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   ■日本軍「慰安婦」問題、「日韓合意」その後
        
                                
 

 フィリピン、インドネシア、台湾、日本、韓国の参加によって闘いとられた韓国CCB会議翌日の一月二九日、AWCの仲間は零下一〇数度の気温の中、ソウルの日本大使館とアメリカ大使館前で連続して抗議記者会見を開いた。日本大使館前では、相次ぐAWC韓国委員会メンバーの日本入国拒否を糾弾し、日本軍性奴隷制度被害者への謝罪と賠償、憲法九条改悪阻止を訴え、米大使館前では、朝鮮半島での戦争挑発の中止、THAADミサイル配備撤回、フィリピンおよびアジア地域への軍事介入の中断を訴えた。写真の一番手前は、手編みの帽子とマフラーにマントをまとった日本大使館前の平和の少女像だ。この一枚の写真に寄せて、米日韓軍事同盟を糾弾するという視角から、二〇一五年「日韓慰安婦合意」に関するタスクフォース報告書(二〇一七年一二月二七日発表)とそれ以降の文在寅(ムンジェイン)政権の対応、韓国の状況を振り返ってみたい。

 ●1章 当事者無視の12・28「日韓合意」

 12・28「日韓合意」は、朴槿恵(パククネ)政権末期に相次いで強行された日韓軍事情報包括保護協定の締結、THAADの韓国配備強行とともに朴槿恵政権が犯した代表的な犯罪的行為として全民衆によって糾弾された。「ろうそく革命」以降も、毎週の水曜集会を闘う日本軍性奴隷制度被害当事者と少女像を守る青年や市民の正義を求める闘いは続いている。「12・28合意」後の少女像を守る闘いを通じて若い人たちが参加しているのが大きな特徴だ。「ろうそく革命」によって誕生した文在寅政権下で、韓国外相直属の「日韓合意」検証タスクフォースが発足し、半年にわたる調査の結果を昨年一二月二七日に三一頁に及ぶ報告書で発表した。報告書は、当事者無視、秘密交渉と隠蔽された裏面合意の存在、「不可逆的」という文言をめぐる経緯、この合意が条約でもなく「政治的合意」にすぎないことなどを通じて合意破棄と再交渉が妥当であることを示唆する内容となっている。
 そして翌一二月二八日に文在寅大統領は「大統領として、国民と共に、この合意で慰安婦問題は解決されえないことを、今一度、明確に述べ」るとして「被害者中心の解決と、国民と共にある外交という原則の下、早急に後続処置を取るよう」政府に指示した。その後、被害者ハルモニたちを青瓦台に招待したり、直接見舞った。二〇一八年一月四日には文在寅大統領と康京和(カンギョンファ)外相が相次いで合意破棄の可能性を示唆する発言を行なうなど合意破棄は確実とも思われた。

 ●2章 「日韓合意」への米国の介入・干渉

 しかし直後の一月六日、一転して「合意の破棄と再交渉は要求せず、その代わりに日本政府の真の謝罪を求める」という政府の立場を表明した。韓国民衆はこれに対し憤激した。一月一〇日に糾弾記者会見を開いた「平和と統一を開く人々(ピョントンサ)」は、文在寅政権への批判とともに「文在寅政権がこれまでの歩みとも異なり、このような欺瞞的立場を表明したのは米国と日本の強要のせいだと見るほかありません。韓米日同盟構築の障害物を取り除くために韓日慰安婦野合の締結を朴槿恵政府に強要した当事者はまさに米国と日本」だと強く糾弾した。
 「12・28合意」の直後に米国が「合意」を褒め称えたことを記憶している人は多いだろう。韓国では、「12・28合意」に米国の介入があったことは単なる疑惑ではなく、すでに広く知られている事実であるとさえいえる。そのため今回のタスクフォース報告書において米国の介入・干渉についてどこまで事実が明らかになるかが注目されていた。
 報告書の「慰安婦合意の経緯」の中では「二〇一四年三月二四―二五日オランダのヘイグで核安保首脳会談が開かれた。米国は韓米日の協力の次元で韓日関係改善のために努力し、三月二五日、韓米日三カ国首脳会談が別途に開催された。この過程で韓日両国は慰安婦問題を扱う局長級協議を開始することを合意した」と言及されている。
 さらに「慰安婦合意の評価」のうち「政策決定過程及び体系」の項目では、「韓日関係の悪化は米国のアジア・太平洋地域戦略にとって負担として作用することにより米国が両国間の歴史問題に関与する結果をもたらした。このような外交環境のもとで韓国政府は日本政府と交渉を通じて慰安婦問題を早急に解決せねばならない状況を迎えた」としている。これについて呉泰奎(オテギュ)タスクフォース委員長は、報告書発表の記者会見で、「慰安婦合意」に対する米国の介入に関して「検討したところでは、韓日がしっかりと協力してほしいという水準以上のものを確認できなかった」として「その程度の表現(報告書に盛り込んだ内容)が最も適切だと判断した」と述べたという。しかし「その程度の表現」でも充分に意味深長だ。米国の介入問題は日本ではまったく取り上げられていないのだから。

