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   市東さんの農地強奪実力阻止

    
3・24三里塚全国集会に総決起しよう

                  




 全国で闘いぬいている同志・友人の皆さん!
 二月二十日午前七時、千葉地裁執行官が市東さんの畑(天神峰、南台)、建物(作業場、離れ、鶏小屋、育苗ハウス、野菜貯蔵コンテナ、トイレなど)十四ヵ所に対して、「公示書」を掲示した。そこには成田空港会社(以下空港会社)の申し立てを受けて千葉地裁が行った仮処分が書かれていた。
 ①物件の占有を他人に移転または占有名義の変更を禁止する。②執行官が債務者(市東さん)の占有を解いてこれを保管する。「債務者に限り使用を許す」というものだ。
 行政訴訟・農地法裁判の対象となっている物件に対して、「債権者」の空港会社が「勝訴」を予定して、「債務者」の市東さんの占有の移転や名義変更を禁止する仮処分を申請し、空港会社と結託する千葉地裁は、その申請どおり仮処分を行った。千葉地裁は、市東さんの占有権限を取り上げる不当な決定を行ったのだ。市東さんの耕作権を否定するこの不当な決定を徹底的に弾劾する。祖父市太郎さんから、三代にわたって開墾し耕作してきた市東孝雄さんにこそ、この土地に対する権利がある。その農地の占有を奪い債務者とし、裁判所が「使用を許」すなどとは一体どういうことなのか!
 本来ならば、戦後の農地解放で市東さんの農地になるはずであったが、適正に手続きがなされず、「賃借地」とされたのだ。市東さんの怒りで煮えくり返る胸中は察するに余りある。反対同盟は即座に弾劾声明を出し、3・7第三誘導路供用開始粉砕現地闘争、3・24全国総決起集会、3・27行政訴訟・農地法裁判の最終弁論へと総決起し、国家権力・空港会社・千葉地裁一体となった農地強奪攻撃と対決することを訴えている。
 市東さん先頭に闘う反対同盟の檄にこたえ、なんとしても勝利を勝ちとろう。
 全国の同志・友人の皆さん! 3・24三里塚全国総決起集会に決起しよう! 千葉地裁の仮処分決定から明らかなように、三里塚闘争は、市東さんの農地をめぐる空港会社・国家権力との決戦を迎えている。空港会社は、平行滑走路の誘導路をへの字に曲げ、空港の完成を阻み「空港反対・農地死守」を貫き不屈に闘いぬいている市東さんの農地強奪に総力で襲いかかってきている。日帝―空港会社は、市東さんから農地を奪い営農と生活を踏み潰して、市東さんをたたき出し三里塚闘争の解体を狙っているのだ。
 反帝闘争・反戦闘争の拠点として国家権力との実力闘争をたたかいぬいてきた三里塚闘争にかけられている攻撃は、安倍右翼反動政権の日米安保強化、「領土問題」をてことした民族排外主義扇動、侵略反革命戦争体制構築の攻撃と一体のものだ。沖縄、福島との連帯、安倍右翼反動政権と対決する闘いとして、3・24三里塚全国総決起集会への大結集を闘おう! 全国総決起集会の勝利から裁判闘争の勝利へと突き進もう! 三里塚闘争への総力の決起から、今春期反戦反基地闘争、反原発闘争の断固とした闘いの歩を進めていこう!

 ●第1章 行政訴訟・農地法裁判に勝利しよう!

