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   本の紹介『救援ノート』新版

    ―逮捕される前に読んどく本―


    
                 

 本年四月一四日に『救援ノート』新版が発行された。本稿は、『救援ノート』新版の以前の版との違いについてまとめたものである。
 ベトナム反戦―安保沖縄闘争や全国学園闘争が燃え上がっていた一九六九年九月に初版が発行されて以降、『救援ノート』は、情勢の変化に対応するため、これまでいくつかの改訂版が出されており、国家権力と闘う活動家の必読の書として、現在にいたるまで読み継がれている。
 森友・加計疑獄に示される数々の権力私物化や、「数の驕り」による反動諸立法の強行採決連発など、腐敗しきった安倍独裁政権に対する労働者階級人民の怒りは高まっている。しかし安倍はいまだ政権の座に居座り、改憲と戦争攻撃を強めている。またそれと一体に、新捜査手法導入や共謀罪の強行制定など、司法制度の戦時的改悪攻撃を強行し、労働者階級人民のあらゆる抵抗を根絶しようとしている。
 今夏には辺野古の海への土砂投入阻止決戦、反対同盟市東孝雄さんの農地強制執行阻止の決戦が、来年には天皇代替わり攻撃、二〇年には東京オリンピックが迫っている。いまだ安倍は二〇年改憲をあきらめてはいない。二〇年を節目とした階級決戦的情勢はさらに煮詰まってくる。それに伴って、権力弾圧の激化は必至だ。このような情勢のただなかにおいて、『救援ノート』新版が発行されたのは時宜を得たものといえるだろう。
 ともに闘う同志・友人のみなさんが、二〇年に至る決戦的攻防を闘いぬくために、『救援ノート』新版を使った反弾圧学習会を組織し、国家権力の不当弾圧と闘う意思統一を進めていくことをよびかける。

 ●①横書き表記に変更された

 新版を手に取ってすぐ気がつくのは、体裁がこれまでの縦書きから、横書き表記へと変わっていることだ。機関紙『救援』五八八号(二〇一八年四月五日号)紙上では、「イメージを一新するため」としか書かれてはいないが、二〇〇〇年以降、学校で使用されている教科書の多くが横書き表記へと変更されており、新たに運動に参加した青年・学生にとっては、『救援ノート』新版の横書き表記は、より読みやすくなったのではないだろうか(裁判所の発行する文書も二〇〇一年一月から、すべて横書き表記へと変更されている)。

 ●②完全黙秘の闘いが中心の構成に

 『救援ノート』新版は以下の六部構成になっている。
 第一部 逮捕されたとき―完全黙秘で権力と闘おう
 第二部 起訴された場合
 第三部 弾圧との闘い 「新捜査手法」と共謀罪 警備公安警察とは 捜索・押収に対して 職務質問・任意同行・所持品検査 盗聴その他
 第四部 保安処分・入管施設との闘い
 第五部 家族の皆さんへ
 第六部 救援活動
 付録 書式例など
 全体で六部構成なのは、以前と同じだが、その構成や内容はかなり変わっている。

(注)『救援ノート』第九改訂版(二〇一一年)の構成
 第1部 弾圧との闘い
 第2部 逮捕された時
 第3部 黙秘で闘おう
 第4部 家族の皆さんへ
 第5部 救援活動
 第6部 留置場での体験

