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    10・8東京高裁、10・12三里塚全国集会へ

          市東さんの農地守りぬき、「第三滑走路」計画粉砕

    


 集団的自衛権「合憲」化攻撃によって安倍政権の本性が明らかになり、労働者階級人民が安倍政権打倒闘争へと大きく向かい始めている。この情勢の中で、今秋十月の三里塚全国集会が開催される。反政府闘争が全人民闘争として闘われる時代においてこそ、反帝闘争拠点―三里塚の位置ははっきりと確認されることになるだろう。
 三里塚芝山連合空港反対同盟は、10・8市東さん農地裁判控訴審闘争、10・12三里塚全国集会への総結集を呼びかけている。この呼びかけに応えて、全国から結集していこう。
 今秋期三里塚闘争に向けた方針を提起する。


  ●第一章 「霞が関に攻めのぼる」反対同盟の闘い

  ▼1節 農地裁判控訴審を闘う反対同盟


 三里塚芝山連合空港反対同盟は二〇一四年年頭、その結束を改めて固めて、市東さん農地裁判控訴審闘争に立ち上がってきた。
 昨年七月二十九日、千葉地裁民事第三部多見谷裁判長が出した判決は、原告・成田空港会社、そして成田市、千葉県側の主張を丸呑みし、違法な「農地取得」の事実をむりやり「違法ではない」といいなして、空港会社を徹底的に防衛した。空港会社側に立った詭弁を積み重ねた上で、市東さんに対して、農地を空港会社に明け渡し、その土地上にある建物を収去せよと命じた。
 市東さんは農民としての怒りをもって控訴した。「農地法」を根拠にして農民から農地を奪う多見谷判決に対して、農民全体に対してかけられた攻撃として、反対同盟全体が立ち上がった。
 昨年十二月に亡くなられた萩原進事務局次長は、亡くなる直前まで、二〇一四年の控訴審闘争をどう闘うのかの方針を練っていた。3・23三里塚全国集会を東京で闘い、3・26控訴審第一回口頭弁論の裁判闘争と、連続して首都中枢に三里塚勢力が総結集することを呼びかけた。萩原さんは「霞ヶ関に攻めのぼる」という一言で、この方針の意味を表現した。
 昨年末、国家安全保障会議設置法、秘密保護法をめぐって、全人民の反対運動が首相官邸に迫って高揚していた。この状況下において、市東さんの農地を守る裁判を東京高裁でたたかうことを、むしろ積極的にとらえ、日帝国家権力の中枢―霞ヶ関に攻めのぼる、と呼びかけた。萩原事務局次長は十二月二十一日に倒れる直前まで、空港反対運動の陣頭指揮を執っていた。「霞ヶ関に攻めのぼる」ということが萩原さんの遺言となった。それは、安倍政権下、反原発闘争、反戦闘争が大きく高揚する時代に、軍事空港反対―農地死守の三里塚闘争が改めて全人民闘争としての位置をもってたたかうべきという、反対同盟農民の強い意志をはっきり表わしたものだった。今こそ、反対同盟自身が安倍政権打倒の最前衛に立つべきという意思であり、これは、四十八年間にわたって反権力闘争―反政府闘争としてたたかってきた農民の矜持というべきものであるだろう。