 反対同盟は、一月十三日に旗開きを行い、市東さんの農地を守る決戦に三里塚闘争四十七年のすべてをかけ、半年間の臨戦態勢に突入することを宣言した。この決戦のきわめて重要な闘いとして二月四、十八日の行政訴訟・農地法裁判闘争を設定し、早朝よりの千葉駅頭情宣、集会・デモ、裁判傍聴、反対同盟・支援勢力一体となって全力で闘いぬいた。
 四日には反対同盟事務局長萩原さんが証人尋問、十八日には市東さんの本人尋問が行われた。二人の証言は、三里塚闘争の正義性を明らかにし、空港会社の違法不当な手段を暴き、農地法を悪用した農地強奪攻撃を徹底的に弾劾した。市東さんは、四時間半に及んだ証言のなかで、「農地取り上げの発端は、一九八八年に空港公団(当時)と地主が親父に黙って行った秘密売買。その後十五年にわたって旧地主と共謀して地代をだまし取ってきた空港会社に裁判を起こす権利はない」「土地収用法の事業認定も失効しているのに、農地法を悪用して土地まで取ろうとすることは、本当に許すことはできない。農地は私にとって生きがいであり、命だ。その土地を取るということは私に死ねと言っていること。親父が守ってきたものを守るのは当然であり、それを取ろうとするならば、それなりの覚悟をもって全力で闘う」「天神峰で農地を守り、生きる権利を闘いたいと思う」「空港廃港まで闘う」とはっきりと表明した。農地強奪に対して激しく弾劾し、不屈の決意を明らかにしたのだ。
 本来農民と農業を保護する農地法を悪用した空港会社の不当極まりない攻撃を徹底的に弾劾し、粉砕しなければならない。事業認定が失効して土地収用法による農地強奪ができなくなった空港会社が、新たな農地強奪の手段としたのが農地法の悪用であった。空港会社は、二つの不当な提訴(①二〇〇六年十月、空港会社が「不法耕作」と決めつけた農地について市東さんに明け渡しを求めた耕作権裁判②二〇〇八年十月、空港会社が契約地と認める部分について明け渡しを求めた農地法裁判)を行い、六年間にわたって裁判闘争が闘われてきた。そして行政訴訟・農地法裁判(市東さんが千葉県を訴えた行政訴訟と併合)が千葉地裁で結審を迎えようとしている。
 二つの裁判闘争の中で空港会社側の数々の違法行為が明らかになっている。空港会社は一九八八年に、市東東市さんに無断で地主から農地を買収する農地法違反を犯していた。空港会社が「不法耕作」と決め付けた土地の特定は誤っていた。農地の特定の証拠として空港会社が出してきた三つの地積測量図がデタラメで故市東東市さんの署名まで偽造していた。こんな空港会社に訴訟をおこす資格はない。違法を重ねた提訴は取り下げられなければならないということだ。
 しかし千葉地裁は、空港会社を擁護し、結論ありきの拙速裁判を強行してきた。追いつめられた空港会社に助け舟を出し、重要証人の審問をビデオリンク方式で強行し証人隠しを行った。誰の目にも違法な空港会社の農地買収・明け渡し要求を見過ごし、あまりに正当な市東さんの当然の主張を踏みにじってきた千葉地裁は、まさに農地強奪のための新たな「収用委員会」だ。
 また千葉地裁同様、空港会社による耕作権解除の申請を、ずさんな審理で認可した成田市農業委員会、千葉県農業会議、千葉県知事も弾劾しなければならない。空港会社の主張を鵜呑みにし、農地の特定が誤っているにもかかわらず、耕作権解除許可決定を行うなど、農民である市東さんではなく空港会社に荷担した。耕作権解除は、当該農民である市東さんの意思確認がなければ事務手続きの段階で却下されて当然であり、農地法を根拠にして強制的に農地を取り上げるなど本来ならあり得ないことなのだ。

 ●第2章 3・7第三誘導路供用開始を阻止しよう!