 以前の版では第三部で扱われていた、「逮捕されたとき―完全黙秘で権力と闘おう」が『救援ノート』新版では、第一部に変更されている。この理由について、『救援』紙上では「救援連絡センターはこれまでの活動の蓄積から権力と闘うための最強の武器として完全黙秘の闘いがあると確信していますので、そこを中心にしました」(『救援』同号)と述べている。つまり、『救援ノート』新版は、被疑者として不当弾圧された時、「いかに闘うのか」ということに、より重点を置いたということだ。
 また、以前の版では「逮捕されたとき」と「黙秘で闘おう」がそれぞれ独立して部として構成されていたが、新版では第一部の中に一つのものとしてまとめた形になっている。これによって、被疑者として逮捕された時に、事態はどのように推移し、これにどう対処していくべきなのかが、一連の流れとしてより把握しやすくなったといえるだろう。
 また新版第一部では、この間、指紋採取方法が手を押さえつけてスキャナーで読み取る方式に変更されていることや、一六年四月から警視庁において、被疑者の顔写真撮影の際に3Dカメラが使用されていることなど、警察権力の個人情報の蓄積・保管方法の変化についても触れられている。また、リトマス紙のようなものを口に含ませたり、血液や毛根を採取したりなど、DNA情報採取を目的とした新たな個人情報取得方法について注意喚起している。これらは本当は令状に記載がなければ採取できないのだが、警察は情報収集目的にウソを並べ立てて採取しようとしてくるのだ。
 自分が「被疑者」となった場合、警察権力に極力個人情報を渡さないことが基本原則だ。そのためにも、権力の新たな収集方法を事前に把握しておき、対処の仕方を知っておくことは極めて重要なことだといえる。

 ●③司法取引への対策

 二〇一六年の刑事訴訟法改悪によって司法取引が合法化され、本年六月一日より施行された。司法取引とは取り調べの際に捜査官によって「おまえの罪を軽くしてやるから、仲間を売り渡せ」という攻撃だ。これまでも転向強要に屈服し、権力のでっちあげストーリーを認めて仲間を売り渡した者に対し、罪を軽くするなどの〝便宜供与〟は行われていたが、これが合法化されたことが重要だ。司法取引制度導入によって、えん罪は確実に増加していく。『救援ノート』新版では、司法取引を持ち出されても絶対に応じず、完全黙秘で闘うことが呼びかけられている。
 司法取引制度は施行されたばかりであり、現在のところ事例としてあげられていないが、権力側は今後、この司法取引を利用し、ねつ造した「犯罪ストーリー」のもとに組織的犯罪をでっちあげ、逮捕した被疑者を転向・屈服させた上で、運動や組織を丸ごと破壊しようとしてくるだろう。司法取引に対する構えは、完全黙秘・非転向以外にありえないという『救援ノート』新版の結論に全面的に同意する。

 ●④「新捜査手法」と共謀罪対策

 二〇一六年の刑事訴訟法改悪では司法取引制度以外にも、警察による盗聴範囲の大幅拡大や、「取り調べ一部可視化」(部分的録音・録画)などが強行された。また、一七年六月に強行制定された共謀罪(同年七月一一日施行)についても新版では触れられており、日帝―安倍政権のもとで進む、戦争と改憲に向けた治安弾圧攻撃=戦時型司法への改変についてしっかり押さえられている。
 通信傍受法(一九八九年制定)は、これまで組織的殺人など四罪種に限定されていたものが、殺人、傷害、放火、詐欺、窃盗、強盗、恐喝、監禁などにも拡大された。「取り調べ一部可視化」については、今市事件判決に明らかなように、被疑者の「自白」部分のみが裁判で証拠として上映され、裁判員に対し、被疑者「クロ」の印象操作へと利用された。逆に取り調べ官による暴言・暴行や利益誘導の場面は録画されなかった。取り調べの部分的録音や録画は、捜査側の都合が良いように利用されているのである。
 これらの治安弾圧攻撃激化の実態について、『救援ノート』新版では、第三部「弾圧との闘い」にまとめて記載されている。第三部には、他にも家宅捜索の際に押収されるパソコンや、電子メールなどについての日常的な運用方法などについてアドバイスがされている。権力側の治安弾圧攻撃の具体的変化を把握し、それに対応した闘う側の日常的な反弾圧の構えを『救援ノート』新版を使って学習していく必要があると感じた。
 以上大ざっぱに『救援ノート』新版の変更点をあげてみた。『戦旗』読者の皆さんが、この機会にぜひ新版を手に取り、今一度完黙・非転向の絶対原則のもと、ともに権力弾圧と闘うことを呼びかけたい。「逮捕されたことのない人は、逮捕されたらどうなるのかを知るためにぜひ読んでください。逮捕されたことのある人は、次に逮捕されたらより強く獄中で闘うための武器として読んでくれたらいいと思います」(『救援』同号)。

      発行・救援連絡センター 一冊五〇〇円


 

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