  ▼2節 市東さんの農地を守る3万人署名運動

 萩原事務局次長を失うという事態は、反対同盟と三里塚勢力には大きな悲しみであると同時に政治的な痛手であった。二〇一四年年頭、反対同盟は、この悲しみを乗り越えて、新たな体制での実行役員会を開催した。一月の反対同盟団結旗開きにおいて、市東孝雄さんは「進さんの遺志を引き継ぎ、『霞ヶ関に攻めのぼろう』を合言葉に一四年もたたかっていこう」と参加者全体に力強く呼びかけた。具体的方針として、3・23全国集会(芝公園集会)、3・26控訴審闘争を最大結集でたたかうことが改めて確認された。
 反対同盟は、このたたかいを地域からの運動として組織し直すことを論議し決定していた。空港会社が農地法を「根拠」として市東さんの農地を奪う攻撃は、まずもって市東さんに集中する攻撃であり、市東さんを孤立させて叩き出そうとする、悪辣な攻撃である。しかし、同時に、国策会社―成田空港会社が農民をどう考えているのかを明示するものであり、日本の農業、農民、農村社会に対する破壊的政策を端的に表したものである。反対同盟は、市東さんの農地強奪阻止のため「農地取り上げ反対三万人署名」をもって、成田市、芝山町をはじめ周辺地域の各戸に入ってきた。毎月一斉行動日を設定し、反対同盟と支援が一丸となって、署名用紙と反対同盟ニュースを持って、地道な地域オルグを続けてきた。
 成田空港会社は離着陸時間の延長を強行しているが、周辺住民にとっては騒音・排気ガスを排出する時間の延長を意味し、空港の存在そのものに対する反対の意識は静かに拡大している。地域住民に向き合おうとする反対同盟の姿勢は、改めて空港反対運動への支持を拡大してきている。そして、安倍政権がTPP交渉参加を強行する中で、農民の中に反政府意識は拡大しており、国策(空港建設)による農地強奪―農民叩き出しに反対することへのストレートな共感が生まれてきている。
 反対同盟は、この地道な一斉行動での手ごたえを感じながら、首都中枢での三里塚闘争を準備していったのだ。

  ▼3節 3月芝公園集会から控訴審闘争

 反対同盟は、年頭の実行役員会を新たな出発点として、今春夏期の攻防をたたかい抜いてきた。
 三月二十三日には東京の芝公園において、九百五十人の結集で全国集会を開催した。3・26控訴審開始を目前にして、市東さんにかけられた攻撃を裁判の形式をとった強制収用と断じ、国策裁判との対決を鮮明にした。市東さんは、「国策裁判と七年間たたかってきた」ことの上に、沖縄、福島とともに「民衆の闘い」として貫いていくことを決意表明している。福島の人たちが発言し、「市東さんの農地を守る沖縄の会」が発言した。さらに、経産省前テントや全日建関西生コン支部など多くの大衆団体が、三里塚闘争への連帯を表明した。
 三月二十六日、控訴審第一回口頭弁論では、傍聴席をはるかに超える三百名近くの人々が結集した。早朝から東京高裁前での情宣を行ない、高裁を包囲するデモを行なった上で、傍聴闘争に決起した。反対同盟は、裁判前に八千十九筆の農地取り上げ反対署名を貝阿彌裁判長に提出した。法廷においては、市東孝雄さん本人が意見陳述を行ない、弁護団が控訴理由書の趣旨説明を行なった。市東さんは、小作人の同意がないまま行なわれた土地の売買という農地法違反を批判し、その違法行為を「根拠」にして実際に耕作している農地を取り上げることを徹底的に弾劾した。反対同盟の団結とこの間の一斉行動の中で地域の多くの農民と話してきた確信に基づいて、農民として正当な主張をしたのだ。
 六月二十五日、第二回口頭弁論では、第一回に続いて、農地取り上げ反対署名の追加提出を行なった。署名は合計一万三千百五十筆に達している。法廷においては、貝阿彌裁判長の拙速審理―早期結審の策動を打ち破って、第一回では途中で打ち切られていた控訴理由書趣旨説明の後半を、弁護団が一時間にわたって行なった。
 第三回口頭弁論は十月八日となっている。反対同盟と支援連は今夏、周辺地域での一斉行動を継続強化し、弁護団との学習会も行なって、法廷闘争に備えている。