 空港会社は、農地強奪の不当裁判とともに、第三誘導路建設を強行してきた。これは、天神峰の市東さんの家屋や畑を空港施設内に囲い込み、これまで以上の航空機騒音と振動、ジェット噴射によって生活と営農を破壊してたたき出そうとする攻撃だ。市東さんは、人間が居住し生活することなどできないようなひどい環境におかれることになる。これほど悪質な地上げ行為がかつてあっただろうか? 滑走路と誘導路の間に農民を囲い込んでしまう空港など成田空港以外に存在しないだろう。東峰の森を破壊して建設を強行した東側誘導路は現在まったく使われていない。第三誘導路を粉砕しよう!
 新たな空港拡張粉砕! 深夜・早朝の飛行制限緩和を許すな!
 さらに空港会社は、天神峰の隣りの取香地区で用地の買収交渉を進め、空港の一層の拡張を策動している。現在の航空機支援特殊車輛(GSE/ULD)置き場を移し、格安航空会社(LCC)専用ターミナルを建設する計画だ。羽田の本格的な国際化によって近距離便の国際路線の羽田移設、成田の国際路線と利用客が減少し国際空港として地盤沈下することに対する防衛策として、成田空港会社は格安航空会社の誘致を進めている。この計画と一体に、国交省、空港会社は成田市など空港利権に依存する地元自治体を巻き込んで、現在の成田空港の離着陸制限時間(午後十一時から午前六時)を緩和して、午後十一時台と午前五時台に離着陸を認める案を進めている。これは昨年から成田空港に就航する格安航空会社の便が、遅延や欠航をしていることに対する措置である。さらに三月末のオープンスカイ(航空自由化)に対応しようというもくろみでもある。とくにLCCは、発足時の勢いを失い、欠航や遅延の頻発などで大幅に搭乗率が落ち込んでいる。成田空港てこ入れのLCC就航が失敗すれば成田の地盤沈下はさらに進むことになる。
 しかし騒音下の住民にとってはとんでもない話だ。現在でも騒音に苦しんでいるのに、さらに早朝深夜にまで騒音を拡大し、住民の健康を犠牲にしようというのだ。こんなことは絶対に認めることはできない。

 ●第3章 新たな空港拡張粉砕! 飛行制限緩和を許すな

 安倍右翼反動政権打倒!三里塚闘争とともに反戦反安保闘争に決起しよう! 新たなオスプレイ配備阻止! 埋め立て申請粉砕! 原発再稼動を許すな!
 改憲を公然と掲げ、「領土問題」「核ミサイル問題」をてこに共和国や中国に対する民族排外主義を煽り、日米軍事同盟の強化に突き進む安倍右翼反動政権の発足から二カ月がたった。金融緩和による円安誘導によって株価の大幅な値上がりが先行し、あたかもアベノミクスによってデフレ不況から脱却できるかのような幻想がふりまかれている。しかし、現状の経済は決して景気回復に向かっているわけではない。
 安倍政権は、七月の参院選までは経済対策を優先し、大企業有利の税制改革や補正予算のばら撒きによって「勝利」を画策している。二月二十三日にワシントンで開催された日米首脳会談では、「アメリカとの絆を取り戻す」として、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加、朝鮮民主主義人民共和国への制裁強化、辺野古新基地建設に向けた埋め立て許可申請、原発政策の見直しなどを合意した。安倍は、米帝との一層の軍事同盟強化、共和国・中国をにらんだ侵略反革命戦争体制の構築に突き進もうとしているのだ。
 十万人以上が結集した「県民大会」も沖縄の総意を体現した建白書も踏みにじって、日米帝国主義は沖縄差別軍事支配の一層の強化をはかろうとしている。埋め立て申請とともに、新たなオスプレイ十二機の配備も狙われている。嘉手納基地にも空軍がオスプレイ配備を策動している。「領土防衛」のもと下地島や与那国島への自衛隊配備も狙っている。
 沖縄の島ぐるみの闘いに連帯し、日米帝国主義の差別軍事支配粉砕、侵略反革命戦争阻止を闘おう! 新たなオスプレイ配備を阻止しよう。辺野古新基地建設を許すな。
 原発再稼働を強行し、原発の維持、新設に踏み込もうとする安倍政権と対決しよう。三月反原発闘争を全国で推進しよう。再稼動を阻止し、電気料金値上げを粉砕しよう! 福島と連帯し、国家補償に基づいた避難、医療をかちとろう。
 朝鮮学校を高校無償化から排除し、民族排外主義を煽動する攻撃を粉砕しよう。在特会や「頑張れ日本! 全国行動委員会」と対決し、社会的に包囲し解体しよう!
 今春期階級攻防が、安倍右翼反動政権との総対決へとのぼりつめていく中にあって、3・24三里塚全国集会の位置は鮮明である。日帝打倒の実力闘争の拠点―三里塚闘争こそ、安倍政権打倒闘争の突破口となる闘いである。市東さんの農地強奪絶対阻止! 3・24に総力で結集し、今春期闘争の勝利をつかみとろう。



 

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