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   高江オスプレイパッド建設阻止

     
デタラメな工事を許さない、現地闘争果敢に闘われる

       
       
 十一月から十二月にかけ、やんばるの豊かな自然を守るべく、高江の座り込みに参加した。満天の星空、ホタル、カエルの鳴き声が出迎えてくれた。ハブは冬眠はせず静かにしているそうだ。今年多く現れるというケブカコフキコガネが寄ってきたり、リュウキュウアサギマダラの群舞を見たりすることができた。N1裏テントの中で(人の少ないときに)アカヒゲが跳び歩いていた。
 安倍政権はオスプレイが使用する高江周辺へのヘリパッド(離着陸帯)の年内完成を号令し、工事を進めさせた。各県から五百名もの機動隊員が百四十名の住む高江に押し寄せ、「オスプレイ撤去」「新基地反対」を訴える地元住民・沖縄の民意を押しつぶした。沖縄の人々、そして連帯する全国の人々が、高江と辺野古の新基地建設を止めるため、現地に集まり、闘い続けている。七月二十二日、N1表ゲート前の座り込みテント、車両を暴力的に排除し、資材の搬入を始めた。
 人々は森の破壊を止めるため、N1表ゲート前をはじめ、メインゲート前、旧揚水発電所ゲート前、N1裏テント、新川ダム、路上、砕石場、森の中等、あらゆる場所で闘いぬいてきた。砕石を積んだ十トンダンプが夏には一日十二台程度だったのが、十二月には多い日で延べ百二十台もの台数が、県道を封鎖してN1表ゲートから砕石を運び入れ、多くのやんばる固有種が住む貴重な森を破壊した。ゲート付近の県道が真っ白になっていた。工事用道路のために計画の倍以上の幅で、木を切り倒して行った。「戦争のための基地づくりだがこれはすでに戦争だ」と蝶の研究家が告発した。森の深部に重機を搬入するため自衛隊法に違反し、自衛隊ヘリによる空輸が行われた。人々は、吊り上げ地点、荷降ろし地点においても阻止行動を闘った。
 安倍にせかされ北勝建設、仲程土建、本部造園の各社による拙速な工事の強行が進み、十二月半ば、ハリボテのオスプレイパッドができあがった。年内ということで十二月二十二日に北部訓練場の返還式典が予定されていた。先立つ十二月十三日、空中給油の際の事故でオスプレイが墜落した。辺野古から五キロメートル東の名護市安部の浅瀬であった。安部集落から数百メートルしか離れていない場所で、サーフィンをしたり、貝やタコを獲ったりする場所である。民家の上に落ちていた可能性もあった。かく乱報道もされた中でタイムス記者や市民が墜落現場に接近し、県警の規制をはね返して取材を行った。翁長知事は墜落事故を受け、返還式典の中止を求めた。しかし安倍政権は式典を強行した。住民の会は東村役場に出かけ、村長に「返還式典に出ないでほしい」と要請した。村長は会おうともしない。知事、県議会議長がボイコットする中、官房長官・菅、防衛相・稲田、駐日米大使ケネディ、仲井真前知事、国頭村、東村長、高江区長らが参加して行われた。基地の県内移設に反対する県民会議が、まやかしの返還への抗議行動を呼びかけ、雨の中、会場入口にて日米政府に対する弾劾の声をあげた。急造で作られた四つのオスプレイパッドがいかにずさんなものかを明らかにする写真展示もなされた。
 そのすぐ後、名護市内の体育館において、「欠陥機オスプレイの撤去を求める緊急抗議集会」が開かれ四千二百名が怒りの声を結集した。翁長知事が手拍子の中で迎えられ、「オスプレイが飛び交う高江は問題であり、北部訓練場返還式典強行は県民に寄り添う姿勢が全く見えない。辺野古新基地は造らせないという公約の実現に不退転の決意で臨む。心をひとつにして、子や孫のために負けてはならない」と決意を述べた。