  ●第二章 荒唐無稽な「第三滑走路」計画

  ▼1節 「国際空港」としての矛盾


 三月三十日に発着枠が拡張された羽田空港で、全日本空輸(ANA)は国際線を、従来の十路線十三便から十七路線二十三便に一挙に増やした。これは日本航空(JAL)の増便の倍以上が配分されている。JALが経営破綻して公的資金によって経営再建してきた経緯から、国交省は、羽田国際線発着枠割り当てに関して、ANAに傾斜配分したのだ。
 見るべきは、国際線での競争力強化を狙うANAが何よりも羽田の国際線枠獲得を進めたことである。これは、都心からのアクセスが成田より良いという利便性にあることはもちろんだが、それだけではない。成田空港が「国際空港」、羽田が「国内空港」と分担されてきたことによって、首都圏の空港は、国際線―国内線の乗り継ぎが非常に不便に設計されてしまっている。
 主要路線の発着するハブ空港と、そこから周囲に拡散する地方路線(スポーク)への乗り継ぎを、車輪の形にたとえて「ハブ&スポーク」として、空港と路線を組み立ててきた米国の航空政策が、現在世界各国の国際空港の標準になっている。しかし、日本の航空行政は、そのように進められてはこなかった。それゆえに、日本の地方空港から海外に行く場合には、地方空港―羽田空港―(地上での移動)―成田空港という不便な手順となっている。最初からハブ空港として設計された韓国の仁川空港の方が利用しやすく、日本の地方空港から仁川空港を経由するということも行なわれてきた。
しかし、国内線が集中する羽田空港に国際線が復活して路線増となったことによって、羽田国際空港はハブ空港としての条件を整えつつある。したがって、航空会社にとっては、国際線の新しい路線を獲得するとなれば、単に都心からのアクセスの問題だけではなく、国内―国際の乗り継ぎが便利な羽田空港を要求するということになるのは、経営上当然である。
 日本の航空会社だけの話ではない。欧州各国に飛んでいる国際線に関しても、羽田発着が大幅に増え、フランクフルト、ミュンヘン、ロンドン、パリに飛ぶ欧州の主要路線は、成田より羽田からの便数が上回り、羽田中心に変わった。
 一方、国際線の主要路線である米国便においては、日米航空交渉が暗礁に乗り上げており、羽田増便が決定されてない。それは、米航空会社が要求する増便数が今回の羽田の増便枠を大きく上回っているからだ。世界最大の航空会社デルタは、羽田―米国便を二十枠要求している。国交省が示しているのは米航空会社四社で九枠増というレベルであり、話にならない。デルタ航空は、成田からの移管も含めて二十便を要求している。可能な限り、成田から羽田に移すのが、経営上有利と考えているのは明白だ。
 はっきり言えば、これが、第一次安倍政権が掲げた航空自由化=オープンスカイ政策の結果である。航空運輸における世界的な新自由主義政策は、各国間の航空交渉による政策的路線配分よりも、航空会社の経営戦略による路線要求を重視するものだ。この政策の下では、国際空港としての機能をもたない空港は淘汰されていく。国内線、国際線がともに就航し、相手国の発着時刻に合わせて発着時刻が二十四時間自由に選択できる。内陸空港で滑走路拡張ができない成田空港は、現在の世界の国際空港の常識からすれば、国際空港たりえない空港なのである。そのことは、羽田の国際化が本格的に進めば進むほど明らかになってきているのだ。