 ●3章 朴槿恵政権末期に乗じて強行された「日韓合意」

 韓国民衆は「合意」を日韓軍事情報包括保護協定やTHAAD強行配備と一体のものとしてとらえている。「合意」から一年が経とうとする二〇一六年一一月(すでに「ろうそく革命」が始まっていた)に、すでに死に体となっていた朴槿恵政権との間で日韓軍事情報包括保護協定の締結が強行された。このとき崔順実(チェスンシル)ゲートを暴露した韓国のテレビ局JTBCが日韓軍事情報包括保護協定と「慰安婦合意」には米国の介入があったという疑惑を提起している。そのなかで米国務省の東アジア太平洋担当筆頭副次官補であったエバンス・リビアは「ワシントン、すなわち米国政府が韓日両国の協定締結を督励した」と主張している。特に「この間、韓米、米日、韓米日間で民間専門家が参与する非公式会談、いわゆるトラック2対話が数回開かれ、韓日軍事情報保護協定についての論議もあった」「直接参加したこともある」と述べた。
 さらに、日韓間の軍事的協力を強く促すために二〇一五年「慰安婦合意」を急ぐよう圧迫したという主張も出ている。米政府で政策諮問をしているヘリテージ財団上級研究員でありCIA出身のブルース・クリンガーは「米国側が韓国と日本に『慰安婦合意』をすることを説得した」と主張しており、二〇一二年に日韓軍事情報包括保護協定が推進途中で中断されたことの理由の一つとして「慰安婦」問題を挙げ、「慰安婦等歴史的問題を解決するために米国が民間専門家を動員して数年間努力してきた」と述べた。
 要するに日韓軍事情報包括保護協定の締結とTHAAD韓国配備は日米韓軍事同盟の完成のための最後の環であり、日米帝国主義は朴槿恵政権末期の状況に乗じて、これを強行したのである。

 ●4章 「日韓合意」に反対する

 韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は、米下院が日本政府に日本軍性奴隷制度問題の公式謝罪を勧告する決議案を採択してから一〇年目にあたり、二〇一七年七月二八日に、「日本軍性奴隷制度被害者たちの人権を韓米日同盟強化と国益の取引手段の犠牲にするな」として米大使館前で記者会見を開き次のように述べた。
 「私たちは日本軍慰安婦被害者にとって正義の実現が遅れている現在の状態に対して、米国政府の責任を問わざるを得ない」「米国政府は加害者である日本政府が犯罪認定と謝罪・賠償をする姿勢さえ持っていなかったにもかかわらず韓日政府に『慰安婦』合意をそそのかし圧迫した」「このような米国政府の姿は被害者に人権回復の権利をきちんと要求できなくさせ、放棄することを圧迫したのと変わりない」「韓日合意の無効と被害者の要求が実現されるようにするために米国政府および国際社会の不当な圧力ではない、正義に満ちた連帯と協力を要求する。日本軍性奴隷制度被害者たちの人権回復活動を韓米日同盟強化の妨害物として扱う『金』中心の社会に対して『人権』と『個人の尊厳性』の価値が尊重されうる、そのような解決を要求」すると述べ、日韓両政府が二〇一五年「慰安婦合意」を即刻破棄し、国際機構が勧告する関連者の処罰、被害者の名誉棄損防止などを通じてアジア全体の被害者の人権が真に回復されるよう支援することを米国政府に要求している。
 韓国の日本軍性奴隷制度被害者たちは、朝鮮民主主義人民共和国はもちろん、アジアと世界の日本軍性奴隷制度被害者と連帯すると共に、韓国において米韓軍事同盟のもとで人権を蹂躙されてきた(今もされている)基地村女性たちに連帯して韓国政府そして米国の責任と謝罪、賠償をもとめて共に闘っている。

 ●5章 日帝―安倍の犯罪的主張を許すな

 平昌で文在寅大統領に「慰安婦合意」の履行を迫り、オリンピック期間中の米韓合同軍事演習を中止すべきでないと迫った安倍のふるまいは破廉恥を通り越して犯罪的だ。そこに滲むのは米国への従属などではなく、朝鮮半島の民衆が憂慮するとおり、米軍との共同出動を通じて再び朝鮮半島に自衛隊(日本軍)を上陸させようという熱望だ。私たちは一九九一年日本軍性奴隷制度被害者たちが沈黙を破って立ち上がったのは日本の軍事大国化と自衛隊の海外派兵が大きな契機となったことを片時も忘れず闘わなくてはならない。

 

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