 高江の住民たちは九月二十一日、オスプレイパッドの建設工事を止めるため、「オスプレイの騒音により人格権を侵害される」として提訴した。地裁は年内に判断を出すとのことだった。十二月六日、那覇地裁・森裁判長は国の環境アセスを可とし、ヘリパッド完成後の騒音や低周波音被害の違法性が「十分に疎明されているとは言い難い」として仮処分申請を却下した。住民の叫びを一顧だにしない国策に追随する不当判断を許してはならない。
 やんばるの森の生き物たちに配慮し、オスプレイパッドを一つずつ作る予定にしていた。N1地区からH地区へモノレールを敷設し、砕石を搬入するとしていた。実際は突貫工事のために砕石を敷き詰め、四トンダンプが通る工事用道路を作り、H地区、G地区のオスプレイパッド建設を進めた。
 G地区と宇嘉川河口を結ぶ歩行訓練ルートの整備が後から追加され、一・二メートル幅の歩道ということであるが大幅に木を伐採し、砕石を敷き詰め四、五メートルほどの幅になっているところもあった。ルートの途中に川があり、橋をかける計画だが、工事を急いで排水管を置いてその上に砕石を敷き詰めた状態にしていた。また川の水質検査を「橋」の下流でやるべきであるが、上流に検査機器が設置してあった。
 H地区は、本部造園が工事を行った。平地ではなく山状で両側が谷になっており、オスプレイパッドの台地を作るのに切土、盛土が必要だった。谷に砕石を入れて平らにする工事がなされた。しかし転圧不足のためか、雨が降った後に水がたまってしまい、水を吸い上げたり砕石を入れ替えたりしなければならなかった。急斜面と台地とのつなぎ目が傾斜のゆるい法面で、下にずり落ちないための軽量法枠をおいて土をつめ、上に芝を置く作業をした。手作業で土を詰めていたが時間がなくなり、重機で大ざっぱに土を上から押し固め、はり芝をした。大雨により崩れるのではと予想される。作業員が斜面で安全帯を使っていない、ヘルメットをかぶっていない、くわえタバコで作業をしているなどの問題もあった。労基署が見に来たときだけ体裁を整え、いなくなるとまたもとの状態に戻った。路盤の品質試験をしていたが、離れた場所でやるべきだが、すぐ近くで行い、検査員が来ずに自分たちで済ませていた。
 G地区とH地区の間は道路を作る計画だが、年内に間に合わせで木の切り株が見える形で砕石を入れて形ばかりの道路を作り、返還式典の後に、切り株を掘り返して道路建設をするようであった。N1表ゲートから入ったところに砕石の仮置き場があり、四トンダンプに積み替えて奥の方に運んだが、荷台に山積みの過積載で運び入れていた。土木工事に詳しい技術者がオスプレイ帯建設現場に接近し、ずさんな工事の状況を記録した。やんばる在住のこの方は新基地反対で、高江・辺野古において専門知識を活用し、闘いに参加している。
 年が明けても高江の座り込みは継続している。G―H間の道路建設、歩行訓練ルートの建設を止めること、やんばるでオスプレイを運用させないための闘いが続いている。
 鉄条網を切ったとして博治氏が不当逮捕され、起訴されたあとも名護署、那覇拘置所で拘束が続いている。さらに二名も拘束が続いている。連日、名護署への抗議、激励が行われた。不当逮捕に屈することなく、人々は現地の座り込みの闘いを継続した。安倍政権は闘いの高揚をおそれ博治氏を出そうとしない。不当な拘束をやめろという声は世界的に拡大している。オスプレイ・ヘリパッド建設阻止高江現地実行委員会は訴訟費用のカンパや、激励の面会、手紙等を呼びかけている。
 沖縄の基地反対の歴史的な闘いを引き継ぐ、高江・辺野古の座り込みが続いている。「勝つ方法はあきらめないこと」という呼びかけにこたえ、不屈に闘いぬく沖縄人民と連帯し、現地において、あるいは首都圏など各地で安倍政権打倒を闘いぬこう。



 

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