  ▼2節 住民無視の空港経営

 成田空港会社は、羽田国際化の打撃を受け、それでも経営拡大を図ろうとして格安航空会社(LCC)の参入を促してきた。LCCは、保有する航空機を最小限に抑え、それをフル稼働することで、料金を抑えながら、収益を拡大しようとする。そのためには、早朝から深夜にいたるまで離着陸を行なおうとする。内陸空港ゆえに当然の時間制限がある成田を拠点にして運航すること自体に、初めから無理があるのだ。
 LCCが無理な時間設定をしているがゆえに、成田に戻ってくるはずの便が遅れて欠航にならざるをえないという事態がたびたび発生した。最終的には、成田空港会社がLCC側の要求を受け入れて、離着陸時間枠を拡げようとしてきた。早朝を繰り上げ、深夜を遅くするというものだ。当然、空港周辺の住民は強く反対し、早朝の繰上げは阻止された。しかし、深夜の離着陸時間は24時までの拡張が強行された。住民の睡眠時間が破壊され、耐え難い状況になっているのだ。
 羽田国際化が本格化することによって、成田空港の利用者数は現実問題として減少している。成田空港周辺で空港関連事業から収益をあげてきた地元ブルジョアジーなど空港建設推進勢力は四月三十日、危機感をあらわにして、「成田第3滑走路実現する会」を立ち上げた。羽田国際化の伸展が直接影響して成田が落ち込むことを危惧した、反動的キャンペーンである。内陸にむりやり建設したがゆえに、B滑走路として建設された暫定滑走路は、本来の長さを確保できないばかりか、農家の上空四十メートルを飛行する危険極まりない殺人的離着陸を日々強行し続けている状態なのだ。三本目の滑走路の建設など全く不可能である。成田空港会社と関連会社などが経営上追い詰められたがゆえの、反発であり、反動である。
 しかし、日帝―国交省は、この状況を最大限利用して、荒唐無稽な「新滑走路建設計画」を打ち出した。
 国土交通省の有識者会議は六月六日、羽田、成田の発着回数を増やす方策を発表した。この文書では、二〇二〇年「東京オリンピック開催」までに運用方法や飛行経路の見直しによって、年間発着回数を羽田で三万九千回、成田で四万回増やせるとしている。これによって、国際線発着枠を両空港合わせて年間七十五万回から八十三万回に増やせるというのだ。その上で、二〇二〇年以降に羽田、成田ともに滑走路を一本ずつ増設することで、成田に関しては年間発着回数を四十六万回にできるとしている。国交省は今後、周辺自治体や航空関係者との協議の場を設けるとしている。
 しかも、この「滑走路」は市東さんの所有畑や萩原さんの畑・家屋の上に計画されており、東峰地区農地を完全に潰し廃村化する攻撃である。反対同盟の市東さん、萩原さんをはじめとして天神峰・東峰地区住民が反対するかぎり、絶対に実現などできない「計画」なのである。
 ここに貫かれているのは、「成田第三滑走路計画」を打ち出して、現在裁判中の市東さんの農地を強奪し、さらには空港反対運動そのものの解体を狙う、という国交省と成田空港会社の悪辣な策謀である。絶対に許してはならない。

  ▼3節 「第三滑走路」計画阻止7・13緊急闘争

 国交省の反動的な「第三滑走路計画」に対して、反対同盟は緊急現地闘争を呼びかけ、たたかった。
 七月十三日、東峰地区の市東さんの畑で「『第三滑走路』計画阻止! 市東さんの農地守れ 7・13緊急現地闘争」が取り組まれた。集会において、萩原富夫さんは「第三滑走路計画」を「荒唐無稽な計画だ」と断じ、この攻撃を必ず粉砕していく決意を明らかにした。市東孝雄さんは「そもそも無理な計画を打ち出すやり方は、われわれを追い出すことが第一の目的だ」と、国交省と空港会社の悪辣な意図をはっきりと見抜いていた。
 反対同盟と集会参加者は、国交省が「第三滑走路」予定地とした地域をデモ行進した。ほとんどが畑地と住宅地である。その日も畑に出て農作業をしている人たちがいる中を、「第三滑走路」反対を訴えて、デモを行なった。
 四十八年間にわたって北総地域の農民、住民を苦しめてきた成田空港会社と新自由主義的経営を貫くLCCの利害のためにのみ、この豊かな畑地を破壊することがあってはならない。反対同盟の一斉行動と「第三滑走路」反対を掲げた闘争が、住民の支持をつかみとっていくだろう。


