンクする。カンジョンでの闘いは、沖縄・岩国に繋がっている。共にカンジョンでの海軍基地建設を阻止しよう!

 ●2章 原爆被害の過小評価を許さない!

 六月二十五日、長崎原爆の「被爆体験者」が被爆者健康手帳の交付などを求めた集団訴訟で、日帝―長崎地裁は原告全面敗訴の判決を言い渡した。この不当判決を徹底的に弾劾する。原告は七月二日控訴した。そもそも長崎の被爆地は、日帝が恣意的に決めた当時の行政区域に過ぎず、爆心から南北に半径十二キロメートル、東西に同七キロメートルに設定されている。そのため、東西に短く被爆地が設定されており、爆心地から十二キロメートル東側にいた人は、例えヤケドがあったとしても被爆者健康手帳が交付されない。フクシマの状況をみても分かるとおり、放射性物質は今の科学でも予測を超え遠くまで拡散している。ましてや原爆の場合、爆発の威力が凄まじかった。同じ被爆者なのに、「被爆体験者」と名称まで分けて差別するのではなく、被爆者健康手帳を交付するのは当然のことだ。控訴審判決で、徹底的に被害の実態を突きつけ、被爆者健康手帳の交付を勝ち取ろう!
 また広島では原爆投下後に降った「黒い雨」被害の援護対象地域を広げるよう日帝―厚生労働省に訴えている。広島県や広島市は約六倍の地域拡大をするよう求めているが、日帝―厚労省は事実を隠蔽し認めようとしない。
 日帝は低線量被爆や内部被曝の影響をとことん過小評価し、遠距離被爆あるいは少量の「黒い雨」の被害なら放射線被爆の影響はないというのだ。この姿勢は、福島第一原発事故被害者へも影響する。我々は、日帝の放射線被爆の影響の過小評価を許すことなく、全ての被爆者に国家補償に基づく援護を勝ち取るまで闘う!

 ●3章 被爆二世の国家補償に基づく援護を実現しよう

 被爆者の平均年齢は八十歳近くになった。これまで被爆体験を語ってきた被爆一世が病気や死去のため、語れなくなっている。我々被爆二世は、親である被爆者の生き様を側で見ながら育ってきた。平和活動に没頭する被爆者、病気がちで入退院を繰り返す被爆者、原爆に遭ったことを隠す被爆者……。どの被爆者の人生にも原爆を受けた体験は、大きな問題としてある。今度は、私たち被爆二世自身が、親の生き様も含めて、原爆に抗して生きてきたことを自らの課題として、社会に伝える必要がある。
 また、六月三日に開かれた原子爆弾後障害研究会で「広島原爆後に生まれた子どもの白血病罹患率が、被爆後十年以内に生まれ、両親とも被爆の場合、その他の場合に比べて優位に高くなっていた」ということが発表された。これまで、日帝―厚労省は、「被爆二世には遺伝的影響は無い」と言いなし、被爆二世に対し何の補償もしてこなかった。そうした中で、被爆二世の中には、親と同じような病気で苦しんだり、亡くなった者もいる。被爆者と同じように結婚差別や就職差別を受けた被爆二世もいる。我々は、被爆二世に対する援護無き差別のこの現実を許すことができない。徹底して、日本帝国主義を糾弾する。戦争責任・戦後責任を日本帝国主義に果たさせることは、二度と侵略反革命戦争を起こさせない大きな力だ。私たち被爆二世は、日本政府による国家補償に基づく被爆者(二世・三世)の援護の実現を求める。
 その為にも、国内外を貫く被爆二世の団結と行動が今、最も必要だ。私たちは、その先頭に起つ。

 ●4章 在外被爆者・被爆二世への援護法完全適用を!

 「被爆者はどこに住んでも被爆者」、これは韓国人被爆者の叫びだ。日帝―厚労省は長い間、日本に住む被爆者と在外被爆者を差別してきた。在外被爆者、特に韓国に住む被爆者がいくつもの裁判を起こし、ようやく被爆者援護法が在外でも適用されるようになってきた。韓国に住む被爆者は日帝のアジア侵略反革命戦争により、日本に強制連行され、あるいは朝鮮半島にあった農地や職場を奪われ日本に来ざるを得なくなったため、広島・長崎に居住を移し、被爆させられた。日本に住む被爆者が被爆者援護法により、医療費の助成や健康管理手当などが受けられるようになっても、在外被爆者には何の補償もない状態が続いていた。本来なら侵略戦争の謝罪もこめ、韓国(朝鮮)人被爆者などのアジア人被爆者を真っ先に補償をしなくてはならないはずだ。しかし日帝は、今でも在外被爆者への医療助成は上限額を決めるなど、日本に住む被爆者と差別をしている。ましてや在外に住む被爆二世には何の施策もしていない。我々は在外の被爆二世と連帯しながら、在外被爆者・被爆二世への援護法の完全適用を必ずや実現させる。

 ●5章 大飯原発再稼働弾劾!上関原発建設計画の白紙撤回を

 福島第一原発事故は未だ収束していない。一~三号機は核燃料がどこにあるのかも分かっておらず、確かめようにも放射線が高く人間は近づけない。機械を遠隔操作し入れたとしても放射線の影響で故障してしまうのだ。四号機は建物の最上階に、重い使用済み核燃料のプールがあることで非常に不安定だ。しかもかなり密集した状態で核燃料棒を保管しているため、冷却水がなくなると危険な状態になる。これまであまり話題にも上らなかった六号機では七月二日、タービン建屋地下一階で、制御盤から白煙が上がった。東京電力は電気系統がショートした可能性があるとみて調べている。にもかかわらず、野田首相は昨年十二月に「収束」宣言を行った。我々はこれを、断じて許さない。
 また、除染という名の放射性物質の移染では、何の解決にもならないことを強く訴える。除染に二兆円もかける予算があるのなら、福島第一原発事故の被災者の援護や避難にこそ、もっと力を入れるべきだ。
 六月二十一日に可決した「原発事故子ども・被災者支援法」を突破口にして、全ての原発事故被災者に国家補償に基づく援護法すなわち生活支援と医療支援を実現しよう!放射線の健康への影響にシキイ値は無い。少しでも、労働者・民衆が被曝をしないよう東電と国は責任を取る必要がある。
 これほど大きな福島原発事故を起こしたにも関わらず、日帝は大飯原発三号機の再稼働を強行した。我々は、これを断じて許すことができない! 毎週、首相官邸前に集まった数十万に及ぶ民衆の再稼働反対の声を、関電前を取り囲んだ抗議の人々の意志を、大飯原発に通じる道路を封鎖するほど集まった数百名に及ぶ人々の体を張った抗議を無視して再稼働を強行したことは、日帝―野田政権の歴史の汚点でしかない。必ずや、再び、大飯原発を止めて、全ての原発の再稼働を許さず、廃炉にしよう!
 中国電力は、上関原発建設計画を未だに諦めていない。我々は,上関原発建設計画に反対する祝島島民をはじめとする全ての労働者民衆とともに、上関原発建設計画を白紙撤回させ、原発建設計画を廃絶するまで闘う。そして、田ノ浦の埋立を許さず、瀬戸内の豊かな海を守り抜く!
 我々は、世界中から核兵器も原発も全て廃絶するまで、粘り強く闘う!
 全ての闘う仲間の皆さん、8・6広島青空集会に立上がろう!



 

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