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   10・11三里塚全国集会に総決起しよう
  

   
農地強奪阻止! 日帝―安倍政権打倒

 

 安倍右翼反動政権が集団的自衛権「合憲」を掲げて戦争法案成立強行に突き進んでいる。労働法制の全面改悪攻撃によってアベノミクスの階級的本質が鮮明になっている。安倍政権があくまでも辺野古新基地建設を強行するがゆえに、日本政府と沖縄との対決はさらに明確になっている。八月十一日、九州電力が川内原発再稼働を強行したが、この事態の中で反原発運動も改めて安倍政権との対決に突き進んでいる。
 戦争と貧困、強権政治を拒絶する人民の決起が始まった今こそ、半世紀にわたって軍事空港反対を掲げて日帝国家権力と対決してきた三里塚闘争の意義が鮮明になっている。三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東さんの農地をめぐり、「第三滑走路」策動をめぐり、改めて闘争陣形を強化しようとしている。日本の階級闘争が、三里塚のようにたたかい、三里塚から勝利の展望を拓いていくことは必ずできる。
 反対同盟は、三里塚現地で開催する10・11全国総決起集会への結集を呼びかけている。反戦闘争、反基地闘争、反原発闘争、労働運動など階級闘争を担う人々の総結集で、三里塚現地闘争をたたかおう。

  ●第1章 抜き打ち判決―控訴棄却弾劾

 本年六月、市東さんの農地をめぐる裁判は大きく動いた。一つは東京高裁で争われてきた行政訴訟―農地法裁判での6・12抜き打ち反動判決であり、もう一つは千葉地裁で中断されていた耕作権裁判の弁論再開である。

 ▼1章―1節 小林判決批判

 東京高裁第一九民事部小林昭彦裁判長は本年三月四日の第四回口頭弁論で結審を強行した。市東さんと弁護団は、地裁段階で尽くされなかった証拠調べ、証人調べを要求してきた。これから本格的審理が行なわれなくてはならない段階で、小林裁判長は結審を強行したのだ。この訴訟指揮に対して、弁護団は小林裁判長の忌避を申し立てた。裁判官忌避申し立ての特別抗告が最高裁で審議中であるにもかかわらず、小林裁判長はこれを踏み越えて判決を強行してきた。
 しかも小林裁判長は六月五日、突如として「六月十二日に判決」という期日指定を通告してきた。これまで、いかに反動的な裁判官であっても、わずか一週間前に判決日を指定するなどということはなかった。通常二~三ヵ月前に期日指定するものであり、これは前代未聞の暴挙である。しかも、判決の法廷は、これまでの弁論で使われてきた大法廷ではなく、傍聴席が三分の一しかない法廷が使用された。
 控訴人である市東孝雄さんと弁護団の出席を考慮することなく、傍聴人を著しく制限した上で、小林裁判長は判決を強行した。忌避申し立てに対しては「申し立て権の濫用」と決めつけて「却下」した。
 そして、市東さんに対して「控訴棄却」を言い渡した。

 ◆1章―1節―1項 成田空港建設を徹底的に擁護

 小林判決は、空港会社の主張を全面的に受け入れた千葉地裁多見谷判決を維持し、かつ「原判決の補正」を行なって、多見谷判決を反動的に補強した。
 空港会社は、「空港用地」として市東さんの耕作地「南台四一-八」すべてを地主から買収しているが、その土地の一部は「空港用地」からはみ出していた。このはみ出した土地に関しては、「空港用地」でない以上、農地転用にあたって県知事の許可を得なければならず、これを怠った空港会社の土地取得は農地法三条違反になる。したがって、空港会社が違法取得した農地を「空港用地」に転用する権限はない。
 この事実に対して、小林は次のように述べて空港会社を全面的に防衛した。「空港公団は本件土地を告示区域外も含めて『空港の敷地』(農地法施行規則七条一一号)に供する目的で取得し、以後も『空港の敷地』として転用する目的で所有していたが、用地取得が計画通りに進まなかったこと等から、その取得後直ちに空港の業務に供するための具体的な転用計画を立て、その業務に供するための敷地として整備することができなかったものと認められる」として、「転用目的で農地を取得したこと自体が否定されるものではない」という理由で農地法三条違反ではないという判断を示し、空港会社が本件許可処分の申請人の地位を有していると結論付けたのである。
 小林判決は、「空港用地」を空港会社の都合に合わせて膨張させ、空港会社が「空港の敷地」とする目的をもって取得し所有した土地はすべて農地法施行規則の例外規定が適用できるとしてしまったのだ。