  ●第三章 全人民闘争としての軍事空港反対闘争を

  ▼1節 今こそ安倍政権打倒の全人民闘争を


 日帝―安倍政権は七月、集団的自衛権「合憲」なる閣議決定を強行し、これで憲法九条を乗り越えたつもりになっている。自衛権を「個別的自衛権」から「集団的自衛権」に拡張したかのような詭弁をもって、集団的自衛権を「合憲」化したと強弁しているのだ。
 しかし、そもそも「個別的自衛権」と「集団的自衛権」が連続しているかのようにいう論理自体がペテンである。「集団的自衛権」なる概念自体が、自衛権とはまったく別である。「集団的自衛権」は、米国をはじめとする帝国主義が、「同盟関係」を根拠にして他国の戦争に介入する権利として主張してきたものである。本質的に侵略反革命戦争を正当化する論理として使われてきたのである。
 安倍と安保法制懇など取り巻き連中が考えたことは、日帝が帝国主義としての本来の権利=戦争を行なう権利を奪還するということだ。安倍の言う「日本を取り戻す」とはそういう論理でしかない。それは一方で、日帝―外務省が希求する国連安保理常任理事国入り策動と結びつき、昨年来の安倍の四十九カ国外遊―援助ばらまき―日本の非常任理事国入り支持とりつけ、という行動と重なっている。
靖国参拝を強行し、釣魚諸島・独島を日本の領土と主張し続けて、中国・韓国をはじめとするアジア近隣諸国との外交関係を破綻させてきた安倍政権が、このような胡散臭い外遊を「外交」だなどと主張すること自体は笑止であるが、戦争のできる国家に向けたその意図を放置することはできない。
 解釈改憲強行、日米安保強化をもって戦争のできる国になることが、「国益」に直結すると考える安倍は、労働者人民の反対の声、行動を踏みにじって、「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」改定、集団的自衛権行使のための戦争立法に突き進もうとしている。
 六〇年安保改定に匹敵する、新たな戦争政策が具体的な形をとって現れ出ようとしている。この戦争国家への突入を阻止できるのか否かが、日本人民総体の課題として問われている。この時代にあって、改めて反戦闘争の核心となるたたかいの意義を、今こそしっかり再確認すべきである。
 三里塚闘争は、農民が自らの農地を守るたたかいとして農地死守―実力闘争を掲げて立ち上がったのだが、七〇年安保闘争、沖縄解放闘争との結合の中で、軍事空港反対闘争としての内実をつかみとってきた。日帝国家権力が国策として、土地収用法と国家暴力を発動して、農民を虫けらのように扱って、農地を奪っていく。ここまで執拗な攻撃に直面した三里塚農民が、その根底に、日米安保と日帝のベトナム侵略反革命戦争への荷担があり、日帝資本のアジア侵出の拠点建設がある、ということをはっきりと見たのである。
 日本の労働者階級人民は、安倍政権の戦争暴走に直面した現在、四十八年にわたって一貫して軍事空港反対をたたかってきた三里塚闘争に改めて学び、ともにたたかうべきなのである。

  ▼2節 反戦闘争・反基地闘争、反原発闘争と結合しよう

 安倍政権の戦争のできる国家への傾斜は、現実には、軍事基地の建設、拡大強化として実体化している。
 安倍政権は、沖縄人民総体の反対の意思を踏みにじって、辺野古の新基地建設に踏み込んできた。今夏、辺野古のボーリング調査着手を強行した。名護市民、沖縄人民を先頭とする人々は船舶やカヌーで調査阻止に立ち上がり、海上での実力阻止攻防が連日たたかわれている。同時に、キャンプ・シュワブ・ゲート前では連日抗議行動が取り組まれている。那覇をはじめ沖縄全体から、そして全国から、人々が辺野古に結集している。
 この七―八月の攻防の中で闘われてきた、名護市議選は九月七日投開票され、稲嶺市長を支える与党―新基地建設反対派が十四議席を獲得し、勝利した。この勝利を受け、埋め立て工事絶体阻止!、そして十一月知事選に向けて、沖縄人民はたたかっている。
 岩国においては基地強化の環として、愛宕山への米軍住宅建設着工が強行された。沖縄-普天間基地に無理矢理配備されたオスプレイ部隊は沖縄での訓練を強行すると同時に、「本土」各地での訓練も強行しており、岩国、厚木、横田がその中継基地として使用されはじめている。
 京都府京丹後においては、朝鮮戦争を見据え、イージス艦と一体にミサイルを迎撃するためのXバンドレーダー基地建設が強行されている。防衛省は十月にレーダー本体を搬入しようとしている。反対に立ち上がった地元住民とともに近畿連絡会―京都連絡会が現地での着工阻止攻防をたたかい、九月二十八日には全国集会を呼びかけている。
 安倍政権の戦争政策との対決は、沖縄、岩国、神奈川などで「日常化」されてきた米軍・自衛隊の展開と改めてしっかりたたかうということである。日米安保に基づき軍隊の展開、基地の使用、そして、軍事基地の拡大が当然となっていくような状況を、絶対に許してはならない。この攻撃の一つひとつと対決していくことである。
 一方、安倍政権は、福島原発事故を収束することができず、汚染水を放置した状態で、とにかく原発再稼動を強行しようとしている。電力資本と電機産業資本、そしてそれに投資する銀行資本の利害にたって、再稼動に突き進んでいるのだ。政府がなすべきことは東京電力の経営を支えることではない。まずもってなすべきことは、避難を強制されている福島の人たちの生命と生活の補償である。そして、この中で、福島の人たちの声に真摯に応えようとするならば、全原発の停止―廃炉の結論しか出てこないはずである。
 福島原発事故を引き起こしたことの最終責任は、原子力政策を推し進めてきた政府にこそある。3・11以降の状況を冷静に捉えるならば、5・21福井地裁判決の原発を「運転してはならない」という判決に従うことが、導き出される当然の結論である。
 全国で湧き上がる反基地闘争、原発再稼動阻止闘争は、日帝の強権的政策への拒否であり、この当然の要求は、反政府闘争として安倍政権打倒へと登り詰めていく、大きな展望をもっている。
 反対同盟は、沖縄、福島との結合を掲げて、その闘争を全国に拡大してきた。住民が自らの意思に従って反政府闘争―反権力闘争に立ち上がり、それぞれの闘いが大きく結びついて全人民闘争へと発展していく。そういう時代になってきているのだ。「反戦の砦」として闘いぬかれてきた三里塚闘争の位置は、これらの闘争の発展と結合の中で、ますます鮮明になっていくであろう。
 安倍政権を支える極右排外主義者どもの一部が、この間、三里塚闘争に対しても敵対行動をとっている。これこそ、反基地闘争、反原発闘争をはじめとした闘いと三里塚闘争が結合して、全人民的な発展を遂げようとしている状況に対する支配階級どもの恐怖を表現するものだ。極右排外主義者どもの敵対を打ち破って、三里塚闘争の一大前進をかちとっていこう。


  ●第四章 10・8―10・12連続決起で三里塚闘争闘い抜こう

 今秋期、集団的自衛権「合憲」化に基づく戦争立法に向けたガイドライン改定、辺野古新基地建設阻止攻防をはじめとした反基地闘争、原発再稼動阻止闘争のただ中で、反対同盟は十月三里塚闘争に向かっている。市東さんの農地裁判控訴審は十月八日、東京高裁で第三回口頭弁論が行われる。反対同盟は10・8控訴審闘争、10・12三里塚現地全国集会を連続闘争として位置付け、総結集を呼びかけている。
 市東さんをはじめとする反対同盟農民のたたかい、営農、生活をしっかりと支え、十月連続闘争を準備し、全国から結集していこう。

  ▼1節 裁判闘争の勝利的地平

 市東さんの農地を強奪しようとする成田空港会社は、市東さんの農地をめぐって二つの裁判を起こしている。一つは現在東京高裁で控訴審が行なわれている、行政訴訟・農地法裁判である。もう一つは耕作権裁判であり、これは現在も千葉地裁で争われている。
 耕作権裁判は、農地法裁判の農地に隣接する農地に関する裁判だが、成田空港会社側は市東さんが空港会社の土地を「不法耕作している」と決め付けてこの裁判を起こしてきた。しかし、そもそも、この農地の特定そのものが誤っていた。また、農地の売買をめぐって市東東市さんの「同意書」なるものが「証拠」として提出されていたが、偽造の疑いが非常に強い「証拠」であった。
 これらの「証拠」が作成された過程の「用地交渉」の空港公団の記録を提出するように反対同盟側が主張し、その記録提出をめぐって、裁判は二年近く止まっていた。提出をめぐって、千葉地裁と東京高裁で争われた結果、東京高裁は七月十六日に、文書はあるはずだから提出せよという決定を出した。
 農地法裁判の千葉地裁・多見谷判決が農地取得過程での空港会社の違反行為を不問としていることにも明らかだが、千葉地裁も東京高裁も一貫して成田空港会社側を徹底的に擁護して、農地強奪を是とする判決を出してきている。この司法権力の横暴に対して、反対同盟弁護団は、空港会社側代理人を徹底的に追及し、法廷において全く正当な論理を展開してきた。この結果として、高裁は空港会社に記録提出を命ずる決定を出したのだ。
 空港会社とその代理人は追い詰められている。「同意書」偽造の証拠を法廷に出すか、証拠隠しを続けて法廷で決定的に不利な状況を自ら作り出すか、という状況になっている。
 そもそも、七〇年強制測量阻止の大闘争によって、空港公団は精確な測量など全くできないまま強制収用手続きに入ったがゆえに、土地の特定など全くできてはいないのだ。そして、札束と国家暴力をもって農地買収を進めたがゆえに、空港公団は非合法な手段も駆使して農地を取り上げてきた。それゆえに、その買収過程の記録を法廷で公然とすることなど決してできないのだ。「国策」だから偽造文書を積み重ねても法廷で通ると考えた空港会社の、その場しのぎの悪辣な戦術が今こそ大きく破綻し始めたのだ。
 この法廷闘争の前進を、農地強奪裁判粉砕をかち取るところまで、さらに押し進めていくことが問われている。
 また、この状況は、農地法裁判控訴審にも当然影響してくる。農地買収過程での農地法違反がさらに鮮明になってくる。耕作権裁判、行政訴訟・農地法裁判を貫いて、空港会社の農地強奪の違法性・不当性を明らかにし、市東さんの農民としての権利―耕作者としての権利をしっかりと確保していこうではないか。

  ▼2節 農地強奪阻止の10月攻防

 この法廷闘争における勝利的前進は、反対同盟弁護団の不屈のたたかいによってつかみとられてきたが、それは、三里塚現地の攻防と一体になってかち取られてきたものである。多見谷判決に見られるように、反動化する司法権力は、論理を捻じ曲げても「国策」―空港会社の空港建設に荷担しようとしてきた。この反動を打ち破るには、法廷闘争と同時に、三里塚現地における実力攻防と一体に闘いを進めることである。
 成田空港に関して土地収用法の事業認定に基づく期限は八九年に切れ、それ以降は合法的な強制収用を行うことはできない。まずもって、この厳然とした事実に、成田空港会社は徹底的に追い詰められてきた。窮地に陥った空港会社が踏み込んだのは、農地法を「根拠」とした民事裁判による農地強奪という手法である。「国家事業」として土地収用法を振りかざしてきた成田空港会社が、一法人に立場を変えて、一人の農民の農地―耕作権を民事裁判で奪う、というのだ。この手法そのものが狡猾で、悪辣である。
「民営化」されたなどとはいっても、成田空港会社はその株式を国が所有する、文字通りの国家独占資本である。巨大な権力を握っている国策会社が、民事裁判で、農地を奪う権利を主張するということ自体が間違っている。公権力ゆえにその権限には制限があり、不可能に至った強制収用を、農地法を「根拠」に強行しようとすること自体が、不公正で不当である。まさに、絶大な権力を握った国策会社が起こした究極のSLAPP訴訟である。
 法を悪用した国家、空港会社の攻撃であればこそ、まずもって、その裁判闘争として断固たたかうことは大きな意義を有している。その上で、空港会社は、その農地強奪攻撃を裁判だけに限定しているわけでは決してない。この数年においても、団結街道破壊、天神峰現闘本部破壊撤去、そして日々の工事強行をもってする農民叩き出し攻撃と、常に農地強奪に直結する攻撃を続けている。現地攻防を反対同盟とともにたたかいぬくことこそが、成田空港会社を追い詰め、日帝の政策の重要な一翼を突き崩すことになる。
農地強奪攻撃を直接一身に受けている市東さんの怒りこそ、現代日本の新自由主義政策の深化の中で、生活を破壊され続けている農民・労働者の怒りに直結している。昨年、多見谷判決を前にした署名運動、一斉行動を通して、反対同盟と支援勢力が市東さんの闘いを全体の闘いへと押し上げ、沖縄・福島をはじめとして全国の住民運動、反権力闘争と結びついてきたことの意義を、今一度しっかりと確認しよう。
 市東さんの農地を守るたたかいは、三里塚四十八年のたたかいを集約するものであり、三里塚闘争の勝利、そして、日帝―安倍政権の戦争突撃を打ち破る闘争にしっかり結びつくたたかいである。
 10・8控訴審―東京高裁包囲行動、10・12三里塚現地闘争に全国から結集し、農地強奪攻撃粉砕をともにたたかおう。



 

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