共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

   「残業代ゼロ法案」
    「裁量労働制」の閣議決定弾劾

  
       労働法制改悪を粉砕しよう
 


 日帝安倍政権は、本年四月三日「残業代ゼロ法案」と「裁量労働制」の改悪について閣議決定をした。安倍政権の「成長戦略」の目玉と称されている労働法制改悪の一部について、閣議決定がされたのである。絶対許すことができない。労働法制改悪反対の闘いをさらに推し進めこのたくらみを粉砕しよう。

 ●1章 脱法行為で過労死を促進する法案を粉砕しよう

 四月三日に閣議決定された内容は、「時間ではなく成で評価する」として年収千七十五万円以上の労働者に対して「残業代をゼロ」にするというものである。対象労働者に対して年百四日の休日、就業時と始業時との間に一定の休息、在社時間などに上限、のいずれかの措置をとるなどとしているが、「アイデアがわいたときに集中して働く」「夜中に海外と電話する」などが想定されているという。つまり、「成果が出るまで働け」ということである。今回の法案では、年収が千七十五万円とされているが、すでに経済界の一部からは「将来的には年収の条件を下げて、年収四百万円以上の労働者に適用すべき」という意見がある。年収の上限が、法案には書かれず、「省令」で定めるということになれば、国会審議を経ることもなく政権の意向で上限を勝手に変えることすら可能になるのである。現在でも、「仕事ができないやつには残業代は払わない」「要領が悪いやつが勝手に残って仕事をしている」などの口実をつけた残業代不払いの脱法行為が平然と行われている。こうした脱法行為にお墨付きを与え、過労死に追い込むこの法案を断固粉砕しよう。
 今回の閣議決定についてさらに注目すべき点は、「裁量労働制」の改悪である。ここではあらかじめ決められた時間より長く働いても追加の残業代がでない「企画業務型裁量労働制」の範囲を広げるとされている。今後は「課題解決型の営業」や「工場の品質管理」に広げるとしている。「課題解決型営業」や「工場の品質管理」には多くの労働者が従事している。「課題解決型営業」とは、たとえば顧客のニーズを分析して新たな商品を開発し、その商品の売り込みを行うことなどが想定されているという。つまり、新商品の開発・営業を行っている労働者が会社側と合意すれば、決められた残業時間以上働いて残業代が出ないことになる。この法改悪が実行されれば、「残業代ゼロ」とされる年収以下であっても決められた残業代さえ払えば、残業させ放題になるのだ。これも過労死促進法だ。粉砕に向けてさらなる取り組みを強化しよう。

 ●2章 派遣の固定化、解雇の金銭解決を許すな

 さらに今後、この閣議決定以外に次のような労働法制の改悪が目論まれている。
 派遣で働く労働者を固定化する「派遣労働法」の改悪は、厚生労働省側の度重なる失態で法案が成立していない。しかし、日帝安倍政権はあきらめずに法案を提出しようとしている。この法案は、職場で「派遣労働者の仕事」と定められた業務は、派遣労働者を変えながら派遣で続けることができる、派遣労働者が派遣元と雇用契約を「期間が定めのない」ものとしていれば、同じ派遣先でも派遣で働かせ続けられるなど、現在は同じ業務に三年以上の派遣労働を禁止している規制を廃止し、派遣の固定化、生涯派遣を狙うものである。派遣労働とは、派遣先の職場は「物品費」として派遣元に契約した金額を支払うというように、労働者を人間ではなく物品として扱う制度である。同じ職場で働いていても派遣先の正規雇用労働者と比べ労働条件は著しく低く、まさに企業にとっては安上がりの労働者である。また、同じ職場に「非正規雇用のパート、アルバイト」、定められた委託業務を担う「委託労働者」、派遣労働が行うことと定められた業務を行う「派遣労働者」と労働者の分断の固定化が進むことになる。職場で団結して闘うという当たり前の労働運動に対する攻撃でもある。この法案を最後的に廃案に追い込み、二度とよみがえらせない闘いをさらに強めよう。
 また、解雇の金銭解決も目論まれている。解雇の金銭解決は、資本側が「解雇したい労働者には金銭を払えば辞めさせられる」というように解雇の自由が横行し、これまで積み上げられてきた解雇に関する法理(解雇をせざるを得ない合理的理由があるなど)が無視され、資本側のやりたい放題になる可能性がある。首切り自由は許さない運動を強化するとともに、現在闘われている解雇争議に勝利し闘い抜こう。


 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.