 ◆1章―1節―2項 農地法施行規則における成田空港の例外規定

 市東さんと弁護団は、この農地法施行規則第七条一一項において農地転用の権利移動の制限の例外として成田空港の敷地を規定し、農地や耕作権の収奪を容易にしていること自体が憲法違反であり、これに基づく農地取得は違憲無効であることをはっきりと主張してきた。
 小林判決は、「成田空港の敷地等に供するために農地等の権利移転が行なわれる場合については、国土交通大臣による認可等により事業の公益性及び公共性が担保されていることから」、県知事の許可が不要とされているのであるとし、「合理的理由のない差別的な取扱いをしているとは認めることができない」と結論付けたのである。
 国交省によって「公益性」「公共性」が担保されるのか! 航空宇宙産業と航空運輸業の権益のために、国交省、空港公団―空港会社が一体となって、三里塚農民の農地を暴力的に強奪していった半世紀におよぶ歴史を何も顧みることのない判決である。裁判所が農地法を根拠にして強制収用を行なう機関に変質していくことを、裁判長自ら宣言しているに等しい言説である。

 ◆1章―1節―3項 農民の権利を制限

 空港公団は、空港用地に転用する目的で農地の取得を行なったが、賃借人であった市東東市さん、そして孝雄さんには、そのことを秘匿し続けた。賃借人の同意を得なかったことは事実であり、その農地法違反を、市東孝雄さんと弁護団は、最初から訴えてきた。
 小林判決は、農地法二〇条の規定が賃借権の保護、賃借人の地位の安定を図るものであると認めながら、農地賃貸借の解約についての知事の許可は「賃借人の同意を要件とはしていないことも、その文言上明らかである」と決め付けて、市東さんの訴えを「独自の解釈であるというほかなく、到底採用することができない」としりぞけたのである。
 農民自身が、自らの耕作権を保障する法として農地法を読み、正当な賃借権に基づいて当然の権利を主張する。この市東さんの理解よりも、農民を騙して農地を奪い、農地を破壊する目的で騙し続けてきた空港会社を、農地法の条文をもって擁護しようとする、この小林の論議の方法こそ、農地法の本来の意図を踏みにじる曲解ではないか。

 ◆1章―1節―4項 文書提出命令申し立て却下=証拠の隠蔽

 市東さんと弁護団は、空港公団の土地取得過程での違法を明らかにするために、空港会社側に対して、空港公団の用地事務取扱規定、用地事務取扱規定細則、文書管理規定などの文書提出を求めてきた。
 しかし、小林は、「事務取扱規程に反して本件各土地が取得されたとしても、その売買が農地法違反になるものではない」と強弁した上で、「土地の取得の適法性に影響を及ぼすものとは到底考えられない」として、証拠調べの必要性はないと結論付けた。
 空港公団には用地取得の規則がありながら、自らそれを逸脱して用地を取得していた事実を、裁判所が見ようとしない。規則違反であっても違法ではないと言い張って、空港公団―空港会社の不当な土地取得の事実を覆い隠そうとする。このような脱法論理で、証拠調べも証人調べも拒絶する裁判官が、農民の権利に関して判決を書く資格はない。
 小林はこのように空港会社を防衛して農地強奪の判決を強行したのだ。
 東京高裁小林判決は、成田空港会社による農地強奪という事件の本質を覆い隠し、詭弁と言い訳をくり返して、空港会社の行為を「合法」と言いなし、市東さんの農民としての権利を踏みにじるものであった。絶対に許すことはできない。市東さんと弁護団は上告して、多見谷判決・小林判決を粉砕すべく、闘う決意を固めている。違憲違法の農地強奪を絶対に打ち破っていこうではないか。

 ▼1章―2節 耕作権裁判再開

 ◆1章―2節―1項 文書偽造の権力犯罪


 市東さんの農地をめぐるもう一方の裁判、耕作権裁判は本年六月十五日に千葉地裁で弁論が再開された。この裁判は、行政訴訟・農地法裁判の農地と隣接する農地に関する裁判であるが、空港会社が市東さんの耕作地の一部を「不法耕作」と決め付けて「明け渡し」を要求している、不当な農地強奪訴訟である。この裁判においては、農地の売買をめぐる「用地交渉」の空港公団の記録について、文書提出命令が昨年確定し、弁論が再開されることになった。
 空港会社は、「境界確認書」「同意書」「添付図面」をもって「契約畑」とする「南台四一―八」および「南台四一―九」に関しては農地法裁判で奪おうとしてきている。一方で、「契約畑」ではないとした畑地については「不法耕作」だと決め付けた上で奪おうとしているのであり、それが、この耕作権裁判である。
 空港会社が「用地取得」の根拠としてきた「境界確認書」「同意書」「添付図面」は筆跡鑑定の結果、東市さんの署名ではないことが明確になっている。これらの書面が偽造であるということだ。
 「用地交渉」は空港公団用地部の最重要の業務であり、市東さんの耕作地の「取得」過程についても必ず記録が残されている。現在、文書提出命令が確定しているのは、この「用地取得」過程の記録である。空港公団を引き継いだ空港会社は、裁判所の命令に従って文書を提出しなくてはならない。にもかかわらず、追い詰められた空港会社は「無い」として文書提出を拒否し続けている。

 ◆1章―2節―2項 市東さんの意見陳述

 文書提出命令をめぐって弁論が中断していた間に、千葉地裁民事第二部の裁判長は交代しており、六月十五日に再開された弁論は更新手続きとして、市東さん本人と弁護団が更新意見を陳述した。
 市東さんは意見陳述の冒頭で、空港会社がこの提訴を行なったことによって、新聞で「不法耕作の男」と報じられたことに対する憤りを、「今も、夜も寝られないほどの悔しさがこみ上げてきます」と語った。
 市東さんは「不法耕作」という提訴理由に対して、市太郎さん、東市さん、孝雄さんと三代、百年にわたって耕作してきたがゆえの、この農地の耕作権の正統性を対置した。農民としてこの裁判に対する意見をはっきりと述べた。
 市東さんの意見陳述は、隠然たる農地買収から現在の二つの裁判に至る全過程の権力犯罪の構造を、農民の立場から徹底的に明らかにするものだった。
 空港会社が起こした訴訟の過程で、市東さんは農民であるがゆえの当然の疑問をもった。空港会社は図面を含めた文書だけを根拠にして、市東さんの契約地が「南台四一―九」だとし、現在の耕作地の一部は契約地ではなく空港会社の所有地だと主張したのだ。しかし、そもそも、東市さんも孝雄さんも「南台四一―九」を耕作したことはなく、現在の耕作地に関して旧地主との間で争いになったことは一度もなかったのである。
 孝雄さんは、空港会社の主張の根拠となっている「境界確認書」「同意書」「添付図面」に疑問をもった。農地死守を貫いた東市さんが署名をするはずはないのだが、それ以上に、農民が自らの耕作地の位置を間違えるわけなど絶対にないからだ。
 空港会社が「根拠」としている証拠が、実際に耕作している農民からみれば、決して有り得ない誤りを犯していたのである。
 そして、筆跡鑑定によって、東市さんの署名ではなく、偽造であることは明らかになっている。
 なぜ、耕作地の取り違えという間違いのまま、この「買収」が成立していたのか。それは、当時の空港公団が、三里塚現地に足を踏み入れることなく、この契約を隠然と行なったからにほかならない。
 契約地の誤りということは、空港公団―空港会社の権力犯罪の結果なのである。地主、賃借人、耕作者など全ての利害関係人の立会いの下に、土地そのものを現認して契約したものではないから、引き起こされた過ちなのだ。市東さんが直感した疑問こそが全てを語っている。現在に至る土地錯誤のこの事態こそが、だまし討ちの農地強奪の結果なのである。
 だからこそ、この空港公団の文書偽造過程を明らかにするための文書提出命令は、裁判の根幹を明らかにするものなのである。空港会社は裁判所の命令に反してでも自らの犯罪を隠そうとしている。市東さんがはっきりと要求した真相究明とは、このことなのである。反対同盟、支援勢力の力で、裁判所を揺り動かし、空港会社に文書提出させなければならない。

 ●第2章 「第三滑走路」策動粉砕

 ▼2章―1節 「第三滑走路建設」を策す「四者協議会」


 昨年四月三十日、成田空港周辺の地元ブルジョアジーなど空港建設推進勢力は「成田第3滑走路実現する会(以下、「実現する会」)」を立ち上げた。そして、これに呼応するように国交省は昨年七月、成田空港の「第三滑走路建設計画案」を発表した。
 このような策謀がうごめく中、石毛博道や実川治雄などは、芝山町・成田市の地元を中心にして、この動きを自らに有利に動かすことを策動し、今春、「成田第3滑走路実現を目指す有志の会(以下、「有志の会)」なる団体を組織した。「有志の会」は『こうなる「成田第3滑走路」』というパンフレットを作成して、「第三滑走路」建設推進の主張を始めた。
 「有志の会」は石毛らが中心になって成田市、芝山町、多古町など地元の商工会関係者を集めて、七月二十九日に成田市内のホテルで発起人会を開催した。成田市長・小泉や芝山町長・相川などもここに出席した。「有志の会」は「実現する会」との一本化を模索することや、八月中に設立総会を開催することなどを議論したと報じられている。
 一方、自民党・千葉県議らでつくる「成田国際空港推進議員連盟(以下、県議議連)」は同日、成田空港を視察し、空港会社と意見交換を行なった。その上で、県議議連会長の石橋清孝は、「有志の会」発起人会にも参加したのである。
 さらに、「成田空港圏自治体連絡協議会(以下、自治体連絡協議会)」(会長は成田市長・小泉)は、千葉県知事に対して、成田空港の「機能強化」に県が積極的に取り組むように要望。七月三十一日には自民党国会議員による「自民党成田国際空港推進議員連盟(以下、自民党推進議連)」が党本部で総会を開き、「第三滑走路の整備をはじめとする成田国際空港の更なる機能強化の具体化に向けた決議」をあげた。その場で国交省航空局長田村明比古が「第三滑走路の必要性」を前提にした上で、千葉県に対して「四者協議会」開催を要請した。
 「地元」千葉県の動きを集約する形をとって、自民党推進議連会長の二階俊博は、国交相太田昭宏と会談し、「第三滑走路建設」に向けた「協議会」を立ち上げるよう申し入れた。国交相太田はこれを受け、「協議会」に政府が参加することを了承した。
 自治体連絡協議会は八月二十五日の会合で、「成田空港に関する四者協議会」の開催を県に対して正式に要望した。「四者協議会」とは、国、千葉県、周辺市町村、成田空港会社の四者が「成田空港の機能強化」に関して協議する機関であると報道されている。「機能強化」とは、具体的には「成田第三滑走路建設」を意味している。

 ▼2章―2節 24時間化攻撃(議員連盟文書)

 自民党推進議連の七月三十一日の「決議」が、「第三滑走路の整備」とともに「機能強化」の具体的内容として掲げているのは、「夜間飛行制限の緩和」である。
 この「決議」で成田空港機能強化の理由として掲げているのは、二〇二〇年開催予定のオリンピック・パラリンピックである。二〇年に向けて、「第三滑走路」よりも「夜間飛行制限の緩和」をこそ狙っているのだ。前述したように、各航空会社が羽田を選択する理由は、二十四時間使用可能だということがある。
 内陸空港の成田空港は、二十四時間使用することはできない。「用地内」農民をはじめ周辺住民の睡眠時間をさえ奪う生活破壊に直結する攻撃である。絶対に許してはならない。

 ▼2章―3節 「有志の会」の「第三滑走路計画」

 「地元の要望」を受け止めるかのような形式をとって、日帝―国交省が「第三滑走路建設」の「四者協議会」に着手する中で、「有志の会」が打ち出した「第三滑走路建設計画」とはどんな意味をもっているのか。
 「有志の会」パンフレットは、昨年七月に国交省が示した「第三滑走路案」の二案を具体的に検討している。(案1)は、現在のB'滑走路の東側に平行に「新滑走路」を建設するというものであり、その場合、B'滑走路は離陸専用に、「第三滑走路」は着陸専用にするというものだ。(案2)は、B'滑走路の東側ではあるが、南に大きくずらして建設するというものである。この場合、北風時にはB'滑走路は離陸に使って「第三滑走路」を着陸に使い、南風時にはB'滑走路を着陸に使って「第三滑走路」を離陸に使うというものである。
 政府の二案を見ながら、石毛は次のように設計すべきと考えた。(案2)の「第三滑走路」の位置を東側ではなく、現B'滑走路のほぼ真南に建設すれば、さまざまな問題を解決できるというものだ。(案1)にしろ(案2)にしろ、B'と「第三」は離陸と着陸を分けるのだから、平行ではなく、直線的に真南の位置でも良いという考えだ。図の上で見ると、北風でも南風でも、二つの滑走路に挟まれた地域、つまり現在の「用地内」農民の宅地・畑地のある東峰地区は、飛行しないことになる。
 しかし、二つの滑走路の離陸と着陸を分けているから、理論上は現在の二倍の使用が可能になる。
 「世界にも例のない滑走路」と、石毛は自らの案を自画自賛している。

 ▼2章―4節 空港との「共存」の利権

 しかし、どうして、農地を暴力的に奪われ、現在も騒音、排気ガスの被害が続く芝山町、成田市から、「第三滑走路建設計画」の案を進んで提案しなくてはならないのか?
 「有志の会」パンフレットは「成田第三滑走路」の「必要性」を説明してはいるが、それは全く地元の必要性ではない。「日本の成長戦略」の環として航空需要は拡大すると説明しているにすぎない。全日空、日航など航空運輸業をはじめとした独占資本の利害を代弁しているだけのものである。
 現実には、二〇一〇年十月に三十二年ぶりに羽田空港が国際空港として位置付け直された。かつ、オープン・スカイの下で、各航空会社は首都圏からの交通アクセスが優れ、二十四時間使用可能な羽田の国際路線獲得を争ってきた。昨年三月三十日に羽田の国際線枠が一・五倍に拡大したことで、この流れにさらに拍車がかかった。
 現実には、二〇一〇年以降、羽田の国際線旅客数は四割増加しており、二〇一四年度は千百三十九万人(推計値)に達するとされている。成田は三千万人前後を維持しているが、微減の状況にある。二〇二〇年開催予定のオリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人が増大するのに合わせて、国際線の受け入れ枠をめぐって、航空各社、空港会社間の競争が激しくなっていくことが必至といわれている。
 羽田の伸張に対する成田の落ち込みという予想に危機感をあらわにしているのは、成田空港会社であり、千葉県、成田空港周辺の自治体、地元ブルジョアジーどもである。
 成田空港会社は何を行なってきたのか。航空需要を拡大するためにLCC(格安航空)専用ターミナルを新設し、本年四月に稼動させた。政府丸抱えの企業であるが「民営化」している成田空港会社は、会社としての収益という観点から、LCC誘致を行ない、新たな投資を行なってわざわざ専用ターミナルを作ってしまったのだ。この論理の逆転をみよ! 航空需要が急激に高まっているから「公共性」「緊急性」があるとして、強制収用を行なって空港建設を強行したのではなかったのか。成田の航空需要が落ち込んでいくのならば、撤退する、廃港にする、というのが当然の論理ではないか。航空需要の掘り起こしをどうして行なわなくてはならないのか。建設してしまった以上は、収益をあげるために何でも行なうのが当然のような論議は根本的に間違っている。
 石毛博道をはじめとした「有志の会」は、この日帝ブルジョアジーの論議に自ら積極的に絡めとられながら、この中に「第三滑走路」を地元から要請していくという、大きく歪曲した主張を平然と開始したのである。そこにはっきりと見えるものは、利権を芝山町に取り込もうとする腐りきった小ブルジョアジーの姿である。
 空港会社や空港運輸業の独占企業体が収益確保のために争って拡大してきた「航空需要」、それを根拠にして成田空港の「機能強化」「第三滑走路」という論議は、空港反対をたたかってきた農民から出てくるものではない。石毛の「嗅覚」によれば、「いまなら国は喉から手が出るほど『第三滑走路』を欲しがっています」「自ら声を上げない限り、このチャンスはつかめません」というのだ。「この機会を逃さず、第3滑走路の建設を住民の力を合わせて実現させましょう」とまで主張する。
 地元住民の側からの「第三滑走路案」を主張し、利権の分配の場たる「四者協議」に何としても参加しようというのだ。
 「有志の会」案は、「第三滑走路」を芝山町の騒音直下地域に作らせようというものである。移転を強要され、地域の共同性を破壊されてきた地域に、それに見合った利権を改めてよこせという主張にすぎないではないか。そして、この案によれば、騒音地域はさらに南側に拡大する。そればかりではない。現在のB'滑走路の再北延伸まで主張している。あくまでも、空港会社に使いやすい滑走路建設に協力するから、しっかり地元に利権を配分しろと主張しているのだ。
 現B'滑走路南側の飛行をとめようというのなら、「第三滑走路」を言い出す前にまずもって、現在の南側への離陸・着陸の禁止を主張し、飛行停止を実現すべきだろう。日々押し付けられている爆音、排気ガス、地上走行の被害に何のたたかいも行なわないで、B'滑走路南側に「航空機が飛ばなくなるという長所」などと客観的に平然と自画自賛していることこそ、許しがたい。
 石毛が構想したようには、「有志の会」と「実現する会」の一本化が進んでいる訳ではない。
 たとえ、「四者協議」の中に食い込めたとしても、石毛が構想する「第三滑走路案」が実現する訳ではない。利権と利権のぶつかり合いである。どの案をとったところで、無人地帯ではないのだ。新たな強制収用なしには、内陸空港の「新滑走路」は到底「実現」するはずがない。
 昨年、反対同盟が喝破したように「第三滑走路」など「荒唐無稽」な計画でしかない。空港反対闘争の新たな拡大をもって、絶対に叩き潰していかなくてはならない。

 ●第3章 軍事空港建設阻止 安倍政権打倒 10・11三里塚へ

 ▼3章―1節 最高裁五万人署名に取り組み、
         市東さん農地裁判の勝利をもぎとろう


 東京高裁裁判長小林の反動判決に対して、市東孝雄さんは「農民である私に対する死刑判決だ。絶対に認められない」と報告集会で怒りと決意を明らかにした。市東さんは最高裁に上告した。司法権力が空港会社に全面的に荷担したこの攻撃は、直接的に市東さんの農地を強奪しようする攻撃であり、三里塚農民―日本農民総体に対する攻撃だ。そして、軍事空港反対闘争を半世紀におよんでたたかい抜いてきた三里塚闘争そのものを破壊しようとする攻撃だ。
 反対同盟はこの攻撃の意図をはっきり捉えて、今夏、「最高裁による強制収用許さない緊急五万人署名」を呼びかけた。
 反対同盟は、行政訴訟・農地法裁判の控訴審段階において、三万人署名運動を呼びかけ、空港周辺地域において一斉行動を定期的に行なって、抜き打ち判決当日までに二万八千三百三十七筆の署名を積み上げ、小林裁判長に突きつけた。同時に、反対同盟は、霞ヶ関デモを敢行し、東京高裁を包囲する行動を展開してきた。控訴審闘争を目前にして急逝した萩原進さんは、一四年三月からの控訴審に向けて「霞ヶ関に攻め上ろう」と呼びかけていた。反対同盟と三里塚勢力は、まさに、霞ヶ関に攻め上ってたたかい抜いてきたのだ。
 小林裁判長はこのたたかいに追い詰められ、恐怖して、判決日直前の期日指定という許しがたい手法をとった。反動的、反人民的判決を自ら自覚したがゆえの、卑劣な手法であった。
 このような反動を絶対に許してはならない。市東さんの怒りを、日本農民の怒りを最高裁に突きつけ、最高裁を揺り動かしていくことである。司法権力総体が一人の農民の農地強奪に全面荷担するなどということを絶対に許してはならない。全国の農民、労働者、被抑圧人民・被差別大衆の怒りを集約し、五万人署名を実現していこう。

 ▼3章―2節 「第三滑走路建設計画」粉砕

 空港会社と司法権力が結託した農地強奪攻撃の中で、「第三滑走路計画」を掲げる行為は、空港反対運動に対する真正面からの敵対攻撃である。自民党の推進議連、県議議連と国交省は、「地元の要望」をくみ上げるような形式を整えながら、「成田空港に関する四者協議会」と称して「第三滑走路計画」の利権分配会議の開催に突き進もうとしている。戦争法案、労働法制改悪などを強行する安倍政権が、自公独裁というべき状況に突き進んでいる中で、何でもできるとばかりに自民党は反動攻勢をかけてきている。「成田第三滑走路」などという文字通り荒唐無稽な計画も、反動攻勢の一環として押し通してしまおうという攻撃だ。
 石毛博道、相川勝重らが主導する「有志の会」とて、「実現する会」とともに、この反動攻勢と利権配分に組み込まれていくことを自ら渇望する動きにほかならない。
 反対同盟はこの動向を見抜き、七月二十九日に行なわれた「有志の会」発起人会議に対して、断固として抗議行動に立ち上がった。
 反対同盟の一斉行動の中においても、「第三滑走路」策動を危惧し、改めて空港反対運動に期待する声が上がっている。
 「第三滑走路計画」と一体に策動されている成田空港の「夜間飛行制限の緩和」なる二十四時間化を狙う攻撃も絶対に許してはならない。羽田国際化に追い詰められ、二〇年オリンピック・パラリンピックを契機として二十四時間化を強行しようとする攻撃は、絶対に阻止しなくてはならない。生活破壊―農民たたき出し攻撃を徹底的に弾劾し、自民党推進議連の策動を粉砕しよう。

 ▼3章―3節 「反戦の砦―三里塚」から戦争法制反対を闘おう

 日帝―安倍政権の戦争法案成立強行攻撃を軸とした反動攻勢において、軍事空港反対―農地死守・実力闘争を貫いてきた三里塚闘争に対しては、国家権力は反戦勢力の拠点であるがゆえに叩き潰そうとしてくるであろう。市東さんにかけられた農地強奪攻撃を三里塚現地において打ち破れるのかどうかということこそ、日本の反戦闘争―反帝闘争を切り拓いていく上での重要な試金石となる。
 反対同盟が、まず三里塚で勝利をつかみ取ろうと呼びかけてきたことは、三里塚で勝利することが、日本階級闘争総体の大きな発展へとつながるからだ。反対同盟はこの間、原発事故の被害が集中する福島の人々、そして、辺野古新基地建設阻止を環とした反基地闘争を島ぐるみ闘争として発展させてきた沖縄人民とともに闘うことを希求し、相互の交流を経ながら結合を強めてきた。
 集団的自衛権行使を可能とする違憲立法を強行しようとする安倍政権は、戦争法案に基づいて日米軍事同盟関係を飛躍的に強化しようとしている。現実には、沖縄、岩国をはじめとした米軍基地の拡大、機能強化が狙われ、国際空港をはじめとした空港・港湾など施設の軍事利用が改めて全面的に再編・強化されてくるだろう。
 四十九年前、当時の羽田国際空港がベトナムへの米軍チャーター機で満杯になっていた状況を見て、反対同盟農民自身が自らの農地が強制収用され軍事空港が建設されていくことをはっきり捉えて、農民自らの戦争体験を踏まえ軍事空港反対の確信を掴み取っていったことが、今こそ現実の攻撃として改めて目の前に現れている。
 国策としての成田空港建設強行に対して、農民が農地を耕して生き抜くことを対置してたたかうことが、人民の側の大義として明確に提示されている。
 戦争法案、米軍基地建設、原発再稼働、労働法制改悪、刑事司法の改悪といった全社会的な反動化の嵐の中で、労働者人民、とりわけ、青年・学生は自ら立ち上がって反動攻勢を突破しようと試み始めている。改めて「三里塚のように闘おう」ということが問われている。
 ともに10・11三里塚現地闘争に決起し、農地強奪阻止、安倍右翼反動政権打倒をたたかおうではないか。